ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調【聴いてみよう】Stravinsky: Violin Concerto in D

目次 タップ・クリックしてね。

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調【YouTube】

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲 ヴァイオリン:セルゲイ・ハチャトゥリアン ミヒャエル・ザンデルリング 南西ドイツ放送交響楽団 ご存知の方も多いと思いますが、セルゲイ・ハチャトゥリアンさんは、1985年生まれのアルメニア出身のヴァイオリニストです。2000年シベリウス国際で優勝、2005年エリザベート王妃第一位という将来有望株です。Sergey Khachatryan Michael Sanderling SWR Symphonieorchester 23分00秒の動画です。出典:YouTube Strawinsky · Violinkonzert D-Dur · Sergey Khachatryan · SWR Symphonieorchester · SWR Kultur
Klassik | SWR Kultur

イザベル・ファウストさんの収録模様です。サワリだけ~ HMのCFみたいなモノです。ピリオド専門家のロトさんとのコラボです。ピリオドでストラヴィンスキー!? 出典:YouTube Stravinsky| Violin Concerto | Isabelle Faust & Les Siècles| Capriccio harmonia mundi music Isabelle Faust François-Xavier Roth Les Siècles 

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調【名盤・おすすめ】

ヴィルデ・フラング ペッカ・クーシスト ドイツ・カンマー・フィル 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 ヴィルデ・フラング ペッカ・クーシスト ドイツ・カンマー・フィル 2022年 Stravinsky: Violin Concerto in D Vilde Frang Pekka Kuusisto Die Deutsche Kammerphilharmonie Bremen

ヴィルデ・フラングさんは、1986年生まれのノルウェー出身のヴァイオリニストです。フラングさんの演奏は、活発な跳ねっ返りのような元気さがあります。多少、音に濁りが感じられますが、ツンデレ風の活発さ、意気が良いです。第2楽章のアリアは、遅めで、じっくりと攻めています。段々とストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲の演奏が増えてきたようで、とっても嬉しいです。CDカップリング:ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲。ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 2022年 出典:YouTube Violin Concerto in D Major, Op. 8 ヴィルデ・フラング – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

イザベル・ファウスト フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル 😲

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 イザベル・ファウスト フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル 2021年 Stravinsky: Violin Concerto in D Isabelle Faust François-Xavier Roth Les Siècles

ファウストさんの演奏は、細部にわたって突き詰めて、全ての音化されているような感じです。精密機械のように刻まれていきます。まるで、スケルトンの腕時計を覗き込んで、一枚一枚パーツを取り出して、眺めることに夢中になっているかのよう。第3楽章は、特に、そう感じます。これが、ファウストさんのアプローチだと思うし、それは貴重なことなんだと思いますが、不遜にも、これでは、おもろくないやん~と思ってしまいました。

もっと、野蛮に掻き鳴らして欲しかった気がします。いや、ダメだよねえ。そんなアプローチで、ファウストさんが演奏する筈がないですよね。理詰めすぎて、ワタシとはちょっと相性が悪いようですが、精緻な演奏には変わりなく、うーん凄いという言葉しか出てこないです。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ミューズを司るアポロ アポロのヴァリアシオン、ヴァイオリン協奏曲、弦楽四重奏のための3つの小品、弦楽四重奏のためのコンチェルティーノ、バストラール、弦楽四重奏のための二重カノン 2021年9月~2022年録音 出典:YouTube Violin Concerto in D Major イザベル・ファウスト – トピック Provided to YouTube by PIAS

ダーヴィト・ネベル クリスチャン・ヤルヴィ バルト海フィル 😅

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 ダーヴィト・ネベル クリスチャン・ヤルヴィ バルト海フィル 2018年 Stravinsky: Violin Concerto in D David Nebel Kristjan Järvi Baltic Sea Philharmonic

ダーヴィト・ネベルさんは、1996年チューリッヒ生まれのヴァイオリニストです。これが実質、レーベルへの初録音にあたるのだと思いますが、ソニーも、しっかり若手をゲットしてますね。で、出だしのテーマ部分、音の間隔が違うんですね。メッチャ速い演奏で仰天してしまいました。これで、最後まで走ることができるのでしょうか。

で、第3楽章では、アハハ~ めちゃくちゃ前のめりで、オケをほったらかしで進むって感じです。なにも、こんなにスピードをあげる必要ないのに。アタマより指の方が勝手に走り出しているのかもしれません。でも~ 聴き手のワタシの頭のなかには、音符が詰まり気味となって、ついに、はみ出してしまいます。若い演奏家なので喜ばしいこととしてお聴きしましたが、ゆとりがなくって、正直なところ、ちょっと苦笑いです。今後のご活躍を祈念します。

CDカップリング:グラス ヴァイオリン協奏曲第1番、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 出典:YouTube Violin Concerto in D Major デイビット・ネーベル – トピック Provided to YouTube by Sony Classical/Sony Music

ギル・シャハム ディヴィッド・ロバートソン BBC交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 ギル・シャハム ディヴィッド・ロバートソン BBC交響楽団 2008年 Stravinsky: Violin Concerto in D Gil Shaham David Robertson BBC Symphony Orchestra

シャハムさんの演奏は、嬉しい企画で構成され、間違いなく楽しいものです。2枚組BOXのなかに、たくさんの演目が入ってて、クラシック音楽の近代史を見ているみたい。むふふぅ~という笑いを噛み殺す感じで、ありがたく拝聴しました。あまりの曲数の多さに喜び、一気に聴いてしまったので、ストラヴィンスキーの感想がぶっ飛んでしまいました。また再度お聴きします。スミマセン。こういう企画って、ありそうでなかったですよね。嬉しい。

CDカップリング:CDカップリング:1930年代のヴァイオリン協奏曲第1集2枚組BOX バーバー ヴァイオリン協奏曲 ロバートソン ニューヨーク・フィル 2010年、ベルク ヴァイオリン協奏曲 ロバートソン シュターツカペレ・ドレスデン 2010年、ハルトマン 葬送協奏曲 弾き振り セヨン・ソロイスツ 2013年、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 デヴィッド・ロバートソン BBC交響楽団 2008年、ブリテン ヴァイオリン協奏曲 ファンホ・メナ ボストン交響楽団 2012年 ちなみに第2集は、プロコフィエフ、バルトーク第2番です。出典:YouTube Concerto in D Major ギル・シャハム – トピック Provided to YouTube by harmonia mundi

ヒラリー・ハーン ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 😍

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 ヒラリー・ハーン ネヴィル・マリナー アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ 2001年Stravinsky: Violin Concerto in D Hilary Hahn Neville Marriner Academy of St. Martin-in-the-Fields

ハーンさんの演奏は、躍動感が抜群で、ゾクゾク、ワクワクしちゃいます。メチャクチャ楽しめる演奏です。第1楽章は、重音の響きで、キーっという変な和音が奏でられ、バンバンバンっ 弦がつま弾かれてスタートします。ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は、最初に聴いた際には、不協和音がタップリ入っているので、取っつきづらく、解りづらく感じたのですが、そのうちに、バラバラになっていた音が、集約されて、まとまり感がでてくる印象です。

で、速いっ とても速いです。短いフレーズが、バラバラになっていますが、不思議な引力で繋がっているみたいな、摩訶不思議な曲です。ヴァイオリンも、オケのオーボエやクラリネットの音が、ヴァイオリンと重なったり、一緒になってひとつのフレーズの部品になったりします。

バラバラで、関係のない音のようなのが、集約されて一つになる過程を見ているような感じというか、惑星のように、勝手な軌道を回っているのだけど、アハハ~ 関連あるのねと気づいたところで、パンっと終わってしまうというか。アハハ~ 面白いやん! という楽曲です。

第2楽章に入ると、冒頭、不協和音ポイ重音が、キーンっと響き、スタートします。これが、合図のようになって、バロックの楽曲のように聞こえたり、変奏曲のテーマに聞こえます。アリアと言われている所以のフレーズで、宗教曲っぽく、古めかしい装飾音が聞こえます。通奏低音のような響きをオケが受け持ち、不協和音で繋がっていきます。ヴァイオリンと、他の楽器とのコラボで、協奏曲というよりは、まるで室内楽のよう。時々、冒頭のヒステリーを起こしたようなフレーズが飛び込んできて、穏やかなフレーズを破壊します。

第3楽章は、カプリッチョで、躍動感にあふれています。弦をジャン ジャンっ かき鳴らしてくるフレーズがあり、そこに、ピラピラ~っと笛が吹かれるかのようなフレーズが被さってきます。ヴァイオリンをあえて使用しているのでしょうが、古めかしくもありしくもあり、具象画と抽象画の間のような雰囲気がします。

古風な仮面を被った、ゲンダイオンガクって感じですよね。スペインの風味で、フラメンコのような明るさと暗さ、陰陽を併せ持った激しい楽曲です。ヴァイオリンと一緒に演奏するのは、オケからは一つの楽器パートのみ担当しますって感じで、すっきりして聞こえてきますが、いや~複雑な旋律です。

ファゴットとのコラボ、トロンボーン、低弦のピチカートとのコラボって感じで、楽器の入れ替わりが行われている。まっ、カスタネットが使われていたら面白そう。聞き込むうちに、癖になっちゃうような面白さ。次に何が登場しているんだろう~と、クイズになりそう。ハーンさんのヴァイオリンは、ウキウキと弾んでて楽しげです。この第3楽章は圧巻のひとこと。総体的に、オケのすっきりさと見通しの良さが秀逸です。

第1楽章は、重めの楽章ですが推進力が勝り、第2楽章のアリアは親しみやすく、第3楽章は楽しく演奏されています。最後のワクワク感は、音符が跳ねているのが見えてきそう。ハーンさんの演奏を聴いていると、ポップな現代アートの世界ように感じます。ジョアン・ミロの抽象画とか、黒と赤、緑、青の原色でカラフルに彩られた抽象絵画のように感じます。とにかく、ワクワク、ドキドキ ひぇ~っと刺激を受け、理屈抜きで楽しい楽曲と演奏でした。ワタシは。ハーンさんのこの演奏で開眼し、ハマりました。

CDカップリング:ブラームス ヴァイオリン協奏曲、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 出典:YouTube Violin Concerto in D Major Hilary Hahn Provided to YouTube by Sony Classical

マキシム・ヴェンゲーロフ ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ ロンドン交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 マキシム・ヴェンゲーロフ ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ ロンドン交響楽団 1999年 Stravinsky: Violin Concerto in D Maxim Vengerov Mstislav Rostropovich London Symphony Orchestra

ヴェンゲーロフさんの演奏は、太くしなりがあり、大胆に跳躍しまくります。ゆっくりめのスタートですが、カチッとした楷書体の出だしで、最初の一音のあと、三つの音を力強く速めに、軋ませながら弾いています。落ち着いてて、丁寧に掻き上げている感じがします。スピード感は、ちょっと意外でした。

ストラヴィンスキーの不思議な温度感で、少し冷ための音が、あちこちから聞こえます。オケの方も、ファゴットのぼぼぼぼ~ 金管のぼぼぼぼ ぼぉ~という響き、低弦のボンボンという響き、ヴァイオリンの、チクタク、チクタクと鳴っている感じ、ピッコロの剽軽な音など多彩です。

最初は、オケの色彩感はモノトーンだと感じましたが、コミカルで陽気さが出てきます。金管が主題を吹いているときは、カシャカシャ鳴っているヴァイオリンですが、キッキっと笑い、引っ掻く音を出すときのヴァイオリンは、語尾をあげたり、震えを加えたり、色を変えて添えています。

ヴァイオリンの多彩な弾き方が、微妙に、音の色彩感を変化させますね。でも、ヴァイオリンは、すまし顔。あまり表情を出してきません。無表情で~ いつもなら、もっと濃厚な表情をつけて演奏しているヴェンゲーロフさんですが、淡々と弾いています。

第2楽章 バンバンバン・・・ うっ 指から血が出そうっ。ヴァイオリンの軋んだ音と、木管、金管のコラボが、コミカルというか、少しおどけた雰囲気です。中間部のアリアは、しっとりと歌いあげて静寂感でいっぱいに。ヴァイオリンの揺れ具合が、音の広がり感を生みます。しっとり絡んで広がっていきます。

第3楽章は、快速スピードで駆け抜けて欲しいところですが、そうでもなかったです。ヴェンゲーロフさんで、ゆっくりとは、ちょっと拍子抜け。野趣あふれる演奏が聴けると期待していたのですが、ちょっと違ってました。オケの方がもっさりしているのかな~(と、高齢のロストロさんのせいだと決めつけ?)ワクワクする跳躍が少なく、残念でした。やっぱりもう少し速い方が、ノリ感があって良かったです。

CDカップリング:シチェドリン: ヴァイオリン協奏曲「コンチェルト・カンタービレ」、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー 憂うつなセレナード(作品26) 出典:YouTube Violin Concerto in D Major
ロンドン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ヴィクトリア・ムローヴァ エサ=ペッカ・サロネン ロサンゼルス・フィル 🙄

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 ヴィクトリア・ムローヴァ エサ=ペッカ・サロネン ロサンゼルス・フィル 1997年 Stravinsky: Violin Concerto in D Viktoria Mullova Esa-Pekka Salonen Los Angeles Philharmonic Orchestra ★ 第2楽章が、前半と後半に区分されています。

録音状態は良い。オケは色彩的なのだが、このジャケット写真のように、どこか疲れているのか、ヴァイオリンに覇気がなく淡々と演奏されている。ワタシとの相性が悪いと思うのだが~ 楽しく聴こえてこなかった。ムローヴァさんのヴァイオリンは、ワタシとは相性が悪いようで、ど~も、イマイチ楽しくないのである。ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲も、何度か繰り返して聞いたのだが~う~ん。何度聞いても、なんとも~ 心が躍らないというか、ワクワクしないというか、なんで聴いているのかワカラナイ状態になってきて苦痛になってくるというか。腹が立ってくるというか、 ついに、ぶちっと、スイッチを切ってしまう羽目になってしまう。

ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は、重音の響きで、がっ キーっ!という変な和音が奏でられた後、バンバンバンっと弦がつま弾かれて始まる。旋律よりも、まずは、リズム重視で、がっつりつかまれてカラダが踊り出してくる原始的なところがあり、この歯切れの良いリズムで、ワクワクさせてくるというか、乗せられるというか、とにかく理屈抜きで走り出すパワーがある。で、そこに幻想的というか、古めかしい、バロック調のスパイスが入ってきて、苦笑いさせられるような皮肉っぽさとか、悪ガキっぽさというか、すぐに解るような嘘っぽさとか、人間臭さみたいなのが聞こえてくるのだ。

ムローヴァさんの古風さは、とても気持ちの良いものだが、雑な風合いもあるし、幾何学模様のような現代的な色彩もあるように思うのだが~それを、さっと無視されて、あまり無機質にされちゃうと、興ざめ・・・なのだ。(と、ワタシは感じる)ちょっと、カッチリ、弾いているような気がする。 ムローヴァさんのヴァイオリンは、どこか、きまじめというか、ゆとりというか遊びというか、それがあまり感じられないのだ。聴いてて、息苦しいというより、淡々とされている。楽曲によっては、 盛り上げるところがある筈だと思うのだが、ストイックなのかもしれないし、う~ん。やっぱ相性なのかも。どこか納得できないなあ。

ヴァイオリンと絡んで、コラボしてくれる各楽器も、絡みを楽しんでない感じがして、つまらなさそう~というか。 無気力というか、双方ともに、ツンデレなのは良いけど、聴いているほうは、ん? 3楽章にワクワク感が少ないとは。かなり、がっかりしてしまった。せっかくヴァイオリンを弾いているのに・・・。ムローヴァさんの演奏を聴いていても、どうもイメージが膨らまないですねえ。色彩感が乏しいのかなあ。柔らかな弾力性のある演奏の方が、やっぱ、ワタシ的には、好きですね。ハーン盤だと、ラスト、ものすごい躍動感がたっぷりで~ メチャ楽しくなるのに、ムローヴァ盤は、どうも精彩に欠ける傾向にあるようで~ ちょっと残念な気持ち。また、改めて時間を経てから再挑戦して聞いてみます。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲、バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番 出典:YouTube Stravinsky: Violin Concerto in D ヴィクトリア・ムローヴァ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

シャンタル・ジュイエ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 シャンタル・ジュイエ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1992年 Stravinsky: Violin Concerto in D Chantal Juillet Charles Dutoit Montreal Symphony Orchestra
★ 第2楽章が、前半と後半に区分されています。

録音状態は良い。適度に粘りがあり、土俗性も感じさせられ、さしずめ、熱帯系植物が生えているなかを歩いているような感じがする。シャンタル・ジュイエさんはカナダ出身のヴァイオリニストである。あまり知名度は高くないように思うが、デュトワさんの今の奥さんでもある。 過去にデュトワさんは、アルゲリッチ姉さんとも結婚していたけど、、、ジュイエさんとは4回目だっけ。 まっ そんなことは、どーでも良いんだが~ このCDは、カップリングされているシマノフスキーのバイオリン協奏曲を聴きたかったため買ったもの。でも、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲も、とっても良い楽曲で、とっても楽しめ、一時期マイブームであった。低音の弦の響きが、心地良く、ガシっ バンバンバンっと弾かれていて、そのうえに、香り高い金管が乗っかってくる軽めのサウンドだ。弦のノビが良い。音質は、やっぱりモントリオール響の響きだけあって、良いな~って思う。

弾み方が、ものすごく良いのだ。「タラララ ラッタッタぁ~ タラララ ラッタッタぁ~」細かな高音域の弾むヴァイオリンの音色と、巻き舌風の「タラ らら~」っていう、コミカルなリズムが、ホント心地良く、なかなかに面白い。ホントは、 あまり期待していなかったのだが、おおっ、こりゃ~楽しいっ。 ハーンさんのヴァイオリンは、文句ないほどに良い演奏だし、透き通る良い録音だった。クールなゲンダイ音楽っぽい感じがして、ちょっと破壊的な感じもしたが、このジュイエ、デュトワ盤は、暖かい音質で、密度が高そうなのに、軽やかさがあり、暑苦しくないオケだ。

どことなく、柔らかさがあり、即興的なジャズぽさを感じさせてくるので、楽しさが感じられる。ヴァイオリン協奏曲というよりは、楽しい即興性の高い、柔らかいスウィング調のある演奏である。音が弾んで、飛んでいってしまいそうな空中戦を演じてくれる。 確か、バロックの音楽をもじったような曲だと思っていたんだけど~ ワタシの耳は、ジャズっぽい感覚を拾ってしまうのだが、え~っ 大丈夫?ワタシの耳?

2楽章 ジュイエ盤では、この2楽章を2つに区分している。不協和音がオブラートに包まれて、こっちの方が、宗教音楽っぽく聞こえるが、不協和音の塊でもなく、ガシガシした感覚より、波打つ揺れる音が、横に、縦に流れてくる感じが面白い。金管のところどころに、「ふぁぃ~」「ふぁぁ~」と響く、アクビのような音が面白いし、ねちっこさも適度にあって、聴きなれない、ちぐはぐな音が、音階のように吹かれたり、弦が、お尻を引きずっていたり、パンっとはじけたり、縦横無尽に空間で動いているのが見える。強いタッチの響きで、ところどころフレーズが締められ、まとまりを得るのだが、まあ~ それより遊びましょ。という軽いタッチが面白い。ねばっこくなく、感覚としては、パラパラした乾いた音と、ところどころに飛翔する音が交じって、いかにも軽やかに空想的に遊べる。

クラシカルな音が、悲鳴をあげたあとに、ふわーっと流れてくる。総体的に言うと、柔らかく弾力性のある音がして、暖かさと、夜のイメージを醸し出す。なかなかに色気の漂う演奏で、そこに、ふわ~っと生暖かい古風な風が吹いている。「ふぁ~ しらそふぁ~ らそふぁ そぉ~そふぁみ みどれぇ~」という古風なフレーズが、優雅に、たれ~っと間に入ってくる。 少し、怪しげな空気感があり、くね~っとしたヴァイオリンのソロが、なめるように這ってくる。ハーン盤が、具象と抽象画の間のような感覚だったのに比べて、う~ん。動物的とまでは行かないけれど、チロチロと舌を出す蛇のような感じもして、幾分、熱帯林のなかで迷子になった感覚だ。どこか、土俗的で、原野のなかを裸足で歩いているような感じがする。

まるで、密林のなかで、いろんな動物や鳥が鳴いている感じがするのだ。へえ~ この曲って、聴く側の受け止め方で、まったく違う次元が広がっていく。 都会的なセンスは、ほとんど感じないんだが、ワクワクしながら、自然感がたっぷり味わえる。もう少し、ソロ・ヴァイオリンのテンポが速めで、弾力が出てくれば、もっと、ワクワクするかもしれないけれど、なかなかに色彩的だ。 濃い緑豊かな空間で、湿度もあって、観葉植物のなかで遊んでいる感覚に近い。 う~ん。さしずめ、植物園の熱帯雨林のなかを歩いているような感覚か。 色彩感もあるし、柔らかく、ふわ~っとした感覚と軽妙さ、怪しげな生暖かい空気感が漂う。 このジュイエ盤は、ヴァイオリン・ソロを楽しむというよりは、オケの方が面白いかなあって思うが、全体的なまとまり感もあるし、なかなかの名演だと思う。

3楽章 躍動感にあふれた演奏で、弾んで弾んで~ シャンシャンシャンっとかき鳴らしていく。ちょっと、もたっとした感じもしないでもないけど、金管が、柔らかく寄り添ってくるところもある。「しらそふぁ しらそふぁ~ ふぁみ ふぁみ ふぁみ」巻き舌風に、「っど~しどっ っとぉ~し どっ」っと切れるところとから、リズムが、メチャメチャ舞踏風なのである。フラメンコを踊っているような、バンっと、圧をかけた、弦の音。シコを踏んでいるような感覚だが、ジュイエ盤は、ちょっと軽めすぎるかなあ。

そのかわり、艶のあるオケの音が支配的。高音域の弾み方や、低音のゴンゴンっというオケの響きで、弦のかき鳴らす大きな音のコラボが行われている。この楽章は、もっと、もっと躍動感が欲しいところだけど、キレがイマイチかな。中間部で、ちょっと、タレちゃった。で、足を引きずり気味なところが、ちょっと気になるが~ もっと、速めのテンポで、弾ききられたら、こりゃ~たまらんのですけどね。ヴァイオリンの高音域のフレーズは、とっても綺麗だ。オケの方は、もう少しためて粘れる筈だろうけど、いやにアッサリ行かれた感じがする。でも、楽しい楽曲だから、許しちゃえるんですけどね。あーっ いつ聴いても楽しい曲である。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲、シマノフスキー ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番
出典:YouTube Stravinsky: Violin Concerto in D シャンタル・ジュイエ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

フランク・ペーター・ツィンマーマン ジャンルイジ・ジェルメッティ シュトゥットガルト放送交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 フランク・ペーター・ツィンマーマン ジャンルイジ・ジェルメッティ シュトゥットガルト放送交響楽団 1990年Stravinsky: Violin Concerto in D Frank Peter Zimmermann Gianluigi Gelmetti Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR(Stuttgart Radio Symphony Orchestra)★ 第2楽章が、前半と後半に区分されています。

楷書体だが、多彩なフレージングを、軽やかに演奏している。1楽章冒頭、ギーッと、大きく弓を弾いた音が聞こえてきて、「みれみふぁ みっみっみっ みれみふぁ みっみっみっ  みれみふぁ みぃ~」と、楷書体のフレージングで、カッシ カッシと刻みを入れて行く。オケの方は、木管のコミカルな音が、しっかりと聞こえる。無機質なリズム、そこに金管の華やかな音が重なっていく。低弦のボンボンっと弾む音は、少なめ。音が止まって、ヴァイオリンの引っ掻くような音が鳴ってきたり、とても忙しいのだ。初めて聴くと、テンデバラバラな感じなのだが~ 多彩すぎるほど多彩な楽器が、入れ替わり立ち替わり登場して、いろんな音を発して、通り過ぎていく。当盤は、あまり色彩感が豊かではない。金管のフレーズは面白いのだが、テンポの入り方が、きまじめで、ノビ感が控えめで、淡々と弾いている感じがする。オケは、低弦の響きが、もう少しあれば、厚みがあったような気がする。

2楽章 しぃ~ バンバンバン・・・ ヴァイオリンの軋みが繊細で、フルートの音と絡んだ時に、ふわーっと浮いており、幻想的だ。細切れのフレーズが、宙を飛んでおり、木管の音は、無機質っぽい。音が、宙をさまよっている感じがするものと、地を這っているものと、雨粒のように落ちてくる感じのするものと、う~ん、点のように置かれてようなものが、点在しているような感じ。どこか散漫な気がするというか、核になるというか、柱になるモノがないというか。まあ、この楽章は、こんな感じで良いのかもしれないけど。ヴァイオリンとの絡みとしては、どうだろう。当盤は、2楽章を2つに区分して、後半のアリアを分割して、インデックスされている。

「しぃ~ しらそ ら~ らそふぁ そ~ そふぁみ みどれ~ どれどれ どしど~」っと、ヴァイオリンが、そろっと、悲しみを押し殺したようなフレーズだったのに、オケは、甲高い声をあげている。ちょっと、驚かされるような音量だ。ツィンマーマンさんのヴァイオリンは、なかなかに繊細で、穏やかに~ このアリアの歌い方は、心に滲みる。抑制された表現のなかに、楚々とした祈りのような気持ちが出ている。

3楽章
この楽章は、舞曲風で、のびやかで、高揚感のあふれるもの。ツィンマーマンさんのヴァイオリンは、楷書体で、カッチリ~ 音を正しく制御している感じ。舞曲の煽られたフレージングのなかで、オケと一緒になって、音を飛ばしている。舞曲風の主題のリズムの方も、なかなかに快調に飛ばしてて、面白いのだが、ツィマーマンさんの演奏は、穏やかな、ちょっと、落ち着いた場面での、オケとのコラボの方が、耳がそばだつ。口笛を吹いているかのようなフレージングとか、金管との滑るような音のコラボとか、聴きどころは多い。ちょっと、マジメ~なので、ハーン盤のように、カーッと熱くならない。むしろ、演出過剰にならず、丁寧に、細かい場面を、きっちり描いているように思う。
で、多彩な場面を、オケと一緒になって、色彩感豊かに、細かに、軽やかに、聴かせてくれているような気がする。描写力は、太い一筆書きではなく、緻密に書かれた感じなので、ある程度、聞き込んでから、ツィマーマン盤を聴くと、より一層、細かな音符が見えてくるようになって、良いかもしれない。

CDカップリング:ベルク ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲、ラヴェル ツィガーヌ 出典:YouTube Stravinsky Violinkonzert in D フランク・ペーター・ツィンマーマン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

アンネ=ゾフィー・ムター パウル・ザッハー フィルハーモニア管弦楽団 🙄

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 アンネ=ゾフィー・ムター パウル・ザッハー フィルハーモニア管弦楽団 1988年 Stravinsky: Violin Concerto in D Anne-Sophie Mutter Paul Sache Philharmonia Orchestra of London ★ 第2楽章が、前半と後半に区分されています。

ムターさんの演奏は、力強く歌うものですが、もう少しワクワクする愉悦性の高い演奏だと思っていたのですが、意外と硬めの真面目な演奏でした。えへ、エキセントリックで、ダイナミックだと勝手に予想していました。また、色彩的に鮮やかで、春の祭典のような原始的な雰囲気を、勝手に求めていたのかもしれません。そういう意味では、予想が外れてしまいました。ストラヴィンスキーさんのカメレオン的な作品変遷からすると、もう少し新古典として聴くべきでは? という声もあるかもしれません。どうでしょう。

何度か聴き直してみましたが、ヴァイオリンが、打楽器のように使われているような、チェンバロンのような気がします。弦のフレーズを主体とした、従前の楽曲ではないですよね。舞曲、民族音楽の伴奏っぽく聞こえますし、いや、まさしくそれでしょう。ヴァイオリンと、オケの各パーツとの掛け合いは、なんだか人の会話のようにも聞こえます。多彩な楽曲であるがゆえに、方向性が決めきれなかったような気がします。

CDカップリング:デュティユー 同じ和音の上に ~ヴァイオリンと管弦楽のためのノクターン~ マズア フランス国立管弦楽団 2003年、バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番 小澤征爾 ボストン交響楽団 1991年、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 パウル・ザッハー フィルハーモニア管弦楽団 1988年

ムター・モデルン 現代ヴァイオリン作品集3枚組BOXのカップリング:ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 パウル・ザッハー フィルハーモニア管弦楽団 1988年、ルトスワフスキ パルティータ ピアノ:フィリップ・モル 1988年、ルトスワフスキ チェーン2 ルトスワフスキ BBC交響楽団 1988年 バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番 小澤征爾 ボストン交響楽団 1991年、モレ「夢に」1991年 ベルク ヴァイオリン協奏曲 レヴァイン シカゴ交響楽団 1992年、リーム 「歌われし時」 ~アンネ=ゾフィー・ムターに捧ぐ~ 1992年 出典:YouTube Stravinsky: Concerto en re For Violin And Orchestra Anne-Sophie Mutter Provided to YouTube by Universal Music Group

ジャン=ジャック・カントロフ ブライデン・トムソン ロンドン・フィル 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 ジャン=ジャック・カントロフ ブライデン・トムソン ロンドン・フィル 1987年 Stravinsky: Violin Concerto in D Jean-Jacques Kantorow Bryden Thomson London Philharmonic Orchestra ★ 第2楽章が、前半と後半に区分されています。

1楽章 カントロフさんのヴァイオリンは、音色が淡い感じがする。いつもなら、ふんわか~した、おフランス系楽曲を聴かせていただいているのだが、冒頭から、思いっきり、鋭い弾きを聴かせてくれる。「みれみふぁ みっみっみっ みれみふぁ みっみっみっ  みれみふぁ みぃ~」で、かしげたように、ガシガシ、カッシカッシと跳躍する。ハーン盤のうに、テンポは速くないし、バリバリに、キツメには弾かれていない。録音状態もそうなのだが、どこか、ふわっとしてて、中間部に至ると、すこし、もわもわ~っとした部分が出てくる。

最初に聴いた時には、え~ もっさりしているな~っと、正直なところ、そう思った。 ハーン盤の鋭い、駆け抜けるような演奏が、とても面白く、印象強いためだと思う。どうしても、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲は、ハーン盤で決まりって感じがするのだ。トムソンさんが振るバックのオケは、柔らかく、木管や低弦など、内声部の響きが、とても良く聞こえてくる。木管は、パパパパ・・・ みれみふぁ みぃ~ チャッチャッチャッチャッ・・・というような伴奏の音型が、ずーっと続いているのだが、低弦の響きが大きめに収録されていることもあって、オケの方に耳が行ってしまう。オケのなかに一緒になって弾いているヴァイオリン演奏という感じがする。まあ、演奏者相互の解釈なのだろうが、室内楽風というか、室内楽の演奏会のようだ。

2楽章 タメ感が少なめで、淡々と進んでいるようで、幾分、面白さが減じてしまった。1楽章と同様に、オケの内声部が気になるというか、伴奏の音が珍しく、新鮮に感じる。ある意味、ソロ・ヴァイオリンと、オケの楽器のコラボ感が、手に取るようによくわかるという感じ。 ヴァイオリンだけでなく、奥まったところで、ずーっと鳴いているような鳥の声のようなフルートとか、幻想的に吹かれるファゴットの音とか。テンデバラバラの弦のつま弾く音など。最初に聴くと、なんだー こりゃ・・・となること、間違いなしって感じだろうなあ。当盤は、中間の2楽章のアリアを分割して、全4楽章としてインデックスされている。「しぃ~ しらそ ら~ らそふぁ そ~ そふぁみ みどれ~ どれどれ どしど~」っと、悲痛な叫びを上げているが、そこまで訴求力はないかもしれない。抒情的というよりも、幻想的な雰囲気が漂う。

3楽章 「しらそふぁ しらそふぁ~ ふぁみ ふぁみ ふぁみ」巻き舌風に、「っど~しどっ っとぉ~し どっ」っと、タカタカタカタカ・・・と、リズムが舞踏風で、軽やかに舞っている。カントロフさんのヴァイオリンは、しなやかで、柔らかく、優しい。ハーン盤のような、ドスコイ節ではなく、フラメンコを踊っているような感じで、足をバンバンっと、強く踏まない。そのかわり、音色がとても多彩で、オケの音、特にフルートの音と絡み合って、倍音のように聞こえてくる。また、チャーミングに歌うところもあって、かなり繊細な表情づけがなされている。

チェンバロンの音に近いというか、カシャカシャって感じで、音をつま弾く感じ。ギターの音色に近い感じに思えるところもあり、聴いてて、なかなかに楽しいし、明るく、愉悦性も十分に感じられる。めらめらと火柱をあげて、突き進むような演奏もいいけど、ゆったり、いろんな色彩を楽しむような演奏だ。最初に聴くと、いろんな音が耳に入っててきて、整理できないかもしれない。とても、ややこしい、もさっとした演奏だとして片付けてしまうかも。カントロフ盤は、いろんな演奏を楽しんで、最後の締めに~という感じの演奏だろうか。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲、チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 出典:YouTube Violin Concerto in D ジャン=ジャック・カントロフ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

イツァーク・パールマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 イツァーク・パールマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 1978年
Stravinsky: Violin Concerto in D Itzhak Perlman Seiji Ozawa Boston Symphony Orchestra

パールマンさんの演奏は、艶っぽく苛烈に演奏されます。ノビというよりねじれて絡むような感覚で、とろり感があります。もう少しさっぱり系の演奏が、最近の演奏の傾向のように思いますが、粘りがあって、腰がありますね。久々に聴いたのですが、キョンファさんのヴァイオリンと比べて、この粘りと艶っぽさにうっとりしていた記憶があります。

キョンファさんの苛烈過ぎて、ガッチガチになりそうなところを溶かしてもらっていた感じです。特に、第3楽章の跳躍ぶりに美しさを感じたり、しなやかな跳躍に美しさを感じていました。パールマンさんの音色には、やっぱり、人を惹きつける艶っぽさがあり、それが、どんな曲であっても大きな魅力だと思います。

CDカップリング:ベルク:ヴァイオリン協奏曲、ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ調 1978年 出典:YouTube Stravinsky: Violin Concerto In D マックス・ホウバート – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

チョン・キョンファ アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 😅

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調 チョン・キョンファ アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1972年 Stravinsky: Violin Concerto in D Kyung Wha Chung · London Symphony Orchestra · André Previn

チョン・キョンファさんの演奏は、苛烈です。まるでパンチで殴られている感じがします。表情が露出しすぎて、聴いててつらくなってくるところがあって、このストラヴィンスキーにおいても、キーっと鳴ってテンションがあがります。しなやかさとか、腰の柔らかさとは、ちょっと違ってて、一直線にスピードある音が飛んできます。

それも、構える暇もなく、目の前ど真ん中! そんな感じです。聴いているうちに、眼がチカチカしてくるような音で、余裕のある美しさ、うっとりする暇もないのです。超絶ウマイとは思うのですが、色彩感を感じる暇もなく、圧倒的な掻き鳴らし音で、ワタシの駄耳は、ついにノックダウンしてしまいました。この超テクについていく能力をワタシは鍛えないといけません。

CDカップリング:プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番、第2番 1975年、ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 1972年録音 出典:YouTube Stravinsky: Violin Concerto in D チョン・キョンファ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調【解説】

ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲二調は、1931年に作曲され同年初演されています。ストラヴィンスキーは、ピアノと管楽器の協奏曲、ピアノと管弦楽のためのカプリッチョ、この2つの作品は室内オケのための合奏協奏曲です。そして、普通のオケとの協奏曲としては、ここでご紹介しているヴァイオリン協奏曲、小編成の合奏協奏曲「ダイバートン・オークス」、クラリネットとジャズバンドのための「エボニー協奏曲」、弦楽のための協奏曲ニ調(バーゼル協奏曲)があります。意外と、協奏曲の分野の作品は、少ないという気がします。

さて、このヴァイオリン協奏曲は、三つの楽章ですが、中間の第2楽章のアリアは、前後に分かれており、多くの演奏CDでは、4つのインデックス(トラック)に区分されています。
第1楽章 トッカータ ニ長調を基調とした、自由な形式によるトッカータです。
第2楽章 アリア I/II 第1のアリアはニ長調、第2のアリアは嬰ヘ短調です。
第3楽章 カプリッチョ ニ長調 全部で、約22分の楽曲です。

新古典主義と呼ばれる時期に作曲されているので、ゲンダイ音楽っぽいのですが、バロック風のフレーズも垣間見られて、まずまず聞きやすい曲です。特に、第2楽章のアリアは、宗教曲的な響きがするものの一筋縄ではいきません。前半は、とっても活発で、切れ味鋭く斬新です。また、第3楽章では、まるで、チェンバロンかギターのように、弦をジャン ジャンっと、掻き鳴らすような音がします。絵画で例えるならば、原色を使った抽象絵画のようで、ポップな感じがします。決して、不快になるような楽曲ではなく、古典というスパイスを効かした現代音楽という感じでしょうか。色彩感豊かで、躍動感ある楽曲で、かなり魅力的なヴァイオリン協奏曲です。聴いたら面白いと思います。

ストラヴィンスキー:ヴァイオリン協奏曲二調【ディスク情報】

1972年 チョン・キョンファ プレヴィン ロンドン交響楽団 Dec
1978年 パールマン 小澤征爾 ボストン交響楽団 G
1987年 カントロフ B・トムソン ロンドン・フィル
1988年 ムター ザッハー フィルハーモニア管弦楽団 G
1990年 ツィンマーマン ジェルメッティ シュトゥットガルト放送交響楽団 EMI
1992年 シャンタル・ジュイエ デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1997年 ムローヴァ サロネン ロサンゼルス・フィル Ph
1999年 ヴェンゲーロフ ロストロポーヴィチ ロンドン交響楽団 EMI
2001年 ハーン マリナー アカデミー室内管弦楽団 SC
2008年 シャハム ディヴィッド・ロバートソン BBC交響楽団 Canary
2018年 ダーヴィト・ネベル クリスチャン・ヤルヴィ バルト海フィル SC
2021年 イザベル・ファウスト フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル HM
2022年 ヴィルデ・フラング ペッカ・クーシスト ドイツ・カンマー・フィル Warner

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次 タップ・クリックしてね。