デュリュフレ:レクイエム【YouTube】
デュリュフレ:レクイエム パウェウ・カプラ ワルシャワ・フィル、同合唱団 2017年5月12日のコンサートの模様 47分28秒の動画です。Duruflé: Requiem, Op.9 Paweł Kapuła Filharmonia Narodowa 出典:YouTube Maurice DURUFLÉ – Requiem op. 9 Filharmonia Narodowa
デュリュフレ:レクイエム アンサンブル神戸 ensemble Kobe 矢野正浩指揮 アンサンブル神戸 2022年1月22日のコンサートの模様です。45分23秒の動画です。出典:YouTube モーリス・デュルフレ / レクイエム Maurice Duruflé / Requiem, Op. 9
デュリュフレ:レクイエム【名盤・おすすめ】
デュリュフレのレクイエムは、次の9曲で構成されています。
1 入祭唱 Introit
2 キリエ Kyrie
3 奉献唱「主イエス・キリスト」Domine Jesu Christe
4 サンクトゥス Sanctus
5 慈しみ深き主イエスよ Pie Jesu
6 神の小羊 Agnus Dei
7 聖体拝領唱「永遠の光」 Lux aeterna
8 我を許し給え(われを解き放ちたまえ) Libera me
9 楽園(パラダイス)へ In Paradisum
イヴァン・レプシッチ ミュンヘン放送管弦楽団 😘
デュリュフレ:レクイエム イヴァン・レプシッチ ミュンヘン放送管弦楽団 2017年
Duruflé: Requiem, Op.9 Ivan Repušić Münchner Rundfunkorchester メゾ・ソプラノ:オッカ・フォン・デル・ダメラウ Okka von der Damerau バリトン:リュボミール・プシュカリッチ Ljubomir Puškarić 合唱:バイエルン放送合唱団
レプシッチさんは、1978年生まれのクロアチ出身の指揮者です。ミュンヘン放送管弦楽団は、バイエルン放送交響楽団に比べると規模は小さいそうですが、同じ放送局のオケです。たまたま、カップリングされているレスピーギが聴きたいときに見つけので、サブスクを利用して拝聴しました。
デュリュフレのレクイエムは、とても素敵な演奏です。ふわっとした音響で包まれ、少し奥まった感もしますが、豊かです。抑揚がついているというか、派手さはないのですが、ふわっとしていながら、移ろいゆく流れに身を任せても良いという感じになっていきます。とても心地良く、幸せな気持ち、嬉しくなるような感情が湧いていきます。少しずつの高揚感なのです。大きく包まれ、ずっと続いて欲しいという気持ちになります。声楽も弦の響きも柔らかく、ハープの響きもまろやかで、別世界に連れていかれます。
CDカップリング:デュリュフレ レクイエム、レスピーギ グレゴリオ聖歌風協奏曲 2017年 出典:YouTube Requiem, Op. 9 Okka von der Damerau – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
スティーヴン・クレオベリー エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 🙂
デュリュフレ:レクイエム スティーヴン・クレオベリー エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 2015年 Duruflé: Requiem, Op. 9 Stephen Cleobury Orchestra of the Age of Enlightenment メゾ・ソプラノ:パトリシア・バードン Patricia Bardon バリトン:アシュリー・リッチーズ Ashley Rickards 合唱:ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団 Choir of King’s College, Cambridge
小さな室内管弦楽版 1961年版を使用しており、ご存知のとおり、エイジ・オブ・インライトゥメント管はピリオド楽器を演奏する団体です。ピリオドで、レクイエムを演奏することに、少々戸惑いがあったのですが、あまり違和感はありません。この曲が好きなので心地良く聴けました。
HMVの解説によると、トランペット3、ティンパニ、ハープ、オルガン、弦楽合奏という編成で1961年に作曲されているので、1961年版という表記になっているようです。ん? 版はそうなるのね。楽器だけが古楽器ってわけですね。第3曲の奉献唱「主イエス・キリスト」Domine Jesu Christe まで聴き進めて、軽やかで涼やか、清潔度合いが増すように思います。サブスクを利用して拝聴しました。出典:YouTube Requiem, Op. 9: (1961 Version) エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by harmonia mundi
ビル・アイヴス イングリッシュ・シンフォニア 🙄
デュリュフレ:レクイエム ビル・アイヴス イングリッシュ・シンフォニア 2005年
Duruflé: Requiem, Op. 9 English Sinfonia オルガン:マルティン・フォード Martin Ford 合唱:オックスフォード・マグダレン・カレッジ合唱団 Choir of Magdalen College, Oxford
イングリッシュ・シンフォニアさんの演奏は、少し地味な感じを受けます。静謐さを醸し出しながら、コーラスが響いてきまますが、安定感が少し~ サブスクを利用して拝聴したので、あまり偉そうなことは言えません。すみません。
出典:YouTube Requiem, Op. 9 オックスフォード・マグダレン合唱団 – トピック Provided to YouTube by harmonia mundi
フレデリーク・マルムベリ スウェーデン放送合唱団
デュリュフレ:レクイエム フレデリーク・マルムベリ スウェーデン放送合唱団 2004年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Fredrik Malmberg Swedish Radio Chorus メゾ・ソプラノ:マレーナ・エルンマン Malena Ernman バリトン:オッレ・パーション Olle Persson オルガン:マティアス・ワーグナー Mattias Wager
CDカップリング:デュリュフレ レクイエム、フォーレ レクイエム(マディアス・ワーグナー編オルガン伴奏版)
出典:YouTube Requiem, Op. 9 マレーナ・エルンマン – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ミシェル・プラッソン トゥールーズ・キャピトル管弦楽団
デュリュフレ:レクイエム ミシェル・プラッソン トゥールーズ・キャピトル管弦楽団 1999年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Michel Plasson Orchestre National du Capitole de Toulouse
メゾ・ソプラノ:アンネ・ゾフィー・フォン・オッター Anne Sofie von Otter バリトン:トーマス・ハンプソン Thomas Hampson 合唱:オルフェオン・ドノスティアラ Orfeón Donostiarra
CDカップリング:レクイエム(作品9)、ミサ曲クム・ユビロ(作品11)、グレグリオ聖歌の主題による4つのモテット(作品10)、主の祈り(作品14) オルガン:Marie-Claire Alain マリー・クレール・アラン 出典:YouTube Orchestre National du Capitole de ToulouseRequiem, Op. 9 ミシェル・プラッソン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
チョン・ミョンフン 聖チェチーリア音楽院管弦楽団 😘
デュリュフレ:レクイエム チョン・ミョンフン 聖チェチーリア音楽院管弦楽団 1998年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Myung-Whun Chung L’Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia
メゾ・ソプラノ:チェチーリア・バルトリ Cecilia Bartoli バリトン:ブリン・ターフェル Bryn Terfel サンタ・チェチーリア国立アカデミー合唱団
ミョンフンさんの演奏は、まるで雲のなかにいる感じで、ふわっとした空気感で取り巻かれ、耳をそばだてても、なかなか音が小さく、そのまま消えていきます。ボリュームのレベル調整の難しい演奏です。第3曲目「栄光の王、主イエズス・キリストよ」になった途端、活発になって元気づくティンパニ。バン ババンっと、いきなり叩き下ろされます。たいていどの演奏でもそうなのですが、第3曲で、唐突にティンパニが大きくなって、椅子から転げ落ちるほどの音量となり仰天させられます。
「ピエ・イエズス」は、メッゾ・ソプラノ、合唱 「いつくしみ深き主イエズスよ」で歌われるバルトリさん。このコロコロ喉の奥で転がる声に驚きました。ロッシーニのような陽気なオペラではないので、猫のようにごろごろ鳴らすような声は、ちょっと驚き。第7曲「ルックス・エテルナ」は、合唱「主よ、永遠の光を彼らの上に照らし給え」で、聞こえてくる木管の音色が綺麗です。静謐さのなかで透っています。第8曲になるとエンジンがかかり、オケに迫力が出てきます。やっぱり、ここでもティンパニが俄然大きく響きます。立派すぎて、ちょっと驚きました。でも、総体的に良い演奏だと思います。
CDカップリング:フォーレ レクイエム、デュリュフレ レクイエム 出典:YouTube Duruflé: Requiem チョン・ミョンフン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ゲイリー・グラーデン 聖ヤコブ室内合唱団 🥰
デュリュフレ:レクイエム ゲイリー・グラーデン 聖ヤコブ室内合唱団 1992年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Gary Graden St. Jacobs Chamber Choir オルガン:マティアス・ワーガー Mattias Wager バリトン:ペーテル・マッティ Peter Mattei メゾ・ソプラノ:,パウラ・ホフマン Paula Hoffman チェロ:エレメール・ラヴォタ Elémér Lavotha
グラーデンさんと聖ヤコブ室内合唱団盤は、自分の部屋が、教会に早変わりしちゃうような錯覚を受けます。ああ~っ しあわせ・・・オルガン伴奏版で、合唱とオルガン、チェロ独奏が入ってきます。合唱と、バリトン、メゾソプラノの歌っているなど、残響の柔らかい音がイッパイに広がり、天上の世界が広がってくるようです。
ストックホルムの聖ヤコブ教会で録音されたもので、その教会のオルガンを使用しておられます。高音域は澄んでいますが、バロックのようなオルガンの響きではなく、近代的な響きがします。もしかしたら、デュリュフレの和音のせいかもしれません。バリトンのペーテル・マッティさんの声が良かったですし、オルガンの音色も、間合いも、息を深々と吸い込んで、聴くことができます。
敬虔で、静謐で、教会の小さな長いすに座っている気分になってきます。そして、自分をとりまく世界が、ちょっぴり広がって~ 風の通りが良くなった気分です。目を閉じて聴くと、より一層良いかもしれません。デュリュフレのレクイエムは、フルオケ版も室内楽版、この演奏のようにオルガン版があります。ぜひ、いろんな版を聴いてみてください。
CDカップリング:デュリュフレ レクイエム、グレゴリオ聖歌の主題による4つのモテット、ミサ曲「クム・ユビロ」出典:YouTube Duruflé: Requiem, Op. 9 St. Jacob’s Chamber Choir – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
マシュー・ベスト イギリス室内管弦楽団 😍
デュリュフレ:レクイエム マシュー・ベスト イギリス室内管弦楽団 1985年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Matthew Best English Chamber Orchestra オルガン:トーマス・トロッター Thomas Trotter バリトン:トーマス・アレン Thomas Allen メゾ・ソプラノ:,アン・マレイ Ann Murray チェロ:チャールズ・タンネル Charles Tunnell 合唱:コリドン・シンガーズ Corydon Singers
マシュー・ベストさんの演奏は、1961年版ということで、チェロ、オルガンが参加します。ゲイリー・グラーデン 聖ヤコブ室内合唱団(1992年BIS盤)と同じ編成で、オルガン伴奏版。正確に言うと、合唱とオルガン、チェロ独奏版っていうのだろうと思います。勢いのある演奏で、大音量で響く場合もあるので、おおっ!と、ちょっと驚くかもしれませんが、迫力があるという感じです。オルガンの響きも良く、大きな空間に静かに瞑想できる面持ちになります。録音状態が良く、暖かみのある声でかなり癒やされますし、ワタシにとって、ベストと言っても過言ではない演奏です。
出典:YouTube Duruflé: Requiem, Op. 9 イギリス室内管弦楽団 – トピック Corydon Singers – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ミシェル・コルボ コロンヌ管弦楽団 😅
デュリュフレ:レクイエム ミシェル・コルボ コロンヌ管弦楽団 1984年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Michel Corboz Orchestre Colonne メゾ・テレサ・ベルガンサ Teresa Berganza バリトン:ホセ・ファン・ダム José van Dam コロンヌ合唱団
コルボさんの演奏は、有名どころのソリストを起用しています。ベルガンサ、ホセ・ヴァン・ダムさんと聴けば、黙って拝聴するのが礼儀ってなものかな~。録音はヌケがあまり良く方ではなく、筒一杯という感じで飽和している感じがしますが、大きく鳴り響くわけでないので、コーラスとオケとが混じった結果の浮遊感かと思います。
第2曲のキリエになると、突然、金管がぞっとするほど大きく吹かれ、奥行き感がなく、行き場がなくなったりします。第3曲以降においても同じ現象が起こります。ちょっと心臓に悪いです。また、ソリストにおいても、ちょっと大袈裟な表現でしょうか。存在価値が大とは言え、出番は、ここぞ~って感じになるので、もう少しコーラス、オケと足並みを揃えて、ふわっとした感覚や静謐感があれば嬉しいですね。
CDカップリング:ミシェル・コルボ レクイエム集 モーツァルト:レクイエム1975年、デュリュフレ:レクイエム1984年、フォーレ:レクイエム1992年、ブラームス ドイツ・レクイエム1989年、ヴェルディ:レクイエム1994年録音 出典:YouTube Requiem, Op. 9 ミシェル・コルボ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
リチャード・ヒコックス ロンドン交響楽団 😅
デュリュフレ:レクイエム リチャード・ヒコックス ロンドン交響楽団 1982年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Richard Hickox London Symphony Orchestra メゾ・ソプラノ:フェリシティー・パルマー Felicity Palmer バリトン:ジョン・シャーリー・カーク John Shirley-Quirk ウェストミンスター聖歌隊少年合唱団、ロンドン交響楽団合唱団 ★ YouTubeにおいて、動画が掲載されていませんでした。
ヒコックスさんの演奏は、キングスウェイ・ホールでの収録なので、教会での収録のように透明感や奥行き感は少なめです。金管とコーラス部分が、なかなか綺麗には分離しきれないところが、ちょっと悲しいところです。イントロイトゥスは、コーラスの声が、次々に被さって続き、そして、弦の響きの拍感覚が微妙に被さるって感じなので、独特の響きが出てきます。これが、心地よさを倍増します。
第3曲のオッフェルトリウムでは、力強く、ティンパニが入っており、金管も彩度が高めで、まぶしいぐらいですね。コーラスが、徐々に膨らんで高音域になると少し硬いかも。ヴェルディのレクイエムのような激しい楽曲ではないので、ふわっ、すーっとという感覚が好きなので、あまり堂々と演奏されちゃうと、聴いてても余計な力が入ってきそうです。
CDカップリング:ワタシが所有している盤は、デュリュフレ「レクイエム」リチャード・ヒコックス ロンドン交響楽団 1982年録音、フォーレ「パヴァーヌ」マリナー アカデミー室内管弦楽団 1981年録音、プーランク「グロリア」ヘスス・ロペス=コボス スイス・ロマンド管弦楽団 1982年 となっています。
アンドリュー・デイヴィス フィルハーモニア管弦楽団 😘
デュリュフレ:レクイエム アンドリュー・デイヴィス フィルハーモニア管弦楽団 1977年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Andrew Davis Philharmonia Orchestra of London
ソプラノ:キリ・テ・カナワ Kiri Te Kanawa バリトン:ジークムント・ニムスゲルン Siegmund Nimsgern
A・デイヴィスさんの演奏は、ルチア・ポップさんと、キリ・テ・カナワさんが、そろい踏みとなっています。第1:イントロイトゥス 入祭唱の出だしから、全体的に、アンブロジアン・シンガーズ合唱団の声が良く、ふわーっとした感覚が充満しており、第2曲:キリエの合唱「主よ、憐れみ給え」、第3曲:ドミネ・イエズス 合唱、バリトン「栄光の王、主イエズス・キリストよ」と続きます。
金管が入って、ぐぐぐ~っと、エナジーがもりあがり高揚感が高まってきます。パイプオルガンも含めて合唱の声も力強く、ティンパニが、ばんっシャーン! シンバルも強めに入っており、すごい派手な演奏です。オペラを聴いている感じに近く迫力満点です。フルオーケストラ版だと、銅鑼も入っているようで、迫力が凄すぎます。まるで、ウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」を聴いているかのようです。
第4曲:サンクトゥス 合唱 「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主」においても、合唱が膨らみを持っていて巧いのですが、トゥッティになると、大迫力で、どかんっ! 宇宙に放出されたロケットのようです。第5曲:ピエ・イエズス メッゾ・ソプラノ、合唱「いつくしみ深き主イエズスよ」キリ・テ・カナワさんの細身のすーっとしたお声は、メチャ美しいですね。どこまでも、しなやかに伸びて強い。やっぱり巧いですね。
第8曲:リベラ・メ 合唱、バリトン「主よ、かの恐ろしい日に、私を永遠の死から解放し給え」バリトンのニムスゲルンさんの声は、レクイエムというより、完全にオペラモードで、えっ。劇的で、はりゃ~っ、どりゃ~というほど、驚きのど迫力で演奏されます。どりゃ~っと言う歌舞伎風の感じで、大太鼓が炸裂します。そこに男性合唱団も、負けないぞとばかりに入ってくる。悲痛な切迫感と共に解放感が、じわーっと染み入ります。
総体的に、豪華な顔ぶれで、ダイナミックに演奏されており、情熱的な迫力のあるレクイエムです。ところどころパワーが炸裂し、煽ってきては感動の演奏なのですが~ 三種類の版を聴き比べてみて、もっと静かに聴きたい場合は、コーラスとオルガンのみとか、聴いた方が良いと思います。
CDカップリング:フォーレ レクイエム 1977年、デリュフレ レクイエム 1977年、フォーレ ソプラノ:ルチア・ポップ バリトン:ジークムント・ニムスゲルン 合唱:アンブロジアン・シンガーズ
モーリス・デュリュフレ コンセール・ラムルー管弦楽団 😘
デュリュフレ:レクイエム モーリス・デュリュフレ(作曲家ご本人)コンセール・ラムルー管弦楽団 1959年
Duruflé: Requiem, Op. 9 Duruflé: Requiem Lamoureux Concert Association Orchestra
メゾ・ソプラノ:エレーヌ・ブーヴィエ Helene Bouvier バリトン:ザビエル・デプラス Xavier Depraz オルガン:マリー・マドレーヌ・デュリュフレ(作曲家の奥さま)
作曲家デュリュフレご本人の演奏で、オルガンは奥さんが弾いておられるということで、とても貴重だと思います。ステレオだし、リマスタリングされているので録音状態は良く、まったく問題ないと思います。モーリス・デュリュフレさんは、フランスのオルガニストであり作曲家。
「3つの舞曲」が好きなのですが、レクイエムもとても穏やかな曲で、グレゴリオ聖歌を使って、近代的な和声を取り入れているとのことで、とても不思議な時空間となっています。寡作作曲家なので、作曲はたった14曲しか残っていないし、知名度はさほど高くないように思いますが、フォーレのレクイエムがお好きな方は、このデュリュフレのレクイエムも好きになっていただけるでしょう。
冒頭、弦のフレーズがずれていくような感覚がしますが、低弦とハープの響きが通奏低音のように響きます。ずーっと、揺れが続きますが、ここに声楽がふんわりと乗っかって、絡み合った声部が、なーんか気持ちよく聞こえて快感に繋がります。「キリエ」も柔らかく、荘厳に吹かれる金管も押し出しが少なめです。
チェロの響きが聞こえてくるので、きっと自然と安定感が生まれるのだろう。1959年の録音のわりには、リマスタリングされているので、ボコボコでも、カスカスでもなく、ふにゃふにゃした響きにもなっていません。金管フレーズも、適度に強さを持って、声の響きに包まれて1音1音が奥から出てくるという感じがします。
出典:YouTube Duruflé : Requiem Op.9 モーリス・デュリュフレ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International
モーリス・デュリュフレ:レクイエム【解説】
モーリス・デュリュフレのレクイエム(作品9)は、1947年に作曲されており、作曲の依頼があったとき「デュリュフレはグレゴリオ聖歌を主題とする「オルガン組曲」の作曲に取り組んでおり、デュリュフレは、「組曲」のためのスケッチを、レクイエムの作曲に転用したそうです。
グレゴリオ聖歌の「死者のためにミサ曲」からも、多くの主題を用いて、「主題の素材のほとんどが、グレゴリオ聖歌に由来すると言っても。過言でない」とのことでした。フォーレと同じく、めちゃくちゃインパクトのある怖い「怒りの日」は、ここでは登場しません。
その代わりに、より穏やかでより瞑想的な経文に曲付けをしています。第3曲「主なる救世主イエス」ではバリトンが、第5曲「慈しみ深き主イエスよ 」ではメゾソプラノが、第8曲「われを解き放ちたまえ」では、バリトンが歌います。
次の九つの曲で構成されています。なお、演奏は、三つの版があります。フルオーケストラ版(管弦楽曲版)、オルガン版(オルガンと任意のチェロ独奏)、室内オーケストラ版です。
1 入祭唱 イントロイトゥス Introit (Requiem Aeternam)
2 キリエ Kyrie eleison
3 奉献唱「主イエス・キリスト」 オッフェルトリウム Offertory (Domine Jesu Christe) バリトン
4 サンクトゥス ~ ベネディクトゥス Sanctus – Benedictus
5 慈しみ深き主イエスよ ピエ・イエス Pie Jesu メゾソプラノ
6 神の小羊 アニュス・デイ Agnus Dei:
7 聖体拝領唱「永遠の光」 コンムニオ ルクス・アテルナ Communion (Lux aeterna)
8 我を許し給え(われを解き放ちたまえ)リベラ・メ Libera me バリトン
9 楽園(パラダイス)へ イン・パラディスム In Paradisum
一般的に、レクイエムといえば、あの恐ろしい「怒りの日(ディエス・イレ)」が登場するのですが、その続唱(セクエンツ)の部分 つまり、怒りの日 (Dies iræ)、奇しきラッパの響き (Tuba mirum)、恐るべき御稜威の王 (Rex tremendæ)、思い出したまえ (Recordare)、呪われたもの (Confutatis)、涙の日 (Lacrimosa)が、すぽんと抜け落ちているのです。そのため、全体的に、ふわーっとした空気感と揺れるフレーズが、まろやかに瞑想的に歌われます。グレゴリオ聖歌に似た雰囲気で、古風な作風のレクイエムだと思います。
デュリュフレ:レクイエム【ディスク情報】
1959年 デュリュフレ コンセール・ラムルー管弦楽団 E
1977年 A・デイヴィス フィルハーモニア管弦楽団 SC
1984年 ヒコックス ロンドン交響楽団 Dec
1984年 ミシェル・コルボ コロンヌ管弦楽団 E
1985年 マシュー・ベスト イギリス室内管弦楽団 HYPERION
1992年 グラーデン 聖ヤコブ室内合唱団 BIS
1994年 ミシェル・ピクマル シテ島管弦楽団 NAXOS 未掲載
1998年 ミョンフン 聖チェチーリア音楽院管弦楽団 G
1999年 プラッソン トゥールーズ・キャピトル管弦楽団 EMI
2004年 フレデリーク・マルムベリ スウェーデン放送合唱団 BIS オルガン版
2005年 ビル・アイヴス イングリッシュ・シンフォニア オックスフォード・マグダレン・カレッジ合唱団 HM
2015年 スティーヴン・クレオベリー エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 Choir Of King’s Coll
2017年 イヴァン・レプシック ミュンヘン放送管弦楽団 BR
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