プレトリウス:テルプシコーレ舞曲【聴いてみよう】Michael Praetorius: Dances from Terpsichore

目次 タップ・クリックしてね。

プレトリウス テルプシコーレ舞曲【YouTube】

出典:YouTube Michael Praetorius: Dances from Terpsichore; Voices of Music 4K UHD Voices of Music

プレトリウス テルプシコーレ舞曲【名盤・おすすめ】

ニュー・ロンドン・コンソート 😘

プレトリウス テルプシコーレ舞曲 ニュー・ロンドン・コンソート 1986年
Michael Praetorius: Dances from Terpsichore New London Consort

プレトリウス テルプシコーレ舞曲集は、「ガブリエーリの饗宴」という曲を聴いた際に知り、CDを買い求めました。各曲約3分~5分の小品が並んでおり、サロン要素の強い優雅な舞曲集です。宮廷人とワタシでは、あまりにも生活スタイルがちがうので、ずーっとサロン音楽では、正直、飽きちゃいます。しかし、リラックスできる楽しい楽曲が詰まっていますので、美容室とかリフレッシュサロンでBGMとして聴くのは、ナイスな選択だと思います。

ウィキペディア(Wikipedia)や、CDのブックレットを元に記述すると、ミヒャエル・プレトリウス (Michael Praetorius 1571年?~1621年)は、ドイツの作曲家・音楽理論家です。今のフランクフルトとライプツィヒの間に位置するクロツブルクに生まれています。フランクフルトのマリア教会オルガニストを務めた後、1604年から、ヴォルフェンビュッテル宮廷にてオルガニスト兼宮廷楽長に就任します。1613年~1616年まで、 ドレスデンのザクセン宮廷に仕えて、ヴェネツィア楽派の、複合唱様式による最新のイタリア音楽を演奏していたようです。

ジョヴァンニ・ガブリエーリのような、ヴェネツィア楽派の作品を熟知していたおかげで、プレトリウスは、その後、教会 コンチェルト様式を発展することができたんだそうです。教会コンチェルト? う~ん、まあ、協奏曲のハシリでしょうか。

で、このプレトリウスさんの、すごいところは、作曲した作品は1000曲以上。他の音楽家にも、ぜひ、演奏してもらいたい、活用してもらいたいとの思いから、楽譜を出版しようと考えたことです。その出版物のひとつ、世俗曲や器楽曲のシリーズは、テレプシコーレ(1612) と名付けられました。表紙には、「この曲集には、フランス人の舞踏教師が踊る、様々な踊りの曲が含まれており、それらは王侯貴族の食卓や、宴会を楽しませるために用いられものである」と書いてあったそう。

へえ~ この時、出版することを思いつくなんて、相当、斬新だし、メチャ寛大な精神です。誰だっけ、有名なヴァイオリニストは、自分の演奏技術をひけらかす(?)ためにヴァイオリン協奏曲を作曲し、演奏会直前に楽譜を配って、自分の伴奏をオケに務めさせて、演奏会が終わると、その楽譜を回収して、とっとと持って帰ったと言いますからね。プレトリウスは、楽譜を売って、当然、対価はもらっていると思うけれど、出版して演奏してもらう~という意識の芽生え、その後、作曲家の生活の糧が、ここで確立したわけ。(宮廷のお抱え演奏からの脱却!)

舞曲集「テルプシコーレ Terpsichore」は、プレトリウスの現存する唯一の世俗音楽集で、3巻の論文集「音楽大全(シンタグマ・ムジクム Syntagma musicum」(1614-20年)は、同時代の演奏習慣や楽器について、詳細な説明と図解がなされ、音楽学・形態学研究や古楽演奏の分野にとって、重要な文献となったそうです。あまりにも専門的すぎて、ついていけないのだけど~ すごーい貢献してるようです。だから、彼は、21世紀まで名前が残っているのでしょう。

ガブリエーリさんは、ヴェネツィア学派であり、ガブリエーリの影響があったわけで、バロックの音楽の華っていえば、ヴェネツァ。それが、テレプシコーレの表紙には、フランス人の舞踏教師が~とあるんです。都市ごとに、宮廷や大きな聖堂ごとに、お抱え奏者たちがいたのかな。他の宮廷に負けないように、ステータスの誇示に頑張っていたのかな。

宮廷対宮廷って、その頃だと、国家レベル。文化度を誇示するために、作曲家や演奏者を招いて、新曲発表会をしたり、他の文化圏の音楽を聴いて、刺激を受けていたのでしょう。それぞれ点として存在していた都市(街や教会、宮廷)が、経済的な発展や交易、人の交流で、段々と広がりをみせるようになった時代で、そこに音楽も寄与したかもしれず~ グローバル化が進んでいたのかも。

まあ、下世話な話をしちゃうと~ スペインの、イタリアの、フランスの、イギリスの宮廷では、今、こんなモノが流行してますよ~と売り込める、ファッション雑誌さながらの舞曲集かもしれません。演奏用の楽器や楽譜は、演奏家にとって貴重な売れる情報ですもんね。あちこちの宮廷に招聘されても、伴奏付きで演奏会に行けるし、情報=楽譜が売れるんだったら、作曲家にとって重要な収入源。生活にも困らなくなるし~ 自由に自立できるし、一石二鳥どころじゃないですね。

現代の貧乏人ワタシには、サロン音楽は多少飽きる傾向にありますが、当時の宮廷サロンに集う人は、流行を追っていたのかもしれません。また、音楽家は、流行を追うお金持ちを相手に、自分の才能を売る賢い経済人だったのかもしれません。音楽の聴き方も、おしゃべりをしながら、食卓を囲みながらの演奏だと思います。コンサートホールで、かしこまって座って聴く、現在の我々の聴き方とは、異なったものだと思います。

CDカップリング:
1 パッサメッツォ~ガイヤルド Passameze (Terpsichore, 286) / Gaillarde (Terpsichore, 287)
2 ブーレー La Bouree (Terpsichore, 32)
3 燭台のブランル Bransle de la torche (Terpsichore, 15)
4 ブランル・サンプル~ブランル・ゲ~ブランル・ドゥブル Bransles simples / Bransles gays / Bransles doubles (Terpsichore, 4)
5 村のブランル Bransles de villages (Terpsichore, 14)
6 フィルー Philou (Terpsichore, 22)
7 魔法使いのバレエ~王女のバレエ~バレエ~王女のバレエ Ballet des sorciers (Terpsichore, 262) / Ballet des princesses (Terpsichore, 277) Ballet (Terpsichore, 278) / Ballet des princesses (Terpsichore, 277)
8 バレエ~パッカナールのバレエ~水夫のバレエ~鶏のバレエ Ballet (Terpsichore, 274) / Ballet des baccanales (Terpsichore, 278) /Ballet des matelotz (Terpsichore, 280) / Ballet des coqs (Terpsichore, 254)
9 燭台のブランル(ピケット編) Bransle de la torche (Terpsichore, 15) 
10 スペインのパヴァーヌ~スパニョレッタ Pavane de Spaigne (Terpsichore, 30) / Spagnoletta (Terpsichore, 28)
11 コルネットのためのパッサメッツォ Passameze pour les cornetz (Terpsichore, 288)
12 クーラントM.M.ヴュストロウ~クーラント~戦争のクーラント Courante M.M. Wüstrow (Terpsichore, 150) / Courante (Terpsichore, 179) /Courrant de bataglia (Terpsichore, 48)
13 サラバンド La sarabande (Terpsichore, 33)
14 太鼓のヴォルト~ヴォルト~ヴォルト~ヴォルト
Volte du tambour (Terpsichore, 199) / Volte (Terpsichore, 243) / Volte (Terpsichore, 242) /Volte (Terpsichore, 223)
15 ヴォルト~ヴォルト~ヴォルト~ヴォルト Volte (Terpsichore, 210) / Volte (Terpsichore, 211) / Volte (Terpsichore, 236) /Volte (Terpsichore, 201)

出典:YouTube Michael Praetorius: Dances from Terpsichore Ballet des Sorciers; Ballet des Princesses; Ballet ニュー・ロンドン・コンソート – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

プレトリウス テルプシコーレ舞曲【解説】

ミヒャエル・プレトリウス(Michael Praetorius、おそらく1571年~1621年)は、ドイツの作曲家・オルガニスト・音楽理論家です。多彩で多作の作曲家ですが、プロテスタントの賛美歌の発展においての貢献は多いとのことです。1613年から1616年まで、ドレスデンのザクセン宮廷に仕え、ヴェネツィア楽派の最新のイタリア音楽を演奏して、プレトリウスは、その後教会コンチェルト様式を発展させることができたそうです。

プレトリウスの作品は、1000曲以上のコラールと、賛美歌の編曲を含む9巻の曲集「シオンの音楽」(Musae Sioniae, 1605年 – 1610年)などがあり、ルター派教会のための作品です。舞曲集「テルプシコレー」Terpsichore は、プレトリウスの現存する唯一の世俗音楽集です。300 以上の器楽舞曲をまとめたもので、初出版は1612年だそうです。テルプシコーレ舞曲は、宮廷サロンで演奏された舞曲集です。

プレトリウス テルプシコーレ舞曲【ディスク情報】

1986年 ニュー・ロンドン・コンソート OL

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次 タップ・クリックしてね。