ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲【聴いてみよう】Wieniawski: Violin Concerto No.1&NO.2

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ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲【YouTube】

第15回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールの動画です。

第15回(2016年)ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールでの模様です。ヴァイオリン:Bomsori Kim キム・ボムソリさん(김봄소리)1989年生まれ この時のコンクールでは、第2位だったそうです。Henryk Wieniawski Musical Society 他にも、数多くの演奏家の動画も配信されています。 出典:YouTube Bomsori Kim plays Wieniawski Violin Concerto no. 2 in D minor, Op. 22 | STEREO
Wieniawski Society

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番&第2番【名盤・おすすめ】

バルトゥオミ・ニジョウ ノヴァク シンフォニア・ヴァルソヴィア 😙

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番 バルトゥオミ・ニジョウ グジェゴシュ・ノヴァク シンフォニア・ヴァルソヴィア 1996年 Wieniawski: Violin Concerto No. 1 in F-Sharp Minor, Op. 14 Bartlomiej Niziol Grezegorz Nowak Sinfonia Varsovia

バルトゥオミ・ニジョウ(Bartlomiej Niziol)さんは、チューリッヒ・フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターです。1991年のヴィエニャフスキ国際コンクール第1位、1993年ロン=ティボー国際コンクール第1位という受賞歴をお持ちのヴァイオリニストです。物悲しいクラリネット、そしてオーボエのフレーズに続き、明るめの声で、弦が悲しさを打ち消すかのように現れてきます。甘くて切ないフレーズ、恋心一杯で、はち切れそうになってます。

カデンツァの部分は、ひぃ~っとサラサーテ風に悲鳴をあげ、再度「し~ら どしれぇ~」と、甲高い声をあげたあと風船が萎むような声で縮みます。オケのなかでお供するのは、フルートなどの木管ですが、これでもか的にヴァイオリンは甘いフレーズをなぞっていくのです。頂点でのフレーズも同じです。そのため、繰り返して演奏される主題は、すっかり駄耳・凡人の頭にも定着します。二十歳にもならない頃の作曲だと言うから驚くほどの成熟ぶりです。ヴァイオリンは、超高音域でしか活躍の場を与えてもらえず、主題を飾っていく役割ですが、オケとは隔離され完全な別仕立てのようです。

第2楽章~第3楽章 アダージョ風というか間奏曲風のフレーズで、意外と地味です。テンポは遅く、ホルンが音を出しながら、木管とチェロが、ふわふわしたフレーズを奏でてますが、休憩時間って感じの楽章で、あっという間に終了。第3楽章では、金管が、ファンファーレを吹いたあと、激しいフレーズが登場します。独特の弾んだリズム。独特なリズムなので面白いんですね。日本では、こんなリズムは聴いたことがないかも。主題は単調ですが、表情がころころ変わって、明るいのやら暗いのやら。まるで、光と影が一緒にくっつき一体になって踊っているようなものです。

ヴァイオリンは、装飾効果として使われ、二次的な役割にされています。それが露骨すぎるほど露骨。つまり、テクニック重視なんですよね。素人でも、こりゃ大変だ~と感じます。飛んで跳ねて、ホップ・ステップ・ジャンプどころか、助走なしで飛ばないいけない感じ。で、飛んだら、遠くに行っちゃって姿が見えない~て思うほど。楽曲のイメージが強すぎて、ヴァイオリンが弾けるだけ天才だろう~と思ってしまいます。濃厚な味付けで辟易しそうになりますが、聴いた後味は、テンポが良かったせいか意外と爽やかです。

CDカップリング:ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番 出典:YouTube Violin Concerto No. 1 in F-Sharp Minor, Op. 14 ヘンリク・ヴィエニャフスキ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ギル・シャハム ローレンス・フォスター ロンドン交響楽団 🤗

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ギル・シャハム ローレンス・フォスター ロンドン交響楽団 1990年 Wieniawski: Violin Concerto No. 1 in F-Sharp Minor, Op. 14 Gil Shaham London Symphony Orchestra

シャハムさんの演奏は、適度な甘さと切なさが織り込まれた演奏で、とろとろの粘っこい演奏ではありません。この曲は、青春時代の甘い恋心のように、聴くと少し、恥ずかしい気分になりますね。旋律は、快活に変わり流れていきますが、甘く膨らんでいきます。どこか忘れてきた青春時代を思い出すには、うってつけの楽曲かと思います。いまさらと思いつつも聴いているうちに、ひきこまれます。

典型的なロマ風(ジプシー調)例の「チャっ チャカチャチャチャチャ~っ」というフレーズが流れます。中音域の甘くて柔らかい音が、魅惑的で、蠱惑的(こわくてき)です。ロマ風のフレーズも、リズミカルで高音の響きになって昇華していくので、身震いしちゃうけれど、そこはシャハムさんのテクに酔いしれてください。もはや、余計な言葉が不要なほどに、美しい美音で奏でられた極上の演奏だと思います。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ギル・シャハム ローレンス・フォスター ロンドン交響楽団 1990年 Wieniawski: Violin Concerto No.2 In D Minor, Op.22 Gil Shaham London Symphony Orchestra

シャハムさんの演奏は、第1番と同様に華麗なるテクと美音で綴られたヴィエニャフスキの協奏曲となっています。クラリネットの甘い響きも寄り添って、1番に比べると、多少は渋さも加味されたかもしれません。第2番の冒頭は、中音域から始まる印象に残る主題です。この出だしで、ヴィエニャフスキの2番とわかります。

ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲は、1番より2番の方が名曲として有名です。まあ、確かに、協奏曲としての型が整って、甘さだけでない雰囲気を持ち合わせ、完成度はより高いと思います。甘さと渋さが相まっての風情を楽しむことができます。また、ほのかに暗さがあり、落ち着いた渋さが出ているように思います。

CDカップリング:ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番、伝説曲(作品17)、サラサーテ「ツィゴイネル・ワイゼン」出典:YouTube Wieniawski: Concerto for Violin and Orchestra no.1 in F sharp minor op.14 Wieniawski: Concerto for Violin and Orchestra no.2 in D minor op.22 ギル・シャハム – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジョシュア・ベル アシュケナージ クリーヴランド管弦楽団 🥰

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ジョシュア・ベル ウラディーミル・アシュケナージ クリーヴランド管弦楽団 1988年 Wieniawski: Violin Concerto No.2 In D Minor, Op.22 Joshua Bell Vladimir Ashkenazy The Cleveland Orchestra

ジョシュアさんのヴァイオリンは、細めで、物足りなさも感じていたのですが、この2番の第2楽章ロマンスでは、彼の繊細さが活かされてて引き込まれます。また第3楽章も、しなやかに跳躍しており、この楽曲にマッチしているよね~と思いました。付点のリズムも軽々と、言葉は悪いのですが飄々としています。パールマンさんのようなアクの強い節回しではないので濃厚ではありません。

昔は、ロマ風のクネクネ、太めのとろみのある濃厚な演奏が好みだったので、前はスルーしていたのですが、さすがに21世紀になったためか(自分が年齢を重ねたせいか)、あっさり薄口の味付けに変化してきたようです。今では、ベルさんの演奏が好ましく感じるようになりました。みなさんも好みが、変化するかもしれません。クラシック音楽も、お料理の好みも~ 多分。

CDカップリング:チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲、ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番、アシュケナージ指揮 1988年録音、ブラームス ヴァイオリン協奏曲、シューマン ヴァイオリン協奏曲 ドホナーニ指揮  1994年録音 全てクリーヴランド管弦楽団 2枚組BOX 出典:YouTube Wieniawski: Violin Concerto No. 2 in D Minor, Op. 22 Joshua Bell Provided to YouTube by Universal Music Group

イツァーク・パールマン バレンボイム パリ管弦楽団 😂

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 イツァーク・パールマン ダニエル・バレンボイム パリ管弦楽団 1983年 Wieniawski: Violin Concerto No.2 In D Minor, Op.22 Itzhak Perlman Daniel Barenboim Orchestre de Paris

パールマンさんのヴァイオリンは、美音でまったり歌いあげられており、陶酔的で官能的です。冒頭から、いきなり甘いフレーズを繰り返してきて、いったい、これからどう展開するのか驚かされます。いきなりメインディッシュが登場した感じです。オケは、そんなことはお構いなしに、朗々と演奏し、そろそろ食傷気味になりそうになった頃合いで、ヴァイオリンが登場するという仕掛けです。

また、えっ、また同じフレーズをヴァイオリンでなぞるんですかって具合です。12分程度の第1楽章の中間部で、眠くなってしまうところが難点ですが、バイオリンを弾くパールマンさんは、ねっとり情感たっぷり美音で奏でています。オンナ心をわかっているぞっとばかりに、からみとられてしまうところが難点。ここでころり~ですね。

第2楽章~第3楽章 ゆったりとした眠りに誘うようなフレーズです。ロマンス楽章は、8分の12拍子で、水辺でゆらゆら揺れている花のよう。揺りかごで、赤ちゃんをあやす子守歌のような楽章です。で、第3楽章になると、一転して、激しく慌ただしいフレーズとなっています。盛り上がって、てっぺんで、ひひぃ~っと叫んだあと、反転して甘い世界に突入します。この主題は、第1楽章第2主題と同じもの。ロマ風の激しい跳躍が続きます。アクセントをつけて踏み込み、そして跳躍していくのですが、節回し、アクセントのつけ方が独特で、甘さと苦みが癖になります。

パールマンさんの節回しは、ひやっ~っと跳躍前に切れがあり、首筋が痛寒くなりますが、アイススケートのトリプルアクセルのように、飛ぶ前のエッジが鋭いのが感覚でわかります。独特の艶のある粘りはさすが。短い楽曲なので、激走する場面で驚かされ、甘いフレーズで、とろとろに~。

聴いてて恥ずかしいほどに甘く、ワタシたちは、まるでジェットコースターから降りたときみたい~ 目眩がします。演奏される機会が多くない楽曲ですが、この曲は、青春時代に、甘いとろけ味を知りたいときにおすすめです。大人になって聴くと、うーん、さすがに、うぷぷっ、鼻血が出そう! いや、やっぱり演出過剰な演奏だと思いますので、一度聴いてお腹いっぱいになるかもしれません。

CDカップリング:サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番、ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番
出典:YouTube Wieniawski: Violin Concerto No.2 In D Minor, Op.22 itzhakperlman Provided to YouTube by Universal Music Group 

ヘンリク・シェリング ヤン・クレンツ バンベルク交響楽団 😘

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 ヘンリク・シェリング ヤン・クレンツ バンベルク交響楽団 1972年 Wieniawski: Violin Concerto No.2 In D Minor, Op.22 Henryk Szeryng Jan Krenz Bamberger Symphoniker

往年の名盤ですが、さすがに録音状態は古いのでお薦めしません。しかし、必要以上に甘ったるい演奏とは異なり、かなりシャープで、グローバル時代の現代においても通じる演奏だと思います。第2楽章も、淡々と弾いていながらも、しっかり風味付けがなされており、かったるいほど演出過剰なポルタメントではありません。かなり、控えめながらも密やかに熱いという気がします。第3楽章もロマ風の香りがありますが、さほどローカル色を濃くしないで演奏されているところが、かえって好感を感じます。シマノフスキのヴァイオリンとカップリングとは斬新です。

CDカップリング:ヴィエニャフスキヴァイオリン協奏曲第2番、シマノフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番 出典:YouTube Wieniawski: Violin Concerto No. 2 in D Minor, Op. 22 ヘンリク・シェリング – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

イツァーク・パールマン 小澤征爾 ロンドン・フィル 🙄

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番 イツァーク・パールマン 小澤征爾 ロンドン・フィル 1971年 Wieniawski: Violin Concerto No. 1 in F-Sharp Minor, Op. 14 Wieniawski: Violin Concerto No.2 In D Minor, Op.22 Itzhak Perlman Seiji Ozawa London Philharmonic Orchestra 1985年にリマスタリングされたようで、YouTubeに掲載されていました。ちょっと録音が古めですが、参考までに。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲【解説】

ヘンリク・ヴィエニャフスキ(Henryk Wieniawski)は、ポーランドのヴァイオリストで作曲家です。1835年生まれなので、サン=サーンスと同じ年齢、1833年生まれのブラームスと同年代。ロマン派時代を生きた方です。驚異的な技巧と情熱による華麗な演奏が知られ、作品もまたスラヴ的情緒と名人芸的要素により愛されてます。後年、1935年、生誕100年を記念して、ヴァイオリニストの登竜門として有名なヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールが創設されています。ヴァイオリンの作品は、ヴァイオリン協奏曲第1番と2番、2曲の華麗なるポロネーズなどがあります。

ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第1番は、1853年にライプツィヒで初演されています。演奏時間は約22分。第2番は、1862年に、作曲者自身の独奏で初演されています。特に、ヴァイオリン協奏曲第2番は有名楽曲で、ロマン派の官能的、感動的な旋律と和声によって、記憶に残りやすい作品となっています。協奏曲第2番は、第1楽章においては、ソロ・ホルンで始まり、厳粛で不安な第1主題と、抒情的な第2主題があり、その両方の要素が、ヴァイオリンによって伸びやかに発展し、驚異的な装飾音を施されていきます。

第2楽章の「ロマンス」は、8分の12拍子のたゆたうような旋律で、前楽章から切れ目なしに演奏されます。中間部で印象的な山場が形成されます。第3楽章は、前楽章のカデンツァによって終楽章へと突入します。ロマ風に演奏され、目まぐるしいロンドで、第2主題と第3主題の途中で、第1楽章第2主題が回想されます。協奏曲第1番、第2番共に、甘くて蠱惑的、妖艶な旋律が満載の楽曲となっています。恥ずかしくなっちゃうような、青春時代の甘い恋心が満載。濃厚なロマ風味でノックアウトです。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲【ディスク情報】

1971年 パールマン 小澤征爾 ロンドン・フィル EMI
1972年 ヘンリク・シェリング ヤン・クレンツ バンベルク交響楽団 Ph
1983年 パールマン バレンボイム パリ管弦楽団 G 第2番のみ
1988年 ジョシュア・ベル アシュケナージ クリーヴランド管弦楽団 Dec
1990年 シャハム フォスター ロンドン交響楽団 G 
1996年 ニジョウ ノヴァク シンフォニア・ヴァルソヴィア CDac 

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