サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」【聴いてみよう】Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171

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サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」【YouTube】

サン=サーンス「死の舞踏」ヴァイオリン:エヴァ・ザヴァロ ジュリアン・マスモンデ パリ管弦楽団 2021年3月3日コンサートの模様です。黒マスクが印象的なコロナ禍での演奏。7分9秒の動画です。Eva Zavaro Julien Masmondet Orchestre de Paris 出典:YouTube Saint-Saëns Danse Macabre, Orchestre de Paris, Eva Zavaro Eva Zavaro 

サン=サーンス「死の舞踏」(編曲:R. Niese) ルモン・ガンバ WDRファンクハウス管弦楽団 2021年10月29日コンサートの模様 7分45秒の動画です。 Rumon Gamba WDR Funkhausorchester 出典:YouTube Camille Saint-Saëns – Danse macabre | WDR Funkhausorchester WDR Klassik

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」【名盤・おすすめ】

アイヴァー・ボルトン バーゼル交響楽団 😐

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 アイヴァー・ボルトン バーゼル交響楽団 2021年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Ivor Bolton Sinfonieorchester Basel

サン=サーンスの「死の舞踏」は、フランスの詩人アンリ・カザリス(Henri Cazalis)の詩にインスピレーションを受けて作曲されました。約7分程度の小品です。冒頭、夜中の12時(零時)の鐘を告げるハープの音から始まります。続いて、ヴァイオリンの不気味な音~ ボルトンさんの演奏は、ちょっとゆっくり。あまり不気味さは感じないです。
ホントは、ヴァイオリン・ソロは、いひひ~っという悪魔的な要素が詰まってて良いと思うんですが。優美で甘め。

CDカップリング:サン=サーンス 歌劇「サムソンとデリラ」よりバッカナール、交響詩ファエトン、ヘラクレスの青年時代、オンファールの糸車、死の舞踏 2021年録音 YouTubeにおける配信は、当曲のみです。出典:YouTube Danse macabre pour orchestre, Op. 40, R. 171 Sinfonieorchester Basel Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

準・メルクル フランス国立リール管弦楽団 😘

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 準・メルクル フランス国立リール管弦楽団 2016年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Jun Märkl Orchestre National de Lille

準・メルクルさんの演奏は、零時の鐘のあと、間合いをあけて、ソロ・ヴァイオリンがダイナミックに登場します。バックのオケも力強くワルツを奏でており、シロフォンも綺麗に入ってて聴き応えあり。キッパリ演奏されているところが、一体一体の踊りとなっており、ハープの幻想的なバック効果を得て、クッキリ浮かびます。時間の流れも感じられるし、切迫感も出て良いです。ラストは崩れ落ちちゃったよね。オチのフレーズまで楽しみましょう。

CDカップリング:サン=サーンス 交響詩「ファエトン」、英雄的行進曲、ヘラクレスの青年時代、オンファールの糸車、サラバンドとリゴドン、死の舞踏 2016年録音 出典:YouTube Danse macabre, Op. 40, R. 171 Orchestre National de Lille – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ケント・ナガノ モントリオール交響楽団 😘

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 ケント・ナガノ モントリオール交響楽団 2015年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Kent Nagano Orchestre symphonique de Montréal

ケント・ナガノさんの演奏は、ハロウィン時期にうってつけの企画もの。でも、オチャラケではありません。これ真剣だわ。優美さが際立っているのですが、エグミは少なめなものの、ゆら~ゆら~っと最初は幻想的で、夢か幻かと表現しておいて、金管が登場してシロフォンが入ってくると、不気味さが醸し出されてきたり、シュルシュル~っと消える構成となっているようです。で、月明かりの下で、力強く踊り出すようです。構成、描写に長けているように思います。イマジネーションが湧きますが、品良く演奏されているので、聴き手が企図を聞き出さないと~。

CDカップリング:「魔物たちの真夜中のパーティ」とタイトルされたCDです。デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」、ドヴォルザーク 交響詩「真昼の魔女」、ムソルグスキー 交響詩「禿山の一夜」、バラキレフ 交響詩「タマーラ」、サン=サーンス「死の舞踏」、アリヴズ ハロウィーン三つの屋外の情景から(室内楽版) 出典:YouTube Saint-Saëns: Danse Macabre, Op. 40, R.171 モントリオール交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ネーメ・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュナショナル管弦楽団 🤣

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 N・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュナショナル管弦楽団 2011年 Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Neeme Järvi Royal Scottish National Orchestra

N・ヤルヴィさんの演奏は、とても楽しい愉悦性の高いものです。笑えてしまうほどに、オーバーアクション傾向ですが、きっと指揮者ご本人は大まじめだと思います。ケント・ナガノさんの品良くまとめた演奏とは異なり、これは笑いが止まらないです。深夜零時の時計の音に続いて、登場するヴァイオリンが、かすれ気味なのが良い雰囲気ですし、揺れ動くフレージングが、誠に堂に入ってます。

そうそう、こうこなくっちゃーという演奏ですが。途中から、金管に乗ってテンポアップしてくるところがニクい。開放的な咆哮のあと、雰囲気を変えて、優美なワルツに誘われていきます。ブラスのパワフルさに、クラクラよろめいてしまい、骸骨踊りというよりは、妖艶な雰囲気を持つイケメン風の押しの強い踊りです。この派手さにやられます。

CDカップリング:CDカップリング:歌劇「サムソンとダリラ」より バッカナール、交響詩「オンファールの糸車」、交響詩「ファエトン」、交響詩「死の舞踏」、交響詩「ヘラクレスの青春時代」、アルジェリア組曲よりフランス軍隊行進曲、歌劇「黄色の姫君」序曲、リスボンの一夜(作品63)、スパルタクス、戴冠式行進曲(作品117) 出典:YouTube Danse macabre, Op. 40 ネーメ・ヤルヴィ – トピック Provided to YouTube by PIAS 

大植英次 ミネソタ管弦楽団 🤩

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 大植英次 ミネソタ管弦楽団 1997年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Eiji Oue Minnesota Orchestra

大植さんの演奏は、このレファレンス(レーベル)の録音効果の素晴らしさに、やられます。企画も良いですし、お薦めです。CDカップリング:「悪魔たちのクラシック」とタイトルされたCDです。リスト メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」、ムソルグスキー 交響詩「禿山の一夜」、リャードフ 交響詩「バーバ・ヤガー」、フランク 交響詩「呪われた狩人」、デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」、サン=サーンス「死の舞踏」、アーノルド 序曲「シャンタームのタム」、J・シュトラウスⅡ世 ポルカ「暁の明星」1997年録音 出典:YouTube Danse macabre, Op. 40 ミネソタ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ミシェル・プラッソン トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 😅

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 ミシェル・プラッソン トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 1994年~95年 Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Michel Plasson Orchestre National du Capitole de Toulouse
ヴァイオリン:マルコム・スチュワート

プラッソンさんの演奏は、明るく軽やかで、死の舞踏というよりは、シンデレラの舞踏会って感じでしょうか。夜中の舞踏会と間違ってしまいそう。グロテスクな甘美さがあります。冒頭のヴァイオリン・ソロは、おもいっきりかすれており、雰囲気があります。

で、木琴がカチャカチャ鳴るのは、骸骨の骨がぶつかる音、ヴァイオリンを持ちながら、骸骨が、夜中に踊っているというイメージです。盛り上がる場面は、まるで大円団でシンデレラの舞踏会なみの華麗さです。シンデレラは、午前零時に鐘が鳴ると帰らないといけませんが、これは零時からスタート。元気な骸骨さんで、夜遊びを楽しんでいるみたいな演奏でした。あまりの豪勢さに、涙目になって面白く聴けました。オチは、酔っ払って、終電で寝込んでしまったサラリーマンみたい。えっ、ここ、どこの駅?って感じです。

CDカップリング:魔法使いの弟子~フランス名交響詩集~ デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」、フランク 交響詩「呪われた狩人」、ラッザーリ 交響詩「夜の印象」、デュパルク 交響詩「レノール」、サン=サーンス 交響詩「死の舞踏」、デュパルク 交響詩「星たちに」 出典:YouTube Saint-Saens Danse macabre, Op. 40 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

エマニュエル・クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 エマニュエル・クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団 1991年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Emmanuel Krivine Lyon National Orchestra

CDカップリング:サンサーンス 交響曲第3番オルガン付き、交響詩「オンファールの糸車」、交響詩「ファエトン」、死の舞踏 1991年 出典:YouTube Danse Macabre, Op. 40 エマニュエル・クリヴィヌ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group 出典:YouTube Danse Macabre, Op. 40 エマニュエル・クリヴィヌ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

エリック・カンゼル シンシナティ・ポップス・オーケストラ 😁

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 エリック・カンゼル シンシナティ・ポップス・オーケストラ 1991年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Erich Kunzel Cincinnati Pops Orchestra

CDカップリング:チラー「恐怖への誘い」とタイトルされたCDです。効果音と共に不気味な楽曲を集めたもので、これはオチャメです。企画に拍手っでしょうか。ハロウィン時期に聴くのに、もってこいです。
オペラ座の怪人、禿山の一夜、死の舞踏、幻想交響曲断頭台への行進曲、ファウストの劫罰 悪魔たちの巣窟、ペール・ギュント 山の魔王の宮殿で、効果音(シンセ)、トワイライト・ゾーン、効果音12000V、フランケンシュタインの花嫁(プレリュード、メヌエット、パストラルとマーチ)、悪魔の金(悪魔とダニエル・ウェブスター)1988年録音 出典:YouTube Saint-Saens: Danse Macabre エリック・カンゼル – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジョルジュ・プレートル フランス国立管弦楽団 🙂

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 ジョルジュ・プレートル フランス国立管弦楽団 1987年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Georges Prêtre Orchestre National de France

プレートルさんの演奏は、品良く軽やか。鮮やかすぎず、シックすぎず、波の乗った激しいワルツでもなく、中庸という感じです。シロフォンの効果音は、綺麗に煌びやかに入ってきます。で、締まる打音が効果的でしょうか。欲を言えば、もう少しヴァイオリンが前に出てきた方が良いかもしれませんが、もりあがりに欠けることはありません。ラストに近づいた方が、活き活きとしてくるのは、うーん、何故なんでしょ。

CDカップリング:デュカス 魔法使いの弟子、ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲、サティ(ドビュッシー編曲)ジムノペディ第3番、第1番 サン=サーンス 死の舞踏、ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ、ラ・ヴァルス 1987年録音 出典:YouTube Danse macabre, Op. 40 ジョルジュ・プレートル – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ダニエル・バレンボイム パリ管弦楽団 😅

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 ダニエル・バレンボイム パリ管弦楽団 1980年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Daniel Barenboim Orchestre de Paris
ヴァイオリン:ルーベン・ヨルダノフ Luben Yordanoff

バレンボイムさんの演奏は、パリ管のくせに、変にカッチリ重い演奏です。深夜零時の鐘を告げるハープの音は機械音のように均質に鳴らされます。ルーベン・ヨルダノフさんのヴァイオリンは、すごいだみ声、耳元で弾かないで~っ。カツンカツンで、せわしいワルツです。なんで、この曲で、思い切りドイツ臭い演奏をするんでしょ。

後半は哀愁が漂い綺麗です。ポコポコ木琴、歌うところは歌っていて、内声部も聞こえます。でも、干からびた皮のように硬いんです。重厚な油絵的なタッチで、フランス風の軽妙な筆致ではありません。コミカルで、カラカラに乾いてて、光の一撃を食らわすと、バラバラになっちゃう筈なんですけど。重量感のある「死の舞踏」です。足腰の強さが感じられる骸骨でドスコイ風って、なんか変ですよね。ん~ 足腰の強い骸骨って、ありえへん。

CDカップリング:ベルリオーズ序曲「ローマの謝肉祭」、歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲、ベルリオーズ ファウストの劫罰 ハンガリー行進曲、サン=サーンス「ノアの洪水」前奏曲、歌劇「サムソンとデリラ」バッカナール、交響詩「死の舞踏」、デュカス 交響詩「魔法使いの弟子」1977年、80年録音 出典:YouTube Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 パリ管弦楽団 トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

シャルル・デュトワ フィルハーモニア管弦楽団 😆

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 シャルル・デュトワ フィルハーモニア管弦楽団 1980年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Charles Dutoit Philharmonia Orchestra of London

デュトワさんの演奏は、なんと煌びやかな~ 明るくて色彩的で軽妙です。大太鼓が鳴り、骨がガシャガシャぶちあたっているシロフォン(木琴)が、コミカルに響きます。歌い方がとても巧く、華麗なシンデレラの舞踏会のようですが、迫力満点で巧い。とても親しめるし、聞きやすいんですけど、あちゃちゃ~。

中世の暗黒の時代、ペストが蔓延して、死の恐怖に怯えるというイメージで聴くと、あまりにもノー天気な演奏という感じがします。もうひとひねりして、闇やアイロニーなどの負の世界も匂わせていたら、もっと、えぐみがでて面白いんですけど。あまりに綺麗な演奏過ぎて~。アクがあって、ドスがきいて、ネクラの指揮者が演奏していたら、背筋の凍る、凄みのきいた舞踏会になっていたかもしれませんが、サン=サーンスに、それ求める?(思案するワタシ)

CDカップリング:交響詩「死の舞踏」op.40 フィルハーモニア管弦楽団 1980年、交響詩「ファエトン」op.39 フィルハーモニア管弦楽団 1980年、交響詩「オンファールの糸車」op.31 フィルハーモニア管弦楽団 1980年、序奏とロンド・カプリチオーソイ短調op.28 ヴァイオリン:チョン・キョン・ファ コンセルトヘボウ 1975年、ハバネラ ヴァイオリン:チョン・キョン・ファ コンセルトヘボウ 1975年、交響詩「ヘラクレスの青年時代」op.50 フィルハーモニア管弦楽団 1980年、英雄行進曲op.34 フィルハーモニア管弦楽団 1980年 出典:YouTube Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40 フィルハーモニア管弦楽団トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ハインツ・レーグナー ベルリン放送交響楽団 🥰

サン=サーンス 交響詩「死の舞踏」 ハインツ・レーグナー ベルリン放送交響楽団 1977年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Heinz Rögner Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin(Berlin Radio Symphony Orchestra)

レーグナーさんの演奏は、柔らかな残響のなかで、甘美な魔の世界にするりと引き寄せられてしまいます。最初の午前零時を告げるハープは、奥ゆかしく、響きがぼわ~として幻想的に響きます。その後、ソロ・ヴァイオリンが、苦笑いしちゃうほど軋んでいます。軋んだ後にくる、甘みととろみ。これは爛熟の世紀末絵画のようですね。

このワルツは甘すぎて怖いです。聖なる世界と俗なる世界 この二つが背中合わせ、二律背反の世界を描いているみたいで~ 後半のうねる演奏は、これは怖いっす。甘い世界を味わった分、ツケを払えとばかりに迫り来る悪魔的存在を感じられます。ダークサイドからの甘い囁きが聞こえたでしょうか。

CDカップリング:ミヨー バレエ音楽「世界の創造」、エネスコ「ルーマニア狂詩曲第1番」、サン=サーンス「死の舞踏」、ファリャ「火祭りの踊り」 出典:YouTube Saint-Saens Danse macabre, Op. 40:Poème symphonique d’après une poésie de Henri Cazalis 死の舞踏 アンリ・カザリスの詩による交響詩 ベルリン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH

アレクサンダー・ギブソン ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 🙂

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 アレクサンダー・ギブソン ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1972年 Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Alexander Gibson Royal Scottish National Orchestra

アレクサンダー・ギブソンさんの演奏は、歯切れは良く演奏されています。独特の軋み、カサカサした不気味さは感じず、あくまでもエレガント。やっぱり明るい~。高音域の音のヌケが良く、ヴァイオリンを始め、ソロ部分は軽やかで綺麗です。死神的ヴァイオリンの演奏でもなく、ふわっ、さらり~と華麗に終わってしまいました。こうなると、ドイツ臭い、ガシガシした不気味な「死の舞踏」を対抗馬で聴きたくなっちゃいますね。(天邪鬼かなあ)

CDカップリング:デュカス「魔法使いの弟子」、サン=サーンス「死の舞踏」、レスピーギ「風変わりな店」 1972年 出典:YouTube Saint-Saens Danse macabre, Op. 40 アレクサンダー・ギブソン – トピック Provided to YouTube by PIAS 

ジャン・マルティノン フランス国立管弦楽団 😨

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」 ジャン・マルティノン フランス国立管弦楽団 1970年
Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40, R. 171 Jean Martinon Orchestre National de l’O.R.T.F.

マルティノンさんの演奏は、激しい動的な骸骨踊りで、古い演奏とはいえ侮れません。古い録音だからこそ、なんだか不気味さがアップするような感じがします。このうねるような、波打つヴァイオリンのフレーズが始まると、ゾクゾクしちゃいます。ヴァイオリンの語尾が、ぷるんぷるんと上に伸びると、ゾクゾク青ざめます。煽られ、これは感覚的に鋭敏にならざるを得ない演奏です。

CDカップリング:サン=サーンス 交響曲第3番オルガン付き マリー=クレール・アラン、交響詩オンファールの糸車、死の舞踏、プーランク オルガン、弦楽、ティンパニのための協奏曲1970年録音 出典:YouTube Saint-Saëns : Danse macabre Op.40 ジャン・マルティノン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

ヴァイオリンとピアノ:ギル・シャハム 🙂

ヴァイオリン:ギル・シャハム ピアノ:ジョナサン・フェルドマン 2000年
Gil Shaham Jonathan Feldman

企画に拍手です。「悪魔のダンス」とタイトルされたCDアルバムです。
CDカップリング:ジョン・ウィリアムス ジョン・モリス 映画「イーストウィックの魔女たち」から悪魔のダンス、ヤング・フランケンシュタイン トランシルヴァニアの子守歌、グリーグ 抒情小曲集 第10集第3曲小妖精(作品71-3)、サン=サーンス 死の舞踏、コルンゴルト 幻想的奇想曲(作品3-4)、ブラームス 4つのバラード ワルプルギスの夜(作品75-4)、メンデルスゾーン12の詩 魔女の詩(作品8-8)、バッツィーニ 妖精の踊り(幻想的なスケルツォ 作品25)、ウィリアム・ボルコム グレイスフル・ゴースト・ラグ(恵み深い亡霊)、グノー ファウストによる演奏会用幻想曲、シューマン パガニーニ 24のカプリースfし10番(作品1-13)、タルティーニ ヴァイオリン・ソナタ「悪魔のトリル」、イザーイ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番第1楽章妄想(作品27-2)2000年リリーズ 出典:YouTube Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40 – transcribed f. vl./pn. by Cps ギル・シャハム – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ヴァイオリンとピアノ:レイチェル・バートン・パイン 🙂

レイチェル・バートン・パイン Rachel Barton 1998年

企画に拍手です。「インストゥルメント・オブ・ザ・デビル」Instrument of the Devil とタイトルされたCDです。
レーベル:Cedille CDカップリング:サン=サーンス 死の舞踏、タルティーニ ヴァイオリン・ソナタ悪魔のトリル、バッツィーニ 妖精の踊り(作品25)、ベルリオーズ 第5楽章 魔女の饗宴、ファリャ 恋は魔術師(ヴァイオリン版)、エルンスト「魔王」(作品26)、パガニーニ 悪女たちの踊り(作品8 無伴奏ヴァイオリン編)、ストラヴィンスキー 組曲「兵士の物語」デビルダンス、サラサーテ グノーの歌劇ファウストによる幻想曲(作品13)出典:YouTube Rachel Barton PineDanse macabre in G minor, Op. 40 レイチェル・バートン・パイン – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ピアノ:ホロヴィッツ編曲&リスト編曲版

ユジャ・ワン Yuja Wang 
出典:YouTube Saint-Saëns: Danse macabre, Op. 40 – Arranged By Franz Liszt & Vladimir Horowitz Yuja Wang Provided to YouTube by Universal Music Group

ウラディーミル・ホロヴィッツ Vladimir Horowitz
サン=サーンスの作品をリストがピアノ編曲したものに、ホロヴィッツが編曲をしています。んじゃ、リストの編曲したものは? 出典:YouTube Danse macabre, S. 555 (after Camille Saint-Saens) ウラディミール・ホロヴィッツ – トピック Provided to YouTube by RCA Classics 

ウラディーミル・ホロヴィッツ Vladimir Horowitz
これが、サン=サーンスの作品を、リストがピアノ編曲したものらしいです。YouTubeで探したら、あっさり見つかりました。ピアニストの方なら、その違いがわかるでしょうが、ワタシの駄耳では音が多すぎて~ バラバラ事件になってます。もはや、どうでもよくなっちゃいそう。WWW・・・ 出典:YouTube Danse Macabre, Op. 40 (Arr. by Franz Liszt) ウラディミール・ホロヴィッツ – トピック Provided to YouTube by Matter

サン=サーンス:「死の舞踏」【解説】

サン=サーンスの「死の舞踏」は、フランスの詩人アンリ・カザリス (Henri Cazalis) の奇怪で幻想的な詩に霊感を得て、1872年には歌曲として、そして、1874年に管弦楽曲として完成した楽曲です。午前零時の時計の音とともに、骸骨が現れて不気味に踊り始め、次第に激しさを増していく様子が描かれています。

そして、夜明けを告げる雄鶏の声が響き渡ると、骸骨たちは墓に逃げ帰り、朝、なにごともなかったかのように静寂に戻るという場面を描写的に描いている作品です。

スコアの冒頭には、カザリスの詩から数行が引用されています。 「死の舞踏」と言われたら、ワタシは、ホルバインの版画を思い出すけど、サン=サーンスは、フランスの詩人アンリ・カザリス(Henri Cazalis ジャン・ラオールJean Lahor)の詩にインスピレーションを受けて作曲したと言われています。カザリスさん(←これは本名)は、1804年生まれ。マラルメと親交があったお医者さん兼詩人らしいです。

(以下は引用された部分です。)ミヒャエル・ヴォルゲムート「死の舞踏」1493年作の版画も参考に掲載しておきます。The Dance of Death (1493) by Michael Wolgemut, from the Nuremberg Chronicle of Hartmann Schedel 

ジグ、ジグ、ジグ、墓石の上
踵で拍子を取りながら
真夜中に死神が奏でるは舞踏の調べ
ジグ、ジグ、ジグ、ヴァイオリンで
冬の風は吹きすさび、夜は深い
菩提樹から漏れる呻き声
青白い骸骨が闇から舞い出で
屍衣を纏いて跳ね回る
ジグ、ジグ、ジグ、体を捩らせ
踊る者どもの骨がかちゃかちゃと擦れ合う音が聞こえよう
静かに!突然踊りは止み、押しあいへしあい逃げていく
暁を告げる鶏が鳴いたのだ

このカザリスの詩をもとに、交響詩「死の舞踏」が、どんな表現をしているのか、比較している表です。

カザリスの詩サン=サーンスの曲
夜中の12時、死神が墓場に現れるハープが12回、Dの音を奏でる
死神がヴァイオリンを弾く独奏ヴァイオリンがAとEsの不協和音で死神らしい雰囲気を表す
骸骨の踊る不気味なワルツフルート、後に弦合奏で、「怒りの日(Dies irae)」に基づく主題が奏される
カチャカチャと骨の擦れる音シロフォンを用いる(当時は音楽で用いられることは殆どなかった)
朝を告げる雄鶏の鳴き声
そして激しく踊っていた骸骨たちは墓場へ帰り、曲は静かに終わる。
突然曲が止みオーボエの旋律が現れる。

ここまで情報があると、死と舞踏が、イメージ膨らみますよね。不気味さもパワーアップするかもしれません。ちょっと滑稽な舞踏なんですけどね。ホルバインの木版画のイメージが、ワタシには強すぎるのかなあとは思いますが。いかに権力者であろうとも、貧富の差なく、誰もが、こうやって骸骨になることには変わりなしって感じで、皮肉っぽく社会を痛烈に批判して、隣り合わせの死と生を、きわどく諧謔的に描いた作品だと思います。

忍び寄る避けようのない死生観が描かれていると、絵画や木版画の「死の舞踏」を見てきたので~ 演奏としては、あまりに明るく華麗にさっぱりと「死の舞踏」を演奏されちゃうと、ちょっと、わかんなくなっちゃいますね。リストと違って、サン=サーンスだと軽快であってもよいのかなあ。

ちなみに、ホルバインの「死の舞踏」41点の木版画は「巧妙に構想され、優雅に描かれた「死」の像と物語」と言います。検索すると奇妙な版画が、いっぱい出てきます。また、いろんな編曲があり、個性的な演奏もあります。興味をもたれた方は、どうぞ専門書とか専門的なサイトで調べていただくとサイワイです。

サン=サーンス:交響詩「死の舞踏」【ディスク情報】

1970年 マルティノン フランス国立管弦楽団 Dec
1972年 ギブソン ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 CHANDOS
1977年 レーグナー ベルリン放送交響楽団 BERLIN
1980年 デュトワ フィルハーモニア管弦楽団 Dec
1981年 バレンボイム パリ管弦楽団 G
1987年 プレートル フランス国立管弦楽団 EMI
1989年 エリック・カンゼル シンシナティー・ポップス TELARC
1991年 クリヴィヌ 国立リヨン管弦楽団 DENON
1994年 プラッソン トゥールーズ・カピトール国立管弦楽団 EMI
1997年 大植英次 ミネソタ管弦楽団 Reference
2011年 N・ヤルヴィ ロイヤル・スコティッシュナショナル管弦楽団 CHANDOS
2015年 ケント・ナガノ モントリオール交響楽団 Dec
2016年 準・メルクル フランス国立リール管弦楽団 NAXOS
2021年 アイヴァー・ボルトン バーゼル交響楽団 PROSPERO

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