バッハ:パルティータ第2番ハ短調【聴いてみよう】J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826

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バッハ:パルティータ第2番【YouTube】

バッハ:パルティータ第2番 アルゲリッチさんの演奏です。食い入るように見入ってしまいました。
出典:YouTube Johann Sebastian Bach – Piano Partita No. 2 In C Minor, BWV 826 – Martha Argerich
Les beaux-arts channel Martha Argerich, piano .

パルティータは、次のとおり6曲で構成されています。1:シンフォニア(Sinfonia)2:アルマンド (Allemande) 3:クーラント (Courante)4:サラバンド (Sarabande)5:ロンドー (Rondeaux)6:カプリッチョ (Capriccio)

バッハ:パルティータ第2番【名盤・おすすめ】

マルタ・アルゲリッチ 🥰

バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV. 826 J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826
マルタ・アルゲリッチ Martha Argerich 1979年

アルゲリッチさんの演奏は、ストイックかつ愉悦性の高いバッハで、活き活きと演奏されています。バッハは、駄耳には、どれもこれも同じに聞こえて(論理的に聴けてないのが原因)金太郎飴状態になり、こんがらがってしまうのです。幾何学的、数学的な作品(と思っている)が多く、嫌気がさしてしまいます。子供の頃に弾かされたバッハのインヴェンションが、好きではなかったからかもしれません。聴いているうちに眠くなり、つまんない楽曲だと思っていました。

しかし、アルゲリッチさんのパルティータは、嶮しくも愉悦性の高い演奏です。聴いてみて、ワタシの目からウロコが1枚・2枚程度は落ちたかもしれません。静かな曲は柔らかく、あの力強いタッチは、どこに行ってしまったのだろう~と、別人のような演奏で驚かされます。ふわーっと包み込む母性的でストイックな演奏でもあるのです。ロンドのような品良く踊る曲は、これは面白いですね。跳ねて踊って~という、アグレッシブな演奏で、理屈抜きに楽しい。水が熱せられフツフツ~と沸騰する過程を見ているみたい。湧き踊る感じがする~と思います。

ピアニストって、よくまあ、これほどまでに表現豊かに演奏できますよね。一人の人間の感情が、ここまで湧き起こるものなのでしょうか。息もつけぬほどに速く、ビンビンに緊張が走り、スピード感を増していくと、まるで炎のように激しく燃える。う~ん、これほどまでの極に位置する感情を、一人の人間のなかに存在させることができるのか。そう思うとそら怖ろしい気がします。日常生活に支障はきたさないのだろうか、なーんて、野暮なことを考えたりします。自分自身のバランスを保つことは、凡人には超難しそう。

思春期に、バッハのパルティータを聴くと良いかもしれません。それも、このアルゲリッチさんの演奏で、深夜、真っ暗のなか、ヘッドフォンでのめり込んで聴くと、自分の燃え立つエネルギー 悶々としていればしているほど、燃えて燃えて、昇華されるような気がします。パルティータの第2番、第5曲のロンド、第6曲のカプリッチョを、ワタシは思春期でもないのに、何度も繰り返して聞いちゃいました。(えへっ恥ずかしい。)

CDカップリング:バッハ トッカータ ハ短調  BWV911、パルティータ 第2番 BWV826、イギリス組曲 第2番 BWV807 出典:YouTube J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826 マルタ・アルゲリッチ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

マレイ・ペライア 🥰

バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV. 826 マレイ・ペライア Murray Perahia 2007年
J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826

ペライアさんの演奏は、アルゲリッチさんとは違います。二つの極が一人の人間のなかに存在しているような演奏ではなく、ちゃんと、なまみの人間が弾いているという気がします。ちゃんと生命があり、活き活きとして、ほっとするのです。脱力感に苛まれそうな曲もあるにはあるのですが(何曲目とは言わないでおきますね)、ちゃんと蘇ってきます。グールドさんの演奏は、最初っから怖くて聴けないし、完全に抜け殻状態で果ててしまいます。アルゲリッチさんの演奏は、のっけからテンションが高いです。

ペライアさんの演奏は、ピュアのひとことかな。こんな純朴な人がいて良いのだろうかとも思える演奏です。ペライアさんのピアノの音を聞くと、善良な人にならないと~みたいな気持ちになって、はっと我に返ることができます。若い頃から弾いているピアノのまま、目がキラキラしているような、自然感にあふれた粒立ちの良い音が聞えてきます。聴き手に強い衝撃を与えない、圧の強い演奏ではなく、軽やかにそよぐ風のような演奏だと思います。出典:YouTube Partita No. 2 in C Minor, BWV 826 マレイ・ペライア – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

グレン・グールド 🥶 

バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV. 826 グレン・グールド Glenn Gould 1959年
J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826

グレン・グールドさんのバッハは怖くて聴けません。魂が抜かれそうになります。いやホント、この方は、いったいどうなっておられるのか、凡人にはわかりません。わかりたくもない~って心境になります。怖すぎ。出典:YouTube Partita No. 2 in C minor, BWV826 Glenn Gould Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

アンドラーシュ・シフ 😘

バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV. 826 アンドラーシュ・シフ András Schiff 2007年
J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826

シフさんの演奏は、いたって普通と言うとお叱りが来るかもしれませんが、心穏やかに拝聴することができるものです。若々しさが垣間見られ、魂を吸い取られることはありません。ライブ盤なので、かなりコンサート向きの演奏で、内面に向かいすぎないで聴くことができます。タメ感があったり抑揚がついているところがあるので、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、安心してお聴きくださいね。CDカップリング:J.S.バッハ:パルティータ全曲 BWV.825-830 2枚組BOX 出典:YouTube J.S. Bach: Partita No. 2 in C minor, BWV 826 アンドラーシュ・シフ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

クラウディオ・アラウ 😘

バッハ:パルティータ 第2番 ハ短調 BWV. 826 J.S. Bach: Partita No. 2 in C Minor, BWV 826
クラウディオ・アラウ Claudio Arrau 1991年

アラウさんの最晩年の録音なので、心が昇華されつつあるというか、もはや半歩以上、別の世界に足を踏み入れておられるかのような気がします。おぼつかない箇所もありますが、それよりもなによりも、第4曲のサラバンドが、これほどまでに抜け殻になるのか怖くなります。既に無機質状態になっているようで、ちょっと触れば、パラパラ破片が落ちるような危うさ、既に彼岸でしょう。(他のピアニストの演奏も、多かれ少なかれ怖いんですけどね。)出典:YouTube J.S. Bach: Partita No. 2 in C minor, BWV 826 クラウディオ・アラウ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

バッハ:パルティータ第2番について【解説】

J・S・バッハの6つのパルティータ(クラヴィーア練習曲第1巻)BWV 825-830は、イギリス組曲、フランス組曲を含むクラヴィーア組曲の集大成の作品です。このうち第2番は1727年に作曲されています。
1 シンフォニア (Sinfonia) 2 アルマンド (Allemande) 3 クーラント (Courante) 4 サラバンド (Sarabande) 5 ロンドー (Rondeaux) 6 カプリッチョ (Capriccio)で構成されています。アルゲリッチさんのピアノは、悶々とした気持ちが燃えて燃えて、昇華される~ そんな感じです。

バッハ:パルティータ第2番【ディスク情報】

1959年 グレン・グールド SC 
1979年 マルタ・アルゲリッチ G
1991年 クラウディオ・アラウ Ph 
2007年 アンドラーシュ・シフ Dec
2007年 マレイ・ペライア SC

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