シューマン:チェロ協奏曲【聴いてみよう】Schumann: Cello Concerto in A Minor, Op. 129

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シューマン:チェロ協奏曲【YouTube】

シューマン:チェロ協奏曲 トルルス・モルク ユライ・ヴァルチュハ hr Symphony Orchestra – フランクフルト放送交響楽団 2022年3月11日のコンサートの模様です。27分47秒の動画です。真摯で良い表情で弾いておられます。甘いシューマンのチェロ協奏曲が聴きたいと思っていましたが、そんな甘いもんじゃーないと言われているようです。ワタシの軟弱さが露見しました。もっと真剣に聴かなくっちゃ。出典:YouTube Schumann: Cello Concerto in A Minor, Op. 129 Truls Mørk Juraj Valčuha hr-Sinfonieorchester

シューマン:チェロ協奏曲【名盤・おすすめ】

ダニエル・ミュラー=ショット エッシェンバッハ 北ドイツ放送交響楽団 😘

シューマン:チェロ協奏曲 ダニエル・ミュラー=ショット クリストフ・エッシェンバッハ 北ドイツ放送交響楽団 2007年 Schumann: Cello Concerto in A Minor, Op. 129 Daniel Müller-Schott Christoph Eschenbach NDR Sinfonieorchester

ミュラー=ショットさんの演奏は、瑞々しく、のびのびとしたフレーズです。あまり鬱々としていません。フレーズの終わりが未練がましく、曇天のなかで、いつまでも一人、公園で座っているような感じの演奏もありますが、甘いマスクと甘い音質で、チェロの艶っぽい、暖かい音が聞えてきます。第2楽章は、すっきりしない、とっつきづらい楽章でうが、空虚さが漂い、迷子になった気分で聴くこともあるのでが、ミュラー=ショットさんの演奏は、払拭しきれないまでも、沈んだ心情に少し寄り添える気がします。オケも、距離を保ちながら寄り添っている感じで。

第3楽章は、別人になったように、逞しく元気よく弾かれています。いつの間にエネルギーをチャージしたのでしょう。まあ、若者にありがちな、激しい気分の落ち込みから、急激な立ち直りかな。社会人になれば、我慢を強いられ、気持ちを全部出すってことがなくなるので、ある意味、羨ましいです。甘く、さらっと重音を弾いており、弾むリズムは爽やかです。ツラくなりすぎず、適度に感情を保った感がします。感情を入れすぎない、深く立ち入らない、良い意味での距離感を保つ演奏だと感じました。

CDカップリング:シューマン チェロ協奏曲イ短調 Op.129、R・シュトラウス チェロとオーケストラのためのロマンス(AV75)、フォルクマン チェロ協奏曲イ短調 Op.33、ブルッフ コル・ニドライ Op.47 出典:YouTube Cello Concerto in A Minor, Op. 129 ダニエル・ミュラー=ショット – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

トルルス・モルク  パーヴォ・ヤルヴィ フランス国立放送フィル 🙄

シューマン:チェロ協奏曲 トルルス・モルク パーヴォ・ヤルヴィ フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団 2003年 Schumann: Cello Concerto in A Minor, Op. 129 Truls Mørk Paavo Järvi Orchestre philharmonique de Radio France ★第2楽章のみ掲載されていました。

モルクさんの演奏は、端正ですっきり。適度な情緒感で安定しています。この曲は、独奏チェロの一人舞台という感じで、オケは、室内楽というか弦楽合奏的な風合いでサポートします。木管の存在を感じますが、金管の存在は忘れますし、存在感の薄い楽曲です。チェロのひとり旅という感じです。

CDカップリング:モルク チェロ協奏曲 9枚組BOX C.P.E.バッハ チェロ協奏曲3曲 2008年、ハイドン チェロ協奏曲全2曲 1991年、シューマン チェロ協奏曲、ブルッフ コル・ニドライ、ブロッホ ヘブライ狂詩曲シェロモ 2003年、ドヴォルザーク チェロ協奏曲、チャイコフスキー ロココの主題による変奏曲 1992年、エルガー チェロ協奏曲、ブリテン チェロ交響曲 1999年、ショスタコーヴィチ チェロ協奏曲全2曲 1995年、プロコフィエフ 交響的協奏曲、ミヤスコフスキー チェロ協奏曲 1997年、ペルト チェロ協奏曲、デュティユー チェロ協奏曲 2001年 カーニス チェロと管弦楽のための協奏曲、ムジカ・セレスティス、エア 2000年 

出典:YouTube Cello Concerto in A Minor, Op. 129: II. Langsam トルルス・モルク – トピック Provided to YouTube by Warner Classics 

アルト・ノラス サカリ・オラモ フィンランド放送交響楽団 🙂

シューマン:チェロ協奏曲 アルト・ノラス サカリ・オラモ フィンランド放送交響楽団 1994年
Schumann: Cello Concerto in A Minor, Op. 129 Arto Noras Sakari Oramo Finnish Radio Symphony Orchestra

静かで目立たない地味~な楽曲だと思ってしまいます。歌があるのはわかるのですが、シューマンの歌なので、朗々と歌われる筈もなく(めちゃ偏見)、もわっとした空気のなかで、もごもご、歌謡風フレーズをチェロが奏でていきます。全楽章に区切りがなく、いつの間に終わったの? 何度となく繰り返しても、まるで、眠れ~眠れ~と歌われるかのように、睡魔に襲われていました。(今もときどき)特に、第2楽章が鬼門です。(えっ そこが聴きどころでしょ)ツッコまれそうなリスナーです。

ラストの楽章は、少し活発なのですが、ちょっと泥臭い主題です。オケが「みっそっふぁ~ みっそっふぁ~」と鳴らす間に、チェロは素速く、チャカチャカチャカと、16音符で刻んでいます。ホント、最後の最後だけが明るめなのですが、結論を出すのが遅い!(と仕事だと怒られそうです)で、カデンツァって、あったのかしらん。主題に埋もれてしまったのでしょうか。(そんな筈ないだろ)チェロの重音は、耳に届きますが、全体的には、こぢんまりとした感じです。なんだか、あまりパッとしない影の薄い曲だなあと思いました。(なんていうリスナーだっ)

ショスタコーヴィチは、このチェロ協奏曲を再オーケストレーションして、作品番号125 としたそうです。へえ~ ショスタコが、シューマンをアレンジする。物好きだな~と(天才を差し置いて)思います。また別の機会に聴きたいですね。

CDカップリング:シューマン チェロ協奏曲 1994年、ドヴォルザーク チェロ協奏曲 1994年 出典:YouTube Schumann Cello Concerto in A minor Op.129 アルト・ノラス – トピック Arto Noras – Topic Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia

ヨーヨー・マ コリン・ディヴィス バイエルン放送交響楽団 😔

シューマン:チェロ協奏曲 ヨーヨーマ コリン・ディヴィス バイエルン放送交響楽団 1985年
Schumann: Cello Concerto in A Minor, Op. 129 Yo-Yo Ma Colin Davis Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks

いつもは陽気なマさんの演奏なのですが、シューマンとなると、やっぱり暗いです。でもね艶っぽさは持っているので、とても聴きやすいです。フレーズも滑らかなので、いったん心をつかむと離さない~ ですね。ところで、チェロ協奏曲は、膨大な作品数があるのですが、バロックや古典派時代に偏っています。ロマン派時代は、ピアノが大人気、協奏曲の主役は、ピアノとヴァイオリン。その他の協奏曲は、一気に作品数を減少させたようです。

チェロ協奏曲といえば、ドヴォルザーク、エルガー、シューマン 、サン=サーンス(第1番)、ラロの協奏曲が有名でしょうか。シューマンが、チェロに興味を示し、協奏曲を書こうとした経緯はわかりませんが、指板の限界まで音を出すことが求められるので、21世紀の今日でも難曲だそうです。(へえ~ 地味に難しいらしい。)

マさんの演奏でさえ鬱々していたので、結局、この楽曲は苦手です。ワタシは、ジメジメ、ウツウツ、モンモンは苦手なのです。苦手意識を克服しないのかーっと怒られそうですが。(またの機会にさせてくださいませ)(^_^;)

CDカップリング:サン=サーンス チェロ協奏曲、ラロ チェロ協奏曲、マゼール フランス国立管弦楽団 1980年、シューマン チェロ協奏曲 C・デイヴィス バイエルン放送響 1985年 出典:YouTube Cello Concerto in A Minor, Op. 129 Yo-Yo Ma Provided to YouTube by Sony Classical

シューマン:チェロ協奏曲【解説】

シューマンのチェロ協奏曲(イ短調 作品129)は、1850年に作曲されています。シューマンは、協奏曲のジャンルでは、ダントツに有名なピアノ協奏曲、このチェロ協奏曲、そしてヴァイオリン協奏曲があります。このチェロ協奏曲は、ロマン派の楽曲としては、結構貴重な曲です。

全楽章切れ目なく綴られるなど、構成的には珍しいもの。この曲は、作曲された1850年に、シューマン自身よって、チェロ・パートをヴァイオリン用に編曲されて、ヴァイオリン協奏曲ができています。このヴァイオリン協奏曲は、イ短調(作品129)と呼ばれており、同じ作品番号になっています。遺作のヴァイオリン協奏曲がありますので、混同しないでくださいね。

第1楽章 イ短調、ソナタ形式 器楽合奏の短い序奏(E-A-C)の後、チェロが主題(E-A-H-C-A-E-C)を歌います。楽章の題の通り「速すぎないように」演じられ、タイを多く使い、リズムに凝っていながら流麗に展開しているもの。また、イ短調ながら嬰ニ音を多く使うなど、マジャール音階の影響も盛り込まれています。

第2楽章 ヘ長調 穏やかな中間楽章です。
第3楽章 イ短調 ソナタ形式 器楽合奏との掛け合いで主題が構成されており、最後は同名長調のイ長調で締めくくられます。文字通り「大いに元気がよい」楽章で、伴奏付のカデンツァが用意されています。全体的に、チェロとしては高音域が多く、しばしば重音が現れるなど、技巧的にも難曲といえるそうです。楽章に区分されていますが、実際には通して演奏され、約23分の作品です。難曲だと言われています。

シューマンの協奏曲っていえば、ピアノ協奏曲が有名で、チェロやヴァイオリン協奏曲は、少しマイナーかもしれません。その昔、ジャクリーヌ・デュ・プレさんの演奏が名盤とされていましたが、さすがに半世紀以上前です。この曲は、途中で悶々としちゃうんですが、逞しく復活~できたかなって感じで、少し甘めの演奏が好きです。 

シューマン:チェロ協奏曲【ディスク情報】

1985年 ヨーヨー・マ C・デイヴィス バイエルン放送響 SC
1994年 ノラス オラモ フィンランド放送交響楽団 Finlandia
2003年 モルク P・ヤルヴィ フランス国立放送フィル E 
2007年 ミュラー=ショット エッシェンバッハ 北ドイツ放送響 ORFEO

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