バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番【聴いてみよう】J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1,BWV1052

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バッハ:チェンバロ協奏曲第1番【名盤・おすすめ】

マレイ・ペライア アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ 🥰

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 マレイ・ペライア アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ 2000年 J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1,BWV1052 Murray Perahia Academy of St Martin in the Fields

久々にバッハのピアノ協奏曲(キーボード 鍵盤楽器)協奏曲第1番を聴いてみました。ペライアさんのピアノ版です。演奏するピアニストによって音質も、スピードも異なりますが、さすがにバッハさま。奥の深い楽曲です。1番の1楽章と3楽章は、快活で、愉悦性が高いですが、2楽章は、闇に包まれて谷底に落とされたような楽章です。暗くて、わびしくて、まるで貧乏のどん底に突き落とされたかのような悲惨な感じが漂います。笑 この落差は何なんだーー。

ペライアさんの演奏は、さらっと弾かれていますが、柔らかすぎず硬すぎず、さりげない愉悦性があります。聴いてて、じわっ~と、ワクワク。フツフツ。繰り返して聴くことによる、テンションをあげよぉ!って感じかな。ペライアさんは、1990年代に指を怪我し、ピアニストとして続けることが危ぶまれた時期がありました。その頃に、バッハを研究することで、自分を慰めたという。う~ん、ピアニストがもう弾くことができないかも~となった時に、バッハの研究に没頭する。うーん、そこから、これを弾きたい~っとなったのかなあ。自分を鼓舞してくれるバッハだったのだろうねえ。そして、その成果がこの演奏なんだろう。そう聴くと一層、感慨深いものを感じます。

怪我からの復帰後、1990年代後半から、ゴルドベルク変奏変奏曲、パルティータ、イギリス組曲など、多数のCDが生まれてます。ワタシ的には、もっと表現の大きい演奏が好きです。しかし、ペライアさんの怪我からの復帰の経緯を知ったからか、慎み深い演奏を好ましく受け止めています。オケのなかに、ピアノが入り込んで、ペライアさんの弾き振りで、オケと一体となった、みごとなアンサンブルで、一気に聴かせてくれる演奏でした。

CDカップリング:バッハ チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番、2番、4番 現在は、全集(3枚組BOX)あります。
出典:YouTube Keyboard Concerto No. 1 in D Minor, BWV 1052
マレイ・ペライア – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

アンドラーシュ・シフ ヨーロッパ室内管弦楽団 🥰

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 アンドラーシュ・シフ ヨーロッパ室内管弦楽団 1989年
J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052 András Schiff Chamber Orchestra of Europe

シフさんの演奏は、ウィーンのコンツェルトハウスでのデジタルセッション録音です。バッハの時代には、ピアノって楽器は存在していなかったです。音楽自体が、限られたサロンや宮廷社会でのものから、ようやく一般の庶民にも入ってこようとする時代。産業革命以降になって、裕福な庶民が音楽を聴きだした。そんな時、ピアノの原型が出来てきたらしいです。今は、ピアノがメインで、チェンバロの方が貴重な時代です。ワタシには、ピアノの音の方が馴染みやすいかな~。チェンバロが、とっつきにくくて苦手という方には、ピアノ版の方がお薦め。

で、シフさんの演奏は、ちょっと硬めの音ですが、人肌の暖かみを感じ誠実な演奏だと思います。馴染みやすい音色で、かつ、優しげで、身近に感じられる演奏だと思います。特に、快活な第1楽章と第3楽章は、聴いてて楽しいので、ぜひ聴いていきたいと思います。CDカップリング:バッハ ピアノ協奏曲第1番~7番(2枚組)バッハ チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番(ピアノ版 出典:YouTube J.S. Bach: Concerto for Harpsichord, Strings & Continuo No. 1 in D Minor, BWV 1052 チャンネル:アンドラーシュ・シフ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

トン・コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団 🤪

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052
トン・コープマン アムステルダム・バロック管弦楽団 1988年~90年 Ton Koopman Amsterdam Baroque Orchestra

コープマンさんの演奏は、驚くほど快活というか、勢いが良く~ スピードがあって、シャカシャカ、チャカチャカ・進んで行く。アグレッシブというか、イケイケドンドンというか、まあ、凄く速いです。野生的で荒々しく、挑戦的でアグレッシィブな演奏だ。このスピードに乗れるか、乗れないかという圧倒的な速さ。 乗ることが出来れば、ある意味爽快なのだろうが。うひゃ~ 最初に聴いた時は、速いっと感じつつも、ある意味、爽快感を感じ、飽きる前に終わっていたように思います。

しかし、のんびり、ゆっくり聴きたい時には、振り落とされてしまいますね。ここまで速くなくても良いんだけどなあ。演奏を楽しむというより、煽られている気がしますね。挑発的で扇動的に聞こえてくるところが、ワタシとは、全く相性が悪いように思います。流れが、あまりにも直線的というか、一方的すぎて~ キツイです。まあ、簡単に言えば、速すぎて目がまわる。ついていけない。とても個性的な演奏。相性悪くて~ダメでした。ご了承ください。
出典:YouTube Harpsichord Concerto No. 1 in D Minor, BWV 1052 トン・コープマン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

シプリアン・カツァリス ヤーノシュ・ローラ フランツ・リスト室内管弦楽団 🤩

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 シプリアン・カツァリス ヤーノシュ・ローラ フランツ・リスト室内管弦楽団 1985年 J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052 Cyprien Katsaris Janos Rolla Liszt Ferenc Kamarazenekar

この盤は、シプリアン・カツァリスさんが演奏しているピアノ版です。昔、アニメ(TV)「のだめカンタービレ」を見てから、バッハのピアノ版協奏曲第1番の冒頭が好きになって聴くようになりました。もちろん、作曲された時は、今のピアノはまだ登場していなかったので、チェンバロのための協奏曲だというのは解っていますが、とっつきやすいピアノ版を聴くことが多いですね。気持ちのよいスッキリした感覚で、とっても爽やか。端正で端麗辛口系だが、良い意味で、さっぱりして粒立ちの良い音で彩られています。

飛び跳ねるように奏でられる演奏もありますが、カツァリスさんの演奏は、淡々としていますが、繊細で音が可愛い。シフさんの演奏は、柔らかい音で、音の粒の表面はフワっとした感覚でしょうか。カツァリスさんのピアノの音は、粒が硬めで、チャチャッチャ・・・と推進力があります。身振りの大きな演奏ではないが、繰り返して聴くと、大きなフレーズのなかで、身を縮めたり、伸びやかだったり、フレーズの捉まえ方が大きいように感じます。

ただ、あまりカツァリスさんは歌わないですね。特段に速いとは感じませんが、こまわりの効いた速めの演奏です。ところどころ、快速で、おおっと目を見開いて聴いてしまうところもあって、なかなかにスリリング。自由自在にスピードをあげ、テンポをぐぐっと落とし、さらにパワーアップして快速に飛ばす。

現代風で、これなら聴けるぜ。格好良いっ!という感じで、まるで、ロックバンドやジャズのように即興的にスウィングするような感覚も持っています。意外と、クラシックという範疇から飛び出てるかもしれないが~ こりゃ~ええやんっ!ちょい個性的で、スタイリッシュ、流線型のバッバが聴けて嬉しい。これはどうかなと、ヒンシュクものとして言われちゃうかもしれませんが、若い方には、お薦めできちゃう演奏だと思います。全曲でないのが残念ですが~ ワタシは楽しく聴けました。

CDカップリング:バッパ ピアノ協奏曲第1番、5番、3番、6番(ピアノ版) 出典:YouTube Piano Concerto No. 1 in D Minor, BWV 1052 フランツ・リスト室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

レオンハルト レオンハルト合奏団 🥰

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 グスタフ・レオンハル レオンハルト合奏団 1981年
J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052 Gustav Leonhardt Leonhardt-Consort

チェンバロ(ハープシコード)は、どうも縁遠い楽器です。立派な石造りの王宮大広間で聴くには良いのかもしれないが、ウチの粗末な音響設備、環境では、どうかなあ~と思ってしまいます。また、浪漫派以降の作曲家の作品しか聴いてこなかったのに、古楽器(ピリオド楽器・奏法)演奏が流行して、バロック時代の作品は、さらに縁遠くなってしまいました。当然、バッハの音楽も、縁遠い状態が、ずーっと続いていたのです。

そこに突然、「のだめカンタービレ」に、はまってしまって、 アニメ版の映像のなかに、バッハのピアノ版協奏曲第1番の冒頭が、繰り返し流れてきました。やっぱ無愛想な曲だなあ~と思っていたのですが耳に残る。無意識のうちに、くちずさんでいて自分で驚く始末。 「のだめ」では冒頭が繰り返されるだけ。この続きは~? 耳に残って、気になって仕方がない。ついに、ピアノ版の演奏で、この協奏曲を聴いてみることに。

「 みふぁ そっふぁみっ しっ~み ど~らふぁ み~そみ らふぁ~れし」「ど~らふぁし れ~しそみ ふぁ~れしどら しそらふぁそみ・・・」グルグル渦巻いた混沌とした世界が、目の前に広がっているところから、もがいて外に出ようとするような意思力が湧いてくるような感じがします。序奏部分だけで、いきなり混沌とした世界に放り込まれて、どろどろ~ まるで塊のようなのですが、オケが、その塊を氷解させてくれていくようにも感じます。

レオンハルトさんの演奏は、愉悦性が高いように思います。あまり鬱々していないところが救いです。それこそ、勝手に盛り上がって勝手に終わらせないですね。 同じ音が繰り返されても、ガンガンに突き刺さる感じもしないし、人肌の暖かさが感じられる。あー これなら聴けるっ。そう思いました。

しかし、この1番、結構怖いです。元は、ヴァイオリンのための楽曲だったのではないかとも言われているようですが、バロックを聞き込んだ人にとっては、ピアノ版は、邪道なのかもしれません。でも、ワタシにとっては、いきなりチェンバロで聴いても、拒否感があったかも。リヒターさんは堅牢すぎて、まったく近寄れそうにもなかったし、コープマンさんは、初めから羽根が生えてて、どっか飛んでいってしまっている。

ピノックさんの演奏は、華麗すぎて元気がよさげ。レオンハルトさんの演奏が、今のところ、ワタシには一番しっくりきました。演奏によって、楽器によって、かなり印象が異なるように思います。自分に合った演奏を見つけたいですね。CDカップリング:バッハ チェンバロ協奏曲第1番~8番、2台のチェンバロのための協奏曲第2番~第3番、3台の~1番、2番、4台のチェンバロ協奏曲  出典:YouTube Harpsichord Concerto No. 1 in D Minor, BWV 1052
グスタフ・レオンハルト – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

トレヴァー・ピノック イングリッシュ・コンサート 🥰

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 トレヴァー・ピノック イングリッシュ・コンサート 1979年 J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052 Trevor Pinnock English Concert

重くて、暗い冒頭ですが、ピノックさんの演奏は、唖然とするほど快活。シャキシャキしています。すごいスピード感覚で、まるでF1レーサーみたいな機敏さで、躍動感あふれる演奏です。すごいっ。すごいっ。思わず唸ってしまいました。この演奏なら、繰り返して何度聴いても飽きない。同じようなフレーズが繰り返されるところだと、音符がコロコロと回転していく様が、これ面白いっ。

ハハハ~ 2音ずつ同じ音がくっついているんだけど、繰り返すため、それが3音連続に聞こえてきたりして~ このリズム感覚が、とっても現代的で痛快になってしまうのです。なんてビートの効いたチェンバロなのだろう。ヴァイオリンを初めとしたオケの部分が、巧く噛み合ってて、ロックのよう。なにせ、パンチがある。ガッツがある。自然と首を振りながらリズムを追っているという有様になって。バッハって、こんなに面白かった? と思わせる痛快さ。

低音の方がビートが効いており、ウッパウッパ ウッパウッパ・・・ パララ パララ・・・ チャカチャカ チャカチャカ・・・ んたーっ たっ。ノリの良い感覚で、ンチャラ ンチャラと聴かせてくれる演奏です。ヴァイオリンもノリノリ感があり、軽快でテンションも高め。エネルギー放射って感じで、メチャ楽しくなる第1楽章でした。

第2楽章は、ちょっと気怠いのですが、第3楽章は重音の響きがあり、オケがノリノリで、笑えるほど 快活で、軽快で、痛快でした。引きずり込まれるなあ~。弾き飛ばしていくようで、荒っぽいが、ジメジメしているのだろうと思っていたバロックが、こんなにドライで、ニヒルで、そのくせ熱いっとは、思っていなかったですね。

これだけ、飛んだり跳ねたりしている、カビ臭く、じけっとしてて、抹香臭い、チンタラしているバロックが、音の連続によってが、ぶっ飛んでしまう。パラパラパラした音が、間の開いた低音に支えられ、合いの手を入れて貰って締まってくる。左手の低音と、ヴァイオリンの弦のしなやかな跳躍が、ほどよくマッチして、熱っぽいハンガリー風の舞曲のように聞こえるのだ。という感じでした。ハイ、これは宮廷の舞曲じゃーないですよね。格調は高い演奏ではありませんが、とっつきやすいピノックさんの演奏でした。バッハって、こんなに面白かったの? 

出典:YouTube J.S. Bach: Concerto For Harpsichord, Strings, And Continuo No.1 In D Minor, BWV 1052 Trevor Pinnock Provided to YouTube by Universal Music Group

カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 😅

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番 BWV1052 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1971年~72年 J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052 Karl Richter Münchener Bach-Orchester

このCDは、アルヒーフ創立50周年(1997年当時)の記念企画として発売されたものです。久しぶりに拝聴しましたが、ひぇ~泣きたくなるような堅牢さ。とても几帳面で学究肌まるわかり。カール・リヒターさんが、レジェンドだとは存じ上げているのですが、そして、バッハの生まれ変わりとも称されるほどの方だとも承知しているのですが~ なにせ近寄りがたい。

レジェンドの演奏が、きっちりと記憶媒体に収録されていることは、大変ありがたいこと。ワタシは所有していませんが、第3巻として、2台のチェンバロのための協奏曲第1番~第3番、3台のチェンバロのための協奏曲第1番~第2番、4台のチェンバロのための協奏曲が収録されています。また、チェンバロ協奏曲全集として、3枚組BOXも発売されています。このBOXには、チェンバロ協奏曲14曲中、断片のみのBWV1059を省く13曲(1971年~72年録音)と、1963年に収録された2台第1番(BWV1060)が収録されています。(もう、アップアップです。)

決して愉悦性の楽しいものではなく、演奏者の人柄が滲み出ているというか、学者のような存在で、演奏者としても儀礼を払うべき方ではありますが、厳粛すぎて近寄りがたいワタシは、まだまだ、足を踏み入れることに躊躇しています。う~ん、修業が足らない。三顧の礼を尽くして迎える必要があるのは承知ではありますが。難しいっ! 録音状態は良いし、つつがなく拝聴できましたが、あまりに恐れ多く、演奏の評価や感想は現時点で述べられません。(結局、難しいんかいっ。ハイ、ごめんなさい。)

CDカップリング:バッハ チェンバロ協奏曲全集第1巻
1~3 チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052
4~6 チェンバロ協奏曲第2番 ホ長調 BWV1053
7~9 チェンバロ協奏曲第3番 ニ長調 BWV1054
10~12 チェンバロ協奏曲第4番 イ長調 BWV1055
バッハ チェンバロ協奏曲全集第2巻
1~3 チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調 BWV1056
4~6 チェンバロ協奏曲第6番 ヘ長調 BWV1057
7~9 チェンバロ協奏曲第7番 ト短調 BWV1058
10~12 2台のチェンバロのための協奏曲 第1番 ハ短調 BWV1060
13~15 2台のチェンバロのための協奏曲 第2番 ハ長調 BWV106
出典:YouTube J.S. Bach: Concerto for Harpsichord, Strings, and Continuo No.1 in D minor, BWV 1052 カール・リヒター – トピック Karl Richter – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 チェンバロ協奏曲全曲

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番BWV1052~ 第7番BWV1058 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1971年~72年
J.S. Bach: Keyboard Concerto No.1 BWV1052 Karl Richter Münchener Bach-Orchester
出典:YouTube J.S. Bach: Concerto For Harpsichord, Strings, And Continuo No. 1 In D Minor, BWV 1052 – I. Allegro
カール・リヒター – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
★ 再生リストにより、一括して通して聴くことができます。YouTubeで聴けるなんて最高です。ありがとう~。

バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調 BWV1060

クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 😘

バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲第1番 ハ短調 BWV1060 クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1987年
J.S. Bach: Concertos for two harpsichords BWV1060 Christopher Hogwood Academy of Ancient Music

バッハの2台のチェンバロのための協奏曲第1番は、チェンバロ2台、ヴァイオリン2台、ヴィオラ、通奏低音の構成で演奏されます。バッハは、チェンバロをソロとした協奏曲を14曲残しているのですが、第1番は、ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲からの編曲だそうです。

CDのブックレットを読んでいると、第1楽章は、リトルネロ形式による躍動感あふれる楽章。第2楽章は2台のチェンバロが、息をのむ抒情的なメロディーを模倣しながら進むアダージョの楽章。第3楽章は、また、リトルネロ形式ですよ~とあって、ソロとトゥッティが緊密に結びついて、力に満ちた明快な音楽を展開すると書いてありました。

で、リトルネロって何? なはは~ わからんよぉ。リトルネッロ形式(Ritornèllo)は、バロック時代の協奏曲に多く見られた形式で、主題を全合奏で弾いて、それ以外をソロが奏でて、また主題を全合奏しながら、繰り返すというものらしい。ロンドは、主題が同じ調で奏でられますが、この場合は、最初と最後以外は、主調以外の調で奏でるものなんだって。んー わかりづらいねえ。まあ、聴いてみたのですが~ 「そどっ みぃ~れ そっど みれみれ どっれみ ふぁそ らっらぁ~ どしらそ ふぁっふぁっふぁ・・・」←オンチでゴメンナサイ。というフレーズを、音を変えてパラパラパラ~っと続けて行く。いやがうえでも、耳に馴染んではくるのですが、第2楽章に入ったら、すっかり忘れてしまうという、なんとも情けない結果に。

第2楽章 ブックレットのように、息をのんでしまうほどの曲ではありませんが、ワタシ的には、チェンバロの響きは美しく、ヴァイオリンかヴィオラの弦をつま弾いている響きが、アクセントになっているな~と思いました。(えっ それだけの感想なの)

第3楽章 「どっそ どっふぁ どっ みれみれ どっ れっそぉ~」チェンバロの輪唱って感じで、軽やか流れて行きます。2台のチェンバロが、必要なのかどうなのでしょうね。要るのかなあ? 絶対必要って感じが、あまりしなかったんですけどねえ。それに協奏曲っていうのだけど、ソロで聴かす醍醐味が、ちょっとまだわからなかったです。(一人で弾いているように聞えるのが、すごいことなんじゃーないの?)

ホグウッドさんの演奏は、録音状態が極めて良いので、痛快な感じでスイスイ~っと進んで行きます。全部で13分程度の曲なので、ぼけ~っとしていると、あっという間に終了っ! えっ、あれだけ繰り返しているのに、脳みそに定着していない? そうなんですよねえ、何度繰り返されてもスルー状態で。繰り返されればされるほど、すーっと頭のなかを通過して、ワタシの脳みそは休憩モードに入るようです。子供の頃に、お勉強しなさい~って言葉を、聞き流していたのが、どうも、いけなかったようです。

CDカップリング:バッハ ブランデンブルク協奏曲(全曲 BWV1046~1048)、2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調 BWV1060 出典:YouTube J.S. Bach: Concerto in C Minor for Violin and Oboe, BWV 1060R キャサリン・マッキントッシュ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団  🥰

バッハ:2台のチェンバロのための協奏曲第1番 ハ短調 BWV1060 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1971年、72年
J.S. Bach: Concertos for two harpsichords BWV1060 Karl Richter Hedwig Bilgram ヘトヴィッヒ・ビルグラム
Münchener Bach-Orchester

第1楽章 リヒターさんの演奏は、アルヒーフ盤もあるけれど、同じ音源だと思います。とても録音状態が良く、ふくよかな響きで始まります。バックの中音域の音に迫力があります。チェンバロが薄く聞えてくるほど。左手と2番手のチェロとが掛け合いになっているというんだけど、うーん。ダメっぽい耳です。チェロが頑張って入ってきたり、随所に楽しそうな合奏なのです。みんなでパーツを請け負って、一つにするという楽しみ方があるんでしょうね。いつもは厳格そうな演奏だという印象があるのですが、この楽曲と演奏は、とても流麗で親しめる気がします。

第2楽章 つま弾くような音が、スパイスになっているみたいで、大事な一音なんですね。丁寧に弾かれていて綺麗です。(メチャ単純な感想で、すみません)主旋律とパンパンっとハープのように伴奏を受け持つ音があるのですが、誰が、どの役割をしているのか、2台のチェンバロの右・左4つの手の役割がわからないですねえ。伴奏といっても、従というのではなく、互いに主だろうし、途中で入れ替わっているかもしれませんが、うーん。

第3楽章は、とっても明るくてのびやかな舞曲風。細やかな速いパッセージになると、頭のなかで、パラパラ~と星が飛んでしまうワタシの脳みそ、どうにかならんのかね。気持ちが良いのですが、強弱もついているし、綺麗なメリハリ感がついていて楽しんでいるうちに、あっ終わった。

CDカップリング:バッハ チェンバロ協奏曲第2番、3番、4番、7番、2台のチェンバロのための協奏曲第1番 出典:YouTube J.S. Bach: Concerto for 2 Harpsichords, Strings, and Continuo in C Minor, BWV 1060 カール・リヒター – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

バッハ チェンバロ協奏曲第1番について

バッハが作曲したチェンバロ協奏曲は、1台用から4台用までの作曲されています。1台用の楽曲は、8曲(うち1曲は断片)、2台用の楽曲が3曲、3台用の楽曲が2曲、4台用の楽曲が1曲と、全部で14曲もあるそうです。ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、バッハは、1729年~1741年まで、ライプツィヒのコレギウム・ムジクムの指揮をしており、その演奏会のために作曲されたものだそうです。まあ、素人では、とても14曲も聴き通すこともできないし、聞き分けることもできないと思うので、ここでは第1番のみをご紹介します。

チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調 BWV.1052
この曲は、1738年から39年頃に作曲されたと考えられており、消失したヴァイオリンのための協奏曲であると考えられています。第1楽章と第2楽章は、カンタータ第146番「われら多くの苦難を経て」に、第3楽章は、カンタータ第188番「われはわが信頼を」の序曲に転用されています。バッハのチェンバロ協奏曲の中で最も完成度が高く、有名な作品で、両端楽章で繰り広げられるチェンバロのブリリアントな名人芸は、華やかな魅力があります。

第1楽章 アレグロ ニ短調 2/2拍子 リトルネッロ形式による楽章で、全楽器が力強いユニゾンの主題で始まります。第2楽章 アダージョ ト短調 4/3拍子 終始反復される低音主題の上で、チェンバロが装飾的な旋律を美しく歌い継いでいく楽章です。第3楽章 アレグロ ニ短調 4/3拍子 リトルネッロ形式によるフィナーレで、活気に満ちた主題が、楽章全体にエネルギッシュな生命感を与えており、チェンバロのソロが、単独で腕前を披露する機会も多いものです。

バッハ:チェンバロ(ピアノ)協奏曲第1番&第2番【ディスク情報】

1972年 リヒター ミュンヘン・バッハ Ar
1979年 ピノック イングリッシュ・コンサート Ar
1981年 レオンハルト レオンハルト合奏団 Se
1985年 カツァリス フランツ・リスト室内管弦楽団 TELDEC
1987年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL 2台のチェンバロのための協奏曲第1番
1989年 コープマン アムステルダム・バロック E 
1989年 シフ ヨーロッパ室内管弦楽団 Dec 
2000年 ペライア アカデミー室内管弦楽団 SC 

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