ワーグナー:ジークフリート牧歌【聴いてみよう】Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103

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ワーグナー:ジークフリート牧歌【YouTube】

エマニュエル・クリヴィヌ フランス国立管弦楽団

ワーグナー:ジークフリート牧歌 エマニュエル・クリヴィヌ フランス国立管弦楽団 巨匠の道を歩くクリヴィヌさんの穏やかで優しい演奏です。2019年5月23日コンサートの模様。19分28秒の動画です。
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Emmanuel krivine Orchestre national de France
出典:YouTube Wagner : Siegfried-Idyll (Emmanuel krivine / Orchestre national de France)
France Musique concerts

アラン・アルティノグリュ hr交響楽団

ワーグナー:ジークフリート牧歌 アラン・アルティノグリュ hr交響楽団 アルティノグリュさんんは、1975年生まれのフランスの指揮者です。2021年からhr響の首席を務めておられる方です。2022年1月13日コンサートの模様で、19分47秒の動画です。フルート、クラリネット、オーボエに続くフレーズが美しいです。ワーグナーの楽劇も良いですが、ジークフリート牧歌は、いつどこで聴いても、穏やかさを取り戻すことができる良い楽曲だと思います。
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Alain Altinoglu hr-Sinfonieorchester
出典:YouTube Wagner: Siegfried-Idyll ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Alain Altinoglu– Frankfurt Radio Symphony

ワーグナー:ジークフリート牧歌【名盤・おすすめ】

クリスティアン・ティーレマン バイロイト祝祭管弦楽団 😘

ワーグナー:ジークフリート牧歌 クリスティアン・ティーレマン バイロイト祝祭管弦楽団 2020年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Christian Thielemann Bayreuther Festspielorchester

ティーレマンさんの演奏は、新型コロナ禍だったことから、バイロイト音楽祭が開催できず、ワーグナーの邸宅で、ジークフリート牧歌とヴェーゼンドンク歌曲が演奏されました。そのときのライブ録音です。とても貴重な企画だったと思います。とても自然体で伸びやかな演奏です。CDカップリング ワーグナー:ジークフリート牧歌、ヴェーゼンドンク歌曲集 ソプラノ:カミラ・ニールンド 2020年7月録音 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, WWV 103 – c. Lebhaft (Live at Haus Wahnfried, Bayreuth / 2020) バイロイト祝祭管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 😘

ワーグナー:ジークフリート牧歌 アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2018年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Andris Nelsons Gewandhausorchester

ネルソンスさんの演奏は、重すぎず軽やかすぎず、ゲヴァントハウス管の弦の響きが気持ち良いです。息の長いフレーズで綴られて、もりあがるところでは、弦の響きが木質的な香りを放ちます。しっかり地面に足を付けた、少し無骨だけど実直な人だよね~という感じの演奏です。少々堅物っぽいし、シアワセ感が広がらず物足りませんが、まっ、照れ屋だと思えば良いかと思います。

後半になるとようやく、充実した満ち足りた雰囲気がしてくるのですが、せっかちなワタシは、遅いよねえと思うかな。3分の2程度聴き進むと、中高年層の夫婦の満ち足りたシアワセ感が聞こえてきます。若い人のシアワセ感ではないよね~と思いつつ、しっとりとしたホルンが聞こえると、嬉しくなっちゃいました。20分54秒の長めの演奏です。で、ワタシは、ブルックナーの交響曲全集が発売されるのが待ちきれず、単発でCDを購入したのですが、ブルックナー交響曲全集10枚組BOXに、ワーグナーの楽劇の序曲等が一緒に収録されていました。これは嬉しいですね。

CDカップリング(単発):ブルックナー交響曲9番、6番、ワーグナー ジークフリート牧歌 2枚組BOX 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, WWV 103
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

準・メルクル ライプツィヒMDR放送交響楽団 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 準・メルクル ライプツィヒMDR放送交響楽団 2012年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Jun Märkl MDR Leipzig Radio Symphony Orchestra

メルクルさんの演奏は、さっぱり系です。室内楽風で、オケでも人数を限った小規模での演奏かな~と思います。ちょっと軽めで、しっとり感が少ないのは、うーん録音のせいでしょうか。MDRとは2種類のワーグナーが出ていたように思います。珍しい楽曲が多いので、また聴いてみます。CDカップリング:ワーグナー 妖精序曲2012年、恋愛禁制序曲2012年、クリストファー・コロンブス、エンツィオ王、演奏会用序曲第2番、演奏会用序曲第1番、ジークフリート牧歌 2012年(コロンブス等2011年録音)出典:YouTube Siegfried Idyll, WWV 103  MDR交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

トーマス・ダウスゴー スウェーデン室内管弦楽団 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 トーマス・ダウスゴー スウェーデン室内管弦楽団 2012年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Thomas Dausgaard Svenska Kammarorkestern

ダウスゴーさんの演奏は、後半に入ってくると、ちょっとスピードアップします。全体的に、さっぱりしており、ちょっと速いかなあと思いました。で、気になったので演奏時間を見ると、YouTubeでは、17分10秒の動画となっていました。(サブスクを利用して拝聴)

CDカップリング:ワーグナー さまよえるオランダ人序曲(初稿版)、女声のための五つの歌(ヴェーゼンドンク歌曲集)ソプラノ:ニーナ・シュテンメ、さまよえるオランダ人序曲(最終稿版)、ジークフリート牧歌、夢(ヴェーゼンドンク歌曲集 ヴァイオリンと管弦楽版)、ニュールンベルクのマイスタージンガー前奏曲 2012年 出典:YouTube Siegfried Idyll Svenska Kammarorkestern – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

ケント・ナガノ バイエルン国立管弦楽団 🥰

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ケント・ナガノ バイエルン国立管弦楽団 2008年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Kent Nagano Bayerisches Staatsorchester

ケント・ナガノさんの演奏は、ふくよかです。良い演奏をしてますよね。バイエルン国立管弦楽団は、ケント・ナガノさんが、2006年から13年まで音楽監督を務めており、その時の演奏です。後任は、BPOの首席指揮者であるキリル・ペトレンコさんです。もっとCDが出ても良いのになあと思いつつ、ブルックナー等を購入していました。繊細で誠実な演奏で、オーバーな表現をしないところが好みで、何度も繰り返して聞きたくなる演奏です。CDカップリング:シューマン 4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック、ワーグナー ジークフリート牧歌、R・シュトラウス メタモルフォーゼン 2008年 出典:YouTube Siegfried Idyll バイエルン国立管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ロリン・マゼール ベルリン・フィル 😍

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ロリン・マゼール ベルリン・フィル 1999年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Lorin Maazel Berliner Philharmoniker

マゼールさんの演奏は、ワーグナーの管弦楽曲とのカップリングで、スケールの大きい演奏となっています。うねるようなフレーズで、とても美しい音で綴られ、これはすごいクリスマスプレゼントです。唸るような完璧さ。ベルリン・フィルの音が、部屋いっぱいに広がりシアワセ感に包まれます。小編成の演奏も良いのですが、これだけのオケで奏でられていくと、宗教曲のような神々しさとなって光に包まれるかのよう。

眼をつぶって聴くと、より一層、満たされた気持ちになると思います。ジークフリート牧歌って、ワーグナーの最高傑作だと思っちゃいますね。楽劇のように長大な時間を要さず、大編成のオケでなくても、声楽がなくても、スケールの大きな世界観が、ぐぐっと、日常のシアワセに凝縮された作品のように感じがします。

CDカップリング:ワーグナー管弦楽曲集Ⅱ リエンツィ序曲、ローエングリン第3幕への前奏曲、ファウスト序曲、マイスタージンガー第1幕への前奏曲、ジークフリート牧歌、神々の黄昏 夜明けとジークフリートのラインへの旅 1999年 出典:YouTube Siegfried-Idyll ロリン・マゼール – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

クリスティアン・ティーレマン ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 クリスティアン・ティーレマン ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 1999年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Christian Thielemann Orchester der Deutschen Oper Berlin

ティーレマンさんの若かりし頃の演奏は、大上段に構えたものではなく、サクッとしています。演奏時間を見ると、そんなに速くないのですが、意外と、フレーズが、さっぱりと流れていくので速く感じます。弱音部分は、細やかに音を刻むのですが、囁くような可愛らしさとも違うような気がします。CDカップリング:シェーンベルク 交響詩ペレアスとメリザンド,ワーグナー ジークフリート牧歌 1999年録音 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

ダニエル・バレンボイム シカゴ交響楽団 😑

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ダニエル・バレンボイム シカゴ交響楽団 1999年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Daniel Barenboim · Chicago Symphony Orchestra

バレンボイムさんの演奏は、少しヌケの悪さが感じられます。なんだか、ちょっとダレている気がして楽しくなかったです。CDカップリング:ワーグナー 管弦楽曲集第1・2集 序曲・前奏曲があり2枚単発で発売されていました。第1集:さまよえるオランダ人、タンホイザー、ローエングリン第1幕、第3幕への前奏曲、マイスタージンガー第1幕への前奏曲、トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死 1994年録音、第2集:タンホイザー第3幕への前奏曲、パルジファル第1幕への前奏曲、聖金曜日の音楽、リエンツィ序曲、マイスタージンガー第2幕への前奏曲、優勝の歌、ジークフリート牧歌 1999年録音 出典:YouTube Siegfried Idyll Daniel Barenboim Provided to YouTube by Warner Classics International 

セルジュ・チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 😅

ワーグナー:ジークフリート牧歌 セルジュ・チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1993年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Sergiu Celibidache Münchener Philharmoniker

チェリビダッケさんの演奏は、ライブ盤で、スケールが大きいです。なんと神々しい~ うっそ、というジークフリート牧歌になっています。ワタシが所有しているCDは、レーベルEMI100周年記念企画で、1997年当時にBOXで登場したなかの一枚です。ワーグナーの管弦楽曲集なのですが、マイスタージンガーは、完全に転けるような遅い演奏です。腹立たしいほどの遅めのテンポ設定ですが、ここで聴くジークフリート牧歌は、ゆったりした、ほのぼのとした曲なので、そう目くじらを立てるほどではありません。

各楽器が分離されて淡々と演奏されています。歌うようなフレーズでもなく、爽やかな朝という光景でもありませんが、しみじみ、じわじわ、ぐぐぐぅ~とくる演奏で、生コンサートで聴いたら、あまりの神々しさに涙目になっていたことでしょう。新婚生活のシアワセ感というよりは、長寿を全うされた方への彼岸行きお祝いとでも言う雰囲気でしょうか。とても、お坊ちゃまの誕生祝いとは言い難いですね。あはは~ なんという例えでしょう。(失礼しました)ちなみに、演奏タイムは、23分47秒という長さです。出典:YouTube Wagner Siegfried – Idyll セルジュ・チェリビダッケ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😘

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1991年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Herbert Blomstedt San Francisco Symphony

ブロムシュテットさんの演奏は、ゆったりとした語り口で爽やか。涼しげで清潔、そして丁寧だと思います。良いですよね~ このしみじみ感が、すわーっと気持ちのなかに入ってきて、ふっと自然と微笑みたくなる心境になります。清涼飲料とかエナジードリンクを飲んでいるより、休日の朝、ほんの少しでも耳を傾けると、さらっと元気になっちゃう気がします。力が漲る~というものではなく、ちょっと、自分を取り戻す時間ができたみたいに喜んじゃいます。

木管のフレーズが、さあ~って、ちょっと頑張ってみましょうかと、語りかけてくるかのよう。ほっとするような、暖かさがある音色で良いですね。どこか、ほっこりさせてもらえる余裕ある演奏です。CDカップリング:ワーグナー ジークフリート牧歌 1991年、ブルックナー交響曲第6番 1990年録音 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, WWV 103 San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group

ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 1991年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 James Levine Berliner Philharmoniker

レヴァインさんの演奏は、CDに収められる際に、ジークフリートのみベルリン・フィルとのライブ録音となっています。もっとパワフルな演奏になるのかと思っていたのですが、優しい演奏で、ちょっと驚きました。ホント柔らかで優しいです。後半に入ったところでスピードアップしていますが、歯切れのある、ちょっと弾んだフレージングだったのですが、喜びが爆発しそう~なところで、ホルンが聞こえて、すーっと穏やかな世界に入ります。その身のこなしは優美だし、微笑ましいですね。若い夫婦の喜びのようです。

CDカップリング:ワーグナー管弦楽曲集2枚組BOX ジークフリート牧歌 BPO 1991年、リエンツィ序曲 タンホイザー序曲、ヴェーヌスベルクの音楽、マイスタージンガー第1幕への前奏曲、ローエングリン第3幕への前奏曲、オランダ人序曲 1991年、ローエングリン第1幕への前奏曲、ワルキューレの騎行、ジークフリート 森のささやき、神々の黄昏 ジークフリートの葬送行進曲、トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死、マイスタージンガー第3幕への前奏曲、パルジファル 聖金曜日の音楽 メトロポリタン歌劇場管弦楽団 1995年録音 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

クラウディオ・アバド ヨーロッパ室内管弦楽団 😘

ワーグナー:ジークフリート牧歌 クラウディオ・アバド ヨーロッパ室内管弦楽団 1988年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Claudio Abbado Chamber Orchestra of Europe

アバドさんの演奏は、ルツェルン音楽祭 1988年8月25日のライブ録音です。穏やかで涼やかな演奏で終始しています。ゆったりとして、子供たちが目覚めないように、そろっと階段に奏者がならび、さあて演奏しましょうか、と囁いているような中間部分となっています。

アバドさんの演奏は、まるで劇中劇のような演奏で、ストーリー性を感じますね。後半は、微笑ましいシアワセなフルートの柔らかな目覚めのフレーズが聞こえてきます。木管が良い働きをしており、囁きや語らい、陽の光などの色彩的に描いていくようです。まるで窓の外の風景を見ているような演奏でした。

CDカップリング:シューベルト 交響曲8番 未完成 ウィーン・フィル 1978年、ベートーヴェン交響曲第2番、ワーグナー ジークフリート牧歌 ルツェルン音楽祭ライブ 1988年録音 出典:YouTube Siegfried-Idyll, WWV 103 ヨーロッパ室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH

ヘルベルト・フォン・カラヤン ウィーン・フィル 😶

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ヘルベルト・フォン・カラヤン ウィーン・フィル 1987年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Herbert von Karajan Wiener Philharmoniker

カラヤンさんとVPOとの演奏は、ザルツブルク音楽祭でのライブ録音です。BPOとは77年の演奏があります。特に、前半部分は、これといって感銘を受けないんですが~ う、困りました。

CDカップリング:ワーグナー タンホイザー序曲、ジークフリート牧歌、トリスタンとイゾルデ第1幕前奏曲、愛の死 ソプラノ:ジェシー・ノーマン 1987年8月15日 ザルツブルク祝祭大劇場ライブ 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, WWV 103 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group

ホルスト・シュタイン バンベルク交響楽団 😅

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ホルスト・シュタイン バンベルク交響楽団 1986年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Horst Stein Bamberger Symphoniker
★ YouTubeにおいて掲載されていませんでした。

ホルスト・シュタインさんの演奏は、かなりゆったりとした演奏で、素朴な雰囲気がします。まるで、ジイジが孫の成長を楽しみにしているような感じで進みます。ここまで遅くなくても~ もう少し速めでも良いんですけど~って感じですが、ほのぼのしてて、良い意味で素朴な演奏です。CDに記載されている演奏時間は、21分23秒でした。(やっぱ遅いですね)眠気に誘われそうで、前半はメリハリの少ない響きで、柔らかいです。フルートが入ってくると、清々しさが醸し出されて、朝っ~って感じに一瞬鳴るのですが、また、テンポが遅くなります。後半は、俄然、活発になり、カッカッカと刻まれ、芝生のうえで、走り回っている子供の成長ぶり映像を見ている感じでした。
CDカップリング:ベートーヴェン交響曲第3番 1987年録音、ワーグナー ジークフリート牧歌 1986年録音

ジュゼッペ・シノーポリ ニューヨーク・フィル 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ジュゼッペ・シノーポリ ニューヨーク・フィル 1985年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Giuseppe Sinopoli New York Philharmonic

シノーポリさんの演奏は、ちょっと録音状態がイマイチなのです。ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲を聴いたときも、そうだったのですが、ヌケが少し悪いので音像がぼやけているような気がします。弦の響きからフルートが浮きあがって聞こえますが、出てるって感じでしょうか。テンポは、ゆったりしているものの、弦の厚みが足らないので、ちょっと残念な気がします。最後になるにつれて、テンポがより一層緩やかで、ふわっとした空気感に包まれます。良いんですけどね。出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll ニューヨーク・フィルハーモニック – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ウラディーミル・アシュケナージ イギリス室内管弦楽団 😘

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ウラディーミル・アシュケナージ イギリス室内管弦楽団 1982年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Vladimir Ashkenazy English Chamber Orchestra

アシュケナージさんが、小編成のイギリス室内管弦楽団と一緒に収録したもの。で、シェーンベルクの「浄夜」とのカップリングされていたもので、ワタシ的には、「浄夜」の方を目当てに購入したのだが、なかなかに、このジークフリート牧歌も、まとまりが良い。ゆったりとした、家庭的なシアワセを感じさせる演奏だ。つまり、個性のある演奏ではないのだが、普通に良いというか、(って言ったら怒られちゃうが)朝起きたところで、パジャマを着たまま演奏しているかのような、ハイ、普段着の演奏って感じでしょうか。(って言っても怒られるか・・・)

実際には、コジマのお誕生日である12月25日のクリスマスに演奏したらしいのですが、アシュケナージ盤は、春の暖かい日射しのなかで、朝10時頃に演奏されているかのような、そんな暖かさがあります。さらっと演奏されており、思わせぶりな大仰な演奏ではなく、かといって、小さくも感じさせない、家庭的な暖かさというか、まろやかさがあり、録音状態も良いので、ふくよかに響いており、距離感もよいし、テンポ良く、特に、ホルンもクラリネットも、巧く楽曲に絡んでいる。で、さらっと聴けちゃいます。通常約21分ぐらいの楽曲なのだそうですが、アシュケナージ盤は、18分6秒というクレジットになっています。クラリネットの音の太さ、弦の膨らみも、明るく馥郁としてて~ 美しい、しっとりした演奏です。

CDカップリング:ワーグナー ジークフリート牧歌 1982年、シェーンベルク 浄夜(室内合奏版)1981年
出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll イギリス室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

グレン・グールド トロント交響楽団 😨

ワーグナー:ジークフリート牧歌 オケ(指揮)とピアノ編曲版 
グレン・グールド トロント交響楽団 1982年
Wagner: Siegfried-Idyll Glenn Gould Toronto Symphony Orchestra

グールドさんのピアノ演奏です。あのレジェンド グレン・グールドさんが、トロント響を指揮したジークフリート牧歌が収められています。そして、グールドさんの編曲で、ワーグナーの楽曲が、ピアノ演奏に変身しているのです。つまり、グールドさんのピアノ・トランスクリプション版ってこと。1曲目の、小管弦楽のためのオリジナル版と紹介されているのは、CDのブックレットを見ると13人編成です。テンポが遅くて、間合いが持たず、たれ~っとしてて馴染めなかったですね。

普段、耳にしているフルオケ版、小編成版とは、やはり、かなり異にしています。収録されているのは、1982年7月27日と29日、9月8日の三日間の録音となっています。余談ですが~ 2曲目のピアノ編曲版であるマイスタージンガーは、華やかさがあり、装飾音も多く入っていました。(もしかしたら、多重かも)聴いた感じだと、これじゃーピアノでなくても、ハープシコードでも弾けそうな感じがします。

グールドさんのピアノは、 ど素人のワタシの耳では、どこか、ハープシコード(チェンバロ)っぽく聞こえてきます。即興的で楽しそうではあるのですが、神々のたそがれは、はあ~ ちょっと暗くて聴けないです。テンポが遅く鬱々となり、物理的に無理なんじゃーっと思うほど、間合いが持ちません。その分、装飾音を入れる必要があるのでしょうか。音を詰め込まないと~いけないのかな。オケの演奏に慣れてしまった駄耳には、ジークフリート牧歌は、ショパンのようにも聞こえます。もっと軽やかで、楽しく演奏してほしい~っと思うのですが、鬱々としています。ホント、メチャ暗いです。寒々しい牧歌でした。やっぱり。

CDカップリング:グールド・コンダクツ&プレイズ・ワーグナー ワーグナー ジークフリート牧歌 (小管弦楽のためのオリジナル版)、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」~第1幕への前奏曲~、「神々のたそがれ」~夜明けとジークフリトのラインへの旅~、ジークフリート牧歌 (ピアノ編曲版 ピアノ:グレン・グールド 1973年録音)
出典:YouTube Siegfried Idyll, WWV 103 Glenn Gould Provided to YouTube by Sony Classical

ハインツ・レーグナー ベルリン放送交響楽団 😇

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ハインツ・レーグナー ベルリン放送交響楽団 1978年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Heinz Rögner Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin

ハインツ・レーグナーさんの演奏は、東ベルリンのキリスト教会での録音です。弱音の美しい響きですが、音が丸く、音像がハッキリしていません。また、すごくテンポが遅めです。聴き進むうちに、う~ん。消え入るような静謐で清潔、まろやかな響きのなかで、宙を浮いて舞っているかのごとく・・・という状態になります。

トランスしちゃったかのようで、恍惚感というか、カラダから何かがヌケちゃう感じで、とってもアブナイ演奏なのです。妻の誕生日を祝う楽曲というより、別世界行きの雰囲気があります。残響のなかで、劇が進むというか、神秘的で、まるで神の子を宿したみたいな感じです。わずか20分程度の曲ですが、オペラの一節を垣間見ているかのようで、永遠に続くような雰囲気を持っています。劇のなかに吸い込まれて、時間を忘れてしまいそうな感じです。

ちなみに、ホルストシュタインさんの演奏は、21分23秒で遅いと感じましたが、レーグナーさんの演奏は、22分22秒。遅いというより長大だと感じる感覚なので、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、これを聴いて別世界にぶっとんでください。弱音が美しいです。漂うように時間が流れていきます。

CDカップリング:ワーグナー交響曲ハ長調、ジークフリート牧歌 出典:YouTube Wagner Siegfried-Idyll, WWV 103 Berlin Rundfunk Symphonie Orchester & Heinz Rögner – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH

ピエール・ブーレーズ ニューヨーク・フィル 😘

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ピエール・ブーレーズ ニューヨーク・フィル 1977年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Pierre Boulez New York Philharmonic Orchestra

ブーレーズさんがワーグナーを演奏するって珍しいかも。サブスクで拝聴しました。室内楽版とのことですが、多分、初版(つまり、コジマへののプレゼント用演奏と同じ)のだと思います。もちろんバッチグーの演奏です。しみじみ日常的なシアワセ感に包まれます。そっと聴いてみてください。で、カップリングされていたワーグナーの「使徒の愛餐」(しとのあいさん Das Liebesmahl der Apostel)は、珍しい楽曲だと思うので、掲載しておきます。楽曲の説明は、Wikipedia を参照してください。リンクを貼っておきます。


CDカップリング:ワーグナー 前奏曲集 マイスタージンガー第1幕への前奏曲 1972年、タンホイザー序曲 73年、ファウスト序曲 71年、トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死 73年 ジークフリート牧歌 オリジナル室内楽版 77年、使徒の愛餐 75年録音 ニューヨーク・フィル 出典:YouTube Siegfried Idyll, WWV 103 ピエール・ブーレーズ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1977年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

カラヤンさんの演奏は、まあまあかなあ。世渡り上手の世俗的イメージのするワーグナーと、カラヤンさんのイメージが、ワタシのなかでダブってしまうのですが、(かなり偏見かも)、こんなに可愛い、清楚な曲を作っているんですよねえ。うっそみたいですが、こんな曲をプレゼントされたら、そりゃ、ころりとなってしまう。

ビューローの奥さんだったのに、横恋慕しちゃって、子どももできて、あーっ なんてオヤジだ! と思いつつ、聴いてしまいます。ワーグナーは、シアワセだったでしょう。楽劇の豪快な曲、これでもかぁ~的な自意識過剰さは影を潜めています。牧歌的で子守歌のように響き、非常に手の込んだ楽曲だと感じます。オーボエのフレーズが可愛いく、赤ちゃん誕生を喜ぶ讃歌のように奏でられています。クラリネット、ホルンも、清々しさを表しています。主題や動機を巧く繋げて、まとめあげるスキルに感心しています。

CDカップリング:R・シュトラウス「英雄の生涯」ヴァイオリン:ミシェル・シュヴァルベ 1959年、ワーグナー ジークフリート牧歌 1977年 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, WWV 103 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

ベルナルド・ハイティンク コンセルトヘボウ管弦楽団 🙂

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ベルナルド・ハイティンク コンセルトヘボウ管弦楽団 1974年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Bernard Haitink Royal Concertgebouw Orchestra

ハイティンクさんの演奏は、さしてシアワセ感を満喫させてくれる演奏ではないのですが、無骨なりに、ホルンの柔らかさが特筆される演奏です。フルオケ版ですが、埋もれそうな旋律を浮かびあがらせているし、もっさりとしているわけではなく、柔らかさ、陽射しの心地よさ、まろやかさが、随所に感じられます。

さらりと、さりげなく演奏されていますが、巧いと感じる演奏です。奥行き感のある録音だったら申し分ないのですが、まあ1974年の録音なので。いっけん地味ですが、やっぱコンセルトヘボウの美しい音で綴られた静謐な演奏です。
CDカップリング:ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「パルジファル」第1幕への前奏曲、「ローエングリン」第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲、「トリスタンとイゾルデ」前奏曲、愛の死、「ジークフリート牧歌」 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group

ゲオルク・ショルティ ウィーン・フィル 😍

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ゲオルク・ショルティ ウィーン・フィル 1965年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Georg Solti Wiener Philharmoniker

ショルティさんの演奏は、初版です。持っているジークフリート牧歌です。ショルティさんが、ウィーン・フィルを振って、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」を収録していた際に、余興のように、こぢんまりした編成で演奏されて収録されたモノらしいのですが、コジマへのクリスマスの日のプレゼントと同じ編成です。ワーグナーが、奥さんのコジマに、クリスマスの朝プレゼントに用意した曲です。

自宅の階段に、少人数のオケがスタンバイして、奥さんの寝起きを見計らって、しずかに演奏して朝のお出迎えするという、ニクイ演出を考えついた! やっぱ、アンタ天才だわ。ジークフリート牧歌には、癒されることが多いのですが、この小編成での演奏は別格だと思います。ゆったりとしたひとときを味わい、山の一軒家、別荘に来たような気分で、小鳥たちの鳴き声や、さわさわ~っと、そよぐ風を見ているような、自然界の囁きのような音が流れているように感じます。朝に聴くにはもってこいでしょうか。

特に、木管のオーボエやクラリネット、フルートの音色、チェロの清潔で、しっとりした甘い響き。で、ホルンの響きが出てくると、はぁ~ もはや別世界ですね。アルプスの少女にも似た気分で(← あまりにも稚拙)もはや言葉では語りきれずにいます。ウィーン・フィルの美音を聞きながら、思い出のなかに浸り、シアワセ感に浸り~ 柔らかな眠りと、まどろみを感じながら、穏やかな幸福感を、しみじみ~ 後半は、柔らかく爽やかな快活さがあり、聴いていると自然に笑みがこぼれます。

CDカップリング:ワーグナー管弦楽曲集「リエンツィ」序曲、「さまよえるオランダ人」序曲、「タンホイザー」序曲、「タンホイザー」バッカナール 1961年、ジークフリート牧歌 1965年録音 出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll ゲオルク・ショルティ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ラファエル・クーベリック ベルリン・フィル 😍

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ラファエル・クーベリック ベルリン・フィル 1963年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Rafael Kubelik Berliner Philharmoniker

クーベリックさんの演奏は、ちょっとクールですが、優しく美しい。とっても整った悠然さがあって、ことのほか、美意識の高い、品の良い音質を持って奏でてくる演奏です。静謐で、弱音がことのほか美しい演奏なのです。テンポはゆったりしており、フルートがよく通り、聞き込めば聞き込むほど、惚れ惚れとした音となっています。弱音が、ことのほか綺麗なので、高級品の完成品という感じがします。

繊細でかつ優美。オーボエや弦の響きが、これだけ綺麗だと、説得力がマシマシになり、身悶えして唸ってしまいます。これぞ鳥肌モノっ。ほんわか~としているわけではないが、「どれみふぁ そぉ~ どれみふぁ そぉ~」というフレーズのなかで、入れ替わり立ち替わり登場するオーボエなどの木管群、ホルン、これが旋律のなかに、丁寧に絡んできており、すごく格調高く奏でられます。中間部は、ほろほろほろ~っと奏でられており、森の静けさが描かれているようです。

「らみぃ~ど らみぃ~ど らみぃ~ど」と繰り返されるフレーズのなかが、木漏れ日のなか、シアワセ感でイッパイになっていくるようなストーリー性が感じられます。穏やかな日よりで、穏やかな色彩、幻想的、妖精的なイメージが猛烈に膨らむような雰囲気があり、これは、演出が巧いな~っと唸ります。

弦の自然な膨らみ感が、フレーズを繰り返すなかで、もわ~っと大きく膨らみ、テンポを生んでいきますし、また、ホルンとフルートの美しいこと。 ひゃ~ これは絶品でしょう! アタマのなかで空想に浸り、シアワセ・ホルモンがアタマのなかでフツフツと湧きだし、シアワセを噛みしめるような気分になります。

たった20分余りの演奏ですが、これ以上の贅沢なひとときはありません。これを自分の葬式の時にかけて~という方も出てくるかもしれませんね。(ワタシ的には、まだまだ未決定~)眠るようなシアワセ感。これぞ、大人的快感っ。解る人には解ってもらえるかな~って思います。

CDカップリング:「ニュルンベルグのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲、「ローエングリン」第1幕への前奏曲、「ジークフリート牧歌」、「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲、愛の死 出典:YouTube Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ハンス・クナッパーツブッシュ ミュンヘン・フィル

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ハンス・クナッパーツブッシュ ミュンヘン・フィル 1962年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Hans Knappertsbusch Munich Philharmonic

出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, Knappertsbusch & MPhil (1962)
ワーグナー ジークフリート牧歌 クナッパーツブッシュ Deucalion Project

オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団

ワーグナー:ジークフリート牧歌 オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 1961年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Otto Klemperer Philharmonia Orchestra
1968年6月 ウィーン芸術週間の公演があり、ウィーン・フィルとの演奏があります。出典:YouTube Siegfried Idyll (1999 Remastered Version) オットー・クレンペラー – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ハンス・クナッパーツブッシュ ウィーン・フィル

ワーグナー:ジークフリート牧歌 ハンス・クナッパーツブッシュ ウィーン・フィル 1955年
Wagner: Siegfried-Idyll, WWV 103 Hans Knappertsbusch Wiener Philharmoniker
ご参考までに。出典:YouTube Wagner: Siegfried Idyll, WWV 103 ハンス・クナッパーツブッシュ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ワーグナー:ジークフリート牧歌【解説】

ワーグナーの「ジークフリート牧歌」Siegfried-Idyll は、1870年、妻コジマへの誕生日、クリスマスの贈り物として作曲されています。12月25日クリスマスの日、自宅(現:ワーグナー博物館)で演奏されました。階段のところに演奏者を並べて演奏したとか。フルート、オーボエ、クラリネット2、ファゴット、ホルン2、トランペット、弦五部 弦楽器は、各パート1人ずつでも演奏できるなど、十三重奏の室内楽としても演奏可能です。演奏約21分です。

ちなみに、ワーグナーの最初の奥さんは病死しており、後年、コジマと再婚していますが、二番めの奥さんだったコジマは、父親は作曲家のリスト。最初の旦那さんは、ハンス・フォン・ビューローです。不倫関係を続けた後、ようやく離婚が成立しています。コジマは1837年生まれ、1862年にワーグナーと知り合い、65年に長女イゾルデ、67年に次女、69年に息子のジークフリートが生まれています。

1870年に離婚して、ワーグナーと再婚をしており、この年の彼女のバースディプレゼントが、当曲となっているわけです。ワーグナーは1813年生まれだし、16歳ほど離れた年齢の離れたご夫婦だったようです。よいわね~。

さて、ジークフリート牧歌 元のタイトルは、「フィーディー(息子であるジークフリートの愛称)の鳥の歌とオレンジ色の日の出をともなうトリープシェン牧歌」という長いものだったそうです。ワーグナーの楽劇「ジークフリート」と共通する素材が、ジークフリート牧歌に含まれているそうで、未完成だった室内楽の旋律素材を当曲の牧歌に使い、楽劇のなかで、ジークフリートとブリュンヒルデの愛の場面に転用したそうです。

とある解説には、 楽劇「ジークフリート」の愛の平和の動機により始まり、ワルキューレの眠りの動機がフルートで加わり、オーボエがドイツ民謡の「眠れ、幼な子よ、眠れ」を奏し、クラリネットがジークフリートの世界の宝の動機を吹く。それ以後は、愛の平和と、世界の宝を主として展開し、急所にはホルンの愛の決心の動機や、木管の小鳥の声の動機も導入され、終わりには、今までの主題が静かに回想されつつ終わる。とありました。そうか。それまでのモチーフの集合体だったのか。と、改めて知った次第です。はぁ~ やっぱ長大な楽劇を聴かないと~ ダメですねえ。

ワーグナー:ジークフリート牧歌【ディスク情報】

1955年 クナッパーツブッシュ ウィーン・フィル Dec
1961年 クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1962年 クナッパーツブッシュ ミュンヘン・フィル Westminster
1963年 クーベリック ベルリン・フィル G
1963年 モントゥー コンセルトヘボウ管弦楽団 TESTAMENT
1965年 ショルティ ウィーン・フィル Dec
1974年 ハイティンク コンセルトヘボウ管弦楽団 Ph
1977年 カラヤン ベルリン・フィル G
1977年 ブーレーズ ニューヨーク・フィル 室内楽版 SC
1978年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 BERLIN
1982年 アシュケナージ イギリス室内管弦楽団 Dec
1982年 グレン・グールド トロント交響楽団 SC ピアノ版
1985年 シノーポリ ニューヨーク・フィル G
1986年 ホルスト・シュタイン バンベルク交響楽団 R
1987年 カラヤン ウィーン・フィル G
1988年 アバド ヨーロッパ室内管弦楽団 AUDITE
1991年 レヴァイン ベルリン・フィル G 
1991年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1993年 チェリビダッケ  ミュンヘン・フィル EMI
1999年 バレンボイム シカゴ交響楽団 TELDEC
1999年 ティーレマン ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 G
1999年 マゼール ベルリン・フィル R
2008年 ケント・ナガノ バイエルン州立管弦楽団 FARAO
2012年 ダウスゴー スウェーデン室内管弦楽団 BIS
2012年 準・メルクル ライプツィヒMDR放送交響楽団 NAXOS
2018年 ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 G
2020年 ティーレマン バイロイト祝祭管弦楽団 G

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