ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」【聴いてみよう】Nielsen: Symphony No. 3, Op. 27, “Sinfonia Espansiva”

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ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」【YouTube】

ファビオ・ルイージ デンマーク国立交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ファビオ・ルイージ デンマーク国立交響楽団 第1楽章冒頭部分から第1楽章の動画で11分24秒の動画です。金管のパパパパっというキレの良い演奏で、むふふっ。ルイージさんの交響曲全集CDBOXを速攻で買ってしまいました。サブスク利用に切り替えようとCDを断捨離する予定だったのですが、我慢できなかったです。Fabio Luisi Danish National Symphony Orchestra

出典:YouTube Sinfonia Espansiva: Allegro Espansivo – Nielsen // Danish National Symphony Orchestra & Fabio Luisi
DR Koncerthuset

レナード・バーンスタイン デンマーク王立管弦楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 レナード・バーンスタイン デンマーク王立管弦楽団 1965年5月17日のコンサートの模様です。バーンスタインさんが、ニールセンを振っていたとは~ ワタシのアタマのなかでは、結びつきませんでした。40分25秒の動画です。
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Epansiva” 出典:YouTube Carl Nielsen – Symfony nr 3 – Espansiva – The Royal Orchestra – Leonard Bernstein Demandfulltruth 

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」【名盤・おすすめ】

ファビオ・ルイージ デンマーク国立交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ファビオ・ルイージ デンマーク国立交響楽団 2019年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Epansiva” Fabio Luisi Danish National Symphony Orchestra

ルイージさんの演奏は、まず冒頭の旋律におけるキレと、適度な残響の美しさに聞き惚れてしまいます。
出典:YouTube Nielsen: Symphony No. 3, Op. 27 “Espansiva”
DR放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

トマス・ダウスゴー シアトル交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 トマス・ダウスゴー シアトル交響楽団 2017年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Thomas Dausgaard Seattle Symphony Orchestra
ソプラノ:エルエス・ゴメス Estelí Gomez バリトン:ジョン・テイラー・ウォード John Taylor Ward

CDカップリング:ニールセン交響曲第3番 2017年、交響曲第4番 2015年
出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, CNW 27 “Sinfonia espansiva” エステリ・ゴメス – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

サカリ・オラモ ストックホルム・フィル 🙄

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 サカリ・オラモ ストックホルム・フィル 2014年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Sakari Oramo Kungliga Filharmonikerna

オラモさんの演奏は、第1楽章はアグレッシュブに攻めてくるのですが、ワタシの一番好きな第4楽章の冒頭が、貧相でいただけない~という残念な結果になってしまいました。なんなのぉ~ この金管の和音、あかんやん! ぶちっ。
CDカップリング:ニールセン 交響曲第1番、第3番 出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60 “Sinfonia espansiva” Kungliga Filharmonikerna – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ヨン・ストルゴールズ BBCフィル 😘

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ヨン・ストルゴールズ BBCフィル 2013年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” John Storgårds BBC Philharmonic Orchestra
ソプラノ:ジリアン・キース Gillian Keith バリトン:マーク・ストーン Mark Stone

ストルゴールズさん(ストゥールゴールズという表記もあります)の演奏は、第1楽章の出だしのところは、メチャ苛烈な演奏もあるんですが、ここでは、きっちり丁寧にティンパニが入ってて、綺麗だな~っと思います。テンポはゆったりしているのですが、緩いわけではないし、美音で綴っていく感じです。荒波にもまれ、ヴァイキングの船が、北海を漕いで出て行く~という感じではなく、圧倒的なパワーで攻めてくるわけでもありません。この演奏は、美しいフィヨルドの穏やかで透明度の高い風景を眺めている雰囲気がします。女性的と言ったら、このご時世ダメなのかもしれませんが、抒情的でしなやか。華麗なワルツを踊っているかのようです。

第2楽章は、静かで神秘的な感じがします。第3楽章は、草原で、のんびり狩りをするような穏やかさ。まるで貴族の遊戯のようにも感じられます。それだけ余裕があり、品があるということですが、いささか、平穏過ぎるかもしれません。第4楽章は、最初のフレーズが良いですね。素直な、自然な広がり感があります。録音状態も良いので、柔らかく響いて、気持ちが良いです。厳しい表情を見せない演奏ですが、決して、単純でも、素朴でもなく、かなり真ん中、良い意味での中庸を狙っているように思います。アプローチにブレがなく、バランス良く整っているのではないでしょうか。聴いてて好感を感じました。クセの無い演奏なので、初めて聴く方にお薦めだと思います。

CDカップリング:ニールセン交響曲全集 第1番~第6番 2012年~15年 出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, “Sinfonia espansiva” ヨン・ストルゴールズ – トピック Provided to YouTube by PIAS

アラン・ギルバート ニューヨーク・フィル

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 アラン・ギルバート ニューヨーク・フィル 2012年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Alan Gilbert New York Philharmonic Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, “Sinfonia espansiva” ニューヨーク・フィルハーモニック – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 😡

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 2011年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Colin Davis London Symphony Orchestra

相も変わらず、ロンドン響のライブ演奏は録音状態がよろしくなく~ デイヴィスさんの演奏も大柄で、引き締まった体躯をしていないです。サブスクを利用して拝聴したので文句は言いません。(^^) 第4楽章なんて、速すぎて絶句しちゃいました。なんだろうな、大雑把、雑ですよね~ 心情的にあまり共感できないです。演奏=収録=収益という方程式が成り立つとは限らないので、厳選して欲しいです。出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60 “Sinfonia espansiva” London Symphony Orchestra Provided to YouTube by harmonia mundi

パーヴォ・ヤルヴィ フランクフルト放送交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 パーヴォ・ヤルヴィ フランクフルト放送交響楽団 2010年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Paavo Järvi Frankfurt Radio Symphony

出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, “Sinfonia espansiva” パーヴォ・ヤルヴィ – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

テオドレ・クチャル ヤナーチェク・フィル

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 テオドレ・クチャル ヤナーチェク・フィル 2005年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Theodore Kuchar Janáček Philharmonic Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27 “Sinfonia espansiva” Theodore Kuchar – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media

オスモ・ヴァンスカ BBCスコティッシュ交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 オスモ・ヴァンスカ BBCスコティッシュ交響楽団 2002年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Osmo Vänskä BBC Scottish Symphony Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, CNW 27 “Sinfonia espansiva” BBCスコティッシュ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

エイドリアン・リーパー アイルランド交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 エイドリアン・リーパー アイルランド交響楽団 1994年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Adrian Leaper Ireland National Symphony Orchestra

CDカップリング:ニールセン交響曲第2番、第3番 出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, CNW 27 “Sinfonia espansiva” Ireland National Symphony Orchestra – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー ストックホルム・フィル

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー ストックホルム・フィル 1993年 Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Gennady Rozhdestvensky Royal Stockholm Philharmonic Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, CNW 27, “Sinfonia espansiva” ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー – トピック Provided to YouTube by PIAS

ブライデン・トムソン ロイヤル・スコティッシュナショナル管弦楽団 

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」
ブライデン・トムソン ロイヤル・スコティッシュナショナル管弦楽団 1991年 
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Bryden Thomson Royal Scottish National Orchestra

CDカップリング:ニールセン交響曲全集3枚組BOX 交響曲第1番、第2番1989年、第3番1991年~第6番1991年録音出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, “Sinfonia espansiva” ブライデン・トムソン – トピック Provided to YouTube by PIAS

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 1991年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Neeme Järvi Gothenburg Symphony Orchestra

CDカップリング:ニールセン交響曲全集3枚組BOX 交響曲1番1992年、第2番1991年、第3番1991年、第4番1990年、第5番1991年、第6番1992年録音 出典:YouTube Nielsen: Symphony No. 3, Op. 27 – “Espansiva” エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

エサ=ペッカ・サロネン スウェーデン放送交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 エサ=ペッカ・サロネン スウェーデン放送交響楽団 1990年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Esa-Pekka Salonen Swedish Radio Symphony Orchestra

出典:YouTube Symphony No.3,Op.27″Sinfonia Espansiva” Esa-Pekka Salonen Provided to YouTube by Sony Classical

ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1989年 Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Herbert Blomstedt San Francisco Symphony

出典:YouTube Nielsen: Symphony No. 3, Op. 27 “Espansiva” San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group

パーヴォ・ベルグルンド デンマーク王立管弦楽団 🥰

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 パーヴォ・ベルグルンド デンマーク王立管弦楽団 1989年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Paavo Berglund Royal Danish Orchestra

ニールセンの第3番交響曲は、冒頭が印象的です。「しっ しっ しっしっ・・・」いきなり痙攣を起こして始まります、青い稲光が走ったかのように怖くもあり、美しくもあり、一瞬で胸をつまかれる感じです。ベルグルンドさんの演奏は、とても美しい録音で、空気が澄んで気持ち良く聴けます。ツンドラの原野を一人で旅をしているなか、目の前を、野生動物たちが駆けていくような光景が広がります。民族風のフレーズが、沸き立つ大地のエネルギーのなかで、土の匂いを放ちます。

農耕民族の私たちのDNA感覚と異なり、狩猟民族のDNAなのでしょうか。それがベースにあるのかな~って思います。3番は、ニールセンの田園交響曲と言われることもあるようです。北欧の恵みをもたらす大地でしょう。新鮮な空気が伝わってきて、ワクワクさせられます。半音の鼻づまり気味の音、小動物が走っているような3拍子の舞踏風のフレーズを聴くと、自然と一体となって生きていることの喜びが伝わってきます。音楽の描写力ってすごいですね。見たことのない風景が、イメージできちゃうんですから。(ワタシの空想、妄想かな)

第2楽章 ホルンの弱音から始まります。朝靄が広がり、木管のフレーズが立ちあがってきます。ブルックナーの原始霧とは異なり、明るい色彩があり、生き物の動きを感じさせます。弦楽のみで奏でられる主題は穏やかで膨らみがあり、続いてヴォカリーズが始まります。声が入ってくると、不思議なことに、エネルギーと神々しさが増してきます。大地を踏みしめて、感謝の祈りを捧げているみたいです。

第3楽章 スケルツォの楽章です。ゆったり散策し、森林のなかで小動物との出会いを楽しんでいるかのよう。我々も誘われているような気がします。森のなかの情景でしょう。途中、わっ大変だぁ~っと慌てている場面もありますが、森の情景。絵本を子供に読みきかせているような感じです。

第4楽章 芳醇な響きをもって弦が主題を奏でます。とても美しい和音が届けられます。素朴な民族的なフレーズですが、晴れやかで、じわっと満たされてくる荘厳さ。ベルグルンドさんの演奏は、シベリウスの交響曲でも感じたのですが、とても暖かい。慈愛に満ちている気がします。人格をベースにした音楽なんでしょう。清々しく、晴れやかに、自然に歌いだすのです。

自分の周りの自然は厳しいけれど、心のうちは豊か。シアワセに満ちた生活を営んでいる~ そんな世界が広がっています。そして、この楽曲を聴いているワタシにも、シアワセのお裾分けがあります。他の演奏で聴くと、まるで山に登って、やったぁーっ!と、頂上で歓声をあげているような演奏もありますが、ベルグルンドさんの演奏は全くそれとは違います。感情が安定してて暖かいです。大いに共感できる演奏です。

ニールセン交響曲全集3枚組BOX 交響曲第1番1987年、交響曲第2番「4つの気質」1988年、交響曲第3番「ひろがりの交響曲」1989年、交響曲第4番「不滅」1987年、交響曲第5番1988年、交響曲第6番「素朴な交響曲」1989年
出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27 “Sinfonia espansiva” パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

チョン・ミョンフン エーテボリ交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 チョン・ミョンフン エーテボリ交響楽団 1985年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Myung-Whun Chung Göteborgs Symfoniker

ミョンフンさんの演奏は、透明度が高く、ピュアな躍動感があります。静謐で内省的、透き通った出汁にこだわった京料理の味付けのように、澄んだ響きですが、奥が深そう~というというか、手先まで神経の透った踊り 手の動き、爪の先を見ているような感じです。で、じわーっと熱くなるような感じです。

CDップリング:1980年代BISのニールセン交響曲全集です。N・ヤルヴィとミョンフンが振っています。1番1989年、2番1983年、3番1985年、5番1987年がミュンフン、残り4番、6番がN・ヤルヴィさんです。出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27, FS 60, CNW 27 “Sinfonia espansiva” エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

フランソワ・ユイブレシュト ロンドン交響楽団

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 フランソワ・ユイブレシュト ロンドン交響楽団 1974年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” François Huybrechts London Symphony Orchestra

フランソワ・ユイブレシュトさんは、1946年生まれのベルギー出身の指揮者です。出典:YouTube Nielsen: Symphony No. 3, Op. 27 – “Espansiva” London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

オーレ・シュミット ロンドン交響楽団 😔

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 オーレ・シュミット ロンドン交響楽団 1974年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Ole Schmidt London Symphony Orchestra 

シュミットさんの演奏は、ピッチの高さが気になります。音が低めで遠く、靄がかかって明瞭に響いていません。これはどうしたことでしょう。録音テープが撚れてしまっているかしら。うーん。出典:YouTube Symphony No. 3 “Sinfonia Espansiva”, Op. 27 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by MNRK Music Group

ヘルベルト・ブロムシュテット デンマーク放送交響楽団 😘

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」 ヘルベルト・ブロムシュテット デンマーク放送交響楽団 1973年
Nielsen: Symphony No.3,Op. 27, “Sinfonia Espansiva” Herbert Blomstedt Danish Radio Symphony Orchestra

ブロムシュテットさんの演奏は、速めのテンポで颯爽と進みます。ヘンテコリンな三拍子の揺れも、とても楽しく、総じてダイナミックな響きで雄渾な演奏です。第1楽章だけでも、相当に満足度の高い演奏ですが、第4楽章の伸びやかで不思議な光を放つ和音で構成された旋律は、とても魅力的です。

この不思議な和音で構成された伸びやかな旋律を、堂々と自信に満ちた演奏で締めくくっています。これが個性です、これが自分です~というようなエネルギーが湧いてくるような演奏です。73年の録音なので、古めかしい録音となっていますが、大地にしっかり立っているぞーっ!という活力ある、聴き応えのある演奏です。
出典:YouTube Symphony No. 3, Op. 27 “Sinfonia espansiva” ヘルベルト・ブロムシュテット – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ニールセン:交響曲第3番ニ短調「ひろがりの交響曲」【解説】

ニールセンの交響曲第3番ニ短調「ひろがりの交響曲」は、1911年に作曲されています。交響曲のタイトルである「エスパンシヴァ」(Sinfonia Espansiva)は、第1楽章の発想記号であるアレグロ・エスパンシヴォ (Allegro espansivo) に由来するもので、特に、描写的な意味はないとされています。第2楽章の曲想からもたらされる雰囲気で、ニールセンの田園交響曲とも言われるようです。

ソプラノとバリトンによるヴォカリーズが入ってきます。歌詞を伴わずに、あ~ あぁ~っという感じで、母音だけで歌われる歌唱方法ですが、穏やかで壮大さな雰囲気を醸し出します。ちなみに、ヴォカリーズといえば、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」や有名ですが、ニールセンの交響曲第3番以外にも、部分的にヴォカリーズを用いた例としては、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズの交響曲第3番「田園交響曲」(第4楽章)があります。

当曲は、4つの楽章に区分された約35分の楽曲です。第1楽章 ソナタ形式 力強い和音の連打から始まり、ユニゾンでエネルギッシュなテーマを奏でます。特徴的な教会旋法の弦による旋律、展開部ではワルツに変化しています。木管楽器により、対照的な曲想の第2主題が出現し、クライマックスまで発展していくもの。

第2楽章 北欧風の旋律の主題があり、舞台裏からバリトン、ソプラノによるヴォカリーズが入ります。牧歌的な曲想です。第3楽章 スケルツォの楽章で、シンコペーションのリズムのホルン、オーボエの哀愁漂う旋律、木管の速いテンポの繰り返し、個性的なトレモロが続きます。第4楽章 豊かで堂々とした民族的な主題が奏でられます。主要主題はブラームス交響曲第1番のフィナーレを連想させるもので、イ長調のコーダとなっていきます。地平線の雄大な広がりと生きる喜びを感じさせる曲想です。

ニールセンといえば交響曲第4番「不滅」が有名ですが、6つある交響曲のいずれも完成度が高く、聴き応えのある楽曲だと思います。この交響曲第3番も、穏やかで聴きやすいものですが、内容的には複雑なリズムと教会旋法の存在があるようです。のびやかな楽曲ですが、静かにじわっとパワーが満ちてくる感じがします。

ニールセン:交響曲第3番「ひろがりの交響曲」【ディスク情報】

1973年 ブロムシュテット デンマーク放送交響楽団 EMI
1974年 オーレ・シュミット ロンドン交響楽団 UNICORN
1974年 ユイブレシュト ロンドン交響楽団 Dec
1985年 チョン・ミョンフン エーテボリ交響楽団 BIS
1989年 サラステ フィンランド放送交響楽団 FINLANDIA 未掲載
1989年 ベルグルンド デンマーク王立管弦楽団 R 
1989年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1990年 サロネン スウェーデン放送響 SC
1991年 N・ヤルヴィ エーテボリ響 G
1991年 B・トムソン ロイヤル・スコティッシュナショナル管弦楽団 CHANDOS
1993年 ロジェストヴェンスキー ストックホルム・フィル CHANDOS
1994年 リーパー アイルランド交響楽団 NAXOS
2002年 オスモ・ヴァンスカ BBCスコティッシュ交響楽団 BIS
2005年 クチャル ヤナーチェク・フィル BRILLIANT
2010年 P・ヤルヴィ フランクフルト放送響 R
2011年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 LSO
2012年 ギルバート ニューヨーク・フィル DACAPO
2013年 ストルゴールズ(ストゥールゴールズ) BBCフィル CHANDOS
2014年 オラモ ストックホルム・フィル BIS
2017年 トマス・ダウスゴー シアトル交響楽団 Seattle Symphony Media
2019年 ルイージ デンマーク国立交響楽団 G

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