ベルリオーズ:幻想交響曲【YouTube】
ベルリオーズ:幻想交響曲 ヤンソンス バイエルン放送交響楽団
ベルリオーズ:「幻想交響曲」マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響響楽団 2013年プロムスにおけるコンサートで、52分10秒の動画です。Mariss Jansons Bavarian Radio Symphony Orchestra 出典:YouTube Berlioz – Symphonie fantastique, Op 14 – Jansons Classical Vault 1
ベルリオーズ:幻想交響曲 アンドレス・オロスコ=エストラーダ hr交響楽団
ベルリオーズ:「幻想交響曲」アンドレス・オロスコ=エストラーダ hr交響楽団 2014年12月12日のコンサートの模様です。1時間3分5秒の動画です。Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Andrés Orozco-Estrada hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Andrés Orozco-Estrada hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony
リオネル・ブランギエ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団
ベルリオーズ:「幻想交響曲」リオネル・ブランギエ チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団 2014年 50分03秒の動画です。Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Lionel Bringuier Tonhalle Orchestra 出典:YouTube Berlioz – Symphonie fantastique, Op 14 – Bringuier Classical Vault 1
ベルリオーズ:幻想交響曲【名盤・おすすめ】
ベルリオーズの幻想交響曲は、次の五つの楽章で構成されています。間違いなくワクワクさせてくれる楽曲です。深掘りして聴き比べると、ますます沼にハマります。それだけ魅力ある曲です。
第1楽章 夢、情熱 Rêveries, Passions
第2楽章 舞踏会 Un bal
第3楽章 野の風景 Scène aux champs
第4楽章 断頭台への行進 Marche au supplice
第5楽章 魔女の夜宴の夢(ワルプルギスの夜の夢) Songe d’une nuit du Sabbat
フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル
ベルリオーズ:幻想交響曲 フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル 2019年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 François-Xavier Roth Les Siècles
ロトさんの演奏は、聴き手のワタシの我が儘な話かもしれませんが、これまで聴いてきた経験を元にすると~ 楽章によって向き不向きがあり、室内楽のように演奏される楽章は、とても満足度が高いのですが、従来の演奏のように、ジャンジャカ低音の入った響きで、不気味さを醸し出して勢い良く鳴って欲しい楽章では、ちょっと物足りなさを感じたりします。とても新鮮には聴けるのですが~ ワタシのエゴです。ごめんなさい。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「宗教裁判」2019年ライブ 出典:YouTube Symphonie Fantastique in C Major, Op. 14 (Live) レ・シエクル – トピック Provided to YouTube by harmonia mundi
フィリップ・ジョルダン ウィーン交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 フィリップ・ジョルダン ウィーン交響楽団 2018年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Philippe Jordan Wiener Symphoniker
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、レリオ、あるいは生への復帰(作品14Bbis)2018年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 ウィーン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Naxos Digital Services
アンドルー・デイヴィス トロント交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 アンドルー・デイヴィス トロント交響楽団 2018年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Andrew Davis Toronto Symphony Orchestra
A・デイヴィスさんの演奏は、しなやかで艶っぽく少々ふんわりした演奏です。幻想の続編とされている楽曲のレリオの最終楽章が、カップリングされています。全編聴くのは大変なのですが、ラストだけなので機会がありましたら聴いてみてください。CDカップリング:幻想交響曲、レリオ、あるいは生への復帰の最終楽章「シェイクスピアのテンペストに基づく幻想曲」 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Toronto Mendelssohn Choir – トピック Provided to YouTube by PIAS
ダニエレ・ガッティ コンセルトヘボウ管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ダニエレ・ガッティ コンセルトヘボウ管弦楽団 2016年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Daniele Gatti Royal Concertgebouw Orchestra
出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Concertgebouworkest Provided to YouTube by Royal Concertgebouw Orchestra
ダニエル・ハーディング スウェーデン放送交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ダニエル・ハーディング スウェーデン放送交響楽団 2015年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Daniel Harding Swedish Radio Symphony Orchestra
CDカップリング:ラモー 歌劇「イポリートとアリシー」組曲、ベルリオーズ 幻想交響曲 2015年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 スウェーデン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by harmonia mundi
マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 2013年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Mariss Jansons Bavarian Radio Symphony Orchestra
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲 2013年録音、ヴァレーズ イオニザシオン 2010年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 バイエルン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ロビン・ティチアーティ スコットランド室内管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ロビン・ティチアーティ スコットランド室内管弦楽団 2011年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Robin Ticciati Scottish Chamber Orchestra
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、歌劇ペアトリスとベネディクト序曲 2011年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique スコットランド室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by IIP-DDS
レナード・スラットキン 国立リヨン管弦楽団
↓ 第2楽章 舞踏会 コルネット入りのバージョン
ベルリオーズ:幻想交響曲 レナード・スラットキン 国立リヨン管弦楽団 2011年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Leonard Slatkin Orchestre National de Lyon
スラットキンさんの演奏は、カクカクしていて几帳面という感じで進みます。ただし研究熱心な方には嬉しい録音で、第2楽章の舞踏会において、コルネットが入っている演奏バージョンを、別にして追加収録してもらっています。聴き比べができるし、コルネットの音が目立つように演奏されているので格好の勉強材料になると思います。
また、第5楽章の部分が、細かくインデックス(トラック)が区分されており、怒りの日のテーマが解りやすく聴けるようになっているのが特徴です。演奏自体としては、これは楷書体で描かれており、しっかり初心者向けという木がします。ワタシ的には、第4楽章の断頭台への行進は、もっとガツンガツン来てくれないと~ いや、この丁寧な企画には有り難いと思います。
CDカップリング:ベルリオーズ序曲「海賊」、幻想交響曲、幻想交響曲第2楽章舞踏会 コルネット オブリガート付き 2011年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 レナード・スラットキン – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
リッカルド・ムーティ シカゴ交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 リッカルド・ムーティ シカゴ交響楽団 2010年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Riccardo Muti Chicago Symphony Orchestra
出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48(Live) リッカルド・ムーティ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、レリオ、あるいは生への復帰
マレク・ヤノフスキ ピッツバーグ交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 マレク・ヤノフスキ ピッツバーグ交響楽団 2009年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Marek Janowski Pittsburgh Symphony Orchestra
第5楽章が、細分化されており、なんと五つに分割されています。最初に聴く時には、情景がわかって良いのですが。うーん。気が削がれるような~ で、残響が少し多めなのか籠もりがちです。語尾も長めで、もっとキリっとしていて欲しいところもあります。また拝聴した際にコメントを書きます。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「リア王」2009年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 ピッツバーグ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ヨス・ファン・インマゼール アニマ・エテルナ 😘
ベルリオーズ:幻想交響曲 ヨス・ファン・インマゼール アニマ・エテルナ 2008年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Jos Van Immerseel Anima Eterna
インマゼールさんの演奏は、古楽器(ピリオド)による演奏です。1998年に、ノリントンさんが最初にピリオドで演奏することを挑戦したと記憶しますが、うーん、どうもワタシには馴染めません。せっかく幻想を聴くなら、ジャンジャン、バリバリと断頭台への行進を聴きたいと思ってしまいます。
室内楽のような幻想はイメージできなかったのです。第2楽章の舞踏会においては、コルネットが使われていますし、第3楽章の野の風景は、こぢんまりしているので効果があるように思いました。ワタシの予想ではかなり清潔、清冽に演奏されるのかと思っていましたが、意外と暗黒にも足を踏み入れた感があり、情念が籠もっている感じがします。最初は、馴れないと尻込みしていたのですが、実際に拝聴すると聴き応えありでした。
なんだーこのCDジャケットは? お猿のレントゲン写真か!と、ちょっといただけなかったのですが、演奏もCDジャケットも個性的です。多くの演奏を聴いてこられた方にとっては、新鮮に聴けるように思います。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「ローマの謝肉祭」 出典:YouTube Symphonie fantastique, épisode de la vie d’un artiste, Op. 14, H 48 アニマ・エテルナ – トピック Provided to YouTube by IDOL
エサ=ペッカ・サロネン フィルハーモニア管弦楽団 🙄
ベルリオーズ:幻想交響曲 エサ=ペッカ・サロネン フィルハーモニア管弦楽団 2008年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Esa-Pekka Salonen Philharmonia Orchestra
サロネンさんのフィルハーモニア管との演奏は、ちょっと~ えへっ ずれとるやんというところもありますが、ライブ演奏なので許容範囲でしょうか。スピード感があってキレも抜群です。首席指揮者になったシーズンの演奏会だと思います。CDカップリング:ベルリオーズ幻想交響曲、ベートーヴェン レオノーレ序曲第2番 2008年録音 出典:YouTube Symphonie Fantastique ベルリオーズ – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
サイモン・ラトル ベルリン・フィル
ベルリオーズ:幻想交響曲 サイモン・ラトル ベルリン・フィル 2008年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Simon Rattle Berliner Philharmoniker
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、カンタータ「クレオパトラの死」ソプラノ:スーザン・グラハム 2008年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 Simon Rattle Provided to YouTube by Warner Classics
グスターボ・ドゥダメル ロサンゼルス・フィル
ベルリオーズ:幻想交響曲 グスターボ・ドゥダメル ロサンゼルス・フィル 2008年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Gustavo Dudamel Los Angeles Philharmonic 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 LA Phil Provided to YouTube by Universal Music Group
ワレリー・ゲルギエフ ウィーン・フィル
ベルリオーズ:幻想交響曲 ワレリー・ゲルギエフ ウィーン・フィル 2003年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Valery Gergiev Wiener Philharmoniker
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、カンタータ「クレオパトラの死」メゾ・ソプラノ:オリが・ボロディナ 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 – 2 ヴァレリー・ゲルギエフ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クリストフ・エッシェンバッハ パリ管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 クリストフ・エッシェンバッハ パリ管弦楽団 2002年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Christoph Eschenbach Orchestre de Paris
出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 クリストフ・エッシェンバッハ – トピック Provided to YouTube by naïve classique
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ サールブリュッケン放送交響楽団 🙄
ベルリオーズ:幻想交響曲 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ サールブリュッケン放送交響楽団 2002年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Stanislaw Skrowaczewski Saarbrucken Radio Symphony Orchestra
スクロヴァチェフスキさんの演奏は、潔癖症なの?と思うほどにキッチリしています。1989年録音のロンドン響との演奏と基本路線は変わりません。全くもって感心するほどに完全主義のような演奏です。CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、ロメオとジュリエット第3部より愛の場面 2003年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
パーヴォ・ヤルヴィ シンシナティ交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 パーヴォ・ヤルヴィ シンシナティ交響楽団 2000年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Paavo Järvi Cincinnati Symphony Orchestra
第5楽章に鳴る鐘の音が、理想的で、しっくりくる音の響きです。コルネットオブリガード付きです。CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、ロメオとジュリエット第3部より愛の場面 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 シンシナティ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ロジャー・ノリントン ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ
ベルリオーズ:幻想交響曲 ロジャー・ノリントン ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ 1998年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Roger Norrington London Classical Players
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「宗教裁判官」1988年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 サー・ロジャー・ノリントン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 1997年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Michael Tilson Thomas San Francisco Symphony
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、レリオ、または生への復帰 第2曲亡霊の合唱、第6曲シェークスピアの嵐にもとづく幻想曲 1997年、98年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 マイケル・ティルソン・トーマス – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal
ピエール・ブーレーズ クリーヴランド管弦楽団 😖
ベルリオーズ:幻想交響曲 ピエール・ブーレーズ クリーヴランド管弦楽団 1996年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Pierre Boulez Cleveland Orchestra
ブーレーズさんの演奏は、とても醒めててクールです。第3楽章は聞き惚れてしまったのですが、第4楽章以降のパッションが、醒めてて面白さが感じられません。確か「恋に深く絶望しアヘンを吸った、豊かな想像力を備えたある芸術家」の物語だった筈すが酔ってない。いくら飲んでも酔わない。アンサンブルは完璧で、高機能なのですが、客観的すぎ、近視眼的で、しならない。弾力性に欠けているのではないかと思います。天邪鬼~っ!
第2楽章のワルツは、弦が速いです。ハープは綺麗だし、フルートも伸びやかに歌っているのですが、弦が速い~ 語尾が消えてなくなってしまいます。急かされて急かされて、目がまわります。クルクルまわって、遠心力でポイっ!弾けて外に飛び出しちゃう感じですね。足元が消えていく、幽霊ワルツなのでしょう。
第3楽章は、オーボエとコーラングレの呼応で始まりますが、互いの吹く合間を楽しむ感じです。音にならない間合いを楽しむ感じ。行間を読む感じで、音の余白を楽しめます。他の演奏では、さらっと描写して通り過ぎるのですが、ブーレーズさんの演奏は、ここが白眉です。思わず息を詰めて聴いてしまいました。雷のティンパニは、大して面白くなかったのですが、木管が素晴らしいです。
第4楽章の断頭台への行進曲は、遅いのです。ワザと遅くしてるんだと~ 思うんですよね。熱っぽさもスゴミも、不気味さも、粘りもツッコミが不足しています。ティンパニの叩かれた音が弾んで、金管に引き渡してくれず、「どっ どぉ~れみっ」の二音目が、そのまんま。うっそ。ねばって~っ アクセントつけてぇ~。
最後シンバルが入ってきたら、ギッギーっとブレーキを踏んでテンポを遅めに。で、遅くして、また走ってくるのかと思ったら、ダメなんである。弦が、チャカン チャカン チャカンと、パートに別れて、揺れる感じを出してくれる筈が、遅いまま。首チョンパになっちゃうフレーズも、パンっ! ドロドロドロ~っというロールは良いのですが、不完全燃焼で終わります。唸って噛みつきたくなる心境に~。
第5楽章は、軋んだ感じ、滑るような感じがあり、鐘の音もリアルに響いています。木管群は、ものすごく印象に残る演奏なのですが、インテンポすぎて、伸縮自在に動きません。怒りの日が細切れに出てくるのは、ひぃ~どうもいけません。なんだ~こりゃっと叫びたくなります。ブーレーズさんは、お酒が飲めない下戸なんだと勝手に決めつけて、納得することにしました。どひゃん。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、「トリスティア」宗教的瞑想、オフェーリアの死、ハムレットの最終場面の葬送行進曲 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op.14 クリーヴランド管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ダニエル・バレンボイム シカゴ交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ダニエル・バレンボイム シカゴ交響楽団 1995年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Daniel Barenboim Chicago Symphony Orchestra
CDカップリング:ラ・マルセイエーズ(ルジェ・ド・リール作曲 ベルリオーズ編曲) テノール:プラシド・ドミンゴ、ベルリオーズ 幻想交響曲 1995年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 Daniel Barenboim Provided to YouTube by Warner Classics International
ユーリ・シモノフ スロヴェニア・フィル 😂
ベルリオーズ:幻想交響曲 ユーリ・シモノフ スロヴェニア・フィル 1994年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op.14 Yuri Simonov Slovenian Philharmonic Orchestra
シモノフさんの演奏は、かなり遅いテンポで始まります。なかなか進まないのですが、速度が変わると、まあ普通に。でもまた、のろのろ運転になってしまいます。ライブ盤ですが、ワタシだと途中で寝ちゃうこと確定ですね。第1楽章でこれかよぉ~ で、
第2楽章は、もっと遅く感じます。ネチネチ、ストーカー風の男性のようで、聴いてられないっす。我慢大会に参加した気分で、ラストまで聴き通す自信は、多分第1楽章の前半で喪失します。なにせ、活気のない演奏で、聴いたら、ふらふら~ ヌケそうになります。鐘の音も不気味だし、エネルギーを吸い取られます。サブスクを利用しているときに、つい、ふらふら~っと聴いてしまったのが運の尽き。えへっ、わかっちゃ~いるんだけど。
YouTubeにおけるタイムを記載しておきます。第1楽章15分40秒、第2楽章6分36秒、第3楽章19分58秒、第4楽章4分59秒、第5楽章11分43秒です。出典:YouTube Symphonie Fantastique, Op. 14 ユーリ・シモノフ – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
セミヨン・ビシュコフ パリ管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 セミヨン・ビシュコフ パリ管弦楽団 1993年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Semyon Bychkov Orchestre de Paris
CDカップリング:ベルリオーズ ローマの謝肉祭、幻想交響曲 1993年録音(ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ、ボレロが収録されていたCDもあります) 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 パリ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ズービン・メータ ロンドン・フィル
ベルリオーズ:幻想交響曲 ズービン・メータ ロンドン・フィル 1993年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Zubin Mehta London Philharmonic Orchestra
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「ローマの謝肉祭」、歌劇「ペアトリスとベネディクト」序曲 1993年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 ズービン・メータ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International
チョン・ミョンフン パリ・バスティーユ管弦楽団 😘
ベルリオーズ:幻想交響曲 チョン・ミョンフン パリ・バスティーユ管弦楽団 1993年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Myung-Whun Chung Orchestre de l’Opéra national de Paris
ミョンフンさんの演奏は、薄口な演奏です。前半は良いのだが、後半の楽章は、理性が邪魔するのか、イマイチ化けないで終わります。第1楽章は、ゾクゾクしちゃうほど甘美です。テンポが揺れて高揚しており、焦燥感たっぷり。そんなに興奮しなくても~と思うのですが、若いのでしょう。たぎってくる情熱が手に取るように分かるそんな演奏です。
楽章の終盤で、金管の短いパッセージ、打楽器が大暴れしています。その後、シーンと沈黙します。全体的に、弦の響きが細めで、優男風の演奏ですが、打楽器がその分、頑張ってます~という感じです。 第2楽章は、コルネット使用です。2台のハープにコルネットが絡み、元気に存在をアピールしています。最後は、狂い咲き風のように、軽くて速いです。どっかに飛んでいきそう。
第3楽章は、オーボエとコーラングレの呼応が美しく、牧歌的です。描写力が高く、中音域の弦がまろやかで聴きどころとなっています。ティンパニは、マレット(バチ)が柔らかめです。第4楽章は、ティンパニが活躍しますが、ファゴットを始めとした木管が埋もれがち。金管は、区切らず、流れて長めに吹かれます。節回しがストーカー状態のねちっこさ。ティンパニだけが、異様なほど大音量で鳴っていますね。刃の落ちるシーンが、えっ、無かったような気がします。小太鼓だけが鳴っていた感じです。
第5楽章は、鐘は上品で小さめ。教会の鐘風で、魔女の饗宴シーンとしては、かなり上品です。「怒りの日」のチューバは、もう少し迫力が欲しいでしょうか。金管は、歯切れの良さが感じらず、いつまで流し目をしているんだーと怒りたくなるような流しぶり。グロテスクさとは無縁の演奏で、シンコペーションの面白さが満喫できませんでした。
CDカップリング:デュティユー「メタボール」5曲、ベルリオーズ 幻想交響曲 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 パリ・バスティーユ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 🙂
ベルリオーズ:幻想交響曲 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1992年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Georg Solti Chicago Symphony Orchestra
★ YouTubeでは、断頭台への行進曲のみ視聴できます。(ザルツブルク音楽祭創立50周年記念盤)
ザルツブルクの聖霊降臨祭コンサートでのライブです。シカゴ響のブラスは健在ですが、スピード感に乏しく、せっかくのストーリー性の高い楽曲が活かされていないように思いました。しかしながら、チューバを初めとしたブラスは、重くて、どっしり~ 音の重さを感じることができます。スピードパワーはありませんが、バリバリっと言わす金管のパワーあふれる吹きっぷりで、「怒りの日」は丁寧に演奏されています。
弦を弓でこする奏法(コル・レーニョ)も、レア感があります。金管と弦のバランスが難しそうな曲だと改めて感じました。ショルティさんの最晩年の演奏です。CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、リスト交響詩「前奏曲」 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ジョン・エリオット・ガーディナー オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク
ベルリオーズ:幻想交響曲 ジョン・エリオット・ガーディナー オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク 1991年 Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 John Eliot Gardiner Orchestre Révolutionnaire et Romantiqu
出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
マリス・ヤンソンス コンセルトヘボウ管弦楽団 🤩
ベルリオーズ:幻想交響曲 マリス・ヤンソンス コンセルトヘボウ管弦楽団 1991年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Mariss Jansons Royal Concertgebouw Orchestra
インデックス(トラック)が、第1楽章は二分割、第5楽章は五分割されています。
マリス・ヤンソンさんの幻想交響曲は、1989年レニングラード・フィル(来日ライブ盤)、1991年コンセルトヘボウ管弦楽団、2001年ベルリン・フィル(ライブ映像)、2013年バイエルン放送響(ライブ盤)があります。このコンセルトヘボウ管との演奏は、奥行き感があり、軽やかでスピーディです。
また、劇的な効果を生むような仕掛けというか、演出が施されて楽しめる演奏です。第1楽章は、フレーズの膨らまし方が絶妙で、初恋の気持ち高ぶる光景がイメージされます。ヴァイオリンは、可愛い少女が登場したかのような雰囲気で、美少女に一目惚れしちゃった~という感じです。第2楽章の舞踏会は、ワルツを踊る群像劇を見ている感じで、少し、せわしなさそうなフレージングです。
第3楽章では、野の風景になると、熱を冷まそうと散策しているかのよう。舞踏会の会場から外にでて、風にあたっているという感じでしょうか。若い男性の情熱を肯定し、木管の慎ましやかな響きが美しく響きます。野の風景というよりも、夢想的な雰囲気を持った演奏で、中音域の弦、木管に、ふっとした間合いがあります。想いの強さと弱さ、自信と喪失を、まるで心の中で繰り返しているかのようです。楽章後半になるとテンポがあがり、段々と自信がみなぎってきます。クラリネットが巧いですね。
第4楽章は、前楽章の遠雷の響きから、断頭台への行進へと入ってきます。既出の三楽章で、場面が展開しており、低弦が、ガッシガッシ弾かれており、音が空中で一回転して降りてくるような間合いがあります。ファゴットも、奥行き感を演出しています。金管は、ターっ タッ タカターってアクセントがあり、全体で凄いクレッシェンドとなってきます。金管が炸裂しているので、驚き~。強烈なアクセントで、劇的効果バッチリです。
第5楽章は、素速いテンポで、カカカカ・・・っと奇妙な哄笑が聞こえます。魔女の笑い声って、キキキーっだったよねえと思いつつ聴き進めると、魔女と主人公の距離が、空中を飛んで、ガガっと迫ってくる感じで薄気味悪いです。カリヨン(鐘)は、ん? 薄口の響きで、鉄板風の音でしょうか。持続しない響きです。魑魅魍魎という雰囲気は少なめですが、随所に面白さがあり、聴いてて満足感があります。CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「ローマの謝肉祭」 出典:YouTube Berlioz Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 oncertgebouworkest Provided to YouTube by Warner Classics
コリン・デイヴィス ウィーン・フィル
べルリオーズ:幻想交響曲 コリン・デイヴィス ウィーン・フィル 1990年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Colin Davis Wiener Philharmoniker
コリン・ディヴィスさんの幻想交響曲は、正規CDとして発売されていたのは、ロンドン交響楽団、コンセルトヘボウ、ウィーン・フィルの計三回だと思います。ウィーン・フィルの幻想って珍しい。出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 🥰
ベルリオーズ:幻想交響曲 ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 1990年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 James Levine Berliner Philharmoniker
★ YouTubeにおける、公式の動画は掲載されていません。メチャ残念です。
レヴァインさんの演奏は、特に第5楽章が面白く、不気味な哄笑が聞こえてきます。三つに区分してインデックス(トラック)がついており、クラリネットとオーボエが、ペタンとした音でコミカルに歌い始めます。奇怪な音で、キキキキ~と黄色い歯を出して笑っているかのような浮かれ調子です。
弦が、猛烈にスピードをあげて巻き舌風に笑い、ちょっと割れ音で残響が多めに鐘が鳴ります。怒りの日のチューバは、ちょっと抑え気味ですが、そのなかで、ごぉ~ん ごぉ~んと残響を残します。教会で収録されているので、バスドラの響きが大きいです。
軋んだ弦、キラキラの金管が、教会の響きのなかで、明瞭だけど混然一体となって演奏されています。コル・レーニョ(ヴァイオリンの弦を、弓で叩くのではなく、背の木の棹の部分で叩く奏法)は、骸骨踊りだし、木管のピロピロ感といい、もう絶句するかのような演奏で、猛烈な勢いで全力疾走して終わります。恐怖の館みたいな不気味さ、幻想的な甘い雰囲気を醸し出す両方の面を、細かな表現で描かれ、音響効果と巧いアンサンブルで、総合力の高い演奏で、とても聴き応えがありました。高い表現力で、楽しく面白く聴けます。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、歌劇「トロイアの人々」第4幕「王の狩と嵐」
ミシェル・プラッソン トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ミシェル・プラッソン トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 1989年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Michel Plasson Orchestre du Capitole de Toulouse
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「ローマの謝肉祭」、序曲「海賊」1989年 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 ミシェル・プラッソン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ ロンドン交響楽団 😂
ベルリオーズ:幻想交響曲 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ ロンドン交響楽団 1989年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Stanislaw Skrowaczewski London Symphony Orchestra
スクロヴァチェフスキさんの演奏は、一点の曇りもなく正確で、厳格に、きちんとした楷書体で演奏されており、まるで教科書を読んでいるような気持ちで、ワタシたちは幻想を聴く必要があります。そう、キチンと。情感のおもむくままに歌ってはいけないのです。あくまでも、キチンと冷静に、理論的に~
第1楽章の冒頭から、ラストの最後の一音に至るまで、背筋をピンと伸ばして、正座して聴かせていただく必要があります。えっ、それは困る。で、身構えてしまいますよね。でも、そうなんです。禅寺で座禅を組んでいるかのように、日常から脱して耳を傾けなければなりません。
特に、第3楽章を聴くと、ゆっくりとした歩みで正確にきっちり刻みながら進みます。その静けさと、淀みのない一糸乱れぬ弦のすーっとした絹糸のようなフレージングに驚かされます。まるで宗教的な響きのよう。緊張が漂い、襟を正して聴かなければ~という気持ちに。ミスターSさま、幻想で、そこまで綺麗に整えなくても良いのでわ。魔女が登場する宴とは思えない世界が広がっています。あまりにも潔癖すぎて、どひゃん! 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Stanislaw Skrowaczewski – トピック Provided to YouTube by PIAS
クリストフ・フォン・ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 😓
ベルリオーズ:幻想交響曲 クリストフ・フォン・ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 1989年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Christoph von Dohnányi Cleveland Orchestra
ドホナーニさんの演奏は、クールで精密なのですが、奇想天外なストーリー性を持った楽曲なのに、どうして、こうも几帳面なのか、もっと大袈裟に演奏してもらう方が嬉しい野だけれど~と、繰り返して聴いているうちに、この怜悧さが、理知的でありながら、何をしでかしちゃうかワカンナイ怖さに感じられます。いわゆる病的な恐怖感を最後に感じることになりました。ロジカルな頭のくせに、何かの拍子で歯車が狂っちゃったような。まあ、深読みしすぎだとは思うのですが。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、ウェーバー 舞踏への勧誘(ベルリーズ編曲版) 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op.14 クリーヴランド管弦楽団 – トピック Cleveland Orchestra – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group
エリアフ・インバル フランクフルト放送管弦楽団 😶
ベルリオーズ:幻想交響曲 エリアフ・インバル フランクフルト放送管弦楽団 1987年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Eliahu Inbal Frankfurt Radio Symphony
インバルさんの演奏は、湿気た暗さが潜んでおり、薄気味悪さが常時漂っている感じがします。クールというより、湿気かなあワタシが気になるのは。鬱々としているのでイマイチ好きになれない演奏でした。出典:YouTube Symphonie Fantastique, Op. 14 hr交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 😅
ベルリオーズ:幻想交響曲 リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1984年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Riccardo Muti Philadelphia Orchestra
ムーティさんの演奏は、前半の楽章は、華麗なサウンドで、情熱的に流麗に演奏されています。美女の饗宴という感じで、ちょっとストーリーが違うんじゃーないかと思うほど。低音がしっかり、骨格が引き締まりつつ、弦がゆらゆらした浮かれた熱情を描いています。熱情をビンビン感じます。
第2楽章は、冒頭のフレーズは、まるで階段の上から、ホールの美女をめがけてダイブしているようなモノ。うなされた熱情で、転がり落ちたところでワルツが始まります。 せわしないワルツで、この浮かれ方は尋常じゃありません。速い。速い。最後には目が回ります。第3楽章は、暖かみがあり、熱狂醒めやらず。甘いコーラングレが、まだ艶っぽく吹かれているという感じです。
第4楽章は、テンポが鈍重なほど遅いのですが、恐ろしいほどの音で金管の咆吼が入ります。ティンパニは、よく響く六連符を叩きますが、金管は軽量で明るめ。まるで、レッドカーペットを歩いているかのように華やか。映画祭じゃないのですが、煌めき続け、小太鼓が鳴るなか華麗にファンファーレが鳴って終わります。さっぱり落ちた。
第5楽章は、コミカルでお茶目な木管で、遊び心のある脱け落ちた感のある演奏です。怒りの日のチューバは重みがありますが、総体的に畳みかける勢い、迫力がありますが、オケが明るく、煌めきすぎているかもしれません。魔女の饗宴というよりは、華麗なるご婦人方の会食風景という感じだったでしょうか。あまりにスマートすぎて驚きました。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲1984年、劇的交響曲ロメオとジュリエット ソプラノ:ジェシー・ノーマン、テノール:ジョン・エイラ- バス:サイモン・エステス ウェストミンスター合唱団 1984年録音 出典:YouTube Berlioz Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 リッカルド・ムーティ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ダニエル・バレンボイム ベルリン・フィル
ベルリオーズ:幻想交響曲 ダニエル・バレンボイム ベルリン・フィル 1984年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Daniel Barenboim Berliner Philharmoniker
結構、生々しい音で響いており、ティンパニの皮の揺れが見えてくるかのよう。弦もビシバシ弾いているのが感じられます。出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Daniel Barenboim Provided to YouTube by Sony Classical
ヘルベルト・ケーゲル ドレスデン・フィル 🤣
ベルリオーズ:幻想交響曲 ヘルベルト・ケーゲル ドレスデン・フィル 1984年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Herbert Kegel Dresdner Philharmonie
ケーゲルさんの演奏は、ルカ教会での録音なので、ほどよく残響がありますが、ジメッとしており、楷書体というより、カチカチして歯切れが良すぎるほどかしら。弦の歯切れが良すぎて、おばあちゃんの入れ歯が、ガチガチ鳴っているような気がします。この演奏の特徴は、第5楽章で鳴らされる鐘(カリヨン)が、まるで京都の寺の梵鐘なこと。大まじめに、ずっこけます。
怖いってわけでもなく、おどろおどろしい世界でもない演奏で、狂喜乱舞になるわけでも、エキセントリックでもなく煽られるわけでもないんです。ニコリともせず、じっーっと冷ややかに背後から見据えられた感じがします。ある意味、なんて無表情なんだ~っと怖くなります。出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH
シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 🙂
ベルリオーズ:幻想交響曲 シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1984年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Charles Dutoit Orchestre symphonique de Montréal
デュトワサンの演奏は、全体的に、さらっとして爽やかです。繊細で高音域の軽やかなフレージングに、ノビのよい息づかいが聞こえます。幻想交響曲ってアクの強い 、個性的な演奏が並び、また期待しているところがありますが、どうでしょう。あまりにサラッとしているので、聞き込んでいくと、綺麗に整ってはいるけれど~ということで、物足りなさを感じちゃうかもしれません。インテンポで淡々と進みながら、ホント明晰で整っており、とても綺麗な演奏です。
断頭台、ギロチンを目の前にしているというリアル感がない気がします。夢は単なる夢ですよ。と言われているようで、どうもねえ。手に汗握る~という感覚があまりないです、切羽詰まったリアル感に乏しく、標題音楽なので、もう少しイメージを膨らませてくれる要素が欲しくなるように思います。最初に聴くには適した演奏です。若かりし頃に随分と拝聴してました~(お世話になっておきながら スミマセン)出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H.48 モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クラウディオ・アバド シカゴ交響楽団 🙄
ベルリオーズ:幻想交響曲 クラウディオ・アバド シカゴ交響楽団 1983年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Claudio Abbado Chicago Symphony Orchestra
★ 第5楽章のインデックス(トラック)は、4つに区分されています。
アバドさんとシカゴ響の演奏は、第5楽章で鳴らされる鐘は、広島にある「平和の鐘」の音を使っていることで有名です。瑞々しく、ふくよかに歌いながら演奏され、シカゴ響とは思えないほど音色がまろやかです。「アヘンによって生じたさまざまな覚醒」というサブタイトルがあるのですが、好青年過ぎて、あれ?
心理的な雰囲気とか、ストーリー性としては、どうかな~って思います。垢抜けすぎて、どろどろ~っと嫉妬心に駆られたり、病的な感覚に至るという主人公ではなく、人間の悪い面や、悪魔的要素が少ないです。病んでいる感じではないので、綺麗な演奏を楽しむことに専念した方が良いかもしれません。
特に、グロテスクな演奏や、奇怪な演奏を望んでいるわけではないのですが、嫉妬や熱情に、自分を燃やしちゃって尽きちゃう人の心理や、嫉妬や恨みなど。ホントは、イヤな面を見て見ぬ振りをしちゃうわけには、いかないように思うんですけど。この演奏は、それを避けて通ってしまったように感じました。出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, H. 48 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ロリン・マゼール クリーヴランド管弦楽団 😮
ベルリオーズ:幻想交響曲 ロリン・マゼール クリーヴランド管弦楽団 1982年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Lorin Maazel Cleveland Orchestra
録音状態は良い。もっとエグミのある演奏を期待していたのに完全に拍子抜け。確かにアンサンブルは綺麗な演奏なのだが、超快速に、飛ばしに飛ばして演奏されており、タメもなく、おどろおどろしさもなく。主人公の妄想も情念も、あったもんじゃない。呆気にとられているうちに終わっちゃった。超アッサリでした。出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 ロリン・マゼール – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ラファエル・クーベリック バイエルン放送交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ラファエル・クーベリック バイエルン放送交響楽団 1981年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Rafael Kubelík Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 ラファエル・クーベリック – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ダニエル・バレンボイム パリ管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ダニエル・バレンボイム パリ管弦楽団 1978年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Daniel Barenboim Orchestre de Paris
出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 パリ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
レナード・バーンスタイン フランス国立管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 レナード・バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1976年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Leonard Bernstein Orchestre National de France (ORTF)
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「海賊」、歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲、序曲「ローマの謝肉祭」、イタリアのハロルド ヴィオラ:ドナルド・マッキネス、歌劇「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲、序曲「宗教裁判」 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 Leonard Bernstein Provided to YouTube by Warner Classics
アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1976年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 André Previn London Symphony Orchestra
CDカップリング:ベルリオーズ レクイエム(作品5)1980年、幻想交響曲 1975年、76年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😘
ベルリオーズ:幻想交響曲 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1974年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op.14 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
カラヤンさんの演奏は、弦のフレーズが綺麗で、品良く整ったものです。ファウストのように悪魔に言い寄られた夢という感じではなく、宮廷サロンの描写に留まる気がします。魔女の饗宴においても、あまりに綺麗すぎるてグロテスクな感覚には陥らないと思います。もちろん演奏自体は、カッチリしているので聴き応えがあります。
YouTubeにおけるカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、劇的物語「ファウストの劫罰」(作品24)妖精の踊り、鬼火のメヌエット 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
コリン・デイヴィス コンセルトヘボウ管弦楽団 🥰
ベルリオーズ:幻想交響曲 コリン・デイヴィス コンセルトヘボウ管弦楽団 1974年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Colin Davis Royal Concertgebouw Orchestra
良い録音でシャッキシャキの演奏です。CDカップリング:ベルリオーズ管弦楽作品集6枚組BOX
出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 Sir Colin Davis – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
小澤征爾 ボストン交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 小澤征爾 ボストン交響楽団 1973年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Seiji Ozawa Boston Symphony Orchestr
カップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、ロメオとジュリエット 愛の情景 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 マックス・ホウバート – トピック ボストン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ジャン・マルティノン フランス国立放送交響楽団 😘
ベルリオーズ:幻想交響曲 ジャン・マルティノン フランス国立放送交響楽団 1973年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Jean Martinon Orchestre National de l’ORTF
マルティノンさんの演奏は、弦の流麗さで聴かせてくれる演奏です。1989年にリマスタリングされており、少し残響が多めですがクリアーです。第2楽章は、コルネットが派手に入ってきます。第3楽章も清々しいほどの野の風景で、牧歌的風景が広がっています。遠雷としてのティンパニの効果も高いです。
第4楽章は、揺れるティンパニの音が良く響きます。残響がよい効果を生んでおり、雰囲気はバッチリ。ブラスが奥まって、リアル感は薄めですが、煌びやかさで補って余りあります。シャンシャンしてて断頭台付近では、華やかにスッパっ。魔女たちの饗宴は、そこまで不気味ではありませんが、いきなりギアチェンジして意表をつきます。鐘は最初から、甲高く響きます。これはチューブラベルみたいですねえ。改めて、懐かしい気分で聴いたのですが、ちょっとエコーかかりすぎて~という気がしますが、奥行きのある優しい演奏にも感じます。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲 1973年、レリオ、あるいは生への復帰 1974年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 ジャン・マルティノン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 😆
ベルリオーズ:幻想交響曲 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1972年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Georg Solti Chicago Symphony Orchestra
ショルティさんの演奏は、アクセントがついて、パリッとしており、スピード感があって豪快に鳴るという演奏です。特に、第4楽章以降は、気味の悪さ、グロテスク感が抜群で、多少オーバーな表現ですが、幻想のストーリー性をリアルに音化している演奏です。初心者向けという気がしますが、ふふっ、ここまで劇的に演奏されると、何度聴いても、のめり込んでしまいます。
さほどスピード感はないのですが、重厚で割れそうなブラスと、ゴンゴン下に打ち付けてくる打楽器軍団、ジャンジャカ鳴るパーカッション、どこで首が落ちたか迫力で聴き損ねそうな第4楽章です。魑魅魍魎としている第5楽章は、ふふふ~ これはリアルです。面白すぎる。オチャメな木管、キシキシ鳴っている弦、どどど~っ迫力満点。トロンボーンとチューバの迫力が凄すぎて、カリヨンが埋もれがちです。60年代から一段階あがったエンターテイメント性を感じさせる演奏です。ちょっとアメリカンですけどね。
カップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲、序曲「宗教裁判官」、ロッシーニ セビリアの理髪師序曲、バッハ 管弦楽組曲第3番第2曲エア、スーザ 行進曲星条旗よ永遠なれ、スミス 星条旗 ダウンズ がんばれ、シカゴ・ベアーズ ジェリー・ダウンズ 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ジョルジュ・プレートル ボストン交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ジョルジュ・プレートル ボストン交響楽団 1969年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Georges Prêtre Boston Symphony Orchestra
出典:YouTube Symphonie Fantastique, H 48, Op. 14 ジョルジュ・プレートル – トピック Provided to YouTube by Sony Classical SonyClassicalVEVO
シャルル・ミュンシュ パリ管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 シャルル・ミュンシュ パリ管弦楽団 1967年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Charles Munch Orchestre de Paris
2018年リマスタリングされているのでクリアです。ボストン響とのCD(RCAレーベル)もあったと思います。出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 シャルル・ミュンシュ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
オットー・クレンペラー フィルハーモニー管弦楽団 😅
ベルリオーズ:幻想交響曲 オットー・クレンペラー フィルハーモニー管弦楽団 1963年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Otto Klemperer Philharmonia Orchestra
クレンペラーさんの演奏は遅め。1999年にリマスタリングされているのでクリアに聞こえ、テンポは遅めで、泰然自若としています。逆境にもめげない、メンタルの強さを誇っているという感じですが、幻想の若者は、そうじゃーないと思うんだけど。まっ、これがクレンペラーさんのアプローチです。コルネットが使用されています。出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 Remastered 1999 オットー・クレンペラー – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
イーゴリ・マルケヴィッチ コンセール・ラムルー管弦楽団 😶
ベルリオーズ:幻想交響曲 イーゴリ・マルケヴィチ コンセール・ラムルー管弦楽団 1961年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Igor Markevitch Orchestre Lamoureux
マルケヴィチさんの演奏は、恐怖の館だろうな~って思いながら拝聴しました。アンサンブルが乱れそうで怖いんですけど、まあ、どうにかつじつまが合ったという感じです。違う意味でヒヤヒヤします。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲 1961年、ケルビーニ 歌劇アナクレオン、または束の間の恋、オーベール 歌劇「ポルティチの物言わぬ娘」序曲 1961年録音 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 – 3. Scène aux Champs (Adagio) コンセール・ラムルー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
トーマス・ビーチャム フランス国立放送管弦楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 トーマス・ビーチャム フランス国立放送管弦楽団 1959年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Thomas Beecham Orchestre national de la Radiodiffusion française
出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14 フランス国立管弦楽団 – トピック
ポール・パレー デトロイト交響楽団
ベルリオーズ:幻想交響曲 ポール・パレー デトロイト交響楽団 1959年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Paul Paray Detroit Symphony Orchestra
出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14 デトロイト交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
アンドレ・クリュイタンス フィルハーモニア管弦楽団 😘
ベルリオーズ:幻想交響曲 アンドレ・クリュイタンス フィルハーモニア管弦楽団 1958年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 André Cluytens Philharmonia Orchestra
クリュイタンスさんの演奏は、これは正統路線という感じで、オーバーな表現は極力抑えられています。とても爽やかな演奏で流麗です。上流階級の舞踏会という感じで気品が感じられます。第2楽章のハープも綺麗に収録されており、リマスタリングされたことに感謝です。軽やかさと旋律の美しさに、ほほぉ~ ため息が出ます。
第3楽章における木管の存在も美しく、第4楽章の断頭台への行進は、ティンパニの揺れる音が良いです。第5楽章は、鐘はチューブラベルかなあ。小さめの音量で叩かれています。チューバの馬力の良さと、リズミカルさと畳みかけるスピード感が凄いです。出典:YouTube Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48: V. Songe d’une nuit de sabbat アンドレ・クリュイタンス – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
カルロ・ゼッキ チェコ・フィル 😨
ベルリオーズ:幻想交響曲 カルロ・ゼッキ チェコ・フィル 1959年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Carlo Zecchi Česká filharmonie
ゼッキさんは、1903年イタリア出身のピアニスト、指揮者です。とてもクリアな録音状態です。金管に迫力があり、ぶっ放しという感じではなく、綺麗に響きが残ります。第1楽章はMAXになると飽和状態に近いのですが、キレのある音が繰り出され、切迫感もあって優美でありながら同時に狂気に近いリアルさがあります。
断頭台への行進においても、テンポは遅いのですが、金管の吹き方がストレートで強烈に後に残りますし、ティンパニも硬い乾いた音で豪快です。また、シンバルの音が凄すぎ~ で、一気にスッパ! また、最後の楽章であるサバト(魔女の饗宴)では、チューバが最高にキラキラして、残響を残して吹かれています。こりゃすごいわ。鐘はチューブラベルだと思いますが、乾きすぎ~ 切れ味抜群の演奏で、59年でこの演奏とは~ 強烈に印象強く残りました。チューバで吹かれる「怒りの日」の旋律が、とても良かったです。
CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲1959年、序曲「リア王」スメターチェク プラハ響 1963年録音 出典:YouTube Symphonie fantastique. Episode de la vie d´un artiste, Op. 14 ベルリオーズ – トピック Provided to YouTube by Supraphon
ピエール・モントゥー ウィーン・フィル 😄
ベルリオーズ:幻想交響曲 ピエール・モントゥー ウィーン・フィル 1958年
Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H. 48 Pierre Monteux Wiener Philharmoniker
ブラスの割れ音がちょっと気になりますが、この力強い演奏ぶりにびっくり。特に、第4楽章の断頭台への行進と、第5楽章の魔女の饗宴シーンは、50年代後半から、この勢いある演奏だったんですね。カチャカチャ言うコル・レーニョ部分と、ブラスでの畳みかけてゴールする勢いに圧倒されます。第5楽章の鐘は、冒頭近くはチューブラベル? 鉄板みたいな音と一緒に叩かれています。中間部分で鳴らされているのは、カリヨンです。
モントゥーさんの演奏を改めて聴いて、楽曲本来の奇想天外ぶりと、この楽しい演奏があったからこそ、ずーっと人気が長続きしているんだと感謝。音楽は、演奏されないと、大衆に面白さが伝わらないもんね。ありがたいデス。しかし、ウィーン・フィルでの演奏だとは驚きました。CDカップリング:ベルリオーズ 幻想交響曲 1958年、メンデルスゾーン 真夏の夜の夢(抜粋)1957年録音 出典:YouTube Berlioz: Symphonie fantastique, Op. 14, H 48 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
ベルリオーズ:幻想交響曲【解説】
ベルリオーズの幻想交響曲 Symphonie fantastique(作品14 H.48)は、1830年に作曲されています。原題は「ある芸術家の生涯の出来事、5部の幻想的交響曲」(Épisode de la vie d’un artiste, symphonie fantastique en cinq parties )と長い標題音楽です。続編があって、レリオ、あるいは生への復帰(作品14b)が、1831年に完成しています。
語り手、声楽と管弦楽のための作品なので、続編は演奏される機会は多くありません。さて、幻想交響曲は、5つの楽章で構成されています。「恋に深く絶望しアヘンを吸った、豊かな想像力を備えたある芸術家」の物語を音楽で表現したものです。
第1楽章:夢、情熱 Rêveries, Passions ラルゴの序奏部とソナタ形式の主部からなる。急速な主部に入ると間もなく、フルートとヴァイオリンによって「イデー・フィクス(固定楽想)」が奏されます。恋愛対象を表す旋律で、繰り返して登場する動機です。
第2楽章:舞踏会 Un bal フルートとオーボエで、イデー・フィクスが随所に表れるワルツ楽章です。複数のハープが登場します。
第3楽章:野の風景 Scène aux champs コーラングレ(イングリッシュホルン)と舞台裏のオーボエによって演奏されます。最後に、コーラングレによる牧歌が奏されると、ティンパニが遠くの雷鳴を奏して静かに終わります。
第4楽章:断頭台への行進 Marche au supplice アヘンを飲んで夢を見ています。夢の中で愛していた彼女を殺し、死刑を宣告され、断頭台へ引かれていきます。低弦、大太鼓、ホルンによって行進曲が開始します。ラストで、イデー・フィクスが一瞬現われますが、死の一撃によって遮られます。最初の四 小節が、致命的な打撃(ここでギロチンが落ちた?)によって、愛についての最後の思いとして瞬間的に描かれ、ころんと頭が回転する様子を表す四つの下降音が聞こえます。ひぃーっ。
第5楽章:魔女の夜宴の夢 Songe d’une nuit du Sabbat 彼はサバト(魔女の饗宴)において自分を見つけます。亡霊、魔法使いなど、彼の葬儀のために集まっているのです。奇怪な音、うめき声、ケタケタ笑う声など、グロテスクな舞踏の旋律に変わり果てています。弔いの鐘、怒りの日のテーマが登場します。弦楽器による不気味な音型で始まり、イデー・フィクスは、変奏されてクラリネットで奏されます。
鐘が鳴り、グレゴリオ聖歌「怒りの日」Dies Irae がファゴットとチューバで鳴らされます。弓の木部で、弦を叩くコル・レーニョ奏法が用いられ、不気味さをアップさせています。弦楽器による急速なロンド、フーガを交えながら、管弦楽の咆哮でクライマックスとなって終わります。
第5楽章で使用される鐘(カリヨン)について 演奏者でないと撮れない興味深い動画があったので、アップさせていただきます。舞台裏の光景です。指揮のタイミングを見て、二つの(GとC)のカリヨンが叩かれています。貴重な映像です。ありがとうゴザイマシタ。
ベルリオーズ:幻想交響曲【ディスク情報】
1958年 モントゥー ウィーン・フィル Dec
1959年 カルロ・ゼッキ チェコ・フィル SUP
1958年 クリュイタンス フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1959年 パレー デトロイト交響楽団 Mer
1959年 ビーチャム フランス国立放送管弦楽団 EMI
1961年 マルケヴィッチ コンセール・ラムルー管弦楽団 G
1963年 クレンペラー フィルハーモニー管 EMI
1967年 ミュンシュ パリ管弦楽団 EMI
1969年 プレートル ボストン交響楽団 R
1972年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1973年 マルティノン フランス国立放送交響楽団 EMI
1973年 小澤征爾 ボストン交響楽団 G
1974年 C・デイヴィス コンセルトヘボウ管弦楽団 Ph
1974年 カラヤン ベルリン・フィル G
1976年 プレヴィン ロンドン交響楽団 EMI
1976年 バーンスタイン フランス国立管弦楽団 EMI
1977年 マゼール クリーヴランド管弦楽団 SC
1978年 バレンボイム パリ管弦楽団 G
1981年 クーベリック バイエルン放送響交響楽団 ORFEOR
1982年 マゼール クリーヴランド管弦楽団 TELARC
1983年 アバド シカゴ交響楽団 G
1984年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1984年 ケーゲル ドレスデン・フィル DS
1984年 バレンボイム ベルリン・フィル SC
1984年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 EMI
1987年 インバル フランクフルト放送管弦楽団 De
1989年 ドホナーニ クリーヴランド管弦楽団 Dec
1989年 スクロヴァチェフスキ ロンドン交響楽団 CHANDOS
1989年 プラッソン トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 EMI
1990年 レヴァイン ベルリン・フィル G
1990年 C・デイヴィス ウィーン・フィル Ph
1991年 ヤンソンス コンセルトヘボウ EMI
1991年 ガーディナー オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティク Ph
1992年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1993年 ミョンフン パリ・バスティーユ・オペラ座管弦楽団 G
1993年 メータ ロンドン・フィル TELDEC
1993年 クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団 DENON 未掲載
1993年 ビシュコフ パリ管弦楽団 Ph
1994年 シモノフ スロヴェニア・フィル BERLINN
1995年 バレンボイム シカゴ交響楽団 TELDEC
1996年 ブーレーズ クリーヴランド管弦楽団 G
1997年 マイケル・ティルソン・トーマス サンフランシスコ交響楽団 R
1998年 ノリントン ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ E
2000年 P・ヤルヴィ シンシナティー交響楽団 TELARC
2002年 スクロヴァチェフスキ サールブリュッケン放送交響楽団 OEHMS
2002年 エッシェンバッハ パリ管弦楽団 Ph
2003年 ゲルギエフ ウィーン・フィル Ph
2008年 ドゥダメル ロサンゼルス・フィル G
2008年 ラトル ベルリン・フィル EMI
2008年 エサ=ペッカ・サロネン フィルハーモニア管弦楽団 Signum
2008年 ヨス・ファン・インマゼール アニマ・エテルナ・ブリュッヘ Zig-zag
2009年 ヤノフスキ ピッツバーグ交響楽団 PENTATONE
2010年 ムーティ シカゴ交響楽団 CSO00
2011年 レナード・スラットキン 国立リヨン管弦楽団 NAXOS
2011年 ロビン・ティチアーティ スコットランド室内管弦楽団 LINN
2013年 ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 BR
2015年 ハーディング スウェーデン放送交響楽団 HM
2016年 ガッティ コンセルトヘボウ管弦楽団 RCO
2018年 A・デイヴィス トロント交響楽団 CHANDOS
2018年 フィリップ・ジョルダン ウィーン交響楽団 Wiener Symphoniker
2019年 フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル HM
※ ただいま、所有しているCDを整理中です。聴くには気力・体力・時間等が必要で~ 泣き言を申し上げて申し訳ありませんが、適宜、拝聴しながら追記させていただきます。ご了承ください。
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