エルガー:「威風堂々」【聴いてみよう】Elgar: Pomp and Circumstance Marches, Op. 39

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エルガー:「威風堂々」【YouTube】

エルガーの威風堂々第1番は、英国のBBC放送主催のプロムスにおいて演奏されるのを聴くのが感動します。アルバートホールで、指揮者のタクトに合わせ、聴衆のみなさんが歌っておられる感興を体験されてはいかがでしょうか。
出典:YouTube Elgar: Pomp and Circumstance | BBC Proms 2014 – BBC BBC Sakari Oramo BBC Symphony Orchestra サカリ・オラモ BBC響 2014年のプロムスでの模様です。エルガー「威風堂々」第1番

出典:YouTube Elgar – Coronation Ode – 6 – Land of Hope and glory (Proms 2012) Mandetriens
BBC Proms 2012 2012年のプロムスの模様です。戴冠式頌歌「希望と栄光の国」です。

エルガー:「威風堂々」【名盤・おすすめ】

バリー・ワーズワース ロイヤル・フィル 🙂

エルガー:「威風堂々」第1番 バリー・ワーズワース ロイヤル・フィル 2011年
Elgar: Pomp and Circumstance, March Barry Wordsworth Royal Philharmonic Orchestra

ワーズワースさんの演奏は、スピード感のあるサッパリ系です。しかし第1番を聴いてみると、中間のサビ部分は少しタメ感を持って演奏しています。必要以上には歌わないですが、これぐらいが21世紀の威風堂々かもしれませんが、やっぱ、ちょっと速いですね。
CDカップリング:エルガー 序曲コケイン、エニグマ変奏曲、威風堂々第1番~第5番 2011年録音 出典:YouTube Pomp and Circumstance, Op. 39: No. 1 in D Major Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by NAXOS of America

アンドルー・デイヴィス BBC交響楽団 😘

エルガー:「威風堂々」第1番 アンドルー・デイヴィス BBC交響楽団 2011年
Elgar: Pomp and Circumstance, March Andrew Davis BBC Philharmonic

アンドルー・デイヴィスさんの演奏は、さっぱり系です。BBC響にとっては、もちろん十八番だと思います。
出典:YouTube CDカップリング:エルガー チェロ協奏曲 チェロ:ポール・ワトキンス、序奏とアレグロ、弦楽のためのエレジー、威風堂々第1番~第5番 2011年録音 出典:YouTube Military Marches, Op. 39 “Pomp and Circumstance” アンドルー・デイヴィス – トピック Provided to YouTube by PIAS

ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 😆

エルガー:「威風堂々」第1番、第4番 ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1990年
Elgar: Pomp and Circumstance Marches Giuseppe Sinopoli Philharmonia Orchestra of London

第1番と第4番 シノーポリさんの演奏は、驚くほど速く、熱く演奏されています。厚みのある金管は、うるさいぐらいで~ バタバタと、とっちらかった感じがしないでもありません。典雅な感じからは遠く、勢いで行っちゃいました~のようです。中間部のご存知の旋律は、さすがに伸びやかで朗々として、タメ感もありますが、英国紳士というより、テンガロンハットの西部劇のジョン・ウェインさんのよう。

第4番の中間部分のサビ、優美です。シノーポリさんの濃厚な演奏が、こってり系スパイスのように効いています。サビだけでも、もうメロメロになってしまいました。カンタービレ調のところは、イタリア人に任せて~とばかりに歌っています。ここがイタリアとイギリスの違いなのでしょうか。予想以上の歌いっぷりでした。出典:YouTube Elgar: Pomp and Circumstance, Op. 39 フィルハーモニア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル 😘

エルガー:「威風堂々」 第1番~第5番 アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル 1985年、86年
Elgar: Pomp & Circumstance Marches André Previn Royal Philharmonic Orchestra

第1番 威風堂々の第1番は、イチバン有名な曲です。威風堂々って言えば、この曲! プレヴィンさんの演奏は、響きがソフトです。エルガー独特のノビルメンテ(高貴)さが感じられる演奏です。小太鼓がスマート、金管はトリオ部分、演歌でいうとサビの部分で、長めのフレーズで豊かに鳴り響いています。

第2番は、勇壮なホルンで、騎馬隊が走っていくような雰囲気があります。短調だからか、第1番とは、うってかわって、牧歌的で、田舎の駐屯地のマーチっぽく感じます。第3番はスルーして、第4番は、快活で華やか。トランペットの短いパッセージが活き活きしており、サビのチチューバは、蒸気機関車のような力強さです。ホルンが軽やかに吹かれ、繰り返されて一段と華やかに。

第5番は、1番から4番の作曲から、20年以上経て作曲されています。ので、作風が変わったみたい。テンポが速く、ミュージカル映画のように聞こえます。弾んで飛び跳ねて登場という感じです。秋風のように感じられます。第6番は未完で終わってしまい、後に補筆されているとのことです。CDカップリング:エルガー エニグマ変奏曲1986年、威風堂々 1番~5番 1985年 出典:YouTube Elgar: Pomp and Circumstance Marches, Op. 39 Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

ゲオルク・ショルティ ロンドン・フィル 😅

エルガー:「威風堂々」 ゲオルク・ショルティ ロンドン・フィル 1976年
Elgar: Pomp and Circumstance Marches Georg Solti London Philharmonic Orchestra

ショルティさんの演奏は、シカゴ響演奏かと思うほど、金管の大迫力にびっくりします。ストレート勝負の威勢の良い豪腕ピッチャーのようです。ノーブルな気品のある演奏を聴きたいのであれば、ちょっと~。苦笑気味になるかもしれません。金管の咆吼は、キラキラと輝き、やったぜーっという力強いノリ感で吹かれており、ダイナミックです。威風堂々の第1番は、めいっぱいリズムに乗って金管が吹かれており、シャンシャン、バンバンバン おらが国の国歌だぁ~って感じにブラス軍団が頑張っています。英国というより合衆国国歌を聴いてる錯覚に陥ります。

CDカップリング:ホルスト 組曲「惑星」(1978年)、エルガー「威風堂々」1番、2番、4番 出典:YouTube Elgar: Pomp and Circumstance Marches, Op. 39 London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

エイドリアン・ボールト ロンドン・フィル  😅

エルガー:「威風堂々」第4番 エイドリアン・ボールト ロンドン・フィル 録音年?
Elgar: Pomp and Circumstance, Marchs Adrian Boult London Philharmonic Orchestra

ボールトさんの演奏は、かなり古めの録音です。レガートを多用した演奏で、紳士的な優しさ、まろやかです。ちょっと古いタイプの演奏かもしれませんが、すっと高揚していき、ノスタルジックな雰囲気を醸し出す手腕には一目置かないと行けませんね。途中、ティンパニーが人工的な音で、まるで盥(たらい)を叩いたみたいで、吹き出してしまいますが(失礼)ご愛敬です。出典:YouTube Elgar Pomp and Circumstance Marches, Op. 39: No. 1 in D No. 4 in G London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

戴冠式頌歌「希望と栄光の国」

戴冠式頌歌「希望と栄光の国」 フィリップ・レッジャー ニュー・フィルハーモニー管弦楽団
Elgar: Coronation Ode, Land of Hope and Glory Philip Ledger The Philharmonia Orchestra

威風堂々の第1番の中間部分に、歌詞をつけた演奏です。アレンジ(編曲)で、これほど壮大になるものか~っと、度肝を抜かれた演奏です。これはスケールが違いますね。アルバートホールで収録したと思われ、とにかく巨大ホールでの収録ならでなの広さがあり、ジャンジャカ ジャンジャカ鳴ってきます。パイプオルガン入り。壮大です。出典:YouTube Coronation Ode, Op. 44: VI. Land of Hope and Glory フィリップ・レッジャー – トピック Provided to YouTube by Warner Music Group – X5 Music Group

毎年夏、ロンドンで開催されているザ・プロムス(BBCプロムナードコンサート)において、オケと一緒に、アルバートホールの座席から立ちあがり、意気揚々と、みんなで歌っているのを拝見すると、羨ましい気分になります。歌詞は次のとおりです。

Land of Hope and Glory,
Mother of the Free,How shall we extol thee,
Who are born of thee?
Wider still and wider Shall thy bounds be set;
God, who made thee mighty,
Make thee mightier yet
God, who made thee mighty,
Make thee mightier yet.

希望と栄光の国 其は自由の母よ 汝をいかに称えようか?
汝より生まれたのは誰であろう? 広く、一層広く 汝の土地はなるべし
神、汝を偉大たらしめし者 もっと、汝を偉大にせよ 
神、汝を偉大たらしめし者 もっと、汝を偉大にせよ

エルガー:「威風堂々」【解説】

エルガーの「威風堂々」(作品39)は、第1番から第4番までは1901年~7年に、第5番は1930年に作曲されています。原題 “‘Pomp and Circumstance” は、シェイクスピアの戯曲「オセロ」第3幕第3場の台詞 ”Pride, pomp and circumstance” 「誉れも、飾りも、立派さも」から取られているのだそうです。

特に、第1番が有名で、エドワード7世から歌詞をつけてほしいという要望に従い、翌年、国王のための「戴冠式頌歌」(Coronation Ode)を作曲し、終曲「希望と栄光の国」(Land of Hope and Glory)に、この行進曲の中間部の旋律を用いたとのことです。今では、第二の国歌のように親しまれている作品です。第二のイギリス国歌として親しまれています。BBCプロムスの動画をぜひ!誇り高く歌う姿に感動。

エルガー:「威風堂々」【ディスク情報】

不明  エイドリアン・ボールト ロンドン・フィル
1976年 ゲオルク・ショルティ ロンドン・フィル Dec
1985年 アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル Ph
1990年 ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 G 1番・4番
2011年 アンドルー・デイヴィス BBC交響楽団 CHANDOS
2011年 ワーズワース ロイヤル・フィル RPO

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