ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」【名盤・おすすめ】
フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル 😍
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」 フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル 2018年
Debussy: Jeux, poème dansé François-Xavier Roth Les Siècles
ロトさんの演奏は、恋人との密会という感じで、恋人との間でのやりとりが、ちょっとした口げんかのようにも聞こえたり、甘えたり、すねたり。表情豊かな演奏です。他の演奏では感じなかった甘え上手の女性がイメージされます。木管フレーズが大活躍していますが、この木管群が、巧みに高音域の弦と絡んだり、金管と戯れたりしています。スレンダーな体躯ですが、腰の揺れを感じたり~ えへっ、ちょっぴりエロティックですね。いや、ラヴェルのダフニスとクロエより、もしかしたら濃厚な曲なのかもしれません。もちろん音楽なので、実際には、ワタシの妄想なんですが~ 途中から、むふむふ、もこもこ~ イマジネーションがかきたてられました。
CDカップリング:ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲、バレエ音楽「遊戯」、夜想曲 2018年録音 出典:YouTube Jeux, CD 133 レ・シエクル – トピック Provided to YouTube by harmonia mundi
マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 🥰
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 2013年
Debussy: Jeux, poème dansé Michael Tilson Thomas Orchestra: San Francisco Symphony
MTTさんの演奏は、これ以上ないと思われるような色彩感で満ちあふれています。木管の存在はもちろんのこと弦の空をたなびくようなフレーズは、おみごととしか言いようがありません。「テニスの試合」を舞台にした、一人の男性を巡って二人の女性の「恋の鞘当て」 のようなバレエ音楽ではなく、天女たちの戯れのような曲に聞えてしまうのですが~ みなさんはいかがでしょうか。MTTさんの演奏は、世俗的な楽曲ではない気がします。美しい音色で、まるで、ストラヴィンスキーの火の鳥の一節を聴いているように感じます。
CDカップリング:ドビュッシー「映像」2014年、「遊戯」2013年、「レントより遅く」2013年録音 出典:YouTube Jeux, L. 126 San Francisco Symphony Provided to YouTube by SFS Media
ピエール・ブーレーズ クルーヴランド管弦楽団
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」 ピエール・ブーレーズ クルーヴランド管弦楽団 1993年
Debussy: Jeux, poème dansé Pierre Boulez The Cleveland Orchestra
CDカップリング:ドビュッシー 夜想曲、クラリネットと管弦楽のためのラプソディ第1番、バレエ音楽「遊戯」、交響詩「海」 出典:YouTube Debussy: Jeux (Poème dansé) , L.126 – Très lent – Scherzando (Tempo initial)
クリーヴランド管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 🥰
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」 サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1989年
Debussy: Jeux, poème dansé Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra
ラトルさんの演奏は、良いのだと思います。それよりも、このバレエ音楽のストーリーが、イマイチなので、あまり気合いを入れて聴けなかったというのが正直なところです。CDのブックレットによると、20数個のモチーフを絶妙にああつり、装飾だけで織りなされたかのような柔軟で変化自在な感覚的世界をつくりだしたことで、ドビュッシーの手法は、文字通りめまぐるしく変化し続ける瞬間を 音化した類いまれな例、ひいては、伝統的な楽曲構成法の範疇を真の意味で打ち破った前衛的な例に他ならない。・・・とありました。
確かに、テニスとは、また斬新な思いつきですが、オネゲルの「ラグビー」を想像したのですが、さにあらず。単に、導入場面だけがテニスコートというだけで、神秘劇というか心理劇なのかな~と思います。ブックレットには、交響詩「海」の第2楽章「波のたわむれ」の書法の拡大化・徹底化とみなすこともできそうであるとも書かれてあったのですが、あまり理解ができていません。初演時の聴衆の反応は、かなり無関心に近いものだったそうです。ラトルさんの演奏で、19分24秒の楽曲です。そんな時間で、ドラマとして成り立つのか疑問ですよね。ブックレットには、劇のストーリーと共に解説もあったのですが、ここでの引用は控えます。
楽曲について、20数個のモチーフは、どう表現されているのか、「海」の続きのように聴いても、あながち間違いでもなさそうですが。バレエのストーリーと楽曲がマッチしていなかったのかもしれません。ちなみに、シャンゼリゼ劇場で、この「遊戯」は上演されたそうですが、その2週間後に、ストラヴィンスキーの「春の祭典」が初演されたそうです。ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、1913年、ディアギレフと付き合いのあった興行師ガブリエル・アストゥリュクのシャンゼリゼ劇場が完成し、「遊戯」、「春の祭典」初演を含むバレエ・リ ュスの公演は、その杮落としの目玉だったそうです。ハルサイ(春の祭典)の初演と同じ時期とは、かなり分の悪い興業だったかもしれませんね。時代の潮流を感じます。
CDカップリング:ドビュッシー 劇付随音楽「リア王」、舞踏音楽「遊戯」、管弦楽のための「映像」 出典:YouTube Debussy Jeux, CD 133, L. 126 バーミンガム市交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」 シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1989年
Debussy: Jeux, poème dansé Charles Dutoit Orchestre symphonique de Montréal
CDカップリング:ドビュッシー 交響詩「海」、バレエ音楽「遊戯」、交響的断章「聖セバスチャンの殉教」、牧神の午後への前奏曲 1989年 出典:YouTube Debussy: Jeux (Poème dansé) , L. 126 モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
セルジュ・ボド チェコ・フィル
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」 セルジュ・ボド チェコ・フィル 1966年
Debussy: Jeux, poème dansé Serge Baudo Česká filharmonie
CDカップリング:ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」1966年、「映像」1977年、「遊戯」1966年、「2つの舞曲」1977年 出典:YouTube Jeux – poeme danse チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Supraphon
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」【解説】
ドビュッシーの舞踏音楽「遊戯」は、1912年に作曲されています。ディアギレフが主宰するバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために舞踊の伴奏音楽として作曲されたもので、「テニスの試合」と、一人の男性を巡って二人の女性が「恋の鞘当て」 を演ずるバレエ音楽です。無邪気な子どもの「お遊戯」という意味ではないとのことですが、初演時に観客に渡された解説文によると。
「夕暮れの庭園。テニスボールがなくなって、1人の青年と2人の娘がボールを捜しに登場する。幻想的な光を3人に投げかける大きな電燈の人工的な照明は、子供じみた遊びを思い付かせる。隠れん坊をしたり、 鬼ごっこをしてみたり、口喧嘩したり、わけもなく拗ねたりするのである。夜は暖かく、夜空は青白い光に染まっている。3人は抱きしめ合う。ところが、誰かの手をすり抜けた、もう1つのテニスボールが投げ込まれると 、魔法は消える。
3人の男女は、驚き慌てて夜の庭園へと姿を消す」とのことだそうです。はあ~ なにそれ? 意味わからん。というのはワタシだけでしょうか。どんなバレエ音楽なん? と思ったら、YouTubeに、それらしきバレエ動画がありました。下段でごしょうかいしておきます。見てもワタシには、ハテナ~。
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」【YouTube】
ドビュッシーの遊戯は、ディアギレフが主宰するバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)のために舞踊の伴奏音楽として作曲されたものです。「テニスの試合」と、一人の男性を巡って二人の女性が「恋の鞘当て」 を演ずるバレエだというのですが~ はてさて。今風に言えば、単発ドラマのBGMでしょうか。出典:YouTube Jeux- choreography by V. Nijinsky Walter Rutledge
ドビュッシー:舞踏音楽「遊戯」【ディスク情報】
1966年 セルジュ・ボド チェコ・フィル Sup
1989年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
1989年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1993年 ピエール・ブーレーズ クルーヴランド管弦楽団 G
2013年 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 SFS
2018年 フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル HM
コメント