ジョン・クーリッジ・アダムズ作品【YouTube】
「ザ・チェアマン・ダンス」
ジョン・クーリッジ・アダムズ:「ザ・チェアマン・ダンス」 アラン・ギルバート NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 出典:YouTube John Adams: “The Chairman Dances” mit Alan Gilbert | NDR Elbphilharmonie Orchester
ちょっぴり速めのテンポで進んで行きます。徐々にわくわくしてくるのが、自分でもわかります。中間部分になると、まるで銀河鉄道を旅しているかのような気持ちに。
「ハルモニーレーレ(和声学)」
ジョン・クーリッジ・アダムズ:「ハルモニーレーレ(和声学)」 サイモン・ラトル ロンドン交響楽団
John Adams: Harmonielehre (Part 3: Meister Eckhardt and Quackie) ★ 第3楽章のみの掲載です。
多彩な楽器を使って、不思議な音が作り出されているのがわかりますね。う~ん、木琴は2台なのか。えっ、ここで弦が細かい動きをしていたのね~とか。ピアノに、ハープ2台、やっぱり動画で見るのは面白い。生コンサートでも、きっと、オケの動きを食い入るように見ていることでしょう。音の響き、波動が、ものすごく伝わってきます。これが、ジョン・クーリッジ・アダムスの醍醐味なんですね。出典:YouTube John Adams: Harmonielehre, Part 3 // Sir Simon Rattle & London Symphony Orchestra
London Symphony Orchestra
ジョン・クーリッジ・アダムズ作品【名盤・おすすめ】
ザ・チェアマン・ダンス The Chairman Dances 😘
ジョン・クーリッジ・アダムズ:ザ・チェアマン・ダンス エド・デ・ワールト サンフランシスコ交響楽団 1986年
John Adams: The Chairman Dances Edo de Waart San Francisco Symphony
ジョン・クーリッジ・アダムの「ザ・チェアマン・ダンス」は、カタコト・カタコト・・・と続く楽曲です。電車に乗っている気持ち良さがあり、短い弦のカシャカシャ音が一定速度で弾かれます。そのうち、金管や木琴等が細かく音を出すことで、風景が流れて見えてくるかのようになります。13分程度の楽曲ですが、なかなかに楽しげ。
シンプルな音型が、なんらかの不思議なエネルギーで動き始め、自律した動きを勝手に始めちゃうみたいですね。生命体の誕生みたい。素直に聴こうとしなければ、なんじゃーこれっ。ちょっと、ずっこけてしまうかもしれませんが、耳をすませると、いろんな楽器が使われている様子が窺えます。
スピードとエネルギッシュなリズムで、ユーモアもありますね。ダンスやその他のパフォーミングアーツの伴奏として使用されているようですが、なるほど同意です。電車に乗っている気分で、中間部にさしかかるとティンパニーが鳴らされ、テンポも微妙に変わっていきます。ゆったりとした熟成した時間を過ごしているかのような余裕。
ふんわり回顧できる時を得た気がします。またまた電車に乗って、カタコト、ガタコトと進むと、帰り道になるのかなあ。少し長い音が続くので忙しい感じはしません。自由に想像できちゃう楽曲です。聴く人によっては、走馬灯のように記憶が時空間を飛び越えていくようでもあり、通勤電車での会話のような具体的なイメージを持つ人がいるかもしれません。穏やかな楽曲なので、安定した気持ち良さがあります。
明るく清々しさ、爽やかな感じがするので、聴いてて、自分のイメージを自由に膨らませることができる楽曲です。時間の観念が、ゆったりしてて、心に余裕が生まれ、贅沢な時間にすることも可能でしょう。狭いところから出てみようかな~とか、ちょっぴり微笑ましい気持ちになる楽曲です。出典:YouTube The Chairman Dances (Foxtrot for Orchestra) ジョン・アダムズ – トピック John Adams – Topic Provided to YouTube by Nonesuch
中国のニクソン Nixon in China 🙄
ジョン・クーリッジ・アダムズ 「中国のニクソン」 エド・デ・ワールト セントルークス管弦楽団 1987年
John Adams: “Nixon in China” Edo de Waart · Orchestra of St Luke’s
ジョン・クーリッジ・アダムズは、オペラ「中国のニクソン」の作曲に取り掛っている際、共通の素材を用いた「ザ・チェアマン・ダンス」を作曲しています。オペラは、1972年当時のアメリカ大統領ニクソンが、中国訪問した事実を題材にしたものらしいのですが、バックに流れているのがミニマルな音楽というもの。
シンプルなリズム、ハーモニーが、ずっと繰り返されています。映像に音楽がつくと、想像以上に、徐々に謎めいた不思議な律動を生むように感じます。だから、なに? と言われたら、ちょっとツライんだけど。それに、昨今の社会情勢を鑑みると、二極化が進みそうだし、政治色の強めのものは、リスク回避しなきゃと思っちゃいますね。あと原爆博士なーんてタイトルのオペラもあるんですけど、ぎょえー! 何それって感じがします。(目を背けちゃいけないのでしょうが またの機会に。)
出典:YouTube Nixon in China: Act I, Scene 3 – (Beginning) ★ 第三幕の最初の部分です。John Adams Provided to YouTube by Nonesuch 1987年 エド・デ・ワールト セントルークス管弦楽団 Nonesuch
出典:YouTube [EXTRAIT] NIXON IN CHINA de John Adams (Renée Fleming) Opéra national de Paris 2023年4月16日 パリ バスティーユ歌劇場での模様です。2分56秒の動画です。歌っているのはルネ・フレミングさん Renée Fleming 美女に見とれるのではなく、バックのミニマルな音楽を聴いてみてね。
シェイカー・ループス Shaker Loops 😘
ジョン・クーリッジ・アダムズ:「シェイカー・ループス」 クリストファー・ウォーレン=グリーン ロンドン室内管弦楽団 1990年 John Adams: “Shaker Loops” Christopher Warren-Green London Chamber Orchestra
ここで、ご紹介するシェイカー・ループスは、4つの楽章にわかれています。ウォーレン=グリーン ロンドン室内管の演奏は、弦楽オーケストラ版で、24分46分という演奏です。この25分程度の曲が、全て弦楽で首筋がすーっとなるような涼しい感じになったり、分厚くなったり、ほぼ弦だけで多彩なシーンを描いていきます。
1 Shaking and Trembling 2 Hymning Slews 3 Loops and Verses 4 A Final Shaking
当初は、弦楽四重奏として作曲されたようですが、1978年に七重奏曲に、1983年に弦楽合奏版が作曲されています。聴いた感想を書こうにも、なかなか言葉では表現しづらい楽想で、ヒラヒラとしていたり、すーっとしていたり、シェイクされている感じがします。弦の短いフレーズを繰り返し、小さなフレーズが、音の幅を膨張したり収縮したり、自在に動いています。
音楽の流れが、横に感じられるモノだとすれば、長く伸ばす音が無く、リズム感はほぼ均一で、音の厚みが変化を作りだし、繰り返して空間を彷徨います。もちろん、多少のリズム感はありますが、大きく変化することなく同音型の反復で、どこを切っても金太郎飴状態ですね。ずーっと同じリズム、音型で、続けることが、ある意味、快感になっていくという不思議な体験ができます。無窮動の面白さ、環境音楽っぽいところ、どこかシャーマンの呪術のような感じがして、繰り返して聴いているうちに不思議な感覚に陥り、快感に変わるのです。
聴く日の気分によって印象が異なるので、ワタシはちょっと困っているのです。はあ? なんじゃーこりゃ~ となる日があったり、快感を得たり、単なるBGMだと思ったり。なにかを訴える曲でもないので、全く気分転換にもならないのですが、まあ、現代の不思議体験には試しに聴いてみるのも一興でしょう。どう聴けば良いのか、トリセツ(取扱説明書)が欲しくなるような楽曲ではあります。微妙です。
出典:YouTube Shaker Loops, for String Orchestra ロンドン室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ハルモニーレーレ(和声学) Harmonielehre
ケント・ナガノ モントリオール交響楽団 🥰
ジョン・クーリッジ・アダムズ:ハルモニーレーレ(和声学) ケント・ナガノ モントリオール交響楽団 2017年
John Adams: Harmonielehre Kent Nagano Orchestre symphonique de Montréal
ケント・ナガノさんの演奏を聴くと、スピリチュアルな感覚が芽生えてきます。ワタシ自身が、この曲に馴れてきたからかもしれませんが、静かで穏やかな空気感をすーっと聴けるようになりました。音の色彩感が際立っているので、より一層、煌めきも感じますし、最後の第3楽章に入ってくると、自然な気持ちで波動で受けることができます。ラトルさんの演奏のような、地熱を感じるほどには熱くならないし、踊り出したくなるような、カラダに影響するような波動でもありません。瞑想しているなかで、カラダは動かないんだけれど~ 血管の流れが良くなって、ほかほかするっていう感覚でしょうか。
CDカップリング:アダムズ コモン・トーンズ・イン・シンプル・タイム、ハルモニーレーレ(和声学)、ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン 2017年 出典:YouTube Adams: Harmonielehre モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 🥰
ジョン・クーリッジ・アダムズ:ハルモニーレーレ(和声学) マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 2010年 John Adams: Harmonielehre Michael Tilson Thomas Orchestra: San Francisco Symphony
ハルモニーレーレは、ラトルさんの十八番だと思っていましたが、忘れてましたね~ 一方の雄を。アメリカでは、この方の演奏です。マイケル・ティルソン・トーマス(MTT)さんの演奏に、シャープさが増大している熱気のある演奏です。高音域の鋭さが魅力的なライブ盤です。観客からの反応も大きくなっているのではないでしょうか。それがオケに伝わって、相乗効果を得て、さらにうわっーっと盛りあがっていくような気配がします。静かなのだけど、緊張感の高まりが感じられます。
CDカップリング:ハルモニーレーレ(和声学)2010年、ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン2011年 両曲ともライブ録音です。出典:YouTube Harmonielehre San Francisco Symphony Provided to YouTube by SFS Media
サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 🥰
ジョン・クーリッジ・アダムズ:ハルモニーレーレ(和声学) サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1993年
John Adams: Harmonielehre Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra
2017年(平成29年)秋に、京都市交響楽団の定期で聴く機会があったのですが、仕事で行き損ねてしまいました。実体験するせっかくの機会だったのに。繰り返して聴くなかで、おぼろげながら~ カラダのなかの血流だったり、心臓の鼓動だったり、そんなリズムに近いのかもしれません。第1楽章は、乾いた音楽でも、空疎な感じでもなく、カラダで受け止めるとすーっと入り込んで、じわじわ地熱のように感じる音楽です。
リズムが繰り返されているなか、色彩的な感覚が生まれてきます。クールな響きではなく、そこはかとなく(古い言葉ですね)じわじわ暖かく感じられるようになるのです。いろんな楽器が合わさってくるので、層が厚く集約され丸く収まってくる感じがします。まとまりながらも自在に動いている音。ビンビンに伝わってくるというよりは、微妙に感じる程度でしょうか。細かい音の粒が並んで、自律的に動いている熱っぽさが感じられます。
第2楽章は、ファンファーレなので華やか。力強く、音を出してくるので熱いですね。第3楽章も、弦、木管のフレーズに、織り目が見えてくるので楽しくなってきます。やっぱり理屈抜きに楽しい楽曲なんだなと。ようやく気づくのです。楽章が進むにつれて、尻あがりにリズムが浸透してくるようです。まだ、ワタシのカラダには入ってこないで、すーっと風が通り過ぎるように聞こえてしまう第1楽章。
そして、ファンファーレにワクワクして、まるで阿波おどりのように、勝手に体が反応してくる楽章。聞いているなかで、波打ち際とか大地の響き、地面の蠢き、虫の鳴き声のように聞こえたり、大衆のざわめきであったり。聴く時によってイメージが変わりますが、自然界の動きなのでしょう。長い楽曲なので、ピックアップして聞くのがおすすめです。出典:YouTube Harmonielehre Simon Rattle Provided to YouTube by Warner Classics
悪魔は全ての名曲を手にしなければならないのか? Must The Devil Have All The Good Tunes? 🤩
ジョン・クーリッジ・アダムズ:悪魔は全ての名曲を手にしなければならないのか? ユジャ・ワン グスターボ・ドゥダメル ロサンゼルス・フィル 2019年 John Adams: Must The Devil Have All The Good Tunes? ★ 第1楽章のみ掲載します。
面白そうなのですが、数回聴いたくらいでは・・・ なはは。太刀打ちできません。それにしても長いタイトルでイミシンですね~ 多様な要素がたっぷり詰まっててジャズ風味もあります。パターンがすぐに把握できませんね。でもね、こうやって新しい曲に挑戦してくださる指揮者とピアニストがいてこそ~作品が広まっていくので嬉しいです。アダムズさんのピアノ協奏曲、この曲で第3番だそうです。これから聞き込みますっ。今日は、これにて~。
CDカップリング:ジョンアダムス Must The Devil Have All The Good Tunes? 2018年作品 1 Gritty, Funky, But in strict Tempo; Twitchy, Bot-Like 2 Much Slower; Gently, Relaxed 3 Piu mosso: Obsession / Swing China Gates 1977年作品
ジョン・クーリッジ・アダムズ 作品【解説】
ジョン・クーリッジ・アダムズは、1947年生まれのアメリカの現代音楽作曲家です。彼はミニマル・ミュージックの代表的な作曲家の一人であり、その作品は世界中で演奏されています。アダムズの初期作品は、ミニマル・ミュージックの手法の影響を強く受けていますが、多様な作風へと展開しています。
彼の代表作には、オペラ「中国のニクソン」(1987年)、「ドクター・アトミック(原爆博士」(2005年)、「ハルモニーレーレ(和声学)」(1984年)などがあります。ワタシが好きなのは、「チェアマンダンス」です。軽快で明るく、ダンスの要素もあり、ミニマル・ミュージックの手法である細かな音が繰り返して鳴ってきます。シンプルな音を繰り返すことで、徐々にテンションがあがり、カラダが熱くなっていくのです。イベントのオープニング等にも使える楽曲だと思います。なにかに集中したり、瞑想やリラックスしたいときにBGMとして聴くのも良いですね。ぜひ聴いてみてください。
ミニマル・ミュージック (Minimal Music) は、音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる現代音楽で、1960年代から盛んになったとされています。単にミニマルと呼ばれることもあり、代表的な作曲家は、テリー・ライリー(Terry Riley)、ラ・モンテ・ヤング(La Monte Young)、スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)、フィリップ・グラス(Philip Glass)の4名です。全て、アメリカの作曲家。
ジョン・アダムズは、この4人に続く作曲家といえます。当初は、グラスやライヒ、ライリーのような純然たるミニマリストとして知られていましたが、成熟期の作品においては、色彩的な和声のパレットと豊かな管弦楽法に結び付いた傾向が見られ、厳密には「ポスト・ミニマル」と見なされるそうです。
ジョン・クーリッジ・アダムズ 作品【ディスク情報】
◆ ザ・チェアマン・ダンス 1986年 エド・デ・ワールト サンフランシスコ響 Nonesuch
◆ 中国のニクソン 1987年 エド・デ・ワールト セントルークス管弦楽団 Nonesuch
◆ シェイカー・ループス 1990年 ウォーレン=グリーン ロンドン室内管 E
◆ ハルモニーレーレ(和声学)
1993年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
2010年 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 SFS
2017年 ケント・ナガノ モントリオール交響楽団 Dec
◆ 悪魔は全ての名曲を手にしなければならないのか?
2019年 ユジャ・ワン グスターボ・ドゥダメル ロサンゼルス・フィル G
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