ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容【YouTube】
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 アラン・アルティノグリュ hr交響楽団 2021年8月28日のコンサートの模様です。22分09秒の動画です。
Alain Altinoglu hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony 出典:YouTube Hindemith: Sinfonische Metamorphosen ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Alain Altinoglu
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ディーマ・スロボデニューク 南西ドイツ放送交響楽団
2016年10月のコンサートの模様です。21分38秒の動画です。
Dima Slobodeniouk SWR Symphonieorchester 出典:YouTube Paul Hindemith: Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber | SWR Symphonieorchester Klassik | SWR Kultur
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容【名盤・おすすめ】
マレク・ヤノフスキ ケルンWDR交響楽団 🥰
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 マレク・ヤノフスキ ケルンWDR交響楽団 1967年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers
Marek Janowski WDR Sinfonieorchester Köln
ヤノフスキさんの演奏は、速い、えっ、速いやん! 颯爽というより、勝手にさっさと走って行きます。今回、サブスクを利用して拝聴したのですが、再生速度を確認したほど。木管のフレーズは、しっかり聞えているし、意外と見通しは良いです。第2曲冒頭の蛙の鳴き声みたいな音も、アハハ~って笑えるほど。この曲は、断然、弦より、木管と金管の活躍が楽しいです。テンデバラバラの格好なんだけど、なんか意外とまとまりが良いんですよね~。軽快で、金管とティンパニーの迫力もあって、コミカルです。
多彩な打楽器群 カリヨン、大太鼓、銅鑼も~ ここぐらいは普通に聴けるのですが、ん まだ居るよね。ってわけで 改めてWikipediaで調べると、すごい数! ティンパニ以外に打楽器3名で、バスドラム(大太鼓)、スネアドラム(小太鼓)、テナードラム、銅鑼、タンブリン、トライアングル、ウッドブロック、小ゴング、シンバル(大、小)、チューブラベル(NHKのど自慢の合否の鐘)、グロッケンシュピール(鉄琴)だそうです。ひっ 3人でこれだけの楽器を演奏するのぉ、と、またまたドングリマナコになりました。
まあ、第3曲はお休みモードですが、続いて第4曲はマーチになるので、またまた忙しいですね。正直、ヤノフスキさんの演奏でなくでも、この楽曲は大好きなので、誰の演奏でも結構楽しめちゃうワタシですが。冒頭のスピードには参っちゃったけれど、軽快、見通しの演奏を聴くと超嬉しくなります。ヤノフスキさんの演奏 合格っ!二重丸です。(偉そうに言っちゃう)ホント、この曲を振る指揮者の耳って、脳味噌って凄い処理能力なんだろうなあ。一度、生コンサートで聴きたい曲の一つです。
CDカップリング:ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容、組曲「気高き幻想」、弦楽合奏と金管のための協奏音楽(ボストン交響楽団)2017年 出典:YouTube Symphonic Metamorphosis After Themes by Carl Maria von Weber ケルンWDR交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
クリストフ・エッシェンバッハ 北ドイツ放送交響楽団
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 クリストフ・エッシェンバッハ 北ドイツ放送交響楽団 2012年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Christoph Eschenbach Orchestra: North German Radio Symphony Orchestra
エッシェンバッハさんの演奏は、最初、テンポが合わなかったのかなあ。オケの方が心持ち速い気がします。一瞬なんで、すぐに揃うんですけどね。途中で、足元が、もつれそうになっている感もします、テンポ設定の反りが合わなかったかもしれません。(ワタシの勝手な想像です)第2曲の木管は、透き通るようで美しい~です。パーカッションの音も多彩に収録されており満足度の高いものです。世の中の哄笑をみんな集めて、木管で再現しているかのような振る舞いで、にひひぃ~と一緒に笑えてしまうほど面白い場面ですね。
CDカップリング:ヒンデミット作品集 ウェーバーの主題による交響的変容、ヴァイオリン協奏曲 五嶋みどり 2012年、弦楽と金管のための協奏音楽 2011年録音 出典:YouTube Hindemith: Symphonic Metamorphosis Midori
Provided to YouTube by NAXOS of America
ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル 2000年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Yan Pascal Tortelier BBC Philharmonic Orchestra
トルトゥリエさんの演奏は、ティンパニの揺れと、各楽器のパーツが、てんでバラバラに鳴って聞こえてくる感じなのですが、旋律が複雑に交錯しているところが面白く感じられます。最初に聴くには、ちょっとマズイかもしれませんね。耳がどこに焦点を当てたらよいのか迷って定まらないので、なんじゃーこりゃ。わからん!と叫びそうです。でも、これ面白いです。木管パーツが見えてきますから。あわてて、これ、何が鳴っているんだ!と、気になるほどに、てんでバラバラです。(良い意味で)旋律に関しては、主従関係はないみたいですね。
CDカップリング:ヒンデミット 弦楽と金管のための協奏音楽(作品50)、ヴァイオリン協奏曲 レオニダス・カヴァコス ウェーバーの主題による交響的変容 2000年 出典:YouTube Symphonic Metamorphoses on Themes by Carl Maria von Weber BBCフィルハーモニック – トピック Provided to YouTube by PIAS
エサ=ペッカ・サロネン ロサンゼルス・フィル 🙄
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 エサ=ペッカ・サロネン ロサンゼルス・フィル 1999年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Esa-Pekka Salonen Los Angeles Philharmonic Orchestra
サロネンさんの演奏は、意外とゆったり始まります。ワタシ的には、スピードは速く、クールな演奏を予想していたのですが、意外にもスローで、ソフトな響きがします。ライブだったっけと確認しましたが違うし。旋律は均質感がありますが、イマイチ分離しきれてない感じがします。バスドラ(大太鼓)は、ドンシャリ傾向です。
第2楽章は、複雑に音がバラバラしてしまうのですが、奥行きがなくペタンとしており、低音が、なんでこんなにドスンなのかと思うほど。金管のジャズ風味は素敵ですが、総体的には、均質感があります。リズムの揺れとか、音の出し入れは、これがベストなのでしょうか。おちゃめ感が少なく、素っ気ない演奏です。ジャズ要素に取り入れ、せっかくアメリカのオケなのだから、底抜けに明るくても良いのですが。サロネンさんならではの淡々とした演奏です。
第4楽章についても、マーチングバンドのように鳴るのを避けたのか、ノリ感より、原則的に、緻密にアンサンブル重視でしょうか。確かに、リズムも、短い旋律がちりばめられているので、縦にカッチリしていないと分解しちゃいそうな曲ですよね。比べたらマズイのですが、ブロムシュテット盤の方が、明るくて楽しいと感じちゃいました。
CDカップリング:「ヒンデミット作品集」とタイトルされています。ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容、主題と変奏「4つの気質」、交響詩「画家マティス」 出典:YouTube Symphonic Metamorphosis After Themes by Carl Maria von Weber Esa-Pekka Salonen Provided to YouTube by Sony Classical
クラウディオ・アバド ベルリン・フィル
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 クラウディオ・アバド ベルリン・フィル 1995年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Claudio Abbado Berliner Philharmoniker
アバドさんの演奏は、聴きやすいように料理されているようです。ここは弦、ここは木管が前に出てきて~という風に出し入れが巧みにされているので、金管が目立って口ずさむことが出来ます。これは優しい。全部の音が聞こえてきても、ワタシの駄耳では、処理不可能になりそうな曲なので、適度に間引く? ブレンドの感性が優れていると言えるかもしれません。最初に聴くには良いかなと思います。ウェーバーのテーマが、文字どおり彩り良く、香りを放ってきます。
CDカップリング:ヒンデミット 交響曲「画家マティス」、バレエ音楽「気高き幻想」組曲、ウェーバーの主題による交響的変容 1995年録音 出典:YouTube Hindemith: Symphonic Metamorphoses of Themes by Carl Maria von Weber ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ヴォルフガング・サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 🥰
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ヴォルフガング・サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 1994年 Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Wolfgang Sawallisch Philadelphia Orchestra
サヴァリッシュさんの演奏は、ライブのような熱さ、湧き起こる熱気があります。この曲、いきなり、金管の咆吼から始まります。まるで極彩色の絵巻を見ているかのようで、それも、テンポが速い、速いっ。火の玉が転がるかのような勢いがあり、一斉に楽器が、剛速球のストレートで攻めてきます。主要なフレーズは、スマートに、弦も打楽器も打ち鳴らされ、残響が少し多めのホールのなかに、これでもかぁ~という感じに、いっぱい、いっぱいに広がります。
第2楽章は、オスティナート風の楽章で、弦、木管から金管へと、同じ主題を繰り返しながら、勢いを増して、火の玉をつくって爆発する感じです。繰り返しのなかで、裏フレーズがかなりの音量で聞こえています。中間部分は、トロンボーンが、ジャズ的な吹き方をするし、ティンパニーは打ち鳴らされ、チューブラベルは鳴り響き、まあ、あらゆる楽器が登場して、多彩な音が宙を舞う状態というか、バラバラというか、錯綜状態というか。しかし、凝縮された感があって、密度の高い多様性を示すのです。作曲家のアレンジが巧いのと(作曲そのものなのだが)、指揮者の統制、アンサンブルの良さ、音響の良さが揃わないと、こんな密度の高い世界は、創出できないようです。カオスねえ~。
第3楽章は、クラリネットとファゴットで主題が吹かれます。ヒンヤリした感覚の演奏もあるのですが、サヴァリッシュさんの演奏で聴くと、明るく、朗朗とした歌いっぷりです。後ろで聞えるフルートは、オリエンタルな響きとなって、宙を飛んでおり、疲れを癒やす、砂漠のオアシスにおける夜という感じです。
第4楽章は、「どぉ~そど ふぁ~ そぉ~どれ そぉ~」堂々とした明るい金管の咆哮で行進が始まります。音響の良さが、勝負を分けますね。ホルンをはじめとする、金管の雄渾な響きが全体を占めています。全ての音が立ち上がって、ホールいっぱいに広がり行進して立体的。いつもEMIの録音には潤いがないのですが、ん~ この演奏では、雑味を感じません。華麗なる音が、軽めに聞えます。BPOを振ったアバド盤のような、ぼってり系の湿気た厚い響きではなく、乾燥気味のキラキラ系の音です。
ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容は、ひねりの効いた曲だと思います。裏が見えると、より一層楽しめちゃうという、通好みの楽曲だと思います。 遊び心満載で、娯楽要素を含めながらも、仕立ての良いスーツと着ているみたいに~ 見えない裏の部分まで、しっかり丁寧に、カッチリと織り込まれ、こだわりのある響きとなって出てきています。うーん、メチャ面白い。とってもシアワセ~。昔、NHK交響楽団の指揮を長年勤めていただいたサヴァリッシュさん。
まるで、どこかの大学教授のような、厳格そうなドイツ音楽を振っておられたイメージがありますが。それが、ご自身とは真逆と思えるフィラデルフィア管弦楽団を率いて、まあ、これだけ、のびのびと楽しそうに演奏されているとは、うーん、恐るべし。改めて、その力量に感服いたしました。これは、良いわ。面白くて楽しくて意外性があって~ ホント理屈抜きに楽しい。拍手ですねっ。
CDカップリング:ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容、組曲「気高き幻想」、「画家マティス」
出典:YouTube Hindemith Symphonic Metamorphoses on Themes by Carl Maria von Weber フィラデルフィア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
コリン・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 😶
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 コリン・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 1989年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Colin Davis Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
C・デイヴィスさんの演奏は、冒頭は、馬がいななき、蛮族が襲来したかのよう。スマートかと思いきや、分厚い弦で奏でられています。せっかく面白い素材が、めいっぱい使われているのですが、音の通りがあまり宜しくなく、木管が埋没しがちです。これは泣いてしまう。テンポ良く進む演奏なのに、がっかり。ミュンヘンのヘルクレスザールでの1989年のデジタル録音です。んーーー。がっくり。
第2楽章は、フルートから始まり、人を食ったような変容ぶりで、小さく鐘が鳴ります。街の喧騒をイメージできるようなもので、吹奏楽のような明るく楽天的な雰囲気がします。ノリノリ感もあって、弾んでいるテンポは良いのですが、多彩な楽器が活躍している様子は、靄がかかり、もどかしさを感じます。ジャズ風味は、んー。
第3楽章のアンダンティーノは、まどろみを感じさせ、幻想的です。クラリネットを主とし、弦の柔らかさが木管に絡んで美しい楽章として仕上がっています。揺らめくような甘美さ、軽やかに飛び舞う姿が、繊細に描かれています。
4楽章 行進曲のように活気あふれ晴れやかです。金管の和音が美しく、格好の良く吹かれています。華麗なる吹奏楽って感じでワクワク。もう少しシャープさが欲しいところ。録音がもっさりです。
CDカップリング:レーガー モーツァルトの主題による変容曲とフーガ、ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容 タワーレコードから、このCDと、モーツァルトとクラリネット、シュポアのクラリネット協奏曲(VPO)を収録して2枚組BOXもあります。 出典:YouTube Hindemith: Symphonic Metamorphoses on Themes by Carl Maria von Weber バイエルン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
レナード・バーンスタイン イスラエル・フィル
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 レナード・バーンスタイン イスラエル・フィル 1989年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Leonard Bernstein Israel Philharmonic Orchestra
ヨエル・レヴィ アトランタ交響楽団 😘
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ヨエル・レヴィ アトランタ交響楽団 1989年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Yoel Levi Atlanta Symphony Orchestra
レヴィさんの演奏は、ちょっと録音にクセがあり、ソフトフォーカス的ですが、まろやかに明るく、そこそこノリノリ感のある演奏となっています。ヒンデミットという作曲家は、暗くて硬いというイメージがありますが、ウェーバーの主題による交響的変容は、吹奏楽に近しく、コミカルさを感じさせる曲です。理屈っぽく、口を「へ」の字に曲げたような小難しく考えず、みごとに丸く収めています。残響が柔らかくノビがあります。悪く言えば、軽音楽風になってはいるのですが、とっつきやすいのではないでしょうか。
カップリング:ヒンデミット交響曲「画家マティス」、気高き幻想、ウェーバーの主題による交響的変容 出典:YouTube Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber アトランタ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😘
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1987年 Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Herbert Blomstedt San Francisco Symphon
ブロムシュテットさんの演奏は、アメリカのオケらしく金管が明るく放っています。まろやかで華やか。冒頭、驚くほどに軽めで、都会的センスあふれる楽曲になっています。柔らかく倍音が響きます。ヒンデミットなのに、こんなに明るくて良いのかと、一瞬、慌ててしまうのですが、最初に聴くには良いと思います。トランペットとトロンボーンの重なった和音は、なんって美しいっ。
花びらの花弁が、重なるか重ならないかの微妙な隙間で、風に揺れるような感じで、良い音で響いてきます。楽曲は、ウェーバーの4手のためのピアノ曲集 8つの小品、6つの小品、序曲「トゥーランドット」を元に作られていますが、すこぶる楽しい楽曲に仕上がっています。平易でわかりやすいリズム、親しみが持てる不協和音。
第2楽章は、トゥーランドットの楽しいコミカルな曲で、瑞々しい演奏です。繰り返して主題を演奏しますが、いろんな楽器が登場するので、色が変わる楽しさ。金管のフラッター音が、 パララパラ~っと扇動してきます。適度な酔狂、ジャズ感覚があり、トロンボーンの適度な粘りが楽しいです。カラフルに大円団でまとまり、アメリカのオケならではの開放感を感じます。
第3楽章のアンダンティーノは、クラリネットと低弦のハーモニーが絶妙です。柔らかい弦のうえに、艶のあるクラリネットが乗って、ファゴットとクラリネット、フルートの可愛い響きが、心地良いです。
第4楽章は、マーチングバンドのように活気あふれる演奏です。多少、ごわごわ感があり、低弦の跳ね具合が気になりました。最後の音を伸ばさず、軽めにふっと音を切っている感じです。軽やかに、舞うように、テンションをあげていくところは、楽天的ですが、ヒンデミットが、アメリカに渡って作曲した作品なので、狙いとしてはバッチリなのではないでしょうか。
CDカップリング:ヒンデミット交響曲「画家マチス」、ヒンデミット葬送音楽(ヴィオラと弦楽合奏のための)、ウェーバーの主題による交響的変容
出典:YouTube Hindemith: Symphonic Metamorphoses on Themes by Carl Maria von Weber
San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group
クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 😘
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 1968年
Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Claudio Abbado London Symphony Orchestra
アバドさんとロンドン響の演奏は、多少古めかしく感じますが、ねじり鉢巻きに褌締めて、汗を飛ばしながら、太鼓を叩いているような超パワフル演奏です。ちょっぴりトロンボーンが転けていますが、パワフルで~ ヤナーチェクのシンフォニエッタと同様に、ねちっこい分厚い響きで、グイグイと推進します。このスピード感覚を知ってしまうと、レヴィ盤はヤワで優美すぎ、スウィトナー盤は几帳面に遅いと感じてしまいます。
なんだこの熱っぽさは、猛烈に熱い~ エネルギッシュだったのねぇ~ 感服しきりです。厚みのあるオケで、土俗的なフレーズを格好良く鳴らしきり、この不協和音イッパイの楽曲を、吹き散らかしていきます。壊してしまえーという勢いがあります。
CDカップリング:ヤナーチェク「シンフォニエッタ」、ヒンデミット「ウェーバーの主題による交響的変容」、プロコフィエフ 交響曲第3番 1966年 出典:YouTube Hindemith: Symphonic Metamorphoses on Themes by Carl Maria von Weber チャンネル:クラウディオ・アバド – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
オトマール・スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン 😅
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容 オトマール・スウィトナー シュターツカペレ・ドレスデン 1967年 Hindemith: Symphonische Metamorphose von Themen Carl Maria von Webers Otmar Suitner Sächsische Staatskapelle Dresden
スウィトナーさんの演奏は、導入部の打楽器からカッチリしています。木質的だとされるシュターツカペレ・ドレスデンですが、幾分キツメかもしれません。軽妙さもありながら、個々の楽器の明晰な旋律が、シャッキっとしており、ジャンっと入ってくる打楽器の威力も大きいものがあります。この当時のカペレのティンパニは、破壊的で勇壮です。几帳面な演奏でした。
CDカップリング:スウィトナー&シュターツカペレ・ドレスデン10枚組BOX 出典:YouTube Symphonic Metamorphosis after Themes by Carl Maria von Weber シュターツカペレ・ドレスデン – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media
パウル・ヒンデミット ベルリン・フィル 😆
ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容 パウル・ヒンデミット ベルリン・フィル 1955年
Hindemith: Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber Paul Hindemith Berlin Philharmonic Orchestra
ヒンデミット自身のタクトによる演奏ですが、まず、テンポの速さに驚かされます。速い、速いっ。これで最後までいけるのか~ 心配しちゃうほど。ガッチガチの堅物演奏かと思っていたのですが、意外とコミカルです。ふふっ。CDカップリング:ヒンデミット 交響曲「画家マティス」、主題と変奏曲4つの気質、ウェーバーの主題による交響的変容 出典:YouTube 出典:YouTube Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ラファエル・クーベリック シカゴ交響楽団 🤩
ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容 ラファエル・クーベリック シカゴ交響楽団 1953年
Hindemith: Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber Rafael Kubelík Chicago Symphony Orchestra
クーベリックさんの演奏は、1953年録音(モノ)です。さすがに古く、ノコギリをひいているかのような雰囲気がします。かなり人工的な音ですが、まずまず、この時期の演奏としては、鮮やかでスピーディな演奏です。この曲に馴染みのある方だったら、まんざらでもないのではないでしょうか。金管も力強いですし、楽しそうに演奏されてて、楽曲の魅力が開花してます。出典:YouTube Hindemith: Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber – 4. Marsch シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
もとの曲を聴いてみよう。ウェーバー歌劇「トゥーランドット」序曲と行進曲
第2曲のトゥーランドットの元の曲は、ウェーバーの歌劇「トゥーランドット」序曲の旋律です。プッチーニのオペラの方が、ダントツ人気がありますが違うのよね。で、原曲を探してYouTubeで見つけたので掲載します。
カール・マリア・フォン・ウェーバー 歌劇「トゥーランドット」序曲、行進曲 ローレンス・フォスター バーミンガム市交響楽団 Weber: Overture and Marches for Turandot, Op. 37, J. 75: March Lawrence Foster City Of Birmingham Symphony Orchestra
出典:YouTube Turandot, J. 75: I. Overture カール・マリア・フォン・ウェーバー – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
カール・マリア・フォン・ウェーバー 歌劇「トゥーランドット」序曲 ハンス・フーベルト・シェーンツェラー ロンドン交響楽団 Weber: Overture and Marches for Turandot, Op. 37, J. 75: March Hans-Hubert Schönzeler London Symphony Orchestra
出典:YouTube Schillers Turandot, J. 75: Overture London Symphony Orchestra Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
カール・マリア・フォン・ウェーバー 歌劇「トゥーランドット」序曲 アントニ・ヴィト ニュージーランド交響楽団 2006年 出典:YouTube Weber: Overture and Marches for Turandot, Op. 37, J. 75: March Antoni Wit New Zealand Symphony Orchestra
↓ 手前味噌ですが~ ご参考まで。
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容【解説】
ヒンデミットのウェーバーの主題による交響的変容は、1943年に作曲されています。ウェーバーの付随音楽「トゥーランドット」と「ピアノ連弾曲集」からの四つの自由な変奏曲で、ヒンデミットの作品の中で、演奏される機会の多い作品です。ヒンデミットは、1934年に代表作である「画家マティス」で成功を収めたものの、 世界情勢が悪く亡命する羽目になったそうです。1938年にスイスへ、1940年はアメリカへ、1946年にはアメリカの市民権を取得することになります。戦争下での激動時代の作品です。
この「ウェーバーの主題による交響的変容」は、ウェーバーのピアノ連弾「八つの小品」と「六つのやさしい小品」、劇付随音楽「トゥーランドット」の序曲の中から、主題をとりあげて、ヒンデミットなり変容(つくりかえた)させたものです。四つの楽章で構成されており、自由な変奏曲形式となっています。
第1楽章 アレグロ 原曲は、4手ピアノのための「8つの小品」(作品60第4曲)
第2楽章 「トゥーランドット」スケルツォ、モデラート ウェーバーの「トゥーランドット」の主題に基づく変奏曲です。
第3楽章 アンダンティーノ 原曲は、4手ピアノのための「6つの小品」(作品10aの第2曲)
第4楽章 行進曲 原曲は、4手ピアノのための「8つの小品」(作品60の第7曲)
わずか20分ほどの楽曲ですが、ジャズの要素もあり、ヒンデミットならではの音楽語法というか、濁り感があります。不協和音が舞い踊っている感じなのですが、この濁り具合(不協和音)が、何故か不思議と耳に馴染むんですね。不思議感は、なかなか文字では表現しづらいのですが、親しみやすい吹奏楽風で、コミカルで楽天的、小気味良いアクタレ風の楽曲、ちょっと他では味わったことがないようなスパイスの効いた楽曲だと言えば良いでしょうか。
かなり諧謔的で、ひねりの効いた風味とでも言うのでしょうか。聴けば、結構ハマります。また、第4楽章は、編曲されて、吹奏楽として人気の高い曲になっています。ちなみに、この楽曲で使われている楽器は、ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、コーラングレ1、クラリネット2、バス・クラリネット1、ファゴット2、コントラファゴット1、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニ 打楽器3名:バスドラム、スネアドラム、テナードラム、銅鑼、タンブリン、トライアングル、ウッド・ブロック、小ゴング、シンバル(大、小)、チューブラベル、グロッケンシュピール、弦五部
相当に大規模編成です。20分の楽曲で、これだけ揃えるのは、コスパが悪いですよね。この打楽器の類を見ているだけでも、ワクワクしちゃうのですが、演奏会でやってくれないだろうか。生で聴きたいなあ~って思っています。
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容【ディスク情報】
1953年 クーベリック シカゴ交響楽団 Mercury
1955年 ヒンデミット自身 ベルリン・フィル G
1967年 スウィトナー カペレ・ドレスデン Berlin
1968年 アバド ロンドン交響楽団 Dec
1987年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1989年 レヴィ アトランタ交響楽団 TELARC
1989年 バーンスタイン イスラエル・フィル G ライブ
1989年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 Ph
1994年 サヴァリッシュ フィラデルフィア管弦楽団 EMI
1995年 アバド ベルリン・フィル G
1999年 サロネン ロサンジェルス・フィル SC
2000年 ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル CHANDOS
2012年 エッシェンバッハ 北ドイツ放送響 Ondine
2018年 マレク・ヤノフスキ ケルンWDR交響楽団
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