ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、第2番【聴いてみよう】Shostakovich: Piano Concerto No. 1 & 2

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ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番【YouTube】

ユジャ・ワン ヤニック・ネゼ=セガン フィラデルフィア管弦楽団

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ユジャ・ワン ヤニック・ネゼ=セガン フィラデルフィア管弦楽団
Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Yannick Nézet-Séguin Philadelphia Orchestra
2021年10月6日 コンサートの模様です。2101秒の動画です。公式サイト等ではありませんが、人気が高いので掲載させていただきます。消えたらごめんなさい。第1楽章が終わったところで拍手が入って、お二人とも苦笑い。
出典:YouTube Yuja Wang: Shostakovich Piano Concerto No. 2 in F major, Op. 102(Carnegie Hall, 2021) John Music

アレクサンダー・カントロフ ミッコ・フランク フランス放送フィル

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 アレクサンダー・カントロフ ミッコ・フランク フランス放送フィル
Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Alexandre Kantorow Mikko Franck l’Orchestre philharmonique de Radio France
19分33秒の動画です。いつのコンサートの模様なのかは不明です。とてもチャーミングで、軽やか出スピーディな演奏です。出典:YouTube Chostakovitch : Concerto pour piano n°2 (Alexandre Kantorow)
France Musique concerts

デニス・マツーエフ ヴァレリー・ゲルギエフ マリインスキー歌劇場管弦楽団

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 デニス・マツーエフ ヴァレリー・ゲルギエフ マリインスキー管弦楽団
Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Denis Matsuev Valery Gergiev 24分19秒の動画です。いつのコンサートの模様なのかは不明です。出典:YouTube Д. Шостакович. Концерт №2 для фортепиано. Гергиев, Мацуев Denis Matsuev

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番【名盤・おすすめ】

マルク=アンドレ・アムラン アンドルー・リットン BBCスコティッシュ交響楽団 🤣 

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 マルク=アンドレ・アムラン アンドルー・リットン BBCスコティッシュ交響楽団 2003年 Shostakovich: Concerto in C minor for Piano and Trumpet (Piano Concerto No.1)Marc-André Hamelin Andrew Litton BBC Scottish Symphony Orchestra

アムランさんの演奏は、圧倒的で、速い速い。ショスタコらしいクールな遊びを感じます。ご両名の天才肌を感じるのですが、ワタシの駄耳には、遊び心を持つ余裕がなく~ 泣いてしまいます。ご存知のとおりアムランさんは1961年生まれのカナダ人ピアニストです。超テクの持ち主で、猛烈に速く、ここまで速くなくても~と思いつつ聴きますが、前につんのめる感じではなく、冷静に緻密に弾かれています。(と思います)

第1楽章では、まだ遊び心が満載で面白いと単純に喜ぶものの、本領発揮するのは第4楽章です。もう少しゆったりと演奏して欲しいほど。目がチカチカ、花火のようにスパークしちゃう感じです。硬く強く鋭い打音で、破綻も空中分解もゼッタイしないところが凄すぎ~です。天才が知的な遊びに夢中になっている姿を見ているようです。

第2楽章~第3楽章は、じめっとしたぬめり感、内省的で、腹の底から湧きあがるパワーを感じたい気がします。プロコフィエフに近しい肌合いで、水槽のなか漂う魚のようです。浮遊感はイマイチ感じません。第4楽章は、お楽しみと言えばお楽しみの楽章なのですが、速いのひとこと。

階段を転がり落ちるようにという速さの表現よりも、真っ逆さまに急降下という表現が良いかも。面白いと感じるかどうかは、聴き手次第でしょうか。トランペットの存在が大きく、遊ぼうというサービス精神は高いように感じました。自虐的というか、オジサン風ギャクを飛ばしているというか、上方漫才風のボケと突っ込みを演じているというか、オチャラケぶり(タメ感が凄い)ですが、ピアノは、スレンダーで超然としています。

何度聴いてもワタシの駄耳は馴れませんが、飄々と、嬉々としてて良いのかもしれません。まあ笑い飛ばせば、作曲家も演奏家も本望かも。えへっ。CDカップリング:ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲1番、2番、シチェドリン ピアノ協奏曲第2番 トランペット:マーク・オキーフ Mark O’Keefe 出典:YouTube Shostakovich: Piano Concerto No. 1 with Trumpet and Strings, Op. 35 BBCスコティッシュ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

マルタ・アルゲリッチ イェルク・フェルバーハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団 🥰

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 マルタ・アルゲリッチ イェルク・フェルバー ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団 1993年 トランペット:ギイ・トゥーヴロン
Shostakovich: Concerto in C minor for Piano and Trumpet, Op. 35(Piano Concerto No.1)Maria Argerich Jörg Faerber Württembergisches Kammerorchesters Heilbronn

アルゲリッチさんの旧録です。跳ねて駆けて行ってしまうし、おどけた風短いパッセージがあったり、どこか聴いたことがあるようなフレーズが登場したり。唐突にトランペットが吹かれたり、性質の違う短いフレーズが、パッチワークのように繋がって展開します。自由闊達なピアノは、トランペットを弾き飛ばす勢いで駆け抜けていきます。

ただ、全容を知るには難しい楽曲で、多面的で複層的というか、いくつもの顔を持ってて謎めいています。とにかく、あちこちに顔を出しては、笑いに誘っている小悪魔的な曲です。その分、飽きませんが、繰り返して聴いても、つかみどころのない曲でもあります。痛快な自由奔放さ。

中間楽章は、エネルギー放出後のぐったり感。これも人を食ってるんだろうと勘ぐってしまうですが、弦楽合奏で静かにうねりを持ってモゾモゾ。軟体動物になっちまったのかぁ~と、変化を受け止めますが、黒光りしながら、弦のフレーズを従えて、悲劇風な大仰なフレーズとなっていきます。ソロトランペットが、疲れ果てた都会のサラリーマンが、眠たい~と言っているかのようなに吹かれ、夢幻の世界を彷徨うピアノ、低音の弦が、ジャンジャンっと音を立てて、歌いながら次楽章へと流れて行きます。

第4楽章は、柵を壊して飛び出しちゃった駿馬のように走ります。打楽器風にピアノが叩かれ、オケも壊れちゃったのというほど即興的で、オチャラケぶり。オモチャ箱をひっくりかえした楽しさがあり、したい放題という無邪気さぶりです。やっちまえというノリ感があふれ出ています。トランペットとピアノの駆け引きに笑い、やっぱ壊れたんだと覆わせて走り抜ける様に驚き、ゼンマイ仕掛けのお猿のオモチャのようなシンバルに笑っているうちにトランス状態に、
いろんな場面に遭遇して、あっという間に終わって~ 時間を忘れます。

CDカップリング:ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番、ハイドン ピアノ協奏曲ニ長調(第11番)出典:YouTube Shostakovich: Piano Concerto No. 1 in C Minor, Op. 35 マルタ・アルゲリッチ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

マルタ・アルゲリッチ アレクサンドル・ヴェデルニコフ スイス・イタリア語放送管弦楽団 🤩

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 マルタ・アルゲリッチ イアレクサンドル・ヴェデルニコフ スイス・イタリア語放送管弦楽団 2006年 トランペット:セルゲイ・ナカリャコフ
Shostakovich: Concerto in C minor for Piano and Trumpet, Op. 35(Piano Concerto No.1)Maria Argerich 

2006年のルガーノ音楽祭ライブです。トランペットのナカリャコフさんの柔らかい音が魅力的で、あっ、もちろんアルゲリッチさんの熱の高さに、恐れおののき拝聴しました。ビートの効いた演奏で、熱狂的な拍手で、はっ!と我に返ります。呑み込まれないように気をつけましょう。録音状態もバッチリです。出典:YouTube マルタ・アルゲリッチ トピック Provided to YouTube by Warner Classics 10本の動画が掲載されているページです。

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番【名盤・おすすめ】

マルク=アンドレ・アムラン アンドルー・リットン BBCスコティッシュ交響楽団 🤣 

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 マルク=アンドレ・アムラン アンドルー・リットン BBCスコティッシュ交響楽団 2003年 Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Marc-André Hamelin Andrew Litton
BBC Scottish Symphony Orchestra

アムランさんの演奏は、あまりのスピードに唖然としてしまいます。第2楽章のアンダンテは、ほっとさせてくれるのですが、(そんなのアタリマエでしょ)まあ、第三楽章が、特に速くて目眩しそう。テニックの凄さは、衆目一致するところですが、もうちょっと加減して欲しいなあって思います。いや、これに馴れないといけないのかしらん。いやいや、そんなことないよね。とにかくビックリ、どひゃ~ の演奏です。出典:YouTube Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 BCスコティッシュ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ドミトリ・マキシモヴィチ・ショスタコーヴィチ マキシム・ショスタコーヴィチ イ・ムジチ・ドゥ・モントリオール 🙂

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 ドミトリ・マキシモヴィチ・ショスタコーヴィチ マキシム・ショスタコーヴィチ イ・ムジチ・ドゥ・モントリオール 1985年 Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Dmitri Shostakovich,jr Maxim Shostakovich I Musici De Montreal

ショスタコさんの次男であるマキシムと、その息子さんの演奏です。出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102: II. Andante Maxim Shostakovich – トピック Provided to YouTube by PIAS

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 😚

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番 レナード・バーンスタイン 弾き振り ニューヨーク・フィル 1958年
Shostakovich: Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Leonard Bernstein New York Philharmonic Orchestra

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲といえば、第1番の方が有名のようですが、第2番も面白いです。あまり難しく考えず、聴いてみたら面白い。ドタバタ劇のよう。バーンスタインさんの演奏は、なかなかにコミカルで楽しげ。巧い下手は解らない~けど、第2楽章のアンダンテが聴きどころです。ショスタコがこんな抒情的で甘い旋律を書いていることに絶句しそうになりました。気絶しそうなほど、別の作曲家の作品かと思ったくらいです。まあ、一度お聴きになってみてください。うふっ。
CDカップリング:バーンスタイン・エディション ソニー・クラシカル協奏曲、管弦楽曲全録音 80枚組BOXのなかの1枚です。ショスタコのピアノ協奏曲第1番と第2番 出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in F Major, Op. 102 Leonard Bernstein Provided to YouTube by Sony Classical

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番【解説】

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番(作品35)は、1933年に作曲されています。正式の名称は「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」です。四つの楽章で構成されており、実際には、いくつかの部分が、全てアタッカ続く単一楽章の作品として見なすことができるもので、約20分の楽曲です。

自作や他人の作品からの引用が、全曲に散りばめられているのが特徴で、特に「24の前奏曲」と類似し、劇付随音楽「ハムレット」からも引用がみられるとか。そのほかにも、第1章の第1主題はベートーヴェンの熱情ソナタが、ハイドンのピアノ・ソナタとか、イッパイ絡みついてるそうです。シニカルで、特殊奏法、アンバランスな音による風変わりな楽器法等が特徴です。トランペットは、皮肉っぽい合の手を入れてきますし、ピアノはユーモア、ウィットを醸し出しています。若い頃の作品の割には、長けていて皮肉屋というか、才能の豊かさと共にひねくれてる~とも言えるかもしれません。

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番【解説】

ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第2番(作品102)は、1957年に作曲されています。当時モスクワ音楽院に在学中だった息子のマクシムのために書かれたものだそうです。三つの楽章で構成されており、第1楽章は、主要テーマとしてファゴットによって演奏され、クラリネットとオーボエの伴奏が続きます。ピアノは、独自のテーマで応じます。行進曲のようなテーマに発展したり、 二オクターブ離れたユニゾンとなったり、オケが突然の爆発したり忙しいです。

第2楽章は、アンダンテで、変奏形式で二つの異なる主題が提示されます。弦楽はハ短調で穏やかに始まり、ピアノがハ長調の三連符のテーマで登場します。まるでラフマニノフの曲を聴いているみたいです。抒情的でノスタルジック。一気に内省的な世界に入り込みます。

第3楽章は、アレグロで、フィナーレはペンタトニックのスケールです。二重拍子のダンスとなっており、弦のピチカートを伴ってピアノが演奏されます。ポルカの一種のようです。ピアノは超絶技巧を必要とされているそうで、技巧を完成させるために取り組んだ研究(ハノンの研究)をユーモラスに再現しているのだそうです。

ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲【ディスク情報】

2003年 アムラン リットン BBCスコティッシュ交響楽団 YPERION 1番・2番
2006年 アルゲリッチ イアレクサンドル・ヴェデルニコフ スイス・イタリア語放送管弦楽団 EMI 1番のみ
1993年 アルゲリッチ フェルバー ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団 G 1番のみ
1985年 ドミトリ・マキシモヴィチ・ショスタコーヴィチ マキシム・ショスタコーヴィチ イ・ムジチ・ドゥ・モントリオール CHANDOS 2番 (他盤で1番があります)
1958年 レナード・バーンスタイン 弾き振り ニューヨーク・フィル SC 1番のみ

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