アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番、第2番、弦楽四重奏曲第2番【聴いてみよう】Arensky: Piano Trio No.1 & No.2, String Quartet No. 2

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アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番【YouTube】

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 ソルスベルグ・フェスティバル 2021での演奏の模様です。ヴァイオリン:バイバ・スクライド、チェロ:ソル・ガベッタ、ピアノ:イリーナ・ザハレンコワ
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 Solsberg Festival 2021 © HMF Productions Baiba Skride Sol Gabetta Irina Zahharenkova 出典:YouTube Arenski: Piano Trio No. 1 in D minor, op. 32 / Baiba Skride / Sol Gabetta / Irina Zahharenkova Hochrhein Musikfestival Productions

アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番【YouTube】

アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番 29分49秒の動画です。2022年10月23日演奏。チェロが2挺編成というところが珍しく、第2楽章は、チャイコフスキーの主題による変奏曲としてオケ版に編曲されています。
ヴァイオリン:クリスティアン・ポール・スバイアラ Cristian-Paul Suvaiala ヴィオラ:ミーシャ・ファイファー Mischa Pfeiffer チェロ:マルティン・レオ・シュミット Martin Leo Schmidt チェロ:サイモン・デフナー Simon Deffner 出典:YouTube Anton Arensky – Quartett Nr. 2 a-Moll | WDR Sinfonieorchester WDR Klassik 

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番、第2番【名盤・おすすめ】

トリオ・ヴァンダラー 😘

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 トリオ・ヴァンダラー 2012年
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 Trio Wanderer

トリオ・ヴァンダラー(ワンダラー)さんの演奏は、さっぱり系です。録音状態が良いので嬉しいです。CDカップリング:アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番、チャイコフスキー ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」2012年録音 出典:YouTube Piano Trio No. 1 in D Minor, Op. 32 Trio Wanderer – トピック Provided to YouTube by PIAS 

ボザール・トリオ 🥰

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番、第2番 ボザール・トリオ 1986年
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 Arensky: Piano Trio No. 2 in F minor, Op. 73 Beaux Arts Trio
ピアノ:メナヘム・プレスラー、ヴァイオリン:イダ・カヴァフィアン、チェロ:ピーター・ワイリー

ここでは、第1番のコメントを掲載します。一度聴いたら忘れられないほど、甘くて渋くて~という言葉の代表格のような楽曲です。くぐもったピアノ、物悲しく渋い音色のヴァイオリンとチェロ。ボザールトリオさんの演奏は、息が長く、濃厚で、たっぷりとした太い筆で、ぐい~っと迸るような熱情があります。

情感たっぷりに、うねるようなフレーズを、猛々しくシナを作ってくる演奏です。なんとも悩ましい女性を相手にしてしまったと・・・苦笑するような演奏だと思います。柔らかに言い寄られてしまってタジタジ。演奏者三人の息が絡み合って、揺らぎ、うねります。曲線を描いて上昇し跳躍するという動物のようです。ピアノは、興奮を知的に沈静させようとするのか、冷たい音で水を打ち水面を走ります。

CDカップリング:アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番、第2番 出典:YouTube Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 Arensky: Piano Trio No. 2 in F minor, Op. 73 ボザール・トリオ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ボロディン・トリオ 😘 

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 ボロディン・トリオ 1986年
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 Borodin Trio

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第2番 ボロディン・トリオ 1990年
Arensky: Piano Trio No. 2 in F Minor, Op. 73 Borodin Trio

ここでは、第1番のコメントを掲載します。ボロディン・トリオさんの演奏は、甘さを控えめに渋い色調で奏でられ、深々としたフレージングで終始します。ゆったりしたテンポで穏やか。迸るような情熱ではなく、諦念を含んだ静けさ。どこか遠くを見ているかのような心情を感じます。

悲しみを帯びつつ、膨らみを持たせたフレーズは、ぐぐ~っと秋色に染まってくる空を見上げているかのよう。人間臭さが抜けきった晩秋の風景。特に、チェロの響きは、誰であろうと受け入れる懐の余裕が感じられますね。第2楽章は、厚い絨毯のうえで繰り広げられる演舞のよう。コミカルさも含んだ渋いワルツで、スマートは言えないエスコートだが、年齢相応に、ゆったりした社交的なユーモアがあります。

第3楽章は、エレジーと名づけられた楽章で、チェロのメランコリックで、ぐ~っと絡み合ったフレーズで彩られています。救いはピアノで、可愛く慰めてくれるもの。まるで、おじいちゃんの救いは孫娘ですという感じですね。ちなみに、ボザール・トリオの演奏後に、ボロディン・トリオさんの演奏を聴くと、テンポが遅いと感じますが、しみじみと聴ける良さがあります。

この二つの演奏は、20代の男性と初老を迎えた男性ほどの違いがあります。(ボザールトリオさんの演奏は、女性的で猫みたい)ボロディン・トリオさんの演奏は、懐が大きく渋いのです。ボザール・トリオは、若いイケメンのノリの良い女性的な男優で、ボロディン・トリオは、苦く渋い演技派男優って感じでしょうか。主人公の心情の変化が、変奏曲風にまとめられているようです。ボロディン・トリオさんの演奏には、この人の心情、人の気配を感じます。 

CDカップリング:アレンスキー ピアノ三重奏曲第1番、グリンカ 悲愴三重奏曲 CDカップリング:アレンスキー ピアノ三重奏曲第2番 1990年録音、ショスタコーヴィチ ブロークの詩による7つの詩、プロコフィエフ ヘブライの主題による序曲
出典:YouTube Arensky Piano Trio No. 1 in D Minor, Op. 32 チャンネル:アレクサンドル・ボロディン – トピック
Provided to YouTube by NAXOS of America 出典:YouTube Piano Trio No. 2 in F Minor, Op. 73 Borodin Trio – トピック Provided to YouTube by PIAS

ハイフェッツ、ピアティゴルスキー、レナード・ペナリオ 😶

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番 1963年 
Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 
ハイフェッツ・ピアティゴルスキー・コンサート アルバム・コレクション~室内楽全録音集 21枚組BOX ヴァイオリンの巨匠 ヤッシャ・ハイフェッツさんと、チェリストのグレゴール・ピアティゴルスキーさんの演奏をまとめたCDです。1961年~1974年 ハリウッドを中心に室内楽を定期的に演奏していたのだそうです。歴史的な資料価値のある演奏として聴いてみてください。出典:YouTube Arensky: Piano Trio No. 1 in D minor, Op. 32 – Jascha Heifetz, Leonard Pennario, Gregor Piatigorsky Sebastián Rodríguez González

アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番 

ヴァイオリン:フィリップ・クイントほか 😘

アレンスキー:弦楽四重奏曲第2番 
Arensky: String Quartet No. 2 in A Minor, Op. 35
ヴァイオリン:フィリップ・クイント ヴィオラ:リリー・フランシス チェロ:クラウディオ・ボルケス チェロ:ニコラ・アルトシュテット 2013年 

CDカップリング:チャイコフスキーヴィオリン協奏曲 ヴァイオリン:フィリップ・クイント マルティン・パンテレーエフ ソフィア・フィル、アレンスキー弦楽四重奏曲第2番 2013年録音

アレンスキーの弦楽四重奏曲第2番(作品35)は、1894年にヴァイオリン、ヴィオラ、2挺のチェロで作曲されています。2挺チェロという編成は珍しいように思います。弦楽五重奏だったら~ シューベルトかなあ。チャイコフスキーと親しかったようで追悼のために作曲したようです。

第1楽章と第3楽章はミサ曲をモチーフとしているそうですが(ワタシには、ん? どこ?って感じで解りません)第2楽章は、チャイコの子供のための16の歌(作品54)の第5曲「伝統」(聖史曲)のテーマに基づいた変奏曲だそうです。

また、この第2楽章は、チャイコフスキーの主題による変奏曲として、オケ用に編曲されています。いずれにしても、第2楽章は印象強く残るメロディーです。(って、チャイコ作品です。でも原曲は、もっと他にあるのかも)まあ、とりあえず、せっかくなので、チャイコフスキーの原曲である伝説と、編曲された弦楽合奏曲を聴きましょう。速攻で、YouTubeで聴けるなんて~ これぞ醍醐味です。

チャイコフスキー:16の子供のための歌 第5曲(作品54-5)

チャイコフスキー:16の子供のための歌 第5曲「伝説」(作品54-5)
出典:YouTube Tchaikovsky: Legenda (The Crown Of Roses) Op. 54, No. 5
ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲

チャイコフスキーの主題による変奏曲(作品35a)
Wikipediaを元に記述すると、アレンスキーは、1893年から1894年にかけて弦楽四重奏曲第2番作品35(編成はヴァイオリン1、ヴィオラ1、チェロ2)を作曲した。作曲開始年に没したチャイコフスキーに対する追悼の意味を込めて作曲されたと考えられているが、同曲の第2楽章を弦楽合奏用に編曲したものが本作です。チャイコフスキーの前例(ニコライ・ルビンシテインの思い出に捧げたピアノ三重奏曲の第2楽章)に従い、大規模な変奏曲となっています。

John Barbirolli London Symphony Orchestra
出典:YouTube Variations on a theme of Tchaikovsky Op. 35a London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Warner Classics

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番、第2番、弦楽四重奏曲第2番【解説】

アレンスキーのピアノ三重奏曲第1番(作品32)は、1894年に作曲されています。アレンスキーの代表作です。サンクトペテルブルク音楽院でチェロを教えていたチェリストカルル・ダヴィドフさんのの追悼のため作曲されたものです。四つの楽章から構成され、約28分の楽曲です。

第1楽章 二短調 4/4拍子 ソナタ形式 ピアノが三連符を奏でているなかで、ヴァイオリンが第1主題を、続いてチェロが主題を受け継いでいきます。第2主題は、チェロが奏ででヴァイオリンがこれに合わせます。展開部は、主に第1主題がチェロに現れる副次主題と組み合わされ発展するもの。弦のトレモロの後、再現部。アダージョになって主題の断片を繰り返して終わります。

第2楽章 スケルツォ ニ長調 4/3拍子 三部形式 ヴァイオリンにフラジオレットとスピッカートを使った主題が現れます。これを三回繰り返したあと、弦のピッツィカートにピアノが乗ります。重音、三連音を使ったスケルツォの主題が弦に表れます。中間部(変ロ長調)は、ワルツで舞うように演奏されます。

第3楽章 エレジーと題された緩徐楽章です。ト短調、4/4拍子、三部形式 弱音器のチェロが主題を奏でて、ヴァイオリンに受け継がれていきます。中間部(ト長調)では、弦を伴奏にピアノに主題が表れ、次にヴァイオリンが奏でます。再現部は、ヴァイオリンが主題を奏しています。

第4楽章 ニ短調、4/3拍子 ロンド形式 ピアノの強音から始まり、弦がロンドの主題を提示します。変奏される途中、静まったところでチェロによって抒情的な副次主題が奏でられます。ロンド主題の激しい変奏に置き換えられますが、第3楽章の中間部に出てきた主題が表れたり、第1楽章第1主題が弦によって奏でられます。ロンド主題による展開をしたあと終わります。特に、エレジーと名付けられた1番の第3楽章がおすすめです。恋心、鷲づかみ~という様相になります。

ピアノ三重奏曲第2番(作品73)は、1905年に作曲されています。最近になるまでな楽譜が発見されなかったそうです。演奏頻度は少なめです。

弦楽四重奏曲第2番は、ピアノ三重奏曲第1番と共に有名な曲だと思います。通常であれば、弦楽四重奏曲は、二挺のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという編成になりますが、チェロを二挺にしているところが珍しく、重厚で人の声に近いチェロの音域は穏やかで安定感を生むように感じます。第2 楽章では、チャイコフスキーの主題による変奏曲として、オケ版(弦楽合奏)に編曲しています。作品番号は35aです。

アレンスキー:ピアノ三重奏曲第1番【ディスク情報】

1963年 ハイフェッツ、ピアティゴルスキー、レナード・ペナリオ R
1986年 ボロディン・トリオ  CHANDOS 
1994年 ボザール・トリオ Ph
2012年 トリオ・トリオ・ヴァンダラー HM 

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