芥川也寸志:交響三章と弦楽のための三楽章「トリプティーク」【聴いてみよう】Yasushi Akutagawa: Trinita Sinfonica&Triptyque

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芥川也寸志:交響三章トリプティーク【YouTube】

石田さん(石田泰尚氏)のヴァイオリンを聴けちゃうので、食い入るように拝聴した動画です。2022年10月20日 電気文化会館 ザ・コンサートホールでの模様です。こうやって拝聴できるのは嬉しいっ。偶然の出会いが可能な、YouTubeならではのラッキーさ、楽しさですね。出典:YouTube 芥川也寸志:弦楽のための三楽章(トリプティーク) / Yasushi Akutagawa: TRIPTYQUE for String Orchestra Durare Chamber String Ensemble.

湯浅卓雄 ニュージーランド交響楽団 😘

芥川也寸志:交響三章(トリニタ・シンフォニカ) 湯浅卓雄 ニュージーランド交響楽団 2002年
Yasushi Akutagawa: Trinita Sinfonica Takuo Yuasa New Zealand Symphony Orchestra

第1楽章 芥川さんの交響三章は、ノリノリで、お仕事に出かけられる楽曲です。ぜひ、第3楽章を聴いてください!
冒頭のファゴットとクラリネットは、ストラヴィンスキーの雰囲気を、スネア(小太鼓)が入ってくるとショスタコーヴィチの雰囲気を感じます。ピアノが登場して、2拍子、3拍子と変わるところでは意表を突かれます。日本の横笛のようにピーヒャララ~ 日本のお祭りの雰囲気が醸し出されますね。金管が登場するところは、吹奏楽の風味が加わります。このように軽妙で大衆的、多くのテイストが盛り込まれた面白い曲です。

第2楽章 ノスタルジックな雰囲気がします。ファゴットの甘い音が、夕暮れ時の切なさ、やりきれなさを感じさせるのです。歌謡風フレーズが続きます。フルートを聴いていると和風のテイストが味わえます。静かな鎮魂歌を聴いているようです。顔で笑って心で泣いて、密かに耐え忍ぶところは、典型的な日本人らしいところでしょう。慟哭を伴うような悲劇にならないところに救われます。日本人のDNAが呼び覚まされます。

第3楽章 一気に開花するオスティナートの渦で、こりゃ楽しいですね。大衆受けする朗々としたリズムで、あっはは~ 楽しすぎる! ワタシは、この楽章を、何度も繰り返して聴いてしまいました。5拍子の先頭にアクセントがあり、滑るようなリズムが感じられます。転ぶ転ぶ。前のめりになって加速していく楽しさ。ノリ感が抜群です。クラリネットの明るい音が効果的です。それに打楽器がよく響き、プロコフィエフに似た開放的な楽章となっています。

作曲された時は、第二次世界大戦の日本でした。芥川さんのこの作品から、人々に活力を与えようとする意図を感じます。明るい未来を感じられる作品です。今を生きるワタシたちにも、明るく元気に、毎日を楽しもうという活力を与えてくれます。日本のオケでも、日本人作曲家作品を積極的に演奏して欲しいと思います。ナクソス(NAXOS)の粋な計らいに感謝して、ワタシはCDを買い求めました。ありがとう! 

CDカップリング:芥川也寸志 オーケストラのためのラプソディ、芥川也寸志 エローラ交響曲、芥川也寸志 交響三章(トリニタ・シンフォニカ)ナクソス(NAXOS)出典:YouTube Yasushi Akutagawa Trinita Sinfonica
ニュージーランド交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」

佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団 🥰

芥川也寸志:弦楽のための三楽章「トリプティーク」 佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団 2017年
Yutaka Sado Tonkünstler Orchestra

弦楽のための三楽章は、1953年に作曲された弦楽合奏曲です。「三連画」を意味するらしいのですが、オスティナート満喫できる楽曲ですね。Wikipediaで調べてみたら、「祭囃子の太鼓のような」と表現される変拍子の主題だと書いてありましたが、ツィンバロンの掻き鳴らしに似ていると感じました。お囃子とは、ワタシには感じないですね。佐渡さんが収録してくださったことに感謝~です。ノリノリの演奏です。

CDカップリング:チャイコフスキー 弦楽セレナード、芥川也寸志 弦楽のための三楽章(トリプティーク)、レスピーギ リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲、チャイコフスキー アンダンテ・カンタービレ 出典:YouTube Triptyque ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

芥川也寸志:交響三章【解説】

芥川也寸志さんの交響三章(トリニタ・シンフォニカ Trinita Sinfonica)は、1948年に作曲されています。東京音楽学校研究科在学中に作曲した作品で、曲想や構成の類似点から「交響管弦楽のための音楽」「弦楽のための三楽章」と姉妹関係に当たるとみなされています。

第1楽章 カプリッチョ(Capriccio):ファゴットの規則正しい伴奏の上に軽妙な主題がクラリネットで現れ、主題は楽器を変えながら展開を重ねます。シンコペーションを用いた別主題も登場しますが、低音のリズムはずっと反復されたまま。最後はさりげなく終わるもの。

第2楽章 ニンネレッラ(子守歌 Ninnerella):三部形式。ファゴットで情感豊かなメロディが奏され、師の伊福部昭の影響を受けた中間部のメロディは、オーボエで奏されるものです。

第3楽章 フィナーレ(Finale):全合奏による導入の後、ABACABAというロンド形式に近い展開を見せ、最後は熱狂的に終わります。

演奏時間は約23分で、戦後まもなくの作品です。典型的なオスティナートの楽曲で、底抜け的に明るく、暗さをぶっ飛ばすような活気に満ちています。伊福部昭さんの影響が色濃く出ているとも言われていますが、リズム感は原初的で、理屈抜きにワクワクさせるものです。伸びやかで軽快、さらっとした旋律は、ホント良い意味で大衆的で楽しいです。ワタシは、芥川也寸志さんの交響三章、特に第三楽章を、朝に聴いて仕事に出かけます。るんるん~で行けますから。おすすめです。

芥川也寸志:交響三章ほか【ディスク情報】

2002年 湯浅卓雄 ニュージーランド交響楽団 NAXOS
2017年 佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団 Tonkunstler Orchestra

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