コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調【聴いてみよう】Korngold: Symphony in F sharp, op.40

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コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調【名盤・おすすめ】

ジョン・ウィルソン シンフォニア・オブ・ロンドン

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 ジョン・ウィルソン シンフォニア・オブ・ロンドン 2019年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 John Wilson Sinfonia of London
CDカップリング:コルンゴルト交響曲、主題と変容(作品42)、J・シュトラウス二世の主題によるパラフレーズ(作品21)2019年録音 出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 ジョン・ウィルソン – トピック Provided to YouTube by PIAS

ジョン・ストルゴー ヘルシンキ・フィル

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 ジョン・ストルゴー ヘルシンキ・フィル 2010年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 John Storgårds Helsinki Philharmonic Orchestra
CDカップリング:コルンゴルト 交響曲、古い様式による小舞曲 出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

マルク・アルブレヒト ストラスブール・フィル

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 マルク・アルブレヒト ストラスブール・フィル 2010年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 Marc Albrecht Strasbourg Philharmonic Orchestra

CDカップリング:コルンゴルト 交響曲、組曲「空騒ぎ」5曲 2010年録音 出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 ストラスブール・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ジェームズ・デプリースト オレゴン交響楽団

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 ジェームズ・デプリースト オレゴン交響楽団 1998年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 James DePreist Oregon Symphony

CDカップリング:コルンゴルト シー・ホーク(ジョン・モーガン編曲)、交響曲(作品40) 出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 オレゴン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 🥰

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1996年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 André Previn London Symphony Orchestra

プレヴィンさんの演奏は、躍動感があり、シンフォニックに演奏されています。若い頃、ハリウッドとの縁深いプレヴィンさんには、うってつけの演奏でしょう。冒頭は、不協和音で低音の木管と木琴で不気味です。深夜の都会のビル、鉄製の螺旋階段を下りてくるような雰囲気で始まります。するっと場面展開して、弦の甘いフレーズが寄りかかって主流になります。ティンパニの残響、フルートの音色など、録音状態が良いので綺麗に響いています。

映画音楽の風味もあって、大航海時代、アメリカの西部劇、SFXなど、ハリウッド映画作品の駒を繋げあわせたかのようです。幽霊が登場するような冒頭に甘いロマンス要素を繋いだ約15分の楽章です。

第2楽章は、軽やかな吹奏楽のようで、ストーリーは、いっきに宇宙空間まで広がっていくかのよう。クラシック音楽の範疇を超えて、ぶっ飛び~ ですが、娯楽映画を見ているためか違和感はありません。勇壮で、ダイナミックな演奏です。1952年の作曲ですが既にSFX映画音楽そのもの。いろんな和音が複合的に重なり、調性をもったフレーズが絡んで進みます。プレヴィンさんの演奏は、娯楽的要素を前に出して面白く演奏されています。

第3楽章~第4楽章は、沈みこむフレーズが緩やかに流れ、寄せては引いていく波が特徴です。多様な要素が織り込まれ、冒険活劇の主人公が、マストの上を飛び跳ねているような演奏の巧さが光ります。娯楽的、通俗的であることを前面に出して、堂々と演奏しているところが痛快です。パッチワーク要素の高い組曲のような曲で、とても長い(約53分)ため、いささか疲れますが、要素を整理して、できる限り飽きさせない演奏になっています。

CDカップリング:コルンゴルト 交響曲嬰ヘ短調、組曲「空騒ぎ」第2曲「花嫁の部屋の乙女」、第3曲「ドグベリーとヴァージェス(夜警の行進)、第4曲「間奏曲」、第5曲「仮面舞踏会ホーンパイプ)出典:YouTube Korngold: Symphony in F sharp, op.40 ロンドン交響楽団 – トピック London Symphony Orchestra – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

フランツ・ヴェルザー=メスト フィラデルフィア管弦楽団 😘

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 フランツ・ヴェルザー=メスト フィラデルフィア管弦楽団 1995年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 Franz Welser-Möst Philadelphia Orchestra

メストさんとフィラデルフィア管弦楽団の演奏で、コルンゴルトのCDが、さほど多く発売されていない頃、初めて聴くのに重宝したように記憶しています。低弦、ティンパニー、ピアノとファゴットの不気味なフレーズが登場し、干からびた大地にキャタピラーが登場し、ガチガチ金属音を発しながら、凸凹坂道を登っている感じで始まります。場面が展開すると、フルートが、安寧な世界に至るという急展開ぶりです。各シーンが短くて展開の速いのが特徴です。

ホルンが吹かれると、次は、冒険活劇がスタート。メストさんの演奏は、もう少し遊び心が欲しいところですが、短いスパンでの曲想が変わるため、15秒スポットCMを次々に見ているかのようです。冒頭のテーマが再登場することで、統一感を図っていますが、映像のように、可視化することに秀でているためか、イメージしやすい演奏です。

第2楽章は、パーカッションが跳躍を繰り返します。ホルンやトランペットなどの金管が、重要な役割を担っており、 堂々と登場し、格好の良い演奏です。金管が絶対的メインで、後年、J・ウィリアムズなどの映画音楽に継承されていく感じです。

第3楽章~第4楽章は、冒険活劇風に締めます。組曲のとも、シェークスピアの劇付随音楽のようにも感じます。メストさんの演奏は、吹奏楽の延長のようにも感じますが、機会の少ない楽曲なので貴重な演奏です。

CDカップリング:2枚組BOX コルンゴルト 交響曲 メスト フィラデルフィア管弦楽団 1995年、ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリン:ウルフ・ヘルシャー ヴィリー・マッテス シュトゥットガルト放送響 1973年、劇付随音楽「空騒ぎ」組曲 1973年、主題と変奏 1973年 マッテス シュトゥットガルト放送交響楽団、ピアノ三重奏 1994年、オペラ「死の都」第1幕 マリエッタの歌 私に残されたしあわせは 1996年、オペラ「死の都」第2幕 私の憧れ、私の幻は蘇る 出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 フランツ・ウェルザー=メスト – トピック
Provided to YouTube by Warner Classics

エドワード・ダウンズ BBCフィル

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 エドワード・ダウンズ BBCフィル 1992年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 Edward Downes BBC Philharmonic Orchestra

CDカップリング:コルンゴルト 四つの歌曲 告別の歌(作品14)アルト:リンダ・フィニー、交響曲(作品40)
出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 BBCフィルハーモニック – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト 北西ドイツ・フィル

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調 ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト 北西ドイツ・フィル 1988年
Korngold: Symphony in F sharp, op.40 Werner Andreas Albert  Nordwestdeutsche Philharmonie

CDカップリング:コルンゴルト交響曲、主題と変容(作品42)、J・シュトラウス二世の主題によるパラフレーズ(作品21)1988年録音 出典:YouTube Symphony in F-Sharp Major, Op. 40 北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調【解説】

コルンゴルトの交響曲(嬰ヘ調 作品40)は、1947年から1952年に作曲されています。ホント、ハリウッド映画のはしりのような曲で、冒険活劇、史劇、SFXの要素が詰め込まれて~ オケの編成は、ティンパニ、シンバル、銅鑼、バスドラム(大太鼓)、グロッケン(鉄琴)、シロフォン(木琴)、マリンバ、ハープ、ピアノ(チェレスタ)など、なんとまあ豪勢なこと。曲と共に詰め込みすぎ~です。

第1楽章 4/4拍子 モデラート 序奏なしのソナタ形式 主要主題は、刺々しく、薄い響きを伴奏にしてフルート独奏が歌い出します。楽章全体としては疾風怒涛の劇的な展開を見せます。

第2楽章 12/8拍子~6/4拍子 伝統的なジグ風のパルスに乗った急速なスケルツォです。途中で勇壮な西部劇風の副主題が現れます。中間部は、緩やかなテンポと薄いテクスチュアの中で、上下に音階をなぞって動く民謡風の旋律があります。複調的な和声進行と飾り気のない旋律で、ストラヴィンスキー春の祭典第2部に似た印象の響きです。

第3楽章 4/2拍子 長大で内省的な楽章で、ブルックナーやマーラーの交響曲に似た緩徐楽章が白眉です。静々とした運びと悲しげな曲想が、段々と情熱的に盛りあがります。

第4楽章 4/4拍子 アレグロで楽天的な調子です。終結部において、嬰ヘ長調に転調するまで、主調はト長調。躍動的な音型が駆け巡ります。

頻繁に拍子が変わります。前半の2つの楽章は、リズムが強調されています。主要主題が不安定な調性、切迫感ある曲想で、副主題は、映画音楽のような親しみやすいフレーズになっています。

コルンゴルト:交響曲嬰ヘ長調【ディスク情報】

1988年 ヴェルナー・アンドレアス・アルベルト 北西ドイツ・フィル CPO
1992年 エドワード・ダウンズ BBCフィル CHANDOS
1996年 プレヴィン ロンドン交響楽団 G
1995年 ウェルザー=メスト フィラデルフィア管弦楽団 EMI
2010年 マルク・アルブレヒト ストラスブール・フィル PENTATONE
2010年 ジョン・ストルゴー ヘルシンキ・フィル ONDINE
2019年 ジョン・ウィルソン シンフォニア・オブ・ロンドン CHANDOS

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