ドビュッシー:ベルガマスク組曲【聴いてみよう】Debussy: Suite bergamasque, L. 75

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ドビュッシー:ベルガマスク組曲【YouTube】

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 チョ・ソンジン 第3曲「月の光」 出典:YouTube Seong-Jin Cho – Debussy: Suite bergamasque, L.75: III. Clair de lune Deutsche Grammophon – DG ピアノ:チョ・ソンジンさん Seong-Jin Cho(2015年ショパン・コンクールの優勝者)この柔らかくて繊細なピアノ演奏を聴くと、余韻のなかで音がくるくる舞っているかのようです。妖精になって一緒に回りたい~ そんな気持ちになります。

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 ファジル・サイ 第3曲「月の光」 ピアノ:ファジル・サイさん 2019年 スイス、ベルン州ザーネン教会でのライブ演奏です。身ぶり手ぶりがすご~い。教会の天井へと、ピアノから出てくる音を舞わせているみたい。思わず笑いをこらえて見とれてしまいました。偉大なピアニストは、パフォーマンスも個性的で一流です。出典:YouTube Fazil Say | Claude Debussy: Clair de lune Gstaad Menuhin Festival & Academy

ドビュッシー:ベルガマスク組曲【名盤・おすすめ】

スティーヴン・オズボーン 🤩

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 スティーヴン・オズボーン 2021年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Steven Osborne

ドビュッシーの初期&後期作品集とタイトルされたCDで、作品番号順に小品を並べた企画です。全体的に、軽やかすぎるほど軽く速め。さらっとした風合いです。ぽわん~としたい時につい聴いてしまう「月の光」ですが、精緻で、精密な描き方で、気持ち良さを醸し出します。月の映った湖面の波が、絵画のなかで、一筋ずつ描かれ、月の光が反射している感じなのですが、冷たくなく、暖かみのある響きが出てきます。

CDカップリング:ドビュッシー ボヘミア風舞曲、マズルカ、二つのアラベスク、夢想、ロマンティックなワルツ、スラヴ風バラード、ベルガマスク組曲、スティリー風タランテラ、夜想曲、忘れられた映像、コンクール用小品(L117)、ハイドンを讃えて、ケークウォーク、戦傷者の衣服のための小品(L141)エレジー、燃え炭火に照らされた夕べ(L150)2021年録音 出典:YouTube Debussy: Suite bergamasque, CD 82 Steven Osborne – トピックProvided to YouTube by Universal Music Group

アレクシス・ワイセンベルク 😄

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 アレクシス・ワイセンベルク 1985年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Alexis Weissenberg 

ワイセンベルクさんの演奏は、超快速で、颯爽と時空を駆け抜けていきます。クリアな響きで、すきっとした空に浮かぶ仲秋の名月を愛でているかのよう。曲想に対する意思がハッキリしています。痛快な明確なタッチで、指の腹でなでるように奏でるのではなく、真下に打ち込まれるような強い打音です。弱音部分の音は、クリスタルな粒立ちの良さ。鮮やかさが際だっています。迷いなく正確に打ち込んで行く強い意思、屹立とした組曲が始まります。

第2曲のメヌエットも、午睡できません。シャキシャキ・・・眼がしっかり開いてて、迷いのない強靱な気持ち。よそ見をしちゃ~ダメと言われるぐらいに、まっすぐ一直線に歩いていきます。メチャ快速です。ひぃっ~。こりゃ~ メヌエットというより行進曲じゃん。有無を言わせない圧があって、強制的じゃんと思いつつも、ついて行きます。

もちろん、第3曲の「月の光」も、ぼわっと、浮いているようなお月様ではございません。冷静でクリア。秋の静まりかえった夜、湖面の縁で、シーン。独り湖面を見ているそんな感じです。理論的で哲学っぽく内省的です。ベロフさんのピアノのように、ふんわかもしていないし、乳白色系の柔らかい光でもなく、仲秋の名月を独りで愛でてる感じ。もっと空気は冷たいけど。まあ、ちょっと寂しいけど、とっても綺麗です。

続く第4曲「パスピエ」は、もちろん超快速です。弾んで、弾んで、飛んでいっちゃう。左手は、ぽこぽこ伴奏してるんですけどねえ。そこに、揺れて流れる旋律を描くのはベロフさんですが、ワイセンベルクさんは、ぽっこぽっこ。でも、ジャズっぽく即興的で、これはこれで~ むふふっ。チャーミングに、さらっと終わります。えっ、これで組曲が終わった。唖然としている間に、次の「子供の領分」のグラドゥス・アド・パルナッスム博士の階段を昇るフレーズが流れてきます。あはは、痛快でした。

CDカップリング:ワイセンベルク ドビュッシーピアノ名曲集 版画(全3曲)、組み合わされたアルペジオ(練習曲集より)、ベルガマスク組曲(全4曲)、子供の領分(全6曲)、亜麻色の髪の乙女(前奏曲第1巻より)、喜びの島、レントより遅く 出典:YouTube Debussy: Suite bergamasque, L. 75 アレクシス・ワイセンベルク – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジャック・ルヴィエ 😄

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 ジャック・ルヴィエ 1985年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Jacques Rouvier 

1 プレリュード(前奏曲) ルヴィエさんのドビュッシーは、明るく透明度が高いです。タッチが明瞭でクリア。ドビュッシーの演奏は、くぐもった響きがするとワタシは思っているのですが、ルヴィエさんのピアノは、色彩豊かで響きが澄ました感じで出てきます。くぐもった感じがするのはベロフさん。クリアなのはワイセンベルクさん。そして、ルヴィエさんのピアノは、明るい青空のもとで爽やか。涼しげな風が吹いてくるような乾いた音がします。

南欧風って言うか、イタリアの抜けるような青空の元で弾かれているような演奏です。弾む音が、とても綺麗で流麗。華やかすぎると感じる方もおられるかも。高音域の余韻が、煌びやかに響き、音が飛んでくるようなリズミカルさ。1985年録音とは思えないほど、透明度が高い響きです。

2 メヌエット
これも明るくてヌケの良い音が響いてきます。コロコロと転がる音の玉が、楽しい舞曲を描きます。音が、「とっとら とっとら~」と、口のなかで、音が弾むように転がっています。楽曲によっては、ニュアンスが単調だと言われそうですが、いえいえワタシは楽しいです。打ち込みの強さ(打音の強さ)は、ヘタをすると、煌びやかすぎると言われるかもしれませんが、柔らかなフレーズのところは、すーっと横に広がる感じがして綺麗です。

3 月の光
適度にスピード感があって、暖かい音の響きがします。左手の沈む音と柔らいタッチで、タメ感もあります。タメ過ぎないタメ感で、流れで適度に堰き止められています。ストイックすぎないでところが好ましいでしょうか。自然な木漏れ日的な響きで、前半は、少し雲に隠れそうになっている月ですね。

中間部以降は、高音域のパラパラ~っとした響きが出てきます。光線の煌びやかさ、ひんやりした光の感覚が、月ならでは~ ちょっとヒンヤリしてきたね。という感じですね。後半は、もわっとした朧月夜って感じではなく、中秋の名月って感じの、すっきり輪郭で映し出された月に変わっていきます。直線的な響きが出てきて、印象が、ちょっと変わるのですが、その表情が変わってくる演出は、匠の技~でしょう。

4 パスピエ
パスピエって、どういう意味なのでしょう。道化師のような感じ? 楽しい楽曲で、こんなに楽しく開放的で良いのかしら。こんなにも、ワクワクする楽曲だったかな。ルヴィエさんの演奏は、とっても弾んでいるのです。ところどころ、はっしょっているような感じがしたのですが、いえいえ、都会的でスマートなんです。すばしっこいというか、コミカルというか、煌びやかで明るくて、オチャメに歌っていますね。あっという間に4曲が終わってしまいました。

透明度の高い録音で、瑞々しい音が響き、楽しく開放的で、明るさがあって、ねえ~聴いて聴いて~と訴えてくる演奏です。月明かりのもとで開催された小さな宴で、最後には、操り人形劇が上演されているみたいです。

CDカップリング:ドビュッシー ピアノ作品全集4枚組BOX(1982年~87年)出典:YouTube Piano lessons Online – Jacques Rouvier – Debussy Clair de Lune iplaythepianoTV Piano lessons ジャック・ルヴィエさんのピアノレッスンの模様です。ベルガマスク組曲は検索したのですが見当たらなかったので、レッスン動画です。★

ミシェル・ベロフ 😙

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 ミシェル・ベロフ  1979年 80年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Michel Béroff

1 プレリュード(前奏曲)
ベロフさんの演奏は、休日の午後に聴くのが好ましいですね。くすんだ音だが、曲想にマッチして、乳白色系「月の光」が聴けます。ドビュッシーのベルガマスク組曲は、古風な教会旋律を元に作曲されており、東洋風というか五音的な響きで懐かしさが漂います。ちなみに、プレリュードはエオリア、メヌエットはドーリア、月の光はミクソリディア旋法だと言われています。

ベロフさんの旧録音は、その昔、定盤中の定盤って感じでした。乳白色系の柔らかい音で、しっかりとした崩し方で和音の響きは、くすんでいるものの、濁らない音という演奏だと思います。音が跳ねているだけでなく、跳ねて落ちるところを見定めて、音が落ちていく感じがします。また、パララパラと、和音の転がる音が可愛いです。

2 メヌエット
鐘が鳴っているような音がありますが、宮廷風の軽やかな舞曲として上品な演奏です。磨かれた彩度の高いピアノの音ではなく、落ち着いた色彩感があります。後半の盛りあがりが美しいですね。綺麗な和音で構成され、適度な粘りもあり、おとなしいけれど、しっかり主張しているという感じでしょうか。和音のコード変換のように、綺麗に盛りあがっていくところがおみごと。

3 月の光
身を委ねていくような流れがあります。極端なルバートをかけず、中庸的な雰囲気がします。ふわーっと上に向かって光が放たれているような気配も。月の光が、乳白色系の柔らかい光となって、注がれている感じでしょうか。音と音の間合いを読む。行間を読んでね~という作品で、情感をためて演奏するよりは、ストイックな演奏、開放感な演奏、どちらが良いのでしょう。一つの音に集約されていくような演奏もあるかもしれません。ベロフさんの演奏は、明晰すぎず、かといって、おぼろ月夜にもならず~ 暖かみのある木製テラスで、椅子にすわって~ ぽわ~っんと、月を観ているような自然体の演奏でしょうか。

4 パスピエ
左手は、初め伴奏的に弾かれています。ドソミソ ドソミソ~ 水が、ちょこっと流れてきては、渦を巻いているような感じで、流れていくところと留まるところがあって、面白い作品です。息づかいが柔らかく、粒立ちを、あまり明瞭にさせずに演奏しているようです。

CDカップリング:ベルガマスク組曲 (全4曲)、2つのアラベスク(全2曲)、子供の領分 (全6曲)、レントより遅く、小さな黒人(かわいい黒人の子供) この盤は旧録音です。ベロフさんの旧盤(ドビュッシー ~月の光~ピアノ名曲集)は、メチャ可愛い時のジャケット写真が掲載されていました。この後、ベロフさんは右手を故障し、一時、休んでおられましたが復活。1990年代中盤に、DENONから新しい演奏CDが出ました。出典:YouTube Suite bergamasque – Claude Debussy Gomez Lucy ★公式ではないので消えるかもしれません。

モニク・アース 🥰

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 モニク・アース 1970年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Monique Haas 

YouTubeで、演奏をさがしている時に、第3曲「月の光」のジャケットを見て、ぎょえーー! なんてことすんのぉ~と思っちゃいました。「YOGA」ってかいな。はあぁぁぁ~(大きなため息を発する)(気を取り直して)まあ、良い時代になったのかもしれません。でも、アースさんのピアノ演奏を、単にリラクジェーションに使うなんて、罰当たりな気がします。このアースさんの絶品の演奏を、気楽に聴けることに感謝しつつ、だから玉石混交になっちまうんだわと、がっくりするんです。

自分の好みを探すには、より多くの演奏に触れる必要があるのにな~ その点、ちょっと残念な気がします。(と、自分を戒める)ベルガマスク組曲といえば、三本の指に入る~ような名演奏です。出典:YouTube Suite bergamasque, CD 82, L. 75 モニク・アース – トピック Provided to YouTube by Erato/Warner Classics

タマーシュ・ヴァーシャリ 🙂

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 タマーシュ・ヴァーシャリ 1969年 
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Tamás Vásáry

ヴァーシャリさんの演奏は、細切れ状態のドビュッシーで、ちょっと別の曲を聴いているかのように感じます。ちょっと冷たい演奏だな~というのが、ワタシの印象です。アクセントとか、フレージングの仕舞い方、テンポの速さとか、まるで違う言語を喋っているように感じます。ヴァーシャリさんの演奏は、速く、音と音の間合いが詰まってて息苦しいですね。ふわっと浮きあがるような、夢幻的な、余韻を楽しむ余裕がありません。

前奏曲は、技巧的には素晴らしいのでしょうが、タメ感が少なめ。メヌエットは速い!リズム感が他の演奏とは違う気がします。月の光は、美しいのですが、ピアニストの頭のなかで、どんな月がイメージされているのか、寂しげで冷たい月なのでしょうか。冬の月なのかな。青白い光のようでもあり、鬱々として翳りのある月の光のようにも思えます。光は、人のつぶやきなのでしょうか。パスピエは、いつもなら聞こえてくる音が、聞こえてこない気がしました。総じて速い演奏で、明晰にすぎるというか無機質というか、ワタシとは相性が悪いようでした。

CDカップリング:ドビュッシー ベルガマスク組曲、スティリー風タランテッラ(舞曲)、アラベスク、ピアノのために、レントより遅く、喜びの島、仮面(マスク)出典:YouTube Debussy: Suite bergamasque, L.75 ヴァーシャーリ・タマーシュ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

サンソン・フランソワ 😅

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 サンソン・フランソワ 1968年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Samson Francois

第3曲「月の光」や第4曲「パスピエ」を聴くと、なかなかの崩し方で、面白さを感じる反面、自由奔放な演奏で、チャーミングではあるけど、正統派ではないんだろうな~という感想を抱いてしまいます。

「月の光」の音が出てくる前に、一瞬、ん・という休憩にあたるような間合いがあります。あはは~ そうくるのかと、内心ほくそ笑んでしまいました。ジャズっぽいリズム感があり、今に通じるノリ感を感じます。ええ? 一音多くないですか~とか、えっ、そこで空間が空くんですか、そりゃアカンでしょとか、突っ込みを入れたくなるような演奏で、うふっ、個人的には好きなんですけどね。

コンクールでこんな弾き方をしたら、予選で落選しそう。有名なピアニストになってから、崩して弾いてくださいね~と言われそうです。でも、この演奏をしているピアニストは誰でしょうという、ピアニストの名前をあてるクイズで出題されたら、「フランソワさん!」と、正解を出してもらえそう。そんな演奏ですね。出典:YouTube Suite bergamasque, CD 82, L. 75 サンソンフランソワ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ウェルナー・ハース 😄

ドビュッシー:ベルガマスク組曲 ウェルナー・ハース  1961年
Debussy: Suite bergamasque, L. 75 Werner Haas

ウェルナー・ハースさんの演奏は、芯がしっかりしているのですが、とても優しい音色がします。フランス印象派のピアニストという感じがしますが、恩師がワルター・ギーゼキングさんだったという影響があるのでしょうか。いわゆるドイツくさくない気がします。とろんとした音で、横に流れる風でもなく、粒が立って煌びやかなクリスタル調の音色だけでもなく、調和が整っています。

第2曲「メヌエット」では、スッパリした口調で、キッパリ弾かれているところがありますが、全体的には、響きは明瞭なのだけど、ところどころ秘めたる感情が見え隠れします。3曲「月の光」は、間合いのある余韻で聴かせる演奏です。清々しい音、鋭いクリスタルな音、柔らかい音が共存していて、それぞれが沁みてきて、聴いててとても嬉しくなってくる演奏です。第4曲「パスピエ」は、オチャメなのですが、稚拙にならず、大人になりかけの青年のような若々しさが感じられます。ラストにかけて遅くなって、フェードアウトするところが美しい~。

出典:YouTube Debussy: Suite bergamasque, L.75 – 3. Clair de lune ヴェルナー・ハース – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ドビュッシー:ベルガマスク組曲【解説】

ドビュッシーのベルガマスク組曲は、1890年ごろに作曲されています。(1905年に改訂版が出版)「ベルガマスク」という名前の由来は、ローマ大賞受賞後、イタリアのベルガモ地方に行った時に、その風景等をもとにして構想を練ったからとか~ 諸説あるようです。

「ベルガマスク(「ベルガモの」、あるいは「ベルガモ舞曲」の意)」は、ポール・ヴェルレーヌの詩集「艶なる宴」(Fêtes galantes )に収録されている詩「月の光」(Clair de lune )”Que vont charmant masques et bergamasques”
(現われたる艶やかな仮面喜劇者たちとベルガモの踊り子たちは)という一節に使用されている言葉だそうです。

また、これに基づく、フォーレの歌曲「月の光」(1886年-1887年)があり、伴奏の一部に似た音形が「ベルガマスク組曲」の「前奏曲」に登場することもあって、ヴェルレーヌやフォーレの作品を意識したようだと言われています。

1 前奏曲 Prélude ヘ長調、Moderato、4分の4拍子:冒頭部分は旋律と低音が反進行する形で進み、中間部では教会旋法の一種であるエオリア旋法で書かれています。

2 メヌエット Menuet イ短調、Andantino、4分の3拍子:冒頭部分のスタッカートを中心とした軽快な主題は、教会旋法の一種であるドリア旋法で書かれています。

3 月の光 Clair de Lune 変ニ長調、Andante très expressif、8分の9拍子:ピアニッシモで演奏される夜想曲で、優しく切ない曲想で有名です。中間部の優雅な旋律は、教会旋法の一種ミクソリディア旋法が採用されています。当初のタイトルは「感傷的な散歩道(Promenade sentimentale)」だったそうです。

4 パスピエ Passepied 嬰ヘ短調、Allegretto ma non troppo、4分の4拍子:バロック舞曲によるもので、一般的にパスピエは8分の3拍子ですが、ここでは4分の4拍子 当初のタイトルは「パヴァーヌ(Pavane)」一般的に4分の4拍子 だったそうです。

ベルガマスク組曲は、ドビュッシーの有名なピアノ曲の一つで、とても人気の高い作品です。自由な形式で作られており、古風な教会旋法が基本にあります。遺跡に立って空想するようなロマンが感じられ、時空間の不思議な感覚があるのも教会旋法ゆえでしょう。ピアニストも聴く人も、自分の描くイマジネーションのなかで、自由に遊ぶことのできる作品ではないでしょうか。第3曲「月の光」は、夢のような詩的な曲です。美意識を磨いて、パワーを高めちゃいましょう。

ドビュッシー:ベルガマスク組曲【ディスク情報】 

1953年 ヴァルター・ギーゼキング WARNER
1961年 ウェルナー・ハース Ph 
1968年 サンソン・フランソワ EMI 
1969年 タマーシュ・ヴァーシャリ G 
1977年 パスカル・ロジェ Dec 
1970年 モニク・アース E 
1979年 ミシェル・ベロフ EMI 
1981年 ペーター・レーゼル BERLIN
1983年 ゾルターン・コチシュ Ph 
1985年 ジャック・ルヴィエ De 
1985年 アレクシス・ワイセンベルク G 
1991年 アルド・チッコリーニ E
1995年 リーヴィア・レーフ HYPERION
1995年 ミシェル・ベロフ De 
1996年 ゾルターン・コチシュ Ph
2001年 セルジオ・チオメイ DYN
2005年 アラン・プラネス HM
2008年 ジャン=エフラム・バヴゼ CHANDOS
2011年 アンジェラ・ヒューイット HYPERION
2015年 マイケル・コルスティック HANSSLER
2017年 ヴァネッサ・ベネリ・モーゼル Dec
2017年 チョ・ソンジン G
2018年 ニコライ・ルガンスキー HM
2021年 スティーヴン・オズボーン HYPERION

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