リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲)【聴いてみよう】Liszt: Symphonic Poem “Les Preludes”

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リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲)【YouTube】

リスト:交響詩 レ・プレリュード ジャナンドレア・ノセダ パリ管弦楽団 2014年6月25日 18分08秒の動画です。 Gianandrea Noseda Orchestre de Paris 出典:YouTube Liszt – Les Préludes, S. 97 (Gianandrea Noseda, Orchestre de Paris) wocomoMUSIC

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲)【名盤・おすすめ】

ジャナンドレア・ノセダ BBCフィル 😒 

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ジャナンドレア・ノセダ BBCフィル 2004年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Gianandrea Noseda BBC Philharmonic Orchestra

ノセダさんの演奏は、冒頭、叙事詩的な演奏ではなく、穏やかなうねりを感じさせる演奏です。主題を繰り返して、上昇気流に乗っていく野心や意欲というものではなく、すわ~っとした風のような雰囲気がします。暗雲が垂れ込めた風景描写でしょうか。聴かせどころの後半は、盛り返してくるのですが、録音はソフトなのに音自体は硬い気がします。

それに、もう少し野心満々に、ガッツリ人間クサくても良かったのに。テンポも一辺倒、響きも硬くて一辺倒でやんなっちゃう。最後で、ド派手に演奏されるんですが、恐ろしく大きな音でジャーン。CDカップリング:リスト 交響詩全集5枚組BOX リスト 交響詩「山上で聞きしこと」、交響詩「タッソー、悲哀と勝利」、リスト 交響詩「前奏曲」、交響詩「オルフェウス」 出典:YouTube Les Preludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 ジャナンドレア・ノセダ – トピック Provided to YouTube by PIAS

ジュゼッペ・シノーポリ ウィーン・フィル 🥰

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ジュゼッペ・シノーポリ ウィーン・フィル 1996年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Giuseppe Sinopoli Wiener Philharmoniker

シノーポリさんの演奏は、 ウィーン・フィルとの演奏で柔らかめ。 序奏部分は優美で、一呼吸おいて、同じフレーズを密やかに上昇していきます。フルートとホルンの響きは大変美しく、弦は柔らかく女性的。すごい美音でノックダウンされそう。音の響きは確かに綺麗なのだが、力強さとか意志力と、逞しさとか、アクの強さみたいなモノには、ちょとご縁がありません。開放的で、ティンパニーの鳴りっぷりも印象に残ります。

もう少し、テンポアップして演奏していると、メリハリが出たかも~なのですが、これは確信犯的な耽美型の演奏でしょう。ホルンは、はあ。美しいっ。世紀末的な様相というか退廃的というか、ため息が出ちゃうほど。リストの楽曲を、こんな柔らかく優美で良いのかしらんと、首をかしげてしまうが、アクの強い大見得を切ったような演奏とは、真逆のアプローチでした。

後半は、打って変わって~ 弦がガシガシ。演出のニオイがしますが、繊細で叙情的で、いろんな音が聞こえてきて~ えっ。こりゃ耳のご馳走かもしれないと、思い直した次第です。力任せで一辺倒に鳴らす演奏もありますが、オペラのように、壮大に華麗に盛りあげて終わります。思いの外、壮大なので満足でした。

CDカップリング:リスト ピアノ協奏曲第1番、2番 ピアノ:ラザール・ベルマン ジュリーニ ウィーン交響楽団、交響詩「前奏曲」、ハンガリー狂詩曲第2番 シノーポリ指揮 ウィーン・フィル 出典:YouTube Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group

ズービン・メータ ベルリン・フィル 😁

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ズービン・メータ ベルリン・フィル 1994年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Zubin Mehta Berliner Philharmoniker

メータさんの演奏は、柔らかに立ち上がって、ふわ~っとのびやかです。重厚な肉厚感があり、テンポは速くありませんが、メリハリがありスムーズに展開していきます。あっけらかんとしてて健康的で、伸び盛りのパワーを感じます。
高らかにトロンボーンのファンファーレが鳴り響くところは、太陽が昇ってきたという感じで、燦々と降り注ぐ光を一身に受け、太陽に向かって仁王立ちしているような、英雄的な自信がみなぎっています。

端的に言っちゃうとマッチョ風です。 金管とティンパニーが、すごい響きで圧倒的、叙事詩そのもの。なんとも力強いことで。アッハハ~ これは痛快です。振幅を大きくとって、豊かにたっぷり鳴らしてくれると嬉しいですね。会社に行くのが嫌だな~っと思った時。朝、これを聴くと元気が出てくるかも。 但し、若い人に限ります。 中高年以上になると、そんな単純なモノではない!と、苦言が出るかもしれません。

しかし、そんな深刻ぶらなくてもよいのではないでしょうか。むしろ、あっけらか~んとした気分にさせてくれるのは、とてもありがたいです。その点、裏切らないメータ盤。ノー天気なワタシは、にやり~と笑えるので好きだったりします。CDカップリング:交響詩 前奏曲、オルフェウス、マゼッパ、ハムレット、フン族の戦い ライブ盤
出典:YouTube Les Préludes, S. 97 ズービン・メータ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

ミシェル・プラッソン ドレスデン・フィル 😚

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ミシェル・プラッソン ドレスデン・フィル 1992年~94年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Michel Plasson Dresden Philharmonic Orchestra

プラッソンさんの演奏は、美しいですね。フランス系の楽曲のときには、必ずと言って良いほど出番ですよ~と、お聴きする指揮者なのですが、バリバリのドイツ系の楽曲に、どう対応されるのかな。興味を持って輸入盤CDを購入したのですが、透明度が高くて綺麗でスマートな演奏で終始していました。ちょっとイメージが違っていたのですが、高音域のヴァイオリンのノビも良いし、ハイ、やっぱり美しい演奏でしたね。

CDカップリング:リスト タッソー、悲劇と勝利、前奏曲、マゼッパ、オルフェウス 1992年~94年 出典:YouTube Les Preludes, S97/R414 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH

ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 😘

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1992年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Georg Solti Chicago Symphony Orchestra

ショルティさんの演奏は、さぞや豪快だろうと思っていたら、さにあらず。しゃがれた声だが軽やかに、雲の切れ間から朝日がが昇ってくる感じ。爽やか! カラヤンさんのようにカオス的な深淵さはない。メータさんのように、あっけらかんとしすぎていない。しっとりした朝露を含んだ雰囲気が漂っている。うっそー。トロンボーンとトランペットのフレーズが、軽やかに華やかに吹かれている。

最晩年の演奏で、CDジャケットでのお写真も、すっかりお爺ちゃんになってて、びっくり。爽やかな演奏に大いにびっくり。ドラマティックな場面展開が続く楽曲なので、ほっておいても劇的に聞こえるが、後半、嵐のような切迫感のあるシーンでは、テンポを揺らして速めに刻んでいく。テンポに切れがあるので動的で新鮮。前半の抒情的な描写との対比が活きた演奏でした。

CDカップリング:ライブ盤 ベルリオーズ 幻想交響曲、リスト 交響詩「前奏曲」1992年 出典:YouTube Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No.3, S.97 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 😔

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1983年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Riccardo Muti Philadelphia Orchestra

ムーティさんの演奏は、迫力のある演奏で、チューバとティンパニーが大活躍しており、威勢の良いオトコマエな演奏です。流麗で、引き締まった格好良いスタイルをしているのに、悲しいことに録音状態がよろしくないのです。ホント、EMIってどうしてこんな乾燥した音でしか収録できないのでしょう。う~ 干からびた音です。

CDカップリング:フィスト ファウスト交響曲、交響詩レ・プレリュード(前奏曲) 出典:YouTube Les préludes, S. 97 フィラデルフィア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 🤣

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97
ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1983年 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

80年代のカラヤンさんの演奏は、演出過剰気味でやりすぎなんです。でも、このやり過ぎるところがベストマッチという気がします。コテコテ、脂ぎった、豚骨ラーメンを食べてる気分で、食べ終わったら、うぷぷ。二度と来るか~って思って帰るんだけど、何故か、数ヶ月後には食べたくなっちゃう、そんな感じですかね。このご時世、こんな演奏をする指揮者っておらんでしょうねえ~ クサい芝居をするような役者、いやちがう指揮者いないですよね。

カラヤンの演奏は、特に、ファンファーレの箇所が綺麗です。ミリタリー風味があるところは、俄然、威勢が良くなって、ちょっとオッサン臭いのですが恰幅の良い演奏をします。リストとカラヤンって相性がバッチリ。伊達男を気取ってみせる~ その点で合致(ワタシ的見解)してます。なので、どうせなら録音の良い演奏で聴きたいです。

CDカップリング:リスト 交響詩「前奏曲」、ハンガリー狂詩曲第5番、ウェーバー舞踏への勧誘、ロッシーニ 序曲「ウィリアム・テル」 出典:YouTube Liszt: Les Préludes, symphonic poem No. 3, S.97 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジェームズ・コンロン ロッテルダム・フィル  🙄

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ジェームズ・コンロン ロッテルダム・フィル 1983年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 James Conlon The Rotterdam Philharmonic Orchestra

コンロンさんの演奏は、音圧が前に出てくるような録音ではないので、ちょっと損している感じがします。恰幅の良い演奏ではないし、インパクトの強い演奏であれば、耳がそばだつのかもしれません。もわっとした空気から「どらふぁ~ どらふぁ~ れどし らしど れふぁ~」と半音混じりで力強くは昇っていくのですが、何かもっと変化が欲しいっていうか、変貌した姿を見せながら、可視化して欲しい気がします。上品と言えば上品なんですけどね。もう少し重量が掛かっても良いかもしれません。

しかしその反面、中間部は、叙情的で、フレージングの柔らかさが感じられ、優しい歌い方で巧いと思います。いつもなら気にもとめない木管やハープが、優しく聞こえてくるので、あれっリストだよね~。雲行きが怪しくなった後は、さすがにテンポもアップしてくるし、金管も入ってくるので勢いが増してきます他盤と比べちゃうとおとなしい。元気だして、バンバン ゴシゴシ、やって~ コンロンさん優しすぎ~。

CDカップリング:リスト 交響詩「前奏曲」、レーナウ「ファウスト」からの2つのエピソード 1985年、「2つの伝説」1983年 原盤:エラート(ERATO)レーナウの「ファウスト」からの2つのエピソード(管弦楽曲)サール番号 S110 第1曲「夜の行列」、第2曲「村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番)「2つの伝説」(管弦楽曲)サール番号 S354  第1曲「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、第2曲「波の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」 ちなみにピアノ独奏版は、S175です。少なくとも2つの伝説の管弦楽版は、あまり見かけないので貴重盤だと思って購入しました。 出典:YouTube Liszt: Les Preludes S.97 ジェームズ・コンロン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

ダニエル・バレンボイム シカゴ交響楽団 😘

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ダニエル・バレンボイム シカゴ交響楽団 1977年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Daniel Barenboim The Chicago Symphony Orchestra

バレンボイムさんの演奏は、シカゴ響とがっぷり四つで重量感があります。数あるリストの交響詩のなかで、イチバン有名なのは、この交響詩「前奏曲」レプレリュードですが、ここの金管のフレーズは、やっぱ分厚いですね。初心者向けのような小品を集めたCDだったのですが、オペラの序曲のように演奏されており、剛毅で、劇的で恰幅の良い演奏です。でも、今聴くには、スピードがちょっと足らないかもしれません。遅いな~って思っちゃうのです。これも時代の流れかなと思います。

CDカップリング:スメタナ「モルダウ」ドヴォルザーク「スラヴ舞曲」1・8曲、ブラームス「ハンガリー舞曲」3曲、ボロディン「イーゴリ公」だったん人の踊り、リスト交響詩「前奏曲」レプレリュード 1977年 出典:YouTube Liszt: Les Préludes, symphonic poem No. 3, S.97 (after Lamartine) シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ゲオルク・ショルティ ロンドン・フィル 🤗

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ゲオルク・ショルティ ロンドン・フィル 1977年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Georg Solti London Symphony Orchestra

この演奏は、ショルティさんのは旧録にあたります。後年1992年に、シカゴ響とも録音していますが、両方とも意外なほどソフトな演奏で柔らかい演奏です。木管のフレーズもロンドン・フィルの色彩を活かして、柔らかな陽射しが射し込んでくる雰囲気がしますし、流れるように旋律を奏でています。

金管は、音の放つ広がり感とキラっとした煌めきがあり、特に、ホルンは柔らかく、持続する音も安定してて綺麗です。当時のロンドン・フィルの強み、個性を最大限に引き出した演奏なのかもしれません。弦の硬さや鋭さ、後半のスピード感が、もっとあれば良かったかもしれませんが、流麗なリストで綺麗です。

CDカップリング:2枚組BOX リスト ファウスト交響曲 ショルティ シカゴ交響楽団 1986年、交響詩「前奏曲」ショルティ ロンドン・フィル 1977年、交響詩「プロメテウス」 ショルティ ロンドン・フィル 1977年、リスト ダンテ交響曲 ロペス=コボス スイス・ロマンド交響楽団 1981 出典:YouTube Liszt: Les préludes, S. 97 London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

ベルナルト・ハイティンク ロンドン・フィル 🙂

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ベルナルト・ハイティンク ロンドン・フィル 1968年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Bernard Haitink London Philharmonic Orchestra

ハイティンクさんの演奏は、ぼわっと靄がかかって夢幻的で、弦とフルートが絡んでいます。で、テンポが緩やか。カラヤンさんの演奏と比べると、なんと凡庸なのだと嘆きたくなる感じです。高らかにトロンボーンのファンファーレが鳴り響く筈が、え~ ウッソ。拍子抜けするほどの優しさ。

ティンパニーは弱く、弦は、丁寧にキシキシ、カシカシと弾いています。こっちが恥ずかしくなるような、時代がかった大袈裟な演出だったカラヤンとは、真逆のアプローチです。なんて素朴なんだろう。牧歌的とも思うほど、リストのアクの強さは、感じられずに終わっちゃったですね。

ハイティンクさんは、職人気質な指揮者と言われいましたが、多分、平和主義者なんでしょうねえ。挑発的にでも、威圧的でもなく、そう言う意味では、面白くないって言えば嘘になりますが、はったりをかますタイプじゃないだけになあ。実に丁寧で実直。大仰ではない素直なリストの演奏でした。やっぱ英雄気質ではありません。ハイティンクさんが、リストの交響詩全曲を振ること自体が、ミスマッチだと思うんだけどね。

CDカップリング:「ハイティンク リスト交響詩全集1」2枚組BOX リストの交響詩全曲13曲 1セット2枚組BOXが2セット。リストの交響詩全曲が聴けるとして貴重だったのですが、長らく廃盤となっていたものです。出典:YouTube Liszt: Les Préludes, symphonic poem No.3, S.97 (after Lamartine) London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 🥰

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1967年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

カラヤンさんの演奏は、ふわっと立ち上がってきます。低弦から立ちのぼってくる響きのなかにハープが聞こえ、混沌とした状態のなかからの夜明けというイメージがします。メータ盤が、あっけらかんと演奏していたのに比べると、ご大層な感じがしますが、堂々と華麗に演奏されます。

高らかにファンファーレが、儀式的に鳴り響き、聴いているこちらが恥ずかしくなるような、時代がかった華麗で大袈裟な演奏です。うはは~ ここまでするかぁ~ 思いますが、これぐらい派手にしてもらわないと、この楽曲は輝かないような気がします。誇大妄想的に演奏されることを、どこか期待しているかも。さすが、カラヤン、わかってらっしゃる~と、大きく頷いてしまいます。

短い時間のなかで、ドラマティックに場面が展開し、弦が忙しく奏で始めると嵐のシーンに突入します。三連符が続いて「れーど~ふぁ パパパ・・・」。次は、田園のシーンへ。雨があがり鳥のさえずり、ホルンが吹かれると、うっとりしちゃって、またまた最後、壮大に盛りあがっていきます。厳めしく、適度にもったいをつけて、堂々と演奏して華麗に締めくくっていく手腕には舌を巻きます。この権威性の高さには、一瞬、抵抗を覚えるものの屈服させられてしまいます。思わず、自分でも苦笑いしてしまいました。

CDカップリング:「カラヤン リスト管弦楽作品集」2枚組BOX メフィスト・ワルツ、交響詩「前奏曲」、ハンガリー民謡による幻想曲、ハンガリー狂詩曲第5番、交響詩「マゼッパ」、ハンガリー狂詩曲第2番、交響詩「タッソー 嘆きと勝利」、ハンガリー狂詩曲第4番 出典:YouTube Liszt: Les Préludes, S. 97 – “Symphonic Poem No. 3”
Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 🙂

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1963年
Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97 Leonard Bernstein New York Philharmonic

昔のレコードからCD化されたものらしく、かくしゃくとした演奏ですごく立派。でも立派すぎて昔風な感じ。擦れ気味なのだが、昔のレコードを聴いている気分。レガート気味で、しゅーっと立ち上がってくる。ボリューム感を出して、分厚く鳴るタイプではなく、上品でおとなしい。トロンボーンの迫力もイマイチだが優美さがある。ハープの音色が良く聞こえてくるし、ヴァイオリンの音色も聞こえてくる。確かに、フレージングは綺麗で、うん。上品。たおやかさを持って、独特のゆったりとしたタメを持って、この前奏曲を奏でている。

CDカップリング:.交響詩「前奏曲」、ハンガリー狂詩曲第1番、2番、メフィスト・ワルツ第1番 出典:YouTube Les préludes, S. 97 Leonard Bernstein Provided to YouTube by Sony Classical

フェレンツ・フリッチャイ ベルリン放送交響楽団 😘

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲) Liszt: Les Préludes, Symphonic Poem No. 3, S. 97
フェレンツ・フリッチャイ ベルリン放送交響楽団 1960年 Ferenc Fricsay Radio-Symphonie-Orchester Berlin

フリッチャイさんの演奏は、やっぱり楷書体、教科書的というか、カッチリしていています。で、必死になって弦がカシカシカシカシ・・・と弾いているのが、よくわかる演奏です。金管の圧倒的な迫力で押し切るような無粋なことはしません。ホント、極めて客観的に穏やかな表情をして、この大袈裟な楽曲に取り組んでいます。

フリッチャイさんの演奏は、格調高く、品良く演奏しようとしているように感じます。へえ~ 振る人が振れば、こうも変わるものかと驚かされます。ホルンの音色も美しいし、弦のフレージングも、格段に語尾が美しい。そして、残響をとても大切にしていますね。聴き手にも、残り香を楽しんで欲しいと言わんばかり。なにせ古い録音ですから、どこが良いんだーっと怒られるかもしれませんが、いやいや、これは良い演奏ですよ。

CDカップリング:ドヴォルザーク交響曲第9番 ベルリン・フィル 1959年、スメタナ「モルダウ」ベルリン・フィル 1959年、リスト交響詩「前奏曲」ベルリン放送響 1960年 出典:YouTube Liszt: Les Préludes, S. 97 – “Symphonic Poem No. 3″ ベルリン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲)【解説】

リストの交響詩「レ・プレリュード」Les Préludes(S.97)は、1854年に作曲されています。13曲あるリストの交響詩の代表作です。「人生は死への前奏曲」という考え(アルフォンス・ド・ラマルティーヌの詩による)に基づき、リストの人生観が歌いあげられたもの。元々は、男声合唱曲「四大元素」(四大元素とは、大地、風、波、星だそうです)アルフォンス・ド・ラマルティーヌの詩を引用した単独のコンサート用序曲だったようですが、その後、交響詩として改訂したようです。

二つの主題を用いた四部構成(緩 – 急 – 緩 – 急)になっています。
第一部は、低音で、死へと向かう人生の始まりを暗示する主題です。第2主題は、ホルンが愛を歌うもの。
第二部は、人生の嵐が描かれ、金管のファンファーレ
第三部は、嵐の後の慰め。穏やかなホルンで、平和な田園生活を描いたもの。
第四部は、運命に果敢に挑戦する勇ましい行進曲です。

冒頭の主題から、変奏された全合奏の行進曲へ発展し、最後は速度を落として、変形した死の主題を奏して華々しく終わります。憂鬱な旋律で始まり、嵐のような第一主題が展開し、牧歌的なセクションを経て第二主題につながります。この 2 つのテーマは、めまぐるしく変化する中で展開され、クライマックスでは荘厳で華やかなファンファーレが登場します。

リスト:交響詩「レ・プレリュード」(前奏曲)【ディスク情報】 

1960年 フリッチャイ ベルリン放送響 G
1963年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC
1967年 カラヤン ベルリン・フィル G
1968年 ハイティンク ロンドン・フィル Ph 
1977年 ショルティ ロンドン・フィル Dec
1977年 バレンボイム シカゴ交響楽団 G
1983年 コンロン ロッテルダム・フィル E
1983年 カラヤン ベルリン・フィル G
1983年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団
1992年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1992年~94年 プラッソン ドレスデン・フィル Berlin
1994年 メータ ベルリン・フィル SC 
1996年 シノーポリ ウィーン・フィル G 
2004年 ノセダ BBフィル CHANDOS
2011年 準・メルクル ライプツィヒMDR交響楽団 Mdr 未掲載です。

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