バルトーク:「中国の不思議な役人」「青ひげ公の城」【聴いてみよう】Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19)

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バルトーク:「中国の不思議な役人」【YouTube】

「中国の不思議な役人」は、パントマイム劇の付随音楽です。音声のみで聴くよりも、舞台で演じられているバックの音楽を聴く方が、理解が深まるように思います。よければYouTubeで動画を見てください。

バルトーク:バレエ音楽「中国の不思議な役人」 東京バレエ団 シャープスアンドフラッツ
出典:YouTube 東京バレエ団 2009年2月9日(東京)コンサートの模様です。パントマイムをバレエにして、上演された動画です。優美なバレエ姿なのですが、真逆のストーリー展開ってところが凄い。約33分の動画です。

バルトーク:バレエ音楽「中国の不思議な役人」パントマイム劇なので、台詞はありません。無言だからこそ余計に怖いですね~。王道のストーリー展開でしょうか。恐怖は人類みな共通 笑 パフォーマンスだけでわかるだけに。よかった見てくださいね。出典:YouTube Bartok Daniel Kawka ONPL Le Mandarin Merveilleux Daniel Kawka – Conductor 約33分半の動画です。

バルトーク:「中国の不思議な役人」ピエール・ブーレーズ ウィーン・フィル 1992年 ザルツブルク音楽祭におけるコンサートの模様です。33分50秒の動画です。貴重な映像だと思います。バルトークの演奏といえば、オケが、シカゴ響というイメージがあるのですが、ウィーン・フィルでの演奏で、どうなるのだろう~と思って興味がわきました。
出典:YouTube Bartok – Der wunderbare Mandarin Pantomime, Op. 19 Sz 73 (Vienna Philharmonic, Pierre Boulez) EuroArtsChanne From the Salzburg Festival, 1992 Pierre Boulez conducts the Vienna Philharmonic

バルトーク:「中国の不思議な役人」【名盤・おすすめ】

舞台:悪党共が盗品を隠すための、都会のアパートのみすぼらしく汚い2階の部屋
登場人物:3人の悪党、少女(レンジェルの原作では「ミミ」という名前)、年老いた伊達男、少年、マンダリン(中国の高級官吏 諸説あり)です。では、始まり~始まり~。

ケント・ナガノ ロンドン交響楽団 😘

バルトーク:「中国の不思議な役人」全曲版 ケント・ナガノ ロンドン交響楽団 1997年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Kent Nagano London Symphony Orchestra

「中国の不思議な役人」は、パントマイム劇の付随音楽です。激しく弦の滑る音から始まって、金管の咆吼で、ぐちゃぐちゃ~とした不協和音が鳴ってきます。荒々しい音の洪水で、呑み込まれるって感じでスタート。暗くて、生々しい臭い立つような、スラム街の雑踏に、いきなり放り込まれた感じの設定です。一応、Wikipediaで見ると「都会のアパートのみすぼらしく汚い2階の部屋」という設定になっています。

なんたって、キショイ楽曲です。狂気じみたストーリー仕立てです。ナガノさんの演奏は、色彩的で軽やか、爽やかな演奏。楽曲にふさわしくないと言われそうですが、レアさがなくて聴きやすいです。柔らかくしなやかに疾走し、暖かみのある音質で、弦に煌めき感があるため、爪を立てて黒板を引っ掻くような、ギギギーッという耳を押さえたくなるような乾いたキツメの音は立ちません。そのため凶暴性は少なめ。まあ、最初に聴くなら、聴きやすいと言える演奏かもしれません。耳に優しいという意味で・・・。

楽曲は、変拍子に次ぐ、変拍子で~ ヌメヌメしてシュールな感じ。楽器が、勝手にいろんなフレーズを奏でているような複雑なパッチワークで出来ています。当然、チャイコフスキーのような旋律美は、ここにはゴザイマセン。まあ、甘いクラリネットの音色なんぞ、この楽曲には、いっさい登場せず、絶叫するばかりなり。

コーラングレも、まるで別の楽器のような使われ方をしており、金管は、まるで~ お馬鹿~ あ~あっ あ~あっ~ それみたことかぁ~って、吹いているみたいで。なんてこったい! トロンボーンという楽器は、聖なる天使のファンファーレだったんじゃーないの。うっそ~!という状態です。あのねえ。そんな、Hなシーンで登場させるなんて使い方しないでよぉ~という感じです。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ペトルーシュカ、16~38 バルトーク 中国の不思議な役人 インデックス:23 出典:YouTube Bartók: The Miraculous Mandarin Op.19 I Allegro – Introduction ケント・ナガノ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 😘

バルトーク:「中国の不思議な役人」全曲版 リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 1997年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Riccardo Chailly Royal Concertgebouw Orchestra

シャイーさんの演奏は、正直に言います。録音状態は良いです。まだ、マシな穏やかな演奏だとはいますが、そもそも、狂気のはらんだストーリーと楽曲に、恐れをなしてて~ ダメでございます。この楽曲には、恐怖心が立って、気味が悪く~ とても聴けません。バルトークは苦手です。マンダリンも青ひげ公の城も、ダメでございます。

なんで、こんな殺人事件をモチーフにしたパントマイムに音楽をつけようとしたのか、その動機も理解しづらいし、ストーリーを、イメージさせながら曲を聴くというのも~ なんか悪趣味で。うへっ。キモイと、逃げ腰なのです。シャイー盤は、まだ録音が良く、柔らかい音質なので、まだしも、また、若い頃に一度聴いただけでお蔵入りしちゃった盤もあるのだが、やっぱり生理的にあわないです。

現代の闇の部分を描いているみたいで、正視したくないのかもしれないが、吊されるなーんて言葉も使いたくないし、青緑色に光を放つなんぞ、想像だにしたくない。ストーリーに則して聴くのではなく、単に、打楽器を主に耳に馴染まそうとしたのだけど、どうにも慣れません。ホラー映画のBGMにでもお使いください。今のところ、どうにも、こうにも~ ワタシにはお手上げです。ハイ、申し訳ございません。(謝)

CDカップリング:バルトーク 管弦楽のための協奏曲 1995年、中国の不思議な役人 1997年 出典:YouTube Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op.19) Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group 第1冒頭のみ掲載します。

ピエール・ブーレーズ シカゴ交響楽団 🥰

バルトーク:「中国の不思議な役人」全曲版 ピエール・ブーレーズ シカゴ交響楽団 1994年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Pierre Boulez Chicago Symphony Orchestra

ブーレーズさんの演奏は、スピードが速いです。で、冷徹な演奏とも言えますが、かなり分析的だと思います。多分、名盤とされる演奏なんだろうと思います。が、ワタシ的には、全く共感できない曲なので、うーん、と唸って聞いています。スミマセン。こんな感想で。CDカップリング:バルトーク 中国の不思議な役人、弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 1994年録音 出典:YouTube Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 🥰

バルトーク:「中国の不思議な役人」組曲版 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1990年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Georg Solti Chicago Symphony Orchestra

ざらっとした感覚のショルティさんの演奏です。擬音で言うと、ザクザク、カサカサ、ギザギザという感じでしょうか。もちろん、レアな感覚ですが精緻さも忘れてないと思います。CDカップリング:バルトーク 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽、ディヴェルティメント、中国の不思議な役人 出典:YouTube Bartók: The Miraculous Mandarin Op. 19, Sz. 73 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 🥰

バルトーク:「中国の不思議な役人」組曲版 アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 1983年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Antal Doráti Detroit Symphony Orchestra

ドラティさんの演奏は、録音年が段々と古くなってきているので、音質としてはイマイチなのですが、レア度は高めです。近接された録音という感じで、圧迫感があり恐怖感を楽しみたい場合はお薦めです。ワタシがぞぞーっとしました。ちょっと怖すぎ。弦チェレも恐怖の館です。CDカップリング:バルトーク 中国の不思議な役人、弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 1983年録音 出典:YouTube Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) – Complete ballet – Pantomime in 1 Act… デトロイト交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

クリストファー・フォン・ドホナーニ ウィーン・フィル 🙂

バルトーク:「中国の不思議な役人」全曲版 クリストファー・フォン・ドホナーニ ウィーン・フィル 1977年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Christoph von Dohnányi Wiener Philharmoniker

ドホナーニさんの演奏は、イマイチの録音のため、ちょっと損をしていますが、遠目で舞台をみている感じでしょうか。変拍子をどう振っているのか、素人ではわかりかねますが、多分、ドホナーニさんのことだから精緻極まりないんだと思います。こんな曲を全曲で聴くって、うーん、泣きそうになります。
CDカップリング:バルトーク 中国の不思議な役人、2つの肖像 出典:YouTube Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) – Complete ballet – Pantomime in 1 Act… ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ピエール・ブーレーズ ニューヨーク・フィル 🥰

バルトーク:「中国の不思議な役人」組曲版 ピエール・ブーレーズ  ニューヨーク・フィル 1975年
Bartók: The Miraculous Mandarin, BB 82, Sz. 73 (Op. 19) Pierre Boulez New York Philharmonic Orchestra

ブーレーズさんの演奏は、後年、シカゴ響を振った録音が残されているので、そちらの方が聞きやすいとは思いますが、しかし、1975年にしてこの精緻さかと驚きます。やっぱりこのブーレーズさんのおかげで、バルトークもストラヴィンスキーも、他の近代クラシック音楽が、21世紀にしっかりと引き継がれてきたんだと感謝しています。ありがとーっ! の演奏です。この演奏だと感情移入せず、クールに聴けるかも。CDカップリング:バルトーク 管弦楽のための協奏曲、中国の不思議な役人 出典:YouTube The Miraculous Mandarin, Op. 19, Sz. 73: Prelude – The Curtain Rises ピエール・ブーレーズ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

バルトーク:「中国の不思議な役人」【あらすじ】

バルトークの「中国の不思議な役人」の楽曲を、ストーリーに沿って聴いてみようというコーナーです。いつもは、ぼーっと聴いていたのですが、ほんと、いつまでも、ぼーっとしているので、ベルリオーズのロミオとジュリエットに引き続き、一念発起して、曲とストーリーをマッチングさせてみました。指揮者の方って、ホント大変ですよね。このマッチング作業を、アタマのなかでしておられるんだと思います。んじゃー 頑張ってみましょう!シャイー盤は、細かくインデックスがあるので、聴くうえでは便利です。23個に区分されたインデックスをもとに、ストーリーを順番に記載してみました。んじゃー頑張って聴いてみよう!

01 導入部:都会の喧騒 


02 幕が開き、スラムのみすぼらしい部屋で、3人のならず者達が、娘をおとりに通行人から金を巻き上げようとしている。


03 第1の誘惑のたくらみ

04 みすぼらしい年老いた放蕩者が登場し娘にこっけいな求愛の身振りをするが、ならず者達は彼を叩き出す。


05 第2の誘惑のたくらみ

06  内気そうな青年が現れ、娘は彼と踊りはじめる。最初は照れくさそうに、次第に早く情熱的にそしてならず者達に彼もつまみ出される。

07  第3の誘惑のたくらみ 


08  通りに不気味な怪しい影を見つけ、それが階段を上がってくるのを聞き付け、ならず者達は隠れる。


09  中国の役人が登場し、無表情のまま戸口のところに立っている。娘は怖気づいて部屋の隅に逃げる。


10  驚愕。娘は憎悪を克服してゆっくりと中国の役人が近くに来て椅子に座るよう誘惑をはじめる。


11 ついに、彼女は不本意さを飲み込んでためらいがちに踊り始め、次第に挑発的で激しい踊りとなる。中国の役人は冷静に彼女を見つめている。


12 娘は彼の胸に体をうずめ、彼は熱狂的な興奮でふるえ始める。

13 娘は彼から逃げ、彼は娘を激しく追いかける。


14 中国の役人は娘を捕まえ、二人は争い合う。


15 ならず者達が飛び出し、中国の役人を娘から引き離し、役人から宝石や金を取り上げる。


16 「奴を殺せ、ベッドの上の枕で窒息させるんだ」とならず者達は決める。


17 殺したはずの中国の役人の頭が枕の間から現れ、欲望のまなざしで娘を見つめる。4人は身震いし、ぎょっとして立ち尽くす。


18 3人のならず者達は恐怖を克服する。彼らは中国の役人を引きずり出し、きつく押さえつけている間に一人が錆びた剣で彼を3回突き刺す。


19 突然役人は起き上がり、娘に飛び掛る。ならず者達がそれを止め再びきつく彼を押さえる。彼らが押さえている間も中国の役人は欲望のまなざしで娘を見つめ 


20 彼らは抵抗する中国の役人を部屋の中央に引きずっていき、ランプをかける杭に宙吊りする。


21 ランプが床に落ち、中国の役人の体が青緑の光を放ちはじめる。彼の目は依然として娘を見つめている。


22 娘の主張に従ってならず者達は彼を下におろす。中国の役人は床に落ち、娘の方に跳んでいく。もはや彼女は抵抗せず、彼らは抱き合う。


23 中国の役人の欲望は今や静まり、傷口から血が流れ出し、少しもがいた後に死ぬ。


以上で終わりです。お疲れさまでした~。なんていうストーリーなんですかねえ。しかし、こうして分けて聴いてみると、確かに、ストラヴィンスキー作品似の木管の使い方をしていたりするな~って思ったりします。

バルトーク:「中国の不思議な役人」【解説】

バルトークの「中国の不思議な役人」(作品19 Sz.73)は、脚本家レンジェル・メニヘールトの書いた台本に基づく、一幕のパントマイムのための舞台音楽です。あまりに生々しいストーリーで、上演計画が頓挫したり、上演しても不評だったり。(まあ、そうですよね)この楽曲は、癒しになりません。都会のぼろアパートでの殺人事件の場面を音化したものです。

組曲版にしたりバレエ音楽にしたり、すったもんだしたようです。曲としては、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」、「春の祭典」の影響が垣間見られるとのこと。心情の表現、情景描写について、ライトモティーフのような動機を多用し工夫があり、また変拍子が多く、テンポの変化も多彩なため指揮科レッスンに使われるそうです。「自分のこれまで最高のオーケストラ作品だと思うのだが、演奏できないのは残念だ」とのご本人の愚痴も聞かれるそうですが。うーん。あまり良い気分になる曲ではないことは確かです。今なら、ホラー映画のBGMとして、作曲した方が採用されたかもしれません。全曲約30分、組曲版約19分の楽曲です。

バルトーク:「中国の不思議な役人」【ディスク情報】 

1975年 ブーレーズ ニューヨーク・フィル SC
1977年 ドホナーニ ウィーン・フィル Dec
1983年 ドラティ デトロイト交響楽団 Dec
1990年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1994年 ブーレーズ シカゴ交響楽団 G
1997年 シャイー コンセルトヘボウ Dec
1997年 ケント・ナガノ ロンドン交響楽団 E
2015年 ゲルギエフ ロンドン交響楽団 LSO 未掲載

バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」【ちょっと聴いてみた】

バルトークの「青ひげ公の城」(Herzog Blaubarts Burg, Bluebeard’s Castle)作品11、Sz.48は、1911年に作曲された一幕もののオペラです。登場人物は青ひげ、ユディット、青ひげ公の妻たち、プロローグのナレーション担当だけです。

バルトークの作品のなかで、恐怖の館、ホラー映画のハシリのような作品が二つ。中国の役人と青ひげ公の城です。気色悪くて、難しすぎて歯が立ちません。そもそも、バルトークの一般的な楽曲にさえ、手を焼いているのに、とてもじゃないけれど、ハードルが高すぎです。面白そうなストーリーなら、頑張ってみようかとも思いますが、心理劇でホラーでは・・・ これはスルーしたくなるのも無理からぬこと。がんばって、あらすじ(ストーリー)と音楽をマッチングさせてみましたが、言語がハンガリー語では、こりゃ むりっ!

↑ 再生リストにより、一括して通して聴くことができます。
出典:YouTube Bartók: Bluebeard’s Castle, Sz. 48 (Op. 11) Kolos Kováts – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」ゲオルク・ショルティ ロンドン・フィル 1979年
Bartók: Bluebeard’s Castle, Sz. 48, Op. 11 Georg Solti London Philharmonic Orchestra
ソプラノ:シルヴィア・シャシュ Sylvia Sass
バス:コーロシュ・コヴァーツ Kolos Kováts
ナレーター:イシュトヴァーン・シタンカイ Istvan Sztankay

見やすい動画などがあれば、助けになるかと探してみましたが、解りやすそうなものは、うーん、ないようです。致し方ないので、Wikipedia(ウィキペディア)からの引用と、YouTubeにアップされている演奏をマッチングさせてみようと思います。とりあえず、舞台上の動きに乏しい(基本的に7つの扉の前で、2人が歌うだけ)オペラなのですが、みどころが、思い当たりません。初心者には、とほほ~ 滝汗ですが、とりあえず、八つに区分されています。

バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」【あらすじ】

1 プロローグ 


語り部が現れて、この物語が、瞼で分けられた内側と外側、つまり自分自身と、他人との関わりの話であることを告げる。城へ到着する青ひげとユディット。城の内部は広々とした円形のゴシック調のホール。左手には急な階段があり、その先は小さな鉄の扉。階段の右手に巨大な7つの扉がある。城の中は暗く、窓もなく、湿っている。青ひげは、ユディットに城で暮らすを考え直すように言う。ユディットは、城の全てが見たいと言う。城に光を入れて乾かそうと考える。7つの鍵のかかった扉に気づき、開けてくれるよう頼むが、「中を見る必要は無い」と断られる。彼女が第一の扉を叩くと、中から風が吹き抜けるようなため息が聞こえる。青ひげは「怖くはないか」と問いかけて、鍵を渡す。

第1の扉 拷問部屋

壁に血の痕をみつける。青ひげは「怖くはないか」と再度たずねるが、ユディットは差し込む朝日に驚愕し、次の扉の鍵を要求する。青ひげは次の鍵を渡す。

第2の扉  武器庫


全ての武器に血が付いているのをみつける。城内に光が入ってくる。ユディットは「あなたを愛しているのだから」とさらに鍵を要求する。青ひげの憂いは通ぜず、これ以上なにも問わないことを条件に、さらに3本の鍵を渡す。

第3の扉 宝物庫


ユディットは感嘆する。しかし宝物には血痕が付いている。青ひげは次の扉を開けるよう急かす。

第4の扉 秘密の庭園


ユディットは多くの花に喜ぶ。しかし、白いバラに血の痕を見つけ、土には血が染みこんでいると言う。青ひげは第五の扉を開けるように言う。

第5の扉 青ひげ公の領土


眼前には広大な青ひげの領土があった。呆然とするユディット。雲から赤い血の影が落ちている。青ひげは、もうこれ以上なにも問わず、自分を愛してくれと求めるが、ユディットは残りの扉を開けるよう執拗にせまる。青ひげは根負けして、もうひとつ鍵を渡す。扉を開けようとすると、再び中からため息が漏れてくる。

第6の扉 涙の湖


ユディットは、不気味なほど静かで、銀色に輝く湖にうちひしがれる。ようやく二人は抱擁する。青ひげは、これで城は光で満たされたから、最後の扉は閉めたままにしておかなければならないと言う。しかし、ユディットは、以前に青ひげが愛した女性のことを問う。嫉妬が不信を呼び、最後の扉を開けるよう迫る。ユディットの中では、武器に付いていた血、領土に降り注いだ血が、前の妻達のものだという考えが渦巻いていく。殺したのだと、噂は本当だったのだと問いつめる。青ひげは絶望して、最後の鍵を渡す。

第7の扉


扉を開けると、中から3人の妻が列をなして現れる。ユディットは「生きている。目もくらむほど美しい」と息をのむ。彼女たちこそが富と領土の源泉であり、それぞれ「夜明け」「真昼」「夕暮れ」を支配している。ユディットはその間、私など遠く及ばないと言っている。青ひげは「私は四人目を真夜中に見つけた」といい、夜を彼女のものとする。ユディットは最初逃れようとするが、「おまえが一番美しい」といわれ、彼のマントと宝石を受け入れ、四人目の妻として他の者たちとともに第七の扉に消える。青ひげは「もうこれで完全に闇の中だ…」といって、暗闇のなかに消える。

ショルティ盤は、録音状態が良く、音響的には申し分ないと思います。一幕もののオペラなので、ずーっと続けて歌われています。想像を逞しくしつつ拝聴しましたが、悲しいかな日本語じゃないので、美女を城に閉じ込めちゃうという城主の犯罪、心理劇、ホラー映画のような怖いお話のようです。暗い場面では、五音音階の民俗音楽のようなフレーズが出てきますし、第5の扉において、領土を荘厳さ、天地創造か、ローマ皇帝のお出ましというような圧巻のフレーズが出てくるのですが、後半に行くにつれて、閉塞感がより一層強まります。まあ、一回程度聴いただけで~ ギブアップしました。

オペラ対訳プロジェクトさんのサイト
https://w.atwiki.jp/oper/
オペラ対訳プロジェクトさんの「青ひげ公の城」ハンガリー語です。リンクさせていただきました。感謝~です。

「青ひげ」La Barbe Bleue は、ヨーロッパ各地に伝わる物語の男性主人公で、シャルル・ペローの童話(1697年)に出てきます。青ひげが主題の作品として、バルトーク以外に、ポール・デュカスが、唯一のオペラ「アリアーヌと青髯」を作曲しています。

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