シベリウス:交響曲第1番【聴いてみよう】Sibelius: Symphony No.1 in E Minor, Op. 39

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シベリウス:交響曲第1番【YouTube】

シベリウス:交響曲第1番 エサ=ペッカ・サラステ オスロ・フィル 2009年コンサートの模様。40分25秒の動画です。Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Jukka-Pekka Saraste 出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 1 – Jukka-Pekka Saraste & Oslo Philharmonic Orchestra

シベリウス:交響曲第1番【名盤・おすすめ】

クラウス・マケラ オスロ・フィル 😍

シベリウス:交響曲第1番 クラウス・マケラ オスロ・フィル 2021年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Klaus Mäkelä Oslo Philharmonic Orchestra

クラウス・マケラさんは、1996年フィンランド生まれ。で、若くしてパリ管弦楽団の音楽監督、27年からコンセルトヘボウの首席指揮者になるらしい。へええ~と驚き、サブスクを利用すると決めてCDを整理しようと思っているところに買ってしまったCD・・・ボツボツ聴き始めたところです。旋律を適度に歌わせ、透明度も高いし、美しいフレージングです。ラストの楽章は、かなり走って行きますが、金管の力強く逞しさを感じつつ、嵐のなかをストレートに進もうとしている意思の強さを感じます。金管の咆哮は明るく、シャンシャンとシンバルも入ってて、怒濤のごとく。

単にヤワな演奏ではなかった~と、ちょっと喜んでしまいました。なにより、新しい演奏が出てきたのは、超嬉しいので、これから聴いて行きたい指揮者の一人です。期待を込めて聴いていきたいですね。後期にかけての交響曲を聴くのが楽しみです。まあ、1番、2番は、たいてい、それなりに聴けちゃう曲なので、無難に良い演奏だったと思います。

CDカップリング:シベリウス交響曲全集、交響詩タピオラ、3つのフラグメント 出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 🙄

シベリウス:交響曲第1番 サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 2002年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Sakari Oramo City Of Birmingham Symphony Orchestra

オラモさんの演奏は、うすぼんやりしててインパクトに欠けます。録音状態がイマイチ良くなかったので、せっかくコツコツ集めたCDだったのに、恨めしく思ったことを思い出してしまいました。第1楽章は、ティンパニーの荒々しさと、シンバルの激しい一撃など、怒濤の雰囲気が出ています。

しかし、終結部近くになると、この怒濤は、単に粗っぽい様相だったんだと露見しちゃった感じです。特に、弦のピチカート部分は、奥まって、もわもわ~っ。もっとデリケートに歌って欲しいのですが、フレーズ全体が細切れでしょうか。ところどころ、首をかしげたくなる場面があり、録音状態によるのかもしれません。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第1番、交響曲第3番、交響詩フィンランディア 出典:YouTube Symphony No.1 in E minor Op.39 サカリ・オラモ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

パーヴォ・ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団

シベリウス:交響曲第1番 パーヴォ・ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 1997年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Paavo Berglund Chamber Orchestra of Europe

ベルグルンドさんの演奏は、交響曲全集として三種類ありますが、いずれも評価の高い演奏です。このヨーロッパ室内管とはラストの全集ですが、小編成であることを活かし、とても緻密で暖かい音で演奏されています。
出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia

オスモ・ヴァンスカ ラハティ交響楽団 😱

シベリウス:交響曲第1番 オスモ・ヴァンスカ ラハティ交響楽団 1996年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Osmo Vänskä Sinfonia Lahti (The Lahti Symphony Orchestra)

ヴァンスカさんの演奏は、とても録音状態が良く、リズミカルで透明感があります。しかし、シベリウスの世界で凍死しそうになるほど、バシャンっと稲光が光り雷に打たれたような気分に~ すごい強烈っな演奏です。漆黒の闇のなか、し~んとした雪の夜、降り積もった雪、まっしろな銀世界のなかで、稲光が光ったと思った瞬間、雷に打たれるかのような凄まじい迫力があります。ヴァンスカ盤の特徴は、ティンパニーの鋭い炸裂音なのです。しばし、恐怖に凍えてみてください。

マジで、白目むいて、ひ~っ!って叫びそうな雰囲気を与えます。第2楽章も猛烈に早いので、少し音が崩れそうなスリリンがあり精悍で強烈。弦のユニゾンでは、しっかり歌うという泣けそうなほどに落差の激しいもの。心理的に良くない演奏で、厳しさ、鋭さに関しては、ぶっちぎりのダントツ一位でしょう。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第1番と4番 全集でも購入可能です。出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Timo Saarenpää – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 🙄

シベリウス:交響曲第1番 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 1994年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Colin Davis London Symphony Orchestra

C・デイヴィスさんの演奏は、ちょっと緩い感じがします。ヴァンスカさんの演奏を聴いた後に聴いてしまったからかもしれませんが、うーん、若い頃の演奏とは異なり、ちょっと穏やかですね。出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Sir Colin Davis – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal 

ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第1番 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1994年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Herbert Blomstedt San Francisco Symphony

ブロムシュテットさんの演奏は、みため、さっぱり系なのですが、随所にコクがあり、激しさと心の豊かさの両面を持ち合わせています。リアル感もたっぷり~ 熱い。思いのほか熱い演奏です。ふわっとした暖かみのある空気感ですが、奥まったところから、ジワジワ~っときます。

第4楽章では、シャンシャン鳴らしながら、強烈な金管、ごごごぉ~っと転がって、ティンパニと大太鼓が激しくなり、割れそうな金管の音の怒濤の攻撃が始まります。でもね~ どっか柔らかいのです。パイプオルガンのように、低音の響きを伴って、弦がユニゾンで歌を歌っていくところは、とても大らかです。奥行きと低音の力強い響きが楽しめました。ブロムシュテットさんの演奏は、思いのほか熱い演奏です。

第3楽章のリアル感は、ヴァンスカさんの演奏がダントツですが、ブロムシュテットさんの演奏も、かなりリアル感があります。しかし、ラストの歌いっぷりは暖かく、満喫できます。CDカップリング:シベリウス 交響曲第1番 1994年、交響曲第7番 1993年 出典:YouTube Sibelius: Symphony No.1 in E minor, Op.39 San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group

ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 🙄

シベリウス:交響曲第1番 ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Jukka-Pekka Saraste Radion sinfoniaorkesteri
★ 第1楽章のみの掲載です。

サラステさんの若かりし頃のライブ演奏です。少し録音が、こもり気味。熱気はあるのですが、軽量級です。春の到来の喜びというよりも、初夏の香りが漂うという感じで、爽やかです。ティンパニの打ち込みは鋭く、スピードアップされており、炸裂した感じではありませんが、なかなかに怖いものです。

第2楽章は、泥臭い民謡って感じがしますが、スマートに演奏されており、少し粘りが欲しい気がします。第3楽章は、ちょっと粗め。ティンパニが、充分に叩けなかったようで、ちょっぴり転けそうになりました。第4楽章は、ちょっとアンサンブルが粗めでしょうか。段々と熱気が発せられてテンポがあがります。

ラストの弦のユニゾンは、悲しみを背負った雰囲気があり、舞曲が狂い咲き状態になります。重量感は少ないのですが、アップテンポで、ぐいぐいと熱くなってしまうタイプでしょうか。少し薄口の風味です。CDカップリング:シベリウス ヴァイオリン協奏曲 Vn:ミリアム・フリート 出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 ユッカ=ペッカ・サラステ – トピック Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia 

マリス・ヤンソンス オスロ・フィル 🙂

シベリウス:交響曲第1番 マリス・ヤンソンス オスロ・フィル 1990年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Mariss Jansons Oslo- Filharmonien

ヤンソンスさんの演奏は、堂々と歌いあげてくれるのですが、リズム感はあるものの、スピード感が少し影をひそめているでしょうか。勢いが出そうで出ないという感じで、ノリきれません。第2楽章も、綺麗なんだけど~ ヒンヤリ感とか、煌めきみたいなものが欲しいでしょうか。柔らかい感じがします。

第3楽章は、厳しいティンパニの打ち込みがあります。硬くて、バンバンバンっ!っと激しいです。前につんのめっていく勢いがあり、推進力を感じます。ゆったりしたところが、ちょっと精度が甘いかも。第4楽章は、木管の二重奏「そぉ~ふぁそ らそぉ~ そぉ~ふぁそらそ ふぁ そらしぃ~らぁ~」とか、木管が活躍する場面では、ちょっとした間合いや受け渡し、細かいところで密度が薄く感じられました。

ユニゾンの旋律は、とても甘さがあり、歌いっぷりも堂々としていますね。重量感があったので後半は良かったんですけど、緩く聞こえちゃうところあって、ちょっと惜しい感じです。シベリウスの楽曲って、透明度が高い演奏の方が、より良く聴けますね。CDカップリング:シベリウス カレリア組曲、交響詩フィンランディア、交響曲第1番 YouTubeにおいては、フィンランディア、交響曲第1番、第3番、アンダンテ・フェスティーヴォ、交響曲第2番、交響曲第5番となっています。出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 マリス・ヤンソンス – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

パーヴォ・ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 🥰

シベリウス:交響曲第1番 パーヴォ・ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 1986年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Paavo Berglund Helsinki Philharmonic Orchestra

ベルグルンドさんのシベリウス交響曲全集は、三種類あります。70年代のボーンマス響、80年代のヘルシンキ・フィル、90年代のヨーロッパ室内管弦楽団。それぞれが高い評価を得ています。このヘルシンキ・フィルは、とても大らかな演奏です。第7番までの全曲を聴いていくと、徐々に不要なものを削ぎ落とし、内省的に突き詰めた結果、氷の結晶ができあがりました~って感じです。

この交響曲第1番は、自然的な要素がふんだんに描かれてて、広く、太く、懐の大きな雰囲気が感じられます。柔らかなタッチで、雄大な感じ。冒頭、クラリネットとオーボエから始まり、弦の小刻みな動きから、キリキリ~とした夜明け前の、凜とした空気感が感じられます。ゆったりとさせて、ふわーっと広がる金管のフレーズが、キリッとした弦の音を包み込む感じで、良いですね~。主題が変わると、木管の軽やかで渋みのある音が広がります。

特に、木管の音は、木質的でありながら硬質的。ヴァンスカ盤を聴いた時のような、打ちのめされるようなティンパニではなく、カラヤンのレガートに近い弦の、なめらかさを感じます。太く長く描かれた旋律は、とても勇壮的で、筋肉質で、大柄で逞しいです。いじけてしまうような大地ではなく、大地には風が吹きすさんではいますが、ほんのり明るさがあり、薄い暖色系に彩られている感じがします。

CDカップリング:シベリウス交響曲全集2枚組BOX 交響曲第1番~第4番 出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団

シベリウス:交響曲第1番 サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1984年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 バーミンガム市交響楽団-Topcs Provided to YouTube by Warner Classics

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😅

シベリウス:交響曲第1番 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1981年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

カラヤンさんの演奏は、強弱のメリハリがすごく嶮しい演奏です。冒頭のティンパニーから引き締まった音で、音が立ち上がってきます。ヴァイオリンが甘美な旋律を奏で始めると、ほっとします。ティンパニーが雷鳴のごとく炸裂しています。ヴァンスカ盤のように、録音状態がクリアであれば良いのですが、イマイチ録音状態が良くないので、目の前で、ボカボカボカと殴られ、徐々に、ボディーブローのように効いて、疲れてしまうということに。

第2楽章は、ほっとする楽章ですが、コントラバスの存在が大きいです。第3楽章のスケルツォでは、地響きがします。この重低音は迫力があり、ティンパニが炸裂し、いきなり目の前に止まった感じで、追突されるのかと思うような感触です。第4楽章でも、この低音は存在し、地響きをたてて踊り始めます。

ヴァイオリンの奏でる甘い旋律と一緒に、上昇する気流に乗るところは、うっとりしますが、ハープが、隠れ気味なのが惜しいです。酔ったおじさんが狂ったように踊り出す感じです。ティンパニとシンバルが打ち鳴らされ、雷鳴が響き渡る世界にアナタは居ます。甘美なヴァイオリンが、救いの手のように現れますという感じでしょうか。まるで、オペラの世界みたいです。劇的な効果は抜群なのですが、多少やり過ぎかな~っと思いました。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第1番、カレリア組曲 出典:YouTube Sibelius – Symphony No.1 E minor Op.39  Karajan Berlin Philharmonic Tsuyoshi Kanou (Kanoko Alien V3) ★公式ではないので消去される可能性があります。

クルト・ザンデルリンク ベルリン交響楽団  🙄

シベリウス:交響曲第1番 クルト・ザンデルリンク ベルリン交響楽団 1976年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Kurt Sanderling Berlin Symphony Orchestra

ザンデルリンクさんのシベリウスは、ちょっと重厚なもので、ガッシリしています。分厚い響きで進みます。すわーっとした風が吹かないので、さすがに独墺の響きは、シベリウスにはどうかな~と感じました。水分を多く吹くんだ雪に囲まれた感がします。CDカップリング シベリウス交響曲全集第1番~7番、交響詩フィンランディア、悲しきワルツ、夜の騎行と日の出、トゥオネラの白鳥、エン・サガ 1970年~79年 出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 ベルリン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media

ロリン・マゼール ウィーン・フィル 😨

シベリウス:交響曲第1番 ロリン・マゼール ウィーン・フィル 1966年 
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Lorin Maazel Wiener Philharmoniker

第1楽章 マゼールさんの演奏は、タイトで、凍りつくような迫力があり、心臓に良くない演奏です。第1番は甘い曲だと思い込んでいましたが、えらいめにあっちゃいました。ティンパニーのロールのあと、クラリネットのソロで、「どしど れどぉ~ し・・・ どふぁ どら どそ・・・」と、悲しげな旋律が奏でられ、弦のカシャカシャという流れを作り美しく歌っていきます。金管の弾みのある「らぁ~ そみっふぁ ふぁっそら そみふぁっ どぉ~」という主題が、勢いよく、くっきりと影を落としてきます。金管の咆吼も鋭く、切れ味抜群の豪快さ。ハープ、チャーミングな木管が小鳥のように鳴き出すと別人のよう。美しいけれど厳しい鋭い表情で、寒々しい陰影をクッキリ落とします。オーボエのツーンとした響き、キレある弦で、尖った旋律美が特徴です。締めあげられたタイトなフレージング、熱い推進力が凄いです。

金管は、熱いけれど綺麗な音を放出しています。しかし、低弦のピチカートは奥まり、前面に木管を出して、ごごごぉ~っというパイプオルガンのような響きで登場します。響きが立体構造的です。エッジの鋭さ、細かいキツい音、パパンっ パパパンっと勢いをつけて主題で切り込んでいく。いやーっ これは恐るべし1番です。ハープが入って、ロマンティックな甘さが、チャイコの影響を受けているといいますが、うっそぉ! こんな怖いシベリウスの1番は聴いたことがありません。ブラスの地を揺るがす咆吼と鉄杭のような怖いティンパニー。呆気にとられている間、ぷつんっと音が途切れて終了!

第2楽章 奥でハープが鳴り、ふわっとした風が吹いて、暖かさを取り戻します。チェロの旋律はリズミカル。筋肉質ですが、木管が良い音で、良いお仕事をしています。まろやかなホルンと鋭く咆哮する金管の対比が、劇的な効果を生んでいます。粉雪が舞う風情でゆっくりしていると、鋭いシンバルが入ってきて、ひぇっ!クレパスが目の前に広がって、落ちそうになっていたという感じです。

第3楽章
「タンタンタン タカタンタン・・・」このメチャクチャ怖いティンパニーの打ち込みがある楽章です。スピーディで鋭く、これが、あの優美なウィーン・フィルかと驚くほどの、荒々しさです。猛々しい演奏です。もちろん1960年代の録音状態ですので、いくらなんでも、サラウンドのように響きませんが、滅茶苦茶レアです。ほんとに生々しい響きを持って、血しぶきがあがっているかのよう。木管の響きが個性的で、くっきり刻まれます。生々しいティンパニーは、ホント、トラウマになりそうです。

4楽章
「しぃ~~(ふぁふぁ~) しどれ どぉ~(ふぁふぁ~)」悲痛な雄叫びをあげた後、木管の二重奏が始まります。チェロとコントラバスの響きは、力強く綺麗ですが速っ。すごい勢いで進みます。これを怒濤の勢いって言うのでしょう。音が破裂して飛び散っていきます。シンバルと低弦のごろごろぉ~っ、これを破裂と言わずして何と言うのでしょう。締めくくりは、甘くロマンティックな主題が、弦のユニゾンで奏でられていきます。あのぉ~ さっきまで、花火が目のまで破裂していたんですけど~ えっ どうなったの? 別世界、別次元がユニゾンで描かれ、ここは天上かと思うような世界が描かれています。ああ~救われたと、うるっときます。

シベリウスの楽曲で、花火が炸裂していると表現すると、うっそー! 大らかで、ヒンヤリとした北欧の自然美を描いた作品でしょと言われそうですが、いやいや~ マゼールとヴァンスカの演奏は違います。1996年録音のヴァンスカさんの演奏にも驚かされましたが、マゼールさんと双璧です。いずれも、心臓に持病がある方は、取り扱い注意です。
出典:YouTube Sibelius: Symphony No.1 in E minor, Op.39 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

シベリウス:交響曲第1番の第3楽章を聴き比べてみよう。

サントゥ=マティアス・ロウヴァリ エーテボリ交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第1番 サントゥ=マティアス・ロウヴァリ エーテボリ交響楽団 2018年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Santtu-Matias Rouvali Gothenburg Symphony Alpha Classics

いつもなら速攻で、ジャケ買いでCDをポチッていたと思います。バレエダンサーなのかと思うような指揮者が登場、ロウヴァリさんの指揮による演奏です。サブスクを利用して拝聴しました。シベリウスだけにとどまらず、交響曲といえば、スケルツォの楽章が好きなので、第三楽章のみを聴き比べてみたのですが、若い指揮者だけあって機敏です。スピードと重量感がのバランスが難しいですね。物理の授業みたいです。出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39: III. Scherzo (Allegro) エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by IDOL

オスモ・ヴァンスカ ミネソタ交響楽団 😂

シベリウス:交響曲第1番 オスモ・ヴァンスカ ミネソタ交響楽団 2012年 
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Osmo Vänskä Minnesota Orchestra

ラハティ響との演奏では、メチャンコ速くて舌を噛みそうだったけれど、後年、BISにミネソタ響を振った交響曲全集ができて、えーっ、また全集を出さなくても充分だと思うのですが改めてBISへ録音。冒頭、やっぱり速いですね。さらにスピードアップしたようで~ 仰天します。出だしは衰えてないように思いますが、オケの舌がもつれているように聞えます。出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39: III. Scherzo. Allegro ミネソタ管弦楽団 – トピック
Provided to YouTube by PLATOON LTD

ウラディーミル・アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 🙂

シベリウス:交響曲第1番 ウラディーミル・アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Vladimir Ashkenazy Philharmonia Orchestra

CDを所有していた筈ですが、録音状態がイマイチだと思ったので再度聴くこともなくコメントを掲載していないのですが、CD棚を探すのが邪魔くさくて、サブスクを利用して拝聴したところ、えっ、録音良くなった?! もしかしたらリマスタリングされたのかもしれません。ティンパニーの威勢の良さ、表面の揺れた感じがリアルです。あらら~良くなったような気がします。雷に打たれたようなショッキングなティンパニに驚きます。
出典:YouTube フィルハーモニア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス ボストン交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第1番 コリン・デイヴィス ボストン交響楽団
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Colin Davis Boston Symphony Orchestra

ロンドン交響楽団(1994年録音)の演奏がありますが、1970年代のボストン響との演奏の方が、引き締まった感じがしますね。録音のせいかな~とも思うのですが、RCA録音は、ぼんやり暖かく感じて個人的にはあまり好きではありませんでした。こっちの方(ボストン響)の演奏が良いですよね~。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 – 3. Scherzo. Allegro マックス・ホウバート – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 🙄

シベリウス:交響曲第1番 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Neeme Järvi Gothenburg Symphony Orchestra

N・ヤルヴィさんの演奏は、湿気の高い演奏で重く感じますね。この重さもたまに聴くには良いですのですが、スケルツォの勢いが欲しいかもしれません。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 1 in E minor, Op. 39 – 3. Scherzo (Allegro) エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

パーヴォ・ベルグルンド ボーンマス交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第1番 パーヴォ・ベルグルンド ボーンマス交響楽団 1974年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Paavo Berglund  Bournemouth Symphony Orchestra

ベルグルンドさんの演奏は、涼しい風が吹いていく感じがします。ベルグルンドさんは、ボーンマス響→ヘルシンキ・フィル→ヨーロッパ室内管弦楽団と、少なくとも三回録音されていますが、解釈は大きく変わっていないです。しなやかで、優美なフレージングを間に挟んで、鋭く荒々しさを持って突き進むパワーに勢いがあります。風が常に吹いてて、翻弄されつつも、しっかり足を踏みしめて立ってますっ!という、キッパリしているところが好きです。いや~ やっぱりベルグルンドさんの演奏は良いですね。食感で例えるなら、このシャキシャキ感がたまりません。
Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39: III. Scherzo. Allegro ボーンマス交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 😂

シベリウス:交響曲第1番 レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 1990年
Sibelius: Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Leonard Bernstein Wiener Philharmoniker

バーンスタインさんとVPOのコラボで、シベリウスを演奏する。不思議ちゃんだと言いつつ、他に2番と5番のCDを所有していたと思います。(おいおい、買ってたんかいっ) あまり大きな声では言えないのですが、ねっとり遅いテンポで、こってこて~ テンポは遅いし雄大すぎます。アクセントも、フレーズの抑揚も、リズムももっさり~こんな大層に演奏しなくても良いのではないかと。(言い過ぎて怒られそう。えらそうに言っちゃってスミマセン 謝) 
CDカップリング:交響曲第1番1990年、第2番1986年、第5番1987年、第7番1998年 出典:YouTube
Sibelius: Symphony No. 1 In E Minor, Op. 39 – 3. Scherzo (Allegro) Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group

第三楽章のスケルツォのみ、ピックアップして聴いてみましたが、いかがでしたか? 指揮者によって雰囲気が大きく変わりますね。自分にとって、これだーっ ぴったりくるという演奏を探してみてくださいね。より多くの演奏をきいてみると、その違いがわかってくるかな~って思います。

シベリウス 交響曲第1番【解説】

シベリウスは、フィンランドの作曲家です。クレルヴォ交響曲に続き、交響詩フィンランディアやトゥオネラの白鳥などの交響詩を既に作曲した後、1899年に交響曲第1番を作曲しています。

第1楽章 ホ短調、序奏付きソナタ形式。ティンパニのトレモロのうえに、クラリネットが寂しげな序奏主題を奏で、第2ヴァイオリンが刻んで主部に入ると、残りの弦楽器が第1主題を提示します。主題がおさまったところで、ハープの特徴的な伴奏を伴ったフルートの副主題の後、オーボエが第2主題を提示し、再現部の後、終結部は金管楽器の重々しい響きに続いてピツィカートで締めくくられます。

第2楽章 変ホ長調、三部形式。第1主題は第1ヴァイオリンとチェロで演奏され、第2主題は、ファゴットから木管楽器がフガート風に受け渡し、副主題で盛り上がった後、中間部に入りホルンが穏やかな主題を奏でます。この後、副主題を巧みに使いながら盛り上がり、最初の主題が回帰します。

第3楽章 ハ長調、ソナタ形式。スケルツォ主題は、ティンパニに導かれ、弦楽器、木管、ホルンが掛け合いながら提示する荒々しいものです。トリオ部分では、ホルンが主体となり伸びやかな牧歌を歌います。スケルツォが回帰すると、楽器の組み合わせや手順を変えて発展します。

第4楽章 ホ短調、序奏付きソナタ形式。「幻想風に」という指示通り、幻想曲や交響詩のような楽章です。序奏は、第1楽章冒頭の序奏主題が、弦楽器によりユニゾンで演奏され、主部ではクラリネットとファゴット、オーボエが不安げな第1主題を提示します。主題が強さを増し、シンバルや大太鼓がアクセントをつけたところで、ヴァイオリンが下降音型で崩れ落ちます。

第2主題がヴァイオリンのユニゾンで切々と歌われ、第1主題による展開部、再現部に入り、第1主題の再現、第2主題の再現が行われ、曲はそのまま拡大を続けクライマックスを築きます。第1主題によるコーダとなり、急速に減衰し最後はピツィカートで曲を閉じます。シベリウスの交響曲第1番は、大変親しみやすく、厳しくも自然豊かな安らぎを感じる聴きやすい作品です。

シベリウス:交響曲第1番【ディスク情報】

1963年 マゼール ウィーン・フィル Dec 
1976年 ザンデルリンク ベルリン交響楽団 Berlin Classics
1981年 カラヤン ベルリン・フィル EMI
1984年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
1986年 ベルグルンド ヘルシンキ・フィル EMI
1990年 ヤンソンス オスロ・フィル EMI
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 Finlandia
1994年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1994年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 R
1996年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS
1997年 ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 Finlandia
2002年 オラモ バーミンガム市交響楽団 E
2021年 クラウス・マケラ オスロ・フィル Dec

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • ままま 様

    こんにちは。「ワークショップ・マサ」サイトのマサと申します。
    おそらくはじめてお便りします。しかしここのサイトの管理人さん、僕はてっきり男性だとばかり思っていつも拝読していたんですが、なんと、まさか女性の方だったとは!? 確かサンサーンスの《序奏とロンド・カプリチオーソ》のページではじめて知ってちょっとびっくりしたしだいです。いや、誠に申し訳ない。
    ところで先日、シベリウスの《交響曲第1番》のページで、中でもヴァンスカ/ラハティ盤がかなり興味深くレビューされてましたので、YouTubeにて拝聴してみました。2楽章など、手元のベルグルンド指揮/ヘルシンキ・フィルのCDとたいして差がないようにも思えたんですが、いやはや、聴き進むにつれ、やはり比べようもないくらいのすこぶる激烈な演奏で、これがでかいオーディオ装置でだと、また、どんなにか凄まじい音で鳴るのやら!?と、想像ふくらませながらの拝聴でした。
    話は変わって、実はだいぶ前から、こちらから貴サイトへとリンクを貼らせていただいていたわけですが、ところが最近になって、何度もウェブサイトのお引越しをされていたようで、こちらはただ戸惑うばかりでしたが、今度こそどうにか収まったようですね。それと恐縮ながら、まままさんのお言葉をほんの一句だけ拝借しましたので、誠に申し訳ないですが、お許しを。
    それにしても、前サイトでのニコちゃんマーク?あれがまたすごい好きでした。ラッパを吹いてるニコちゃん!? 表情も豊かだったし、とにかくすごい傑作でしたね。
    …ではでは、またちょくちょくお邪魔しますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。(^^♪

    • こんばんわ。いつもありがとうございます。そうなんです、サイトの引越しをしておりまして、ようやく落ち着いたかな~というところです。勝手に何度もサイトの引越しをしてしまいまして~ それも追いかけていただいていたことに、感謝します。
      ホント、こうしてコメントをお書きいただいて、嬉しく思っています。いやー よかったデス。コメントをいただいて。超嬉しいです。で、そうですね~ 昔のサイトが懐かしい気がしてて、アイコンも復活できれば復活したいな~と、ちょうど、思っていたところなんです。PCにデータが残っているか、ちょっと探してみます。ラッパを吹いているニコちゃん あはは~ ありましたね。自己紹介だったかな? いや~ ホント、探してみますね。ホント、ありがとうございました。もし宜しければ、昔を懐かしんで掲示板(BBS)というものを、復活させたところです。トップページの画像のなかに、ピンク色のクリックするところがあるので、よかったら、お使いくださいね。ホント、ありがとうございました。また、頑張りマース。

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