ヴィドール:オルガン交響曲第5番【聴いてみよう】Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42

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ヴィドール:オルガン交響曲第5番【名盤・おすすめ】

ミクローシュ・テレキ 🥰 

ヴィドール:オルガン交響曲第5番(抜粋) オルガン:ミクローシュ・テレキ 2017年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Miklós Teleki

ハンガリーのブダペスト北に位置するドゥナケシ(dunɒkɛsi)にある聖ミハーイ教会のオルガンだそうです。テレキさんの演奏は、ちょうど頃合いで、速すぎず、即興すぎず、爆音すぎず~ 心地良くバランスの整った演奏だと思いました。カップリングも聴きやすい曲が揃っているので、ぜひ聴いてみてください。

CDカップリング:J・S・バッハ 前奏曲とフーガ(BWV532)、メンデルスゾーン オルガン・ソナタ第4番(作品65-4)、シューマン バッハの名による6つのフーガ(作品60)第2番、フランク 前奏曲、フーガと変奏曲(作品18)、ヴィドール:交響曲第5番 第1楽章と第5楽章 2017年録音 出典:YouTube Symphony No. 5 in F minor, Op. 42 No. 1: V. Toccata. Allegro シャルル=マリー・ヴィドール – トピック Provided to YouTube by Hungaroton

イアン・トレイシー 😘

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 オルガン:イアン・トレイシー 1993年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Ian Tracey
もし、第5楽章のトッカータのみを聴きたい場合は、下のリンクをクリックしてください。

トレイシーさんとトルトゥリエさんの演奏は、CHANDOS特有の残響が少しあります。うーん、速いトッカータを聴くときは、明瞭さに欠けるきらいがありますが。出典:YouTube Symphony for Organ, Op. 42 No. 5 イアン・トレイシー – トピック Provided to YouTube by PIAS

ピエール=イーヴ・アスラン 😅

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 ピエール=イーヴ・アスラン 1985年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Jean-Pierre Asselin
動画はありません。がーーん。

第1楽章 アスランの演奏するオルガンは、フランスのオルレアンにある「サント=クロワ・ドルレアン大聖堂」のオルガンです。(オルレアン聖十字架大聖堂:Cathedrale Sainte-Croix d’Orleans)この教会のオルガンは、カヴァイエ=コル(Cavaille=Coll)という方が、1880年に製造した有名なオルガンだそう。このオルガンを使って演奏しているのがCDの売りです。録音状態は、残響が多めで籠もった感じしますが、聞き疲れしません。

最初はふわふわ~ 最後は相当に大きな音で驚かされます。生で聴いている雰囲気、宙に浮いているような軽い酔いがあります。主旋律が太く演奏されており荘厳です。有名な第5楽章のトッカータは、聴いているうちに、意外と柔らかいことに気づきます。「そふぁみふぁ そふぁみふぁ れ~ れ~どしど そ~」というシンプルな旋律、可愛くスキップする装飾的な音に絡め取られます。

アスランの演奏は即興性が高く、音に彩りがあり柔らかい音です。しかし、最後になると重低音となり、粘りがある梵鐘のような重い響きで、ごぉ~んっ! 余韻を残して響いています。軽やかなリズムが帳消しになってしまいそう。最後は、重厚さで圧倒されますね。パパンパ パパンパ パパンパ・・・というリズムを、少しくだけた感じで軽妙に演奏しています。ラストの押し込まれた圧の強さには圧倒されます。豪傑でおしゃべりタイプの演奏です。

アスランとプレストン、この二人の演奏を聞き比べると、性格の違いが歴然としています。続いて、カップリングされているムソルグスキー「展覧会の絵」を聴きましたバーバ・ヤーガの小屋、キエフの大門については、こりゃ唸る。オルガンで弾いてしまう果敢な挑戦だ。ちょっと無謀というか。 むはは~っと笑えてしまうような、笑えないような気分に。響きが重厚で残響が多いことから、速いパッセージは収録するのが難しいだろうが、不気味さがタップリ醸し出されている。

特に、バーパ・ヤーガパの小屋は、パイプオルガンでの演奏なので、鶏の足、骸骨で創られたはずの小屋が、走っているというより、 巨大な象が地響きを立てて移動しているって感じがする。なはは~ なんという天邪鬼さ。キエフの大門は、当然のごとく、ボリューミーで。これをオルガンで弾くとは~ かなりマニアックだなあ。CDカップリング:ムソルグスキー「展覧会の絵」より バーバ・ヤーガの小屋、キエフの大門

サイモン・プレストン 🤣

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 サイモン・プレストン 1983年~84年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Simon Preston
もし、第5楽章のトッカータのみを聴きたい場合は、下のリンクをクリックしてください。

ヴィドールのオルガン交響曲第5番は、第5楽章「トッカータ」が、ダントツで有名です。サイモン・プレストンの演奏は、ちょっと速めで始まります。リズムの刻みが、きっちりしててメトロノームのような正確さ。それでいて、パイプオルガンの音は、ぐえっ ぐえっ 牛のように鳴くカエルのような濁った音がします。そのうちに曲の変化に応じて、弱音になったり、すっきりした澄み切った音になるなど、多彩に変化していきます。くっきりとした豪快な一筆書きのような演奏と言えばよいでしょうか。理詰めで、厳しい響きが大きく湧きおこります。迷いもなく、端正な演奏ですが、ダミ声で愛敬があります。

理知的なヒキガエルが鳴いているんです~。ぐえっ、ぐえっ! 演奏家をかえて、あれこれ聴いていると比較しやすい楽曲です。自ずと好みも判然としてきます。プレストンの演奏は、端正で無駄な動きが少ない現代的な演奏でしょう。トッカータの速度は、時代の変化に応じて速くなっています。多分、これからも、速くなっていくのでしょう。

CDカップリング:ヴィエルヌ「ウェストミンスターの鐘」Op.54-6、ヴィドール オルガン交響曲第5番 出典:YouTube Widor: Symphony No.5 In F Minor, Op.42 No.1 For Organ – 5. Toccata (Allegro) サイモン・プレストン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ダニエル・コルゼンパ 😅

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 ダニエル・ゴルゼンパ 1981年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Daniel Chorzempa
もし、第5楽章のトッカータのみを聴きたい場合は、下のリンクをクリックしてください。

ゴルゼンパの演奏は、強弱があり、ボリュームをあげたら、家がぶっ飛びそうな音になります。パイプオルガンは家で聴くものじゃない、教会やコンサートホールで聴かないとダメだと、つくづく思ってしまいました。弱音部分のボリューム調整が、難しく、また忙しく、ほとんど印象が残らないまま第5楽章に突入します。トッカータは軽快で、作曲者もびっくりの超快速で演奏されています。遅いスピードはダメみたいですね。使用されているオルガンは、11~13世紀から現存するロマネスコ様式の教会で、フランス最大の規模を誇るトゥルーズのサン・セルナン教会のオルガンです。

アスランの演奏で使用されていたオルガンは、 フランスのオルレアンにあるサント=クロワ・ドルレアン大聖堂のオルガンでした。いずれも同じアリスティド・カヴァイエ=コル(Aristide Cavaillé-Coll )さんが造ったパイプオルガンです。オルガンの音量って、数ある楽器のなかで、断トツのダイナミックな音量を誇ります。音量の大きさだけにとどまらず、ピアノとちがって、音色の個体差が大きく、オルガンによって、音質、音色が異なります。楽曲の印象も、弾いているオルガンによって、大きく左右されるみたいですね~ 聴き比べが面白い楽曲の一つです。

CDカップリング:ヴィドール オルガン交響曲第5番、10番「ロマンティック」 出典:YouTube Widor: Symphony No.5 in F minor, Op.42 No.1 for Organ – 5. Toccata ダニエル・コルゼンパ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

デイビッド・サンガー 😘

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 デイビッド・サンガー 1976年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 David Sanger
もし、第5楽章のトッカータのみを聴きたい場合は、下のリンクをクリックしてください。

デイビッド・サンガーさんの演奏は、ロンドン クラーケンウェル 聖ピーター・イタリア教会のオルガンです。ヴィドールは、オルガン独奏曲なのに、オルガン交響曲と銘打ち、10曲を作曲しています。

9番は「ゴチック」、10番は「ローマ風」というサブタイトルがありますが、最も有名なのは「オルガン交響曲 第5番」です。この終楽章のトッカータは、欧米では結婚式に使われて親しまれているそうで、ワタシは、ほとんど、このラストだけしか聴いていません。サンガーさんの演奏は、他の演奏家と同様に、強弱の落差が大きいもの。快速のプレストンに比べて、多少遅く感じられます。「そそっそ ふぁふぁっふぁ・・・」という旋律のなかに、細かいフレーズが詰まっていることがよくわかる演奏です。

録音はアナログ時代のものだと思います。プレストンさんの演奏のように、メタリック感がないので、この素朴で、まろやかな音が好ましいと感じる人も多いと思います。聴き疲れしない、優しいオルガンの音が響き、至福のひとときが訪れるでしょう。余裕ある演奏です。

CDカップリング:カップリング:ウィドールのオルガン交響曲とフランスのアンコール曲集 シャルル=マリー・ウィドール オルガン交響曲第5番 ヘ短調 Op.42 No.1、オルガン交響曲第8番ロ長調 Op.42 No.4 から 前奏曲(アダージョ)、オルガン交響曲第6番ト短調 Op.42 No.2 から アレグロ ワタシが所有しているCDは、原盤レーベルsaga 輸入盤です。レーベルaltoからもでているようです。出典:YouTube Widor:Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 デイビット・サンガー – トピック Provided to YouTube by Entertainment One Distribution US

ヴィドール:オルガン交響曲第5番トッカータ

ロベルト・デルカンプ 🙂

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 ロベルト・デルカンプ 2006年
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Robert Delcamp

デルカンプさんの演奏は、とても几帳面な刻みで綴られて行く演奏です。なので音が濁らないですね。とても聴きやすいので初めて聴くには良いと思います。出典:YouTube Organ Symphony No. 5 in F Minor, Op. 42, No. 1: III. Toccata: Allegro ロバート・デルカンプ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

スティーヴン・クレオバリー 😘

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 スティーヴン・クレオバリー
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Stephen Cleobury

クレオバリーさんの演奏は、細かな装飾音が残響として、ずーっと響いています。最初は音が捉えきれず驚くかもしれませんが、決して邪魔していないように思うし、星空を眺めているような清々しさも感じます。低音の響きもしっかり入っています。響き合う音の綺麗さが率直に感じられて、じわっと荘厳さも感じられて~ 不思議な空間が演出されていきます。とっても弱くなってしまうので、これも驚きっ。レンジ幅が大きいですね。出典:YouTube Symphony No. 5 in F minor Op. 42 No. 1: V. Toccata (Allegro) スティーヴン・クレオバリー – トピック Provided to YouTube by Parlophone UK

トビアス・フランク 🙂

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 トビアス・フランク
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Tobias Frank

高音域の音が柔らかく、綺麗な音で綴られて行くのと、とても優しいトッカータ演奏になっています。出典:YouTube Sinfonie für Orgel No. 5 F-Moll, Op. 42 No. 1: 5. Toccata: Allegro Tobias Frank – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH 

ピエール・ラブリック 😅

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 ピエール・ラブリック
Charles-Marie Widor: Symphony No.5 in F Minor, Op. 42 Pierre Labric

ラブリックさんの演奏は、速い 速いですね~。苛烈な弾き方で、低音の響きは、ヒキガエルのようなぐえっぐえっ、という音が、猛烈な音圧を伴って入ってきます。うわわぁ~~っ ドン引きしちゃいました。これは結婚式には使えない演奏です。怖いなあーっ さすがにパイプオルガンです。天空から巌が落ちてくるかのような恐怖もあり、神の怒りには触れたくないわ~ 神々しさと紙一重って感じです。猛烈にテンションはあがります。出典:YouTube Symphony No. 5 in F Minor, Op. 42 No. 1: V. Toccata Pierre Labric – トピック Provided to YouTube by IIP-DDS

パイプオルガンが使われる管弦楽曲は聴くのですが、単独で使用されるオルガン曲に接する機会が少ないので、勉強の機会と考え、サブスクを利用して拝聴しました。教会内部の音響環境や、オルガン自体の音によって、かなり印象が異なるんですね~驚きました。また、機会を得て勉強します。

ヴィドール:オルガン交響曲第5番【解説】

ヴィドールのオルガン交響曲第5番は、最後の第5楽章のトッカータとフーガが有名です。交響曲といいつつも、オルガン単独での演奏です。ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、シャルル=マリー・ヴィドール (Charles-Marie Jean Albert Widor)は、祖父の代までオルガン建造職人さんだったそう。

ご自身は、超絶技巧のオルガニストで、パリ音楽院の教授をしておられたとのことで、サン・サーンスやフランク、リストとも親交があります。教え子には、ミヨーやデュプレ、ヴァレーズがおり、華麗なる人脈です。定期的に演奏されるのはオルガン作品で、10種類のオルガン交響曲が代表的な作品。その中でも最も有名なのは「オルガン交響曲 第5番」で、1879 年に作曲されました。終楽章トッカータは、欧米で結婚式に使われて親しまれているそうです。

ヴィドール:オルガン交響曲第5番【ディスク情報】

1993年 イアン・トレイシー CHANDOS
1985年 ピエール=イーヴ・アスラン DENON
1984年 サイモン・プレストン G
1981年 ダニエル・ゴルゼンパ Ph
1976年 デイビッド・サンガー SAGA
2017年 ミクローシュ・テレキ HUNGAROTON 

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