ラヴェル:マ・メール・ロワ【YouTube】
エサ=ペッカ・サロネン NDRエルプフィル 管弦楽曲版
ラヴェル:バレエ音楽「マ・メール・ロワ」全曲7曲 エサ=ペッカ・サロネン NDRエルプフィル 2020年10月20日コンサートの模様です。34分12秒の動画です。Esa-Pekka Salonen NDR Elbphilharmonie Orchester 出典:YouTube Maurice Ravel: “Ma mère l’oye” mit Esa-Pekka Salonen | NDR Elbphilharmonie Orchester NDR Klassik
マルタ・アルゲリッチ ネルソン・フレイレ ピアノ連弾版
ラヴェル:「マ・メール・ロワ」ピアノ連弾版 マルタ・アルゲリッチ ネルソン・フレイレ 2003年10月 東京でのコンサートの模様です。2分57秒の短い動画ですが、とても楽しそう。Martha Argerich Nelson Freire 出典:YouTube Argerich, Freire – Ravel – Ma mère l’oye, Laideronnette Cantus 5
ラヴェル:マ・メール・ロワ【名盤・おすすめ】
ラヴェルのバレエ「マ・メール・ロワ」は、管弦楽曲として全曲版と組曲版が、ピアノ連弾版があります。
通常オケで演奏される全曲版は、次の7曲で構成されています。物語としては5つ。バレエ版として記載されている場合は、2から3に移る場合を除いて、各曲の間に間奏曲が入ります。そのためインデックス(トラック)番号が、うしろにずれて採番されている場合があります。
1 前奏曲 Prélude
2 紡ぎ車の踊りと情景 Danse du rouet et scène
3 眠りの森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant
4 美女と野獣の対話 Les entretiens de la belle et de la bête
5 おやゆび小僧 Petit Poucet
6 パコダの女王レドロネット Laideronette, impératrice des pagodes
7 終曲~妖精の園 Le jardin féerique
サイモン・ラトル ベルリン・フィル
ラヴェル:マ・メール・ロワ サイモン・ラトル ベルリン・フィル 2008年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Simon Rattle Berliner Philharmoniker
★ YouTubeにおいては、第7曲「妖精の園」のみ配信されています。
あまりに短いので、コメントがしづらいのですが、とても幻想的です。CDを買った目的は、ラヴェルにしては珍しいオペラ(一幕もの)作品「子供と魔法」でしたが、マ・メール・ロワも、会社の人間関係に疲れた時とか、実績数字で評価されたり、効率的に目標を達成しろとか言われている時間を忘れようと、聴いていた記憶があります。
なんだか、音楽の世界に逃避するのは、ホントは嫌なのですが、クラシック音楽に癒やされることが多いですよね。マ・メール・ロワは、マザー・グース物語としてご紹介されている事例もあります。CDカップリング:ラヴェル 歌劇「子供と魔法」、マ・メール・ロワ(「マザー・グース物語」組曲)8曲 出典:YouTube Ma mère l’oye, M. 60: Le Jardin féerique ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ピエール・ブーレーズ ベルリン・フィル 😍
ラヴェル:マ・メール・ロワ ピエール・ブーレーズ ベルリン・フィル 1993年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Pierre Boulez Berliner Philharmoniker
バレエ「マ・メール・ロワ」全曲 Prélude:前奏曲 1:紡ぎ車の踊りと情景 2:眠りの森の美女のパヴァーヌ 3:美女と野獣の対話 4:おやゆび小僧 Interlude:間奏曲 5:パコダの女王レドロネット Apothéose: Le jardin féerique. Lent et grave:終曲~妖精の園
このブーレーズ盤は、バレエ版「マ・メール・ロワ」の全曲です。バレエ版とは、前奏曲と間奏曲を付け加えたものだと思ってください。で、ブーレーズさんと、マ・メール・ロワ(英訳するとマザー・グース)とは、なんとも場違いのような、ちょっと違和感がありますが、聴いてみてビックリっ! なんて素晴らしいんだ~ いっきにのめり込んで聴いてしまいました。マザー・グースだからと子供向け、メルヘンティックに軽く聴けるだろうと思っていましたが、思いの外、味わいの深い演奏です。
「前奏曲」は、大人向きのメルヘン童話の世界ですが、弦の響きがとても幻想的で、響きがまろやかです。深みのある渋い音で、ファゴットやピッコロなどの木管が、鳥の囁きを演出し、ホルンが森の蠢きを醸し出しています。ティンパニの連打が入ってくると、一気に盛り上がってワクワク感が高まります。
「紡ぎ車の踊りと情景」は、シンバルの一発で、風が吹いたような感じ。一気に別世界へ飛びます。チャッ チャチャチャ・・・と、木管が紡車の回転を描き、木管が軽やかで、艶やかな弦が被さってきても重くなりません。へえ~ こんなふわっとしたした感覚が、ドイツのオケで出来るんだ。音色は渋いのですが、柔らかな響きで悶絶しそうに。
「眠りの森の美女のパヴァーヌ」は、冒頭、フルートが悲しげに吹かれます。深みがあってハスキーボイスに近い音色のフルートですが、耳に心地良いのです。また、どことなく和風に響きます。亡き王女のパヴァーヌとは、またちょっと違った風合いで、魔法に眠らされたまどろみのなかの眠り姫。ゆったり~静か~に、「らしれ~しら らしれ~しら」と、音を変えて続くフレーズが優しいです。弦が、ひゅ~っと音がたてて降りてくるところは、どんな場面なのでしょう。魔法が解けた場面でしょうか。
「美女と野獣の対話」は、美女がクラリネット。野獣にさせられた王子役がバズーン(バソン、ファゴット)で、旋律を受け持っています。映画の視覚によるイメージを、アタマのなかでだぶらせながら聴きました。
「おやゆび小僧」から「間奏曲」においては、美しい和音が纏綿と続いていきます。木管が主旋律を奏でますが、弦が追随して、幻想的で軽やかに演出していきます。おやゆび小僧ってタイトルが、ちょっと、そぐわないネーミングですが、あはは~ これは空を飛んでいるみたいです。浮き世ばなれして、絵画的な雰囲気がたっぷり。途中、コーラングレが甘さを加えてくれます。
「パゴダの女王レドロネット」は、パゴダ=寺院のこと。中国製の陶器で作られた人形が主人公。人形の女王さまが、何故かお風呂に入っている時に、お風呂の周りで楽曲を奏でて、シャンシャンと奏でているようです。いかにも中国風に、賑やかに木琴が奏でられ、銅鑼が遠くでシャーンと鳴っています。可愛いっ。いやホント。現代音楽の権威であるブーレーズさんが振っている演奏とは思えないほどのチャーミングさ。天地がひっくり返るほどの衝撃でした。
「妖精の園」は、最終楽章になるので、第1曲前奏曲のフレーズが戻ってきます。中音域の美しい和音が聞こえてきて、言葉にならない美しさ。アルペジオになって、音が広がりを見せます。最後には、ティンパニが絡んで、クライマックスになりますが、いつまでも、木漏れ日のなかで煌めきを感じたい~ シアワセが心のなかに満ちてきます。
短い楽曲ですが、この演奏は、とても幸福感に満ちています。幻想的で、童話の世界ですが、時空間を超え懐かしい気持ちに自然になります。まあ、子供に戻っているんでしょうね。浮遊感ある独特の和音、色彩の豊かさ。濃密な響きのなかで、うっとりしながら、タイムトリップ! お薦めの演奏です。
CDカップリング:ラヴェル 組曲バレエ マ・メール・ロワ全8曲、海原の小舟、道化師の朝の歌、スペイン狂詩曲、ボレロ 出典:YouTube Ravel: Ma mère l’oye, M. 62 ピエール・ブーレーズ – トピック ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
カルロ・マリア・ジュリーニ コンセルトヘボウ管弦楽団 😍
ラヴェル:マ・メール・ロワ カルロ・マリア・ジュリーニ コンセルトヘボウ管弦楽団 1989年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Carlo Maria Giulini Royal Concertgebouw Orchestra
ジュリーニさんの演奏は、晩年にしたがって、ゆっくり~ テンポが遅くなっていきます。で、このマ・メール・ロワも、ゆっくり~ コンセルトヘボウ管のまろやかな音に包まれて、ブレンドされた響きとなって出てきます。まあ、とろけるような濃密な幻想的な演奏と言えるかと思います。
子守歌でも聴いているかのような、優しさと美しさ。慈愛に満ちた~というような演奏で。これ以上望めないかなという境地です。子供向けの演奏というより、老境になったときに聴くと、多分、多分ですが、まさに桃源郷って感じに聞こえるんだろうなあ~と思っています。(あっ、ワタシまだそこまでの年齢には至ってないので、あくまでも想像です。あしからず。笑)
CDカップリング:ドビュッシー交響詩「海」、牧神の午後への前奏曲、ラヴェル 亡き王女のパヴァーヌ 1994年ライブ、組曲「マ・メール・ロワ」1989年録音 出典:YouTube Ma mère l’Oye Suite, M. 60 (Version for Orchestra)
カルロ・マリア・ジュリーニ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical
クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 😘
ラヴェル:マ・メール・ロワ クラウディオ・アバド ロンドン交響楽団 1985年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Claudio Abbado London Symphony Orchestra
動画と対応した番号でご紹介します。1 前奏曲 2:紡ぎ車の踊りと情景 3:眠りの森の美女のパヴァーヌ~4:間奏曲 5:美女と野獣の対話~6:間奏曲 7:おやゆび小僧~8:間奏曲 9:パコダの女王レドロネット~10:間奏曲 11:終曲~妖精の園 ローマ数字=アルファベット数字です。アバドさんの演奏は、暖かみのある太い響きのするもの。このCDは、ボレロに人の声が入っているので有名でした。あはは~ なんと奇想天外な演奏だと驚いた記憶があります。精緻さより、あっけらかーんとしています。
CDカップリング:ラヴェル ボレロ、スペイン狂詩曲、バレエ音楽マ・メール・ロワ、亡き王女のパヴァーヌ 1985年録音 出典:YouTube Ravel: Ma mère l’oye, Ballet, M. 62 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group
シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 🥰
ラヴェル:マ・メール・ロワ シャルル・デュトワ モントリオール交響楽団 1983年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Charles Dutoit Orchestre Symphonique de Montreal
動画と対応した番号でご紹介します。
1 前奏曲 Prélude
2 紡ぎ車の踊りと情景 Danse du rouet et scène
3 眠りの森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant
4 美女と野獣の対話 Les entretiens de la belle et de la bête
5 おやゆび小僧 Petit Poucet
6 パコダの女王レドロネット Laideronette, impératrice des pagodes ~ 妖精の園 Le jardin féerique
デュトワさんの演奏は、彩度の高いもので豊かな色彩感、奥行き感、流麗さが特徴です。木管や打楽器は、煌びやかでありながらも、抑制が効いてロマンティックで、密やかに演奏されています。基本の5つの物語に、前奏曲を加えており、おとぎの世界にタイムスリップしたかのような気持ちにさせてくれるものです。
まるで、図書館で1冊の本を見つけ、そろ~っとをページを開いたかのような雰囲気があり、森の囁きや鳥の鳴き声が聞こえ、ちょっぴり怪しい森の入り口に到着したかのような感じもします。この描写力は素晴らしいです。ワクワク、ドキドキで、耳を澄ませてみたら~ ファゴットの怪しい音、ホルンの招き入れるかようなフレーズ、フルートの鳥が鳴いて、鉄琴の音や打楽器ので、いっそう怪しげで、風の音まで聞こえてくるのです。子供の頃のように、はやる気持ちをおさえきれない~ そんな感じになります。
紡ぎ車の回転と共に、少女がスキップしながら歩いているようですし、眠れる森の美女では、柔らかいフルートが王女さまを表し、魔法が解けたシーンが描かれます。クラリネットの甘いフレーズは王子さまだろうと想像したり、コトラファゴットは、魔女がかけた呪いかな? おおっ 眠りから覚めたっ!(らしい)とか。イマジネーションを膨らませることのできる教材のような楽曲です。
美女と野獣におけるフルート、さわ~っとした弦、神秘的なチェレスタに至るまで、音が紡ぎ出す幻想的な雰囲気に、思わず唸りたくなるような美しさがあります。ライオンから王子さまに姿が戻るシーンも、ええ~ こんなシーンが音楽で描けるなんて。ディズニー映画以上に、わくわくしながら聴いてしまいました。
ラヴェルの緻密な構成・演出には、アタマがさがります。大の大人が、すっかり夢中になって興奮します。いくつになっても、子供心は、いつまでも持っておきたいものですが、それを引き出してくれる曲です。ラヴェルのマ・メール・ロワは、映像に頼らず、音楽で頭のなかで自分の世界を作りあげる楽しみを再認識させてくれます。年齢問わず、ホントおすすめの楽曲です。
CDカップリング:ラヴェル マ・メール・ロワ、組曲クープランの墓1983年、ジャンヌの扇ファンファーレ、古風なメヌエット1982年、高雅で感傷的なワルツ1983年録音 出典:YouTube Ravel: Ma mère l’oye, M.60 モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
カルロ・マリア・ジュリーニ ロサンゼルス・フィル 😘
ラヴェル:マ・メール・ロワ カルロ・マリア・ジュリーニ ロサンゼルス・フィル 1979年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Carlo Maria Giulini Los Angeles Philharmonic
ジュリーニさんのロス・フィルとの演奏は、5つの物語が演奏される組曲版です。前奏曲と間奏曲はないのでシンプルに聴くことができます。後にコンセルトヘボウ管弦楽団との演奏がありますが、基本変わらずゆったりとしたテンポで綴られます。
CDカップリング:ムソルグスキー「展覧会の絵」シカゴ響1976年、ラヴェル組曲「マ・メール・ロワ」、スペイン狂詩曲 ロサンゼルス・フィル1979年録音 出典:YouTube Ravel: Ma mère l’Oye, M. 60
LA Phil Provided to YouTube by Universal Music Group
ジャン・マルティノン パリ管弦楽団 🙂
ラヴェル:マ・メール・ロワ ジャン・マルティノン パリ管弦楽団 1974年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Jean Martinon Orchestre de Paris
動画と対応した順番でご紹介します。
1 前奏曲 Prélude
2 紡ぎ車の踊りと情景 Danse du rouet et scène
3 眠りの森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant
4 美女と野獣の対話 Les entretiens de la belle et de la bête
5 おやゆび小僧 Petit Poucet
6 パコダの女王レドロネット Laideronette, impératrice des pagodes
7 妖精の園 Le jardin féerique
マルティノンさんの演奏は、ラヴェルもドビュッシーも管弦楽曲集としてボックスでCDが発売され、定盤として定着していたものです。柔らかい色彩でありながら、輪郭線がしっかり描かれており、ずっと愛聴していました。フランス系の楽曲と言えば、まず聴くべき演奏CDだったように思います。改めて聴いて、やっぱい暖かみのある音の質感で、ホルンなどの金管の響きはまろやか。パーカッション群は鮮やかだとの印象を受けます。輪郭をしっかり描くのは木管でしょうか。弦主体、縦主体というよりは、彩りのある音に眼(耳)が奪われる演奏です。
CDカップリング:ラヴェル管弦楽曲集3枚組BOX 出典:YouTube Ma mère l’oye, M. 60 パリ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ピエール・モントゥー ロンドン交響楽団 🙂
ラヴェル:マ・メール・ロワ ピエール・モントゥー ロンドン交響楽団 1964年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Pierre Monteux London Symphony Orchestra
モントゥーさんの演奏は、バレエ版で、各曲間に間奏曲が入ってくるのですが、動画では割愛しちゃいました。ご了解ください。YouTubeで、続けて一括で聴ければ嬉しいのですが。残念~。参考に掲載しておきます。
CDカップリング:ラヴェル マ・メール・ロワ ラ・ヴァルス、亡き王女のパヴァーヌ、スペイン狂詩曲、ボレロ
出典:YouTube Ravel: Ma mère l’Oye, M. 60 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group
アンドレ・クリュイタンス パリ音楽院管弦楽団 🙂
ラヴェル:マ・メール・ロワ アンドレ・クリュイタンス パリ音楽院管弦楽団 1962年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 André Cluytens Paris Conservatoire Orchestra
CDカップリング:ラヴェル マ・メール・ロワ バレエ音楽全曲12曲 高雅で感傷的なワルツ 出典:YouTube [High Quality] Maurice Ravel – Ma Mère L’Oye. Ballet/ André Cluytens & Paris Conservatoire Orchestra Tsubame Classics
ラヴェル:マ・メール・ロワ ピアノ連弾版
マルタ・アルゲリッチ ミハイル・プレトニョフ ピアノ連弾版 😘
ラヴェル:マ・メール・ロワ マルタ・アルゲリッチ ミハイル・プレトニョフ 2003年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Martha Argerich Mikhail Pletnev
アルゲリッチさんとプレトニョフさんのペアって、ちょっと真逆じゃーないのかしらん。タイプが違いすぎるでしょうと思うんですが、どうでしょ。音の大きさも適度で、幻想的な~という世界ではないのですが、クリアに響き意外と楷書体で演奏されています。高音域は多分アルゲリッチさんだと思いますが、やっぱ綺麗ですね。
CDカップリング:プロコフィエフ 組曲「シンデレラ」(作品87)、ラヴェル「マ・メール・ロワ」ピアノ連弾版(四手)2003年録音 出典:YouTube Ravel: Ma Mère l’Oye, M.60 マルタ・アルゲリッチ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
マルタ・アルゲリッチ ネルソン・フレイレ ピアノ連弾版 😘
ラヴェル:マ・メール・ロワ マルタ・アルゲリッチ ネルソン・フレイレ 1993年
Ravel: Ma mère l’oye, M. 60 Martha Argerich Nelson Freire
アルゲリッチさんとフレイレさんの連弾は、フレイレさんの方が控えめというイメージがします。アルゲリッチさんを受け止める度量がなきゃーっ、なのですが、まあ、このマ・メール・ロワは、童話の世界なので、そこまで火柱がたって炎のごとく燃える~という楽曲ではないので、ほんわか進みます。
眠れる森の美女のパヴァーヌでは、ほのかに暗く、揺らめき、幻のようにふわっと進みます。銅鑼のかすかな響きが、とても効果的に入ってきます。また、高音域においてチェレスタのような音が響きます。ミュンヘン・フィルで活躍されていたティンパニ奏者のザードロさんの編曲版が使用されているので、時折、パーカッションが効果的に加わるので、かなり新鮮で楽しめます。なお、連弾での演奏は、YouTubeにおいても動画がアップされています。
CDカップリング:バルトーク 2台のピアノと打楽器のためのソナタ、ラヴェル マ・メール・ロワ(サードロ編)、ラヴェル スペイン狂詩曲(サードロ編)1993年録音 出典:YouTube Ravel: Ma mère l’oye, M.60
マルタ・アルゲリッチ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ラヴェル:マ・メール・ロワ【解説】
ラヴェルの「マ・メール・ロワ」( Ma Mère l’Oye)は、マザー・グースを題材にして作曲したピアノ四手連弾の組曲。また、それをベースとした管弦楽組曲およびバレエ音楽です。
連弾曲は、友人の子供二人で弾けるようにと、1908年から1910年にかけて作曲されています。管弦楽曲のうち組曲版は、ピアノの連弾用の組曲をそのまま管弦楽編曲したもので、1911年に編曲されています。また、管弦楽曲のうちバレエ版は、前奏曲と間奏曲を挿入したもの。チェレスタやハープ、木管も多彩でコーラングレやコントラファゴットなども必要で、楽器編成は大きいものです。
マ・メール・ロワ 管弦楽曲版は、次の7つの曲で構成されています。演奏時間は約27分です。
1 前奏曲 Prélude
2 紡ぎ車の踊りと情景 Danse du rouet et scène
3 眠りの森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant
4 美女と野獣の対話 Les entretiens de la belle et de la bête
5 おやゆび小僧 Petit Poucet
6 パコダの女王レドロネット Laideronette, impératrice des pagodes
7 妖精の園 Le jardin féerique
おとぎの世界に迷い込んだかのような、華麗なオーケストレーションを楽しむことができる楽しい曲です。大人になっても、おとぎの世界は、いつまでも心のなかにしまっておきたいものです。バレエ版とは、前奏曲と間奏曲を付け加えたものだと思ってください。
マ・メール・ロワ ピアノ連弾版(四手のピアノ版)は、次の5曲で構成されています。元の素材の童話についても記載しておきます。
第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant シャルル・ペローの童話集「マ・メール・ロワ(マザーグース)」の「眠れる森の美女」が素材です。
第2曲 親指小僧 Petit Poucet 曲名に関しては「一寸法師」という訳があてられることもあります。
第3曲 パゴダの女王レドロネット Laideronnette, impératrice des pagodes ドーノワ伯爵夫人マリー・カトリーヌの「緑の蛇」が素材です。
第4曲 美女と野獣の対話 Les entretiens de la belle et de la bête マリー・ルプランス・ド・ボーモンの「子供の雑誌、道徳的な物語」からの「美女と野獣」が素材です。
第5曲 妖精の園 Le jardin féerique 「眠りの森の美女のパヴァーヌ」と同じくペローの「眠れる森の美女」が素材です。演奏されるのは、王女が、王子の口づけで目を覚ますシーンです。
ラヴェル:マ・メール・ロワ【ディスク情報】
1962年 クリュイタンス パリ音楽院管弦楽団 EMI
1964年 モントゥー ロンドン交響楽団 Ph
1974年 マルティノン パリ管弦楽団 EMI
1979年 ジュリーニ ロサンゼルス・フィル G
1983年 デュトワ モントリオール交響楽団 Dec
1985年 アバド ロンドン交響楽団 G
1989年 ジュリーニ コンセルトヘボウ管弦楽団 SC
1993年 ブーレーズ ベルリン・フィル G
2008年 ラトル ベルリン・フィル EMI
2016年 フランソワ=グザヴィエ・ロト レ・シエクル HM
1993年 アルゲリッチ、ネルソン・フレイレ G ピアノ連弾版
2003年 アルゲリッチ プレトニョフ G ピアノ連弾版
コメント