プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」【聴いてみよう】Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony”

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プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」【名盤・おすすめ】

フィリップ・ジョルダン パリ・オペラ座管弦楽団  😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 フィリップ・ジョルダン パリ・オペラ座管弦楽団 2016年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Philippe Jordan Orchestre de l’Opéra national de Paris

フィリップ・ジョルダンさんは、2020年からウィーン国立歌劇場の音楽監督をしておられるのですが、指揮者アルミン・ジョルダンさんの息子さんだと知って驚き、また、パリ・オペラ座、2020年ウィーン歌劇場音楽監督へと、完全にパパより出世しておられて、再び驚きました。

で、ジョルダンさんの演奏は、弦より木管が強調されていたりして、なかなかに面白く聴くことができます。意表をつかれた感じで、愉悦性も高く、良い演奏だと思います。オペラを聴く機会が少なく、不勉強だったせいで聴く機会がなかったのですが、今後は、ドビュッシーの演奏なども拝聴したいです。

CDカップリング:ムソルグスキー展覧会の絵、プロコフィエフ 交響曲第1番古典 2016年録音 出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25, “Classical symphony” フィリップ・ジョルダン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

アンドルー・リットン ベルゲン・フィル 🙂

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 アンドルー・リットン ベルゲン・フィル 2015年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Andrew Litto Bergen Philharmonic Orchestra

アンドルー・リットンさんの演奏は、テンポはゆったりめ。従前の速さを競うような演奏からは脱却したようです。ところどころ、木管が全面に吹いていたり、弦一辺倒の演奏からも脱却する傾向にあります。第1楽章は、さほど気にならないのですが、ところどころ、ん?というタメ感があります。意表をつかれて驚くところもあるのですが、意外性があって飽きさせないですね。BISの優秀録音なのですが、確かに色彩感もありますが、全部の音をお届けいただかなくても良いんですよ~と思ったりします。情報量が多いというより、オケのみんなの音を集約しましたという感じがしないでもないです。ちょっと珍しい気がします。

CDカップリング:プロコフィエフの交響曲全集と管弦楽曲5枚組BOX 交響曲1番と7番 7番の第4 楽章の異稿付き 2015年、2番と3番2017年、4番と5番2014年、6番2012年、スキタイ組曲、キージェ中尉 バリトン独唱付き、3つのオレンジへの恋2012年、ロメオとジュリエット(第1組曲~第3組曲2005年) 出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical” ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

ドミトリー・キタエンコ ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団  😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ドミトリー・キタエンコ ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 2005年~7年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Dmitri Kitaenko Gürzenich-Orchester Köln

キタエンコさんの演奏は、ライブですが、豊かな音量と、しなやかさがあり爽やかです。残響は、好みが分かれるかもしれませんが、ふわとした包み込むような温かさが感じられます。テンポは、デュトワ盤の方が速く感じるし、サクサクとしていて流麗、華麗ですが、少しだけ遅めで色彩的には渋め。高音域の細やかなフレーズが、よく聞こえて、のびやかです。カラヤンさんの演奏のように、カッチリしたのが好きな方は、どうかなあ。ダメとは言われないとは思いますが、もう少し低音がカッシリと響いて欲しいですかね。

デュトワ盤に近いって言えば、変に思われるかもしれないのだが、ドイツ西部のオケとは思えないような軽さが、どっから引き出されているのやら。(まあ、フランスに近いちゃ~近いんですけど)ロシアとドイツの混合の匂いがするのかと思ったら、意外や意外。それに、木管の柔らかい木質的な音が、耳に残り、そして、奥行きのある大きなホールで聴いているかのような、広がり、臨場感があり、う~ん。これは唸ってしまう。

これで全集が聴けるなら、御の字です。あっ 一応言っておきます。ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団とは、ケルン歌劇場のオケです。まあ~いわば、ケルン歌劇場管弦楽団ってところかな。ケルン放送交響楽団と、ケルン放送管弦楽団っていうオケもあるし~ ややこしいですけど。ライブ盤 プロコフィエフ交響曲全集5枚組BOX 
出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25, “Classical” Prokofiev Dmitri Kitaenko トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ヴァレリー・ゲルギエフ ロンドン交響楽団 🤣

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ヴァレリー・ゲルギエフ ロンドン交響楽団 2004年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Valery Gergiev London Symphony Orchestra

ゲルギエフさんの演奏は、テンションが高く、第4楽章を聴いてもらったら即座にわかるように、快速バージョンの最たる演奏です。最初に聴いたときは、まあ、のけぞるほどに驚き、まあ楽しい気もするのですが、落ち着いて聴いたらなにも、こんな快速で演奏していただかなくても~と思ったり。アハハ~と笑い飛ばして終わることも可能ですが、ワタシ的にはぎゃふん~ですね。ロンドン響の演奏者のみなさま、お疲れさまでした。出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D, Op. 25 “Classical Symphony” London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

ユーリ・テミルカーノフ サンクトペテルブルク・フィル 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ユーリ・テミルカーノフ サンクトペテルブルク・フィル 1991年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Yuri Temirkanov St. Petersburg Philharmonic Orchestra

テミルカーノフさんの演奏は、力まず、さらっとしているんだけどコクがあるという感じで、面白いですね。力の入れ方が明確で、そう来るよね~という感じでリズミカルに弾みます。枠にはまった感のするカッチリ感はありませんが、奔放になるほどに自由ではない気がします。旋律は、うわっつらだけを流れるのではなく、締まるところは締まっていますし、対旋律を重視しているわけでもなく、大きく凸凹がついている感じですかね。

うーん、表現が難しいのですが。第3曲のガボットの入り方を聴いてもらえたら、冒頭の抑揚が大きいのですが、あとは、あまり粘らないんですよね。第一歩を印象づけるという点では、共感できますし、テンポも適度に抑えて、ウィットに富んでいる気がします。多くの演奏を聴いてみたら、演奏者の特徴が出てきますね。短い曲なので、聴き比べてみると楽しいですね。録音状態がイマイチ、クリアではなくパッとしないので難点です。

CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番古典、ロミオとジュリエット第2組曲、組曲「3つのオレンジへの恋」6曲 1991年~92年 出典:YouTube Symphony No. 1, Op. 25 in D “Classical” ユーリ・テミルカーノフ – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

ヨエル・レヴィ アトランタ交響楽団 🙂

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ヨエル・レヴィ アトランタ交響楽団 1991年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Yoel Levi Atlanta Symphony Orchestra

レヴィさんの演奏は、テラーク特有のソフトフォーカス気味ですが、色彩豊かにテンポよく進みます。ちょっと、ふわふわしてますね。口をすぼめて小声で、巻き舌風に耳元で呟かれているみたい。幾分、腰砕け的に聞こえてしまうかもしれませんが、軽やかな演奏です。妖精の囁きのように幻想的に聞こえる「古典」でした。
CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」1991年、交響曲第5番 1990年録音 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical” アトランタ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1990年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Riccardo Muti The Philadelphia

ムーティさんの演奏は、華麗で流麗っというイメージがしますが、1番はさらっと演奏しちゃった感じがします。楷書体が良いのか、サクサクっとスピードをあげて進むのが良いのか、どっちが良いのでしょうね。ワタシ的には、楷書体でも、杓子定規にならず、愉悦性を感じる演奏もあると思いますが。ムーティさんは、ちょっと迷って中途半端~ではないですが。意外とサクッと終わっちゃった気がします。

CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第3番1991年、第1番 1990年録音 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D, Op. 25 “Classical Symphony” フィラデルフィア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

小澤征爾 ベルリン・フィル 😮

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 小澤征爾 ベルリン・フィル 1989年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Seiji Ozawa Berliner Philharmoniker

小澤さんの演奏は、えっ 遅い。勢い良くキビキビ演奏されるものだと、てっきり思っていたのですが、これは想定外でした。カッチリした交響曲として1番からスタートしたわけではないでしょうが、交響曲全集にする予定はあったでしょうし、でも、これほど構えが、この1番に必要なのかはちょっと疑問に感じました。で、第2楽章がさらに遅めになってしまって、唖然・・・第4楽章は、はーっ 速すぎて。ビックリ仰天しました。ちょっと恣意的です。

CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番 1989年、2番1990年、6番1991年録音 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical Symphony” ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

セルジュ・チェリビダッケ ミュンヘン・フィル

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 セルジュ・チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1988年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Sergiù Celibidache Münchner Philharmoniker
CDカップリング:チェリビダッケ・エディション第3集 プロコフィエフ交響曲第1番古典1988年、第5番1990年録音出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical”: Münchner Philharmoniker Provided to YouTube by Warner Classics

シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1988年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Charles Dutoit Orchestre Symphonique de Montreal

デュトワさんの演奏は、軽やかでしなやか~な演奏です。弦は旋律の硬さを維持していますが、金管、木管、ティンパニが、優しく、ふわっとしています。活き活きと聞こえてくるのは嬉しいです。第3楽章は、テンポも頃合いで、歯切れ良く、弦が水滴のように飛んでいます。第4楽章に入ると、快速バージョンですっ飛ばしていきます。最初のアタッカこそ遅めで弱いのですが、フルートのきりり~とした強い吹き方と、つま弾く弦が、気持ちよさそうに駆けおりていきます。旋律が、全体的にお尻が、ぴよんっ~と伸び上がり、あはは~ なんとも可愛いですね。

アンサンブルの乱れなく、熱気があがっていく過程は、とても楽しいものでした。ラテン系のノリ感ある煌めきと、ほのぼのした音に包まれて嬉しい演奏です。CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、交響曲第5番 1988年録音 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” モントリオール交響楽団 トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンドレ・プレヴィン ロサンゼルス・フィル 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 アンドレ・プレヴィン ロサンゼルス・フィル 1986年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Andre Previn Los Angeles Philharmonic

プレヴィンさんの演奏は、アタッカでしっかり出てきますが流麗で副旋律が良く聞こえます。さほど快速ではないのですが、丁寧で各楽器の音が聞こえて楽しいです。透明度も高く、明るい音色で奏でられ、愉悦性の高いものです。ガチガチ系の演奏ではなく、弾力性もあり、音色の多彩さで聴かせます。多少レガートが多めかもしれませんが、ガボットも楽しく、4楽章では、巻き舌風フレーズになったりして笑えてしまいます。

舞曲風に熱のこもった演奏でもあり、ノリ感の良い演奏です。フルートは、置き去りになりそうになりながら、頑張って吹いています。息継ぎができず、真っ赤になっているのかも。ふふっ。CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、交響曲第5番 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D, Op. 25 “Classical Symphony” LA Phil Provided to YouTube by Universal Music Group

クラウディオ・アバド ヨーロッパ室内管弦楽団 🙂

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 クラウディオ・アバド ヨーロッパ室内管弦楽団 1986年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Claudio Abbado Chamber Orchestra of Europe

アバドさんとヨーロッパ室内管弦楽団の演奏は、見通しの良いスッキリとした旋律が聞こえてきます。各楽器の動きがわかるという点で、とても良い演奏だと感じました。こんなに旋律が奏でられているとは知らなかったです。版が違うのかと思ったほど。第3楽章のガボットは、この終わり方で正解なんでしょうか。

69年録音のロンドン響と同じで、えっ音が消えてしまっている~と、思っちゃいました。CDカップリング:プロコフィエフ 行進曲 管弦楽曲版(作品99)、ピーターと狼(ナレーション英語版)、ヘブライの主題による序曲(作品34bis)、交響曲第1番 1986年録音 出典:YouTube rokofiev: Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical Symphony” ヨーロッパ室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1984年 Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Charles Dutoit Orchestre Symphonique de Montreal

N・ヤルヴィさんの演奏は、重い演奏です。残響とあいまってスッキリしません。次回は4番を聴いてみたいと思います。CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番、第4番(改訂版)1984年録音 出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25, “Classical” ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 😅

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1982年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Georg Solti Chicago Symphony Orchestra

ショルティさんの演奏は、いかにもカッチリ。ガッシリ、硬くて厳つい感じがします。まあ、この方に流麗で振ってくださいとお願いしても、ちょっと違うぞと怒られそう。校長先生の講話を聴いているみたいでした。CDカップリング:プロコフィエフ バレエ「ロメオとジュリエット」抜粋版(作品64)、交響曲第1番 1982年録音 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D, Op. 25 “Classical Symphony” シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ロリン・マゼール フランス国立管弦楽団 🙄

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ロリン・マゼール フランス国立管弦楽団 1981年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Lorin Maazel Orchestre national de France

マゼールさんとフランス国立管との演奏は、デジタル初期のもので、CDジャケットは、三つのオレンジへの恋をイメージしたトランプの絵柄でした。演奏は、古典では、さすがに奇抜なことはしておらず、大らか~ まずまず色彩的な響きですが、奥行きの狭さと残響にクセがあり、ふふっ、まっいいか~ みたいです。

マゼールさんは、フランス国立管弦楽団に、首席客演指揮者として1977年~87年まで、音楽監督として1988年~90年まで務めておられたのですが、意外な組み合わせで長期でしたね。ソニーから出ていたCDは、なかなかに面白かったです。このコンビでの演奏では、ホルストの組曲「惑星」は、大袈裟な演奏で、面白く聴けましたが、ラヴェルの「ボレロ」は、アカンやん~って感じで聴いた記憶があります。また改めて聴きたいと思いますが、この曲に、さほど興味とか熱意がなかったのかもしれません。(勝手に決めつけてしまいました すみません)

CDカップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番古典、組曲「三つのオレンジへの恋」、組曲「キージェ中尉」1981年録音 YouTubeにおいては、チャイコフスキー交響曲第5番、プロコフィエフ交響曲第1番のカップリングになっています。出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical” ロリン・マゼール – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 🥰

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1981年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

カラヤンさんの演奏は、1968年の録音ですが録音状態は良く、高音域の透明度が高いです。ちょっと硬めの仕上がりですがスリムに軽量にした感じがします。弾むテンポ、踊るリズム、装飾音の節回しなどのキレは良いのですが、ちょっと硬めかも。熱っぽさも感じますが、超マジメすぎて洒脱感が少なめ、第3楽章は、ガボット風の舞曲で、後にロメオとジュリエット等にも転用されているようですが、これでは、品あるガボットではなくロボットだよ~と冗談を言いたくなるようなカクカクさ。第4楽章は、テンポが速く、ここでは軽快です。特に、フルートが速めで清々しい。

春風のように爽やかに、木管群の音色が横断的に移動しています。まるで、カップリングされている交響曲第5番の前座の存在のように見えますが、重厚なベルリン・フィルならではの 「古典」だと思います。
CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番「古典」、第5番 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No.1 In D, Op.25 “Classical Symphony” ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

カルロ・マリア・ジュリーニ シカゴ交響楽団 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 カルロ・マリア・ジュリーニ シカゴ交響楽団 1976年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Carlo Maria Giulini Chicago Symphony Orchestra

他盤に比べるとスピード感はないのですが、第3曲のガボットは、香り高い演奏になってて、むふふっ~っ。これはジュリーニさんでないと醸し出せない芳醇さで。うっとりしてしまいます。単に軽快でないからと聴くのを止めちゃうと、大損しちゃう。熟成された風合いを楽しまないと。それにしても、このCDジャケットのデザイン最低ですよね。デザイナーは、このプロコの古典を聴いたんかいっ! 

これはアメリカのオケを振って、ヨーロピアンの香りをお届けします~という趣向だと思うんだけどなあ。まあ、ジュリーニさんとシカゴ響との演奏は、いずもハズレがなく、良い演奏を聴いてきたように思います。CDカップリング:ムソルグスキー 展覧会の絵 1980年、プロコフィエフ 交響曲第1番1976年録音 YouTubeにおいては、ジュリーニ・イン・アメリカ Vol. 2 5枚組BOXがカップリングされています。出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D, Op. 25 “Classical Symphony” シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 🙂

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1977年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” André Previn London Symphony Orchestra

プレヴィンさんの演奏は、そつがないですね。重すぎず軽すぎず、ピタッとリズムを刻み、丁寧に旋律を描いています。第3楽章のガボットは、もう少しノリが良いのかと想像していたのですが、意外とカッチリでした。CDカップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番、キージェ中尉、交響曲第7番 1977年録音 出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical” アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ワルター・ウェラー ロンドン交響楽団 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ワルター・ウェラー ロンドン交響楽団 1974年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Walter Weller London Symphony Orchestra

ウェラーさんの演奏は、ウィーン・フィルのヴァイオリン奏者(コンマス)から、指揮者に転向されたそうで、まだプロコの交響曲が多く出てなかった頃の演奏だと思います。楷書体でカッチリ振っていながら、愉悦性の高い軽やかな節回しで、楽しい演奏です。プレヴィンさんなどと共に、ロンドン響の演奏が多いですね。まるで、十八番状態で、安定感抜群です。テンポは、今となってはやや遅めですが、キビキビしてて音色も明るい演奏です。CDカップリング:プロコフィエフ交響曲全集 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No. 1 in D, Op. 25 “Classical Symphony” London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

ウラディーミル・アシュケナージ ロンドン交響楽団 😘

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 ウラディーミル・アシュケナージ ロンドン交響楽団 1974年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Vladimir Ashkenazy London Symphony Orchestra

アシュケナージさんの演奏は、このロンドン響との演奏は、ピアノから指揮者に転向した直後だったのではないでしょうか。何故かな~と思いつつ、後年聴いてたように思います。楷書体ではなく、のっけから勢い良く、速めに進みます。よーいドンっというのではなく、いきなりゲートが開いた感じでしょうか。幾分、高音域にウエイトがあるように感じます。第2楽章以降は、ゆったりとした間合いたっぷりの演奏になっています。特に第2楽章は、遅すぎるかも。

CDカップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」ロンドン響1974年、ピアノ協奏曲第3番ほか 出典:YouTube Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” ロンドン交響楽団 トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 

クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 🥰

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 1969年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Claudio Abbado London Symphony Orchestra

アバドさんのデビューしてすぐぐらいの演奏です。アバドのデッカデビュー盤は、ベートーヴェン交響曲第7番と記されており、60年代後半にデッカで録音した楽曲のなかに、メンデルスゾーンの交響曲、ヤナーチェク、ヒンデミットなどと共に、プロコフィエフの古典、交響曲3番、ロメジュリがあったように思います。改めてプロコの古典を聴いて、新鮮な感じがします。木管の旋律を強調した躍動感あふれる演奏です。それに、デッカってホント録音が良いです。

特に第1楽章、第2楽章の木管の活躍振りは目を見張ります。第3楽章のガボットでは、艶のある低弦の響きが綺麗。テープに瑕疵があるのか最後の余韻が消えていますが。第4楽章は、ピッコロと共に、ヴァイオリンが跳ねている感じがします。ロッシーニ・クレッシェンドのような愉悦性の高い演奏です。まるで、イタリア歌劇の序曲を聴いているかのようでした。

CDカップリング:プロコフィエフ 交響曲第1番「古典」1969年、バレエ音楽「ロメオとジュリエット」~抜粋~1966年、バレエ音楽「道化師」~抜粋~1966年録音 YouTubeにおいては、Claudio Abbado – The Decca Years 7枚組BOXが、カップリングされています。出典:YouTube Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” チャンネル:クラウディオ・アバド トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 🙂

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」 レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1968年
Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” Leonard Bernstein New York Philharmonic Orchestra

レニーさんの演奏は、速いっ、勢いのある演奏で驚いちゃいました。ほほぉ~ さすが、やるじゃん。内声部も良く聞き取れますし、フレーズの楽しさが解って気持ち良い演奏ですね。これで60年代後半なので言うことなしです。また次回5番を聴いてみます。CDカップリング:プロコフィエフ交響曲第1番、第5番 出典:YouTube Symphony No. 1 in D Major, Op. 25 “Classical” Leonard Bernstein Provided to YouTube by Sony Classical

ピアノ二台四手版 マルタ・アルゲリッチ イェフィム・ブロンフマン 😍

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」ピアノ四手版 Prokofiev: Symphony No.1 in D, Op.25 “Classical Symphony” ピアノ:マルタ・アルゲリッチ Martha Argerich イェフィム・ブロンフマン Yefim Bronfman
2002年「ルガーノ・フェステイヴァル」におけるライブ録音です。アルゲリッチによって委嘱され1998年に編曲、アルゲリッチさんとブロンフマンの演奏で、とても楽しい演奏でした。楽譜も出版されており、寺嶋陸也さんの編曲のようです。出典:YouTube Piano Quintet in E-Flat Major, Op. 44 (Live) マルタ・アルゲリッチ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

プロコフィエフ:交響曲第1番【解説】

プロコフィエフの交響曲第1番は、「古典交響曲」と呼ばれている1917年の作品です。サンクトペテルブルク音楽院在学中に、ニコライ・チェレプニンの教室で研究したハイドンの技法をもとに「もしもハイドンが今でも生きていたら書いたであろう作品」として作曲したので「古典交響曲」と名付けたそうです。モダンな作風で知られていたプロコフィエフが、この曲で一転して軽快で解り易く美しい作風を示したことは、周囲を驚かせたそうですが、転調などは、魅力的なもの。約14分の楽曲です。

第1楽章 ニ長調 2/2拍子 ソナタ形式 第1主題がニ長調で現れた後、派生動機がフルートに提示され、第2主題がイ長調。第1主題から派生したクライマックスです。

第2楽章 イ短調 4/3拍子 三部形式 主部と中間部の動機を核として、強弱をつけて比較させるやり方で、古典派音楽が色濃く現れているものです。

第3楽章 ニ長調 4/4拍子 メヌエットのかわりに、古典組曲に由来するガヴォットが用いられています。

第4楽章 ニ長調 2/2拍子 ソナタ形式 分散和音による第1主題、展開部では、クライマックスがストレッタを形成しながら再現を図ります。ストレッタとは、ある声部の主題が完結する前に、他の声部(主題や、対主題)やってきて重なっていくような感じです。交響曲とはいえ小品で、さらっと聴けます。転調の妙があったり、古典という名を借りたコミカルさ、軽妙さ、洒脱の効いた楽曲です。

プロコフィエフ:交響曲第1番【ディスク情報】

1968年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC
1969年 アバド ロンドン交響楽団 Dec 
1974年 アシュケナージ ロンドン交響楽団 Dec
1974年 ウェラー ロンドン交響楽団 Dec
1977年 プレヴィン ロンドン交響楽団 EMI
1976年 ジュリーニ シカゴ交響楽団 G
1981年 カラヤン ベルリン・フィル G 
1981年 マゼール フランス国立管弦楽団 SC
1982年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1984年 N・ヤルヴィ スコッティッシュ・ナショナル管弦楽団 CHANDOS
1986年 アバド ヨーロッパ室内管弦楽団 G
1986年 プレヴィン ロサンジェルス・フィル Ph
1988年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1988年 チェリビダッケ ミュンヘン・フィル EMI
1989年 小澤征爾 ベルリン・フィル G
1990年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 Ph
1991年 レヴィ アトランタ交響楽団 TELARC
1991年 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 R
1991年 テミルカーノフ サンクトペテルブルク・フィル R
2004年 ゲルギエフ ロンドン交響楽団 Dec
2005年 キタエンコ ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団 CAPRICCIO
2015年 A・リットン ベルゲン・フィル BIS
2016年 ジョルダン パリ・オペラ座管弦楽団 E

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