シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」【聴いてみよう】Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae”

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シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」【YouTube】

カザル弦楽四重奏団さんの演奏です。32分11秒の動画です。出典:YouTube Jean Sibelius Voces intimae string quartet op. 56 casalQuartet CHAARTS made in Aargau 2015年12月演奏です。

ノルディック弦楽四重奏団さんの演奏です。32分29秒の動画です。Nordic StringQuartet 出典:YouTube Jean Sibelius – String Quartet in D-Minor op. 56, Voces Intimae. Nordic String Quartet (HD)

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」【名盤・おすすめ】

テツラフ四重奏団 😘

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 テツラフ四重奏団 2009年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” Tetzlaff Quartet

ヴァイオリニストのクリスティアン・テツラフと、チェリストの妹を中心にしたカルテットのデビューアルバムです。はち切れんばかりの元気さ、勢いがあり、ぐいぐい押してきます。昔の演奏に比べると、当然、テンポも速めですし、フレーズのなびき方も多少強めですが、聴いているうちに勢いに巻き込まれてしまいます。しっとり聴かせるというより、ワタシたちの演奏を聴いて~という感じがします。特に、第5楽章の速さに驚きつつ、細かい刻みのなかに、多少、歌謡風のしなやかさを感じます。とにかく、サッパリとした風味で、全体を通して歯切れが良いです。颯爽とした感覚が、聴いたあとに残ります。

CDカップリング:シベリウス 弦楽四重奏曲「親愛なる声」、シェーンベルク弦楽四重奏曲第1番 出典:YouTube String Quartet in D Minor, Op. 56 “Voces intimae”:  Tetzlaff Quartet – トピック Provided to YouTube by PIAS

テンペラ四重奏団 🙂

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 テンペラ四重奏団 2004年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” Tempera Quartet

通常の演奏に続いて、予備用エンディング世界初録音(preliminary ending)が流れて行きます。従来の終わり方で良いのだけど~と、ワタシは思ったのですが、つい世界初とか言われちゃうと聴いちゃいますね。フィンランドの女性のカルテットです。出典:YouTube String Quartet in D Minor, Op. 56 “Voces intimae”: Tempera Quartet – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

エマーソン弦楽四重奏団 😘

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 エマーソン弦楽四重奏団 2004年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” Emerson String Quartet

エマーソンさんの演奏は、沁みてきます。最初のフレーズだけで、やられちゃいました。出典:YouTube Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” エマーソン弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

メロス弦楽四重奏団

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 メロス弦楽四重奏団 1998年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” Melos Quartett

CDカップリング:シベリウス弦楽四重奏曲「親愛なる声」、ヴェルディ 弦楽四重奏曲 出典:YouTube String Quartet in D Minor, Op. 56 “Voces intimae”: Melos Quartett – トピック Provided to YouTube by PIAS

ニュー・ヘルシンキ弦楽四重奏団 😘

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 ニュー・ヘルシンキ弦楽四重奏団 1997年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” New Helsinki String Quartet
ヴァイオリン:ヤン・ショーデルブロム、ペトリ・アールニオ ヴィオラ:イラリ・アンゲルヴォ チェロ:マルコ・ユロネン

ニュー・ヘルシンキSQさんの演奏は、均質化された和音が美しく、スピード感があります。ヴァイオリンが、そしてチェロが続けて演奏され二重奏に入ると、雪崩落ちてくるような感じで、悲しみの底に向かっていくような厳しさが感じられます。フィッツウィリアムSQの演奏は、暖かさや柔らかさを感じましたが、硬くエッジが鋭く弾かれています。「親愛の声」だから人肌暖かいものと思い込んでいたけれど~ ウィキを見ると、「内なる声」(ラテン語:Voces Intimae)という表題となっている。うっ、これではイメージが違いますよね。主題を繰り返して行くなかでも、徐々に厳しくなっていくようで。これは、また、聴き直さないといけません。あちゃー

CDカップリング:シベリウス 弦楽四重奏曲「親愛なる声」、グリーグ 弦楽四重奏曲 出典:YouTube Sibelius String Quartet in D minor Op.56 ‘Voces Intimae’ New Helsinki Quartet – トピック Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia

グァルネリ弦楽四重奏団 🙂

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 グァルネリ弦楽四重奏団 1989年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” Guarneri Quartet·

グァルネリ弦楽四重奏団の演奏は、キリリっと引き締まった都会的で、クールな演奏です。第1楽章は、ゆったりと始まり、穏やかな表情を見せるので、落ち着いて聴き始めたのですが、ワタシのイメージするシベリウスの世界とは、ちょっと違う~気がします。例えて言うと、田舎から都会に出て働いき始めた社会人のように、少しずつ変貌する感じでしょうか。ギリギリ、カリカリと尖ってしまいますね。意外とドライな演奏です。

CDカップリング:グリーグ 弦楽四重奏曲ト短調、シベリウス 弦楽四重奏曲「親しき声」出典:YouTube
出典:YouTube Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” グァルネリ弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

シベリウス・アカデミー四重奏団

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 シベリウス・アカデミー四重奏団 1980年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” The Sibelius Academy Quartet

シベリウスの弦楽四重奏曲(全曲)を演奏されています。弦楽四重奏曲は、作品56ニ短調「親愛なる声(内なる声)」1909年作曲が有名ですが、それまでの三曲は学生時代に作曲されたものらしく、ほとんど演奏されていません。Wikipediaを調べてみましたが、作品番号4 変ロ長調 1890年作曲 が、記載されていただけです。他に変ホ長調、イ短調の作品があるようです。出典:YouTube Jean Sibelius : Complete String Quartets The Sibelius Academy Quartet – トピック Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia

フィッツウィリアム弦楽四重奏団 🥰

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」 フィッツウィリアム弦楽四重奏団 1978年
Sibelius: String Quartet in D minor, Op. 56 “Voces intimae” Fitzwilliam String Quartet

フィッツウィリアム弦楽四重奏団さんの演奏は、ソフトで穏やかです。柔らかいトーンが響き、ほっとします。美しい調べが、メジロ押し状態で繰りだされてくるので、単純に嬉しくなっちゃいます。1978年の録音ですが、丸みがあり、弦楽合奏の雰囲気が良くでていると思います。ツーンと冷たい響きではないので、とても聴きやすく、落ち着きます。

ヴァイオリンが、いつも寄り添うように奏でられ、和音が美しく、慈愛に満ちた母親の声のように感じられます。ストイックすぎず、厳しいだけでもなく、単に優しいわけではなく、なーんか、どこかすーっと寒くなってくるところもあり、楽章が進むにつれて、客観的でクールな面も表出します。「親愛なる声」というタイトルにこだわらず、寂しげでもあり、人肌の暖かさを感じたりもする。もしかしたら、自分の潜在意識、内なる声って、そういうことかもしれませんね。まっ、聴く人によって受け止め方が異なってもオッケーではないでしょうか。

CDカップリング:シベリウス 弦楽四重奏曲 1978年、ディーリアス 弦楽四重奏曲 1978年、ディーリアス チェロソナタ(チェロとピアノのための1楽章のソナタ)1971年 出典:YouTube Sibelius: String Quartet in D minor, Op.56 “Voces intimae” Fitzwilliam Quartet – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」【解説】

シベリウスの弦楽四重奏曲「親愛なる声」(ニ短調 作品56)は、1909年に作曲されています。シベリウスは、1865年~1957年のご生涯だったので、とても長命な方なのですが、実は、1925年作曲の交響詩「タピオラ」以後は、筆を折ってしまったので、実質60歳で定年退職しちゃった作曲家です。

シベリウスの弦楽四重奏曲は、全部で4曲ありますが、ここでご紹介する作品56が「親愛なる声」(親しき声)という標題を持っており有名です。Voces Initimae「親愛なる声」ラテン語なんですね。あとの3曲は学生時代に書かれ演奏されないので、実質、この作品が唯一の弦楽四重奏曲となります。作風は弦楽四重奏というよりも、弦楽合奏に近い厚みのある曲で、ヴァイオリン2挺、ヴィオラ、チェロで演奏されます。5つの楽章で構成され、切れ目なく演奏される約25分の楽曲です。

第1楽章 4/4拍子~3/4拍子 ソナタ形式 ヴァイオリンとチェロの短い対話の後、トゥッティで提示される主部の第1主題に移り、この主題をチェロが引き継いだ後、第2主題に入ります。
第2楽章 2/4拍子 冒頭にヴァイオリンが提示する旋律は、第1楽章の第2主題と繋がりがあり、コーダ付近に現れる動機は、3楽章と4楽章の旋律に関連性が見られるとのこと。
第3楽章 2/4拍子 ヴァイオリンで提示される主題の一部は、第2楽章のコーダ付近の動機と繋がりがあります。
第4楽章 2/4拍子 舞曲風の楽章です。
第5楽章 2/4拍子 第1ヴァイオリンで最初に提示される主題の中に、第1楽章第1主題の旋律が散見され、主題が有機的に繋がっています。

シベリウス:弦楽四重奏曲「親愛なる声」【ディスク情報】

1978年 フィッツウィリアム弦楽四重奏団 Dec
1980年 シベリウス・アカデミー四重奏団 Finlandia
1989年 グァルネリ弦楽四重奏団 Ph
1997年 ニュー・ヘルシンキ弦楽四重奏団 Apex 
1998年 メロス弦楽四重奏団 HM
2004年 エマーソン弦楽四重奏団 G
2004年 テンペラ四重奏団 BIS
2009年 テツラフ四重奏団 C’Avi

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