シベリウス:交響曲第7番【聴いてみよう】Sibelius: Symphony No.7 in C Major, Op. 105

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シベリウス:交響曲第7番【名盤・おすすめ】

シベリウスの交響曲第7番は、約20分あまりの単一楽章の楽曲ですが、内部では、4つに区分されます。速度で示すと、次のとおりです。もし、インデックスが区分されている場合は、次の速度表示で示されます。Adagio(序奏) –  Vivacissimo – Adagio - Allegro molto moderato –  Allegro moderato(- Vivace) – Presto – Adagio – Largamente molto – Affettuoso

ニコラス・コロン フィンランド放送交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第7番 ニコラス・コロン フィンランド放送交響楽団 2021年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Nicholas Collon The Finnish Radio Symphony Orchestra

ニコラス・コロンさんは、1983年ロンドン生まれの指揮者です。フィンランド放送響に海外からの指揮者を迎え入れたのは初なんだそうです。で、CD第1作がこのシベリウスの交響曲第7番とは、まあなんと無謀な(果敢な挑戦というか)驚きました。木管の細かな動きは忙しいですね。スパイスにはなるんだけど、慌ただしい演奏だな~という感じで、この曲は、さほど起伏をつけていただかなくても良いんだけどな~とも思いますが、トロンボーンの響きは力強いですね。

CDカップリング:シベリウス交響曲第7番、組曲クリスティアン2世、組曲ペレアスとメリザンド 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 The Finnish Radio Symphony Orchestra – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

クラウス・マケラ オスロ・フィル 😘

シベリウス:交響曲第7番 クラウス・マケラ オスロ・フィル 2021年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Klaus Mäkelä Oslo Philharmonic Orchestra

マケラさんは新進気鋭の指揮者です。フィンランド出身で、スウェーデン放送響の首席客演、オスロ・フィルの首席、パリ管弦楽団の音楽監督、27年からあのコンセルトヘボウの首席になる~という昇り龍のごとき指揮者です。メチャ若くてイケメンで、1996年生まれって、えぇっー驚き以外なにものもない。

エサ・ペッカ=サロネンさんのウエを行くかもしれません。シベリウスの交響曲第7番を聴いてみましたが、この曲自体が、極めるだけ極めたという結晶のような曲で、ピュアなんですよね。それを蒸留水のようにさらっと演奏されちゃうと、うー 言葉が見つからない、言うことあらへんという脱帽状態でした。空気感というか音の響きというか、包まれる感覚というのは、持って生まれた感性なのでしょうか。綺麗、綺麗という言葉しか思い浮かばない自分の脳みそを恨みたくなります。が、やっぱり綺麗ですね。

マケラさんの演奏のなかに、多少、世俗的な匂いがしなくもないけど、清潔で爽やかです。ここまで出来ちゃうなんてね、はえぇ~ まだ30歳前ですよね。(マケラさんは1996年生まれ)我が身を恥じつつ、今後、どのような活躍されるのか、演奏されていくのか楽しみです。余計な雑念に惑わされることなく、これから生まれてくる作品にも果敢に挑戦されて行くのを期待します。

CDカップリング:シベリウス シベリウス 交響曲全集第1番~第7番、交響詩タピオラ、3つのフラグメント(ティモ・ヴァイルタネン校訂)2021年 Sibelius: Symphony No. 7 in C Major, Op. 105  オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

オスモ・ヴァンスカ ミネソタ管弦楽団 😘

シベリウス:交響曲第7番 オスモ・ヴァンスカ ミネソタ管弦楽団 2015年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Osmo Vänskä Minnesota Orchestra

ヴァンスカさんのシベリウスの全集は二種類あります。で、シベリウスの2番、5番あたりは、普通に聴けるのですが、7番を聴く時には、自分の感性、ピュアでないいけないと思うことが多いです。少なくとも部屋を掃除して、整えてから聴かないといけないという感じです。ちょっと大層ですが、そんな曲あるんですよ。あと、マーラーの9番とか。おいそれと聴けない曲の一つです。

で、ミネソタ管との演奏は、激しい場面があるわけではないので、起伏の大きさではなはく、大地に張り付くように、うねり流れる風を感じます。風に勢いがあり、それが立ちのぼりたくて、ウズウズしているような感じがします。ただ、ワタシが聴くときに、ちょっと感想が変わってしまうのです。あるときは風を感じるし、あるときは、大地の呻きのように聞こえたり、なかなかに難しい曲なので~ また聴いてみます。

CDカップリング:シベリウス交響曲第3番、6番、7番 2015年 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ミネソタ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

パーヴォ・ヤルヴィ パリ管弦楽団 🙄

シベリウス:交響曲第7番 パーヴォ・ヤルヴィ パリ管弦楽団 2014年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Paavo Järvi Orchestre de Paris

パーヴォさんの演奏は、ワタシは、苦手なタイプです。器用なのか、曲に応じて雰囲気が変わるので、一本筋が見えてこないところがあって、この人とどう付き合えば良いのか迷う感じなのです。もちろん、他の指揮者にも感じるところはあるのですが、パリ管との演奏は、良いとも悪いとも言えない熱さがあります。インデックスが細かく分かれているので、ちょっと聞きづらいのですが、ある意味、この場面ごとに~という提示なのでしょう。ぼんやり聴いているわけにはいかないので不便です。出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 パーヴォ・ヤルヴィ – トピック Provided to YouTube by Sony Music Labels Inc.

オッコ・カム ラハティ交響楽団 🥰

シベリウス:交響曲第7番 オッコ・カム ラハティ交響楽団 2013年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Okko Kamu Lahti Symphony Orchestra

コムさんの演奏は、昔のBPOとのCDが有名ですが、久々に指揮する演奏を聴いてみました。もっと世界的な指揮者として知名度があがるのかと期待していたのですが、舞台を広げていかないのかな~ いつもシベリウスなどの北欧作曲家の作品を聴いている気がします。引き締まった音で、内省的な演奏で、この曲を聴くには相応しいアプローチだとワタシは思っています。ガチャガチャしないところが好きですね。弦の弱音の美しさを感じ、そして、金管のボリュームも感じることができます。自然と言わんとすることが伝わってきます。神々しいですね。出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ラハティ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

ヨン・ストルゴールズ  BBCフィル 🥰

シベリウス:交響曲第7番 ヨン・ストゥールゴールズ BBCフィル 2012年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 John Storgårds BBC Philharmonic Orchestra

ストゥールゴールズさんの演奏は、ちょっと太めのふくよかな響きがします。暖かみのあるトーンです。フルートの二重奏響きが柔らかく、木漏れ日が射し込んでいる感じですね。息の長い演奏で、ゆったりしています。たおやかな演奏というか、女性的で柔らかく優しく、息づかいの長い演奏です。優しい風が吹いている感じです。

中間部に入ってくると、猛烈な風に変わり、弦のキレとスピードがあがり、雲行きが怪しくなる感じです。ここらへんのメリハリは良いですね。木管が速めに語尾を切り上げて、キレを出している感じがします。トロンボーンも力強く吹かれており、インパクトがあります。ストゥールゴールズさんの演奏は、ストーリー性を感じます。まるで、交響詩を聴いているようで、飽きさせることがありません。ただ、静かに聴きたい方にとっては、ん~っと唸るかもしれませんが、最初に聴く際には、聴き応えのある演奏だと感じると思います。

CDカップリング:シベリウス交響曲全集 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ヨン・ストルゴールズ – トピック Provided to YouTube by PIAS

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団

シベリウス:交響曲第7番 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 2003年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Neeme Järvi Gothenburg Symphony Orchestra

CDカップリング:シベリウス交響曲全集 出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 7 in C, Op. 105
エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 🙄

シベリウス:交響曲第7番 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 2003年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Colin Davis London Symphony Orchestra

C・デイヴィスさんの演奏は、ライブ盤の録音のせいか、ヌケが良くなく、生ぬるく感じられてしまいます。引き締まった音でもなく、薄ぼんやりした感じが拭えません。いつまでも迷いのなかに居るかのようです。達観したというか、ヌケきった空気感や時間感の世界には行けておらず、また、厳しい世界が描かれているという風でもないように思います。人間クサいというと変ですが、いつまでも、そこに留まっている気がします。なーんかなあ。ずーっと昔から聴いてきたんだけど、残念な気がしますね。ことにシベリウスの7番においては、そう思います。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第3番、第7番 2003年 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by harmonia mundi

サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 🤨

シベリウス:交響曲第7番 サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 2003年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Sakari Oramo City of Birmingham Symphony Orchestra

オラモさんのシベリウスは、うーん、録音が良くないのか、締まった感じがしないので~ ギブアップです。ごめんなさい。CDカップリング:シベリウス交響曲第6番、第7番、交響詩タピオラ 出典:YouTube Symphony No.7 in C major Op.105 サカリ・オラモ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル 😘

シベリウス:交響曲第7番
レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル 2002年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105
Leif Segerstam Helsinki Philharmonic Orchestra

せーゲルスタムさんのシベリウスは、ワタシとしては、居住まいを正して聴きたい楽曲と演奏です。録音状態は良いし、静かで大らかな演奏です。この曲は、生半可に聴きたくないというか、特別な時に聴きたいというか、心穏やかに座禅を組むというか、初詣に参るかのような感じで、清らかな空気を感じたい気がするものなのです。

まるで古い神社への長い参道を歩いている感じがします。もちろん、自然(例えば、山であったり、巨石だったり、神木であったり、湧き水であったり~)を崇拝する神が宿る気がします。もちろん、ワタシなりの聴き方なんですけどね。セーゲルスタムさんのフレーズは、シーンとしすぎず、厳格すぎず、なんか頃合いの優しさを感じます。CDカップリング:シベリウス交響曲第1番、第7番 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ペトリ・サカリ アイスランド交響楽団

シベリウス:交響曲第7番 ペトリ・サカリ アイスランド交響楽団 2000年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Petri Sakari Iceland Symphony Orchestra

CDカップリング:シベリウス交響曲第6番、組曲テンペスト、第7番 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 アイスランド交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

オスモ・ヴァンスカ ラハティ交響楽団

シベリウス:交響曲第7番 オスモ・ヴァンスカ ラハティ交響楽団 1997年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Osmo Vänskä Lahti Symphony Orchestra

CDカップリング:シベリウス交響曲全集 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105
ラハティ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

パーヴォ・ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 🥰

シベリウス:交響曲第7番 パーヴォ・ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 1995年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Paavo Berglund Chamber Orchestra of Europe

ベルグルンドさんの演奏は、シベリウスの交響曲に共通して言えることなのですが、ほんのり暖かさのある音で、広がりがあります。全集が三種類あるのですが、このヨーロッパ室内管との演奏は、演奏者の数が絞られているので、見通し良く、限られた音量で、慎ましく美しく演奏されます。冷たい自然観を描いているというよりは、主題が盛りあがってきて登場したトロンボーンのフレーズは、朗々としていますが、丸い大きな球体のような質感があります。

ゆったりとした、大らかさがあって、やっぱり優しさがあるよね~という感じです。そんな完璧な演奏とは思わないのですが、暖かさを感じさせる包まれるような雰囲気がします。凍てつく大地なのでしょうが、寒くて縮こまって、硬くならず、どこか爽やかさも持ち合わせている演奏です。人肌の暖かさ優しさ、愛情ある演奏です。CDカップリング:シベリウス交響曲全集 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ヨーロッパ室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia

ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第7番 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1994年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Herbert Blomstedt San Francisco Symphony

ブロムシュテットさんの演奏は、ゆったりと熱いです。ティンパニーの音は柔らかく、弦のフレーズは大きいです。フルートの音色は、柔らかく膨らみを持っているし息が長いもの。そこから、ふわっとした空気感が生まれ、萎み~ まるで、大地が呼吸をしているかのような気配がします。他の演奏でも同じ感覚ではあるのですが、暖かな肌合いで、息づかいを感じさせるものだ。弦の旋律は、まあるく、まあるく描いていって、ピチカートで弾んで、上にむかって昇っていく感じがします。

中間部は、テンポがあがって速いし、弦が揺れて、まるで風を起こしているかのような場面からは、熱量があがってくる感じで、メラっとした火がおこり、少しだけ炎が立ち上がってくるかのようです。細かいフレーズのところは速く、朗々と歌うところは、思い切って大きく歌うという、メリハリのついた演奏で、活き活きとして動いており、なにやら愉しそうな感じが伝わってきます。CDカップリング:シベリウス 交響曲第1番 1994年、交響曲第7番 1993年
出典:YouTube Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 🙄

シベリウス:交響曲第7番 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 1994年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Colin Davis London Symphony Orchestra

録音状態は全体的に籠もっている感じがするが、柔らかで大らかな演奏だ。デイヴィス2度目の全集盤で、1度目はボストン響と、3度目は同じロンドン交響楽団とのライブ盤が出ている。シベリウスの交響曲第7番は、1楽章のみの小品だが、聴けば聴くほど奥が深い。C・デイヴィスさんのロンドン響との演奏は、柔らかく、ふくよかな響きを持っており、ゆったりとした、広がりを持っており、大きな器を感じさせる。ことさらに大きな身振りで演奏されていないけれど、泰然としてて、豊かさがある。

中間部の弦が、カシャカシャと蠢くところも、ゆったりめ。で、柔らかい響きが特徴だ。トロンボーンの響きも、ティンパニーも、結構、太めにゴツク響いてくるが、全体的に茫洋とした感じになっている。それが、でもこの楽曲には広がりを与えるし、かえって良さが出ているんじゃ~ないだろうか。C・デイヴィスのロンドン響盤は、神秘的というより、大らかな自然観たっぷりの演奏で、もう少し繊細でも良いように思うけど、深刻にならず、小さくまとまらず開放的で明るめのシベリウスの7番になっているので、これはこれで、主張のある良い演奏だな~と思う。

CDカップリング:シベリウス 交響曲全集第1番~第7番、組曲恋人(作品14)、交響詩伝説、クレルヴォ交響曲、4つの伝説、交響詩ポヒョラの娘、吟遊詩人、カレリア組曲、交響詩大洋の女神、フィンランディア、悲しきワルツ、タピオラ、夜の騎行と日の出 1992年~2000年 出典:YouTube Symphony No. 1 in E Minor, Op. 39 Sir Colin Davis – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団

シベリウス:交響曲第7番 ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Jukka-Pekka Saraste Finnish Radio Symphony Orchestra

CDカップリング:シベリウス 交響曲第1番~7番、カレリア、組曲カレリア、交響詩フィンランディア 劇音楽クオレマ、夜の騎行と日の出、組曲ベルシャザール王の饗宴、組曲クリスティアン2世、交響詩ポヒョラの娘、吟遊詩人、大洋の女神、伝説、タピオラ、組曲歴史的情景第1番、第2番、4つの伝説、ヴァイオリン協奏曲、2つのユモレスク、4つのユモレスク、2つのセレナード 1987年~89年 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105: Allegro molto moderato ユッカ=ペッカ・サラステ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

ロリン・マゼール ピッツバーグ交響楽団 😰

シベリウス:交響曲第7番 ロリン・マゼール ピッツバーグ交響楽団 1992年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Lorin Maazel Pittsburgh Symphony Orchestra
★ 2つのインデックスで区分されています。1:Adagio, Vivacissimo, Adagio 2:Allegro Molto Moderato

マゼールさんの演奏は、やっぱり厳しいです。ずーっとクールで冷えている。そして、背筋がシャンとした禅のような~(といって、宗教観が漂っているってワケじゃありませんが)世界というか、お寺の墨で描かれた障壁画を見ている世界というか、色で言うと白黒のモノトーン世界というか、絵画で言うと油絵ではなく日本画のような世界というか。(言葉で表現するの難しいっ)やっぱ自分に厳しい、他人にも厳しい(って勝手に思っている)気がします。

余計なモノは持ち合わせてない、そこは、昔から変わらない気質なのかなあ~ ピッツバーグ交響楽団との演奏なので、もっと通俗的になってしまったかと思っていたのですが、いやいや~ そんなことなかったですね。昔の自分の気質を取り戻したのか、自分らしさが戻ったみたいな、そんな感じがします。クールですよ。クール。でも、ウィーン・フィルとの、昔の演奏の方を聴くことが多いです。ハイ、いつも凍り付いていました。CDカップリング:シベリウス交響曲第1番、第7番 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ロリン・マゼール – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

レイフ・セーゲルスタム デンマーク放送交響楽団

シベリウス:交響曲第7番 レイフ・セーゲルスタム デンマーク放送交響楽団 1990年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Leif Segerstam Danish National Symphony Orchestra

せーゲルスタムさんの演奏は、小刻みに弦が動き、駆け足に演奏されています。せっかちなほどに動いていくのだが、小さな生命体の活発なうごめき。そのなかから、長音が絡んで、大きな動きとなっていく感じです。トロンボーンの旋律は、もっと派手でも良いかもしれませんが、しっかり芯があります。開放的で、解き放たれた喜びを表すかのような、明るい音で大見得を切る演奏ではなく、フラットな響きで、しみじみとした雰囲気があります。

人肌的な暖かさより少し冷たいのですが、柔らかい木管の響きなどが豊かさもあり、決して嶮しい表情にはなっていないと思います。基本的に静謐な演奏となっています。CDカップリング:シベリウス 交響曲第5番、悲しいワルツ、7番 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 レイフ・セーゲルスタム – トピック Provided to YouTube by PIAS

レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 😂

シベリウス:交響曲第7番 レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 1987年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Leonard Bernstein Wiener Philharmoniker

録音は、透明感のあるモノではない。堂々とした演奏である。ライブ盤で、バーンスタインとシベリウス。う~ん、あまりにも印象が異なるので、きっと、暑苦しいシベリウスだろう思いつつも聴く。まあ、結果から言うと、やっぱり・・・ でした。笑で、どうして暑苦しいと思うのか、ってことなんですが、まず、録音状態が、透明度が低く、始終、もわっとした空気感だし、弦が、太く響いていること。弦のビブラートが、かかっていて、音が細かく振動していることで、音が揺れてしまうこと。

木管の響きが太いこと。弦も重いうえに、金管が重く、弦に、どっぷりと被さってくること。フレージングのキレが悪く、語尾が濁ること。間合いや、行間の隙間がない状態で、常に音が鳴っていること。息を詰めて、殺した感じで、演奏して欲しいんだけどなあ。このシベリウスの7番は、間合い、行間、余白が美しい楽曲だと思うが~ バーンスタイン盤は、まるで、厚塗りの油絵のよう。ワタシ的には、床の間に掛ける、掛け軸のような、水墨画のような、楽曲だと思うんですが。ハイ、とっても勝手な感想でございました。失礼しました。バーンスタインとシベリウスの取り合わせが、予測どおりでしたって感じがする。ホント、ありえないぐらい~ ベタベタで濃厚すぎる。とんでも盤である。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第5番、第7番 ライブ 出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 – Ia. Adagio – (Live) Vienna Philharmonic Provided to YouTube by Universal Music Group

ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 🥰

シベリウス:交響曲第7番 パーヴォ・ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 1984年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Paavo Berglund Helsinki Philharmonic Orchestra
★ 単一楽章ですが、4つのインデックスに区分されています。

ベルグルンドさんのシベリウスは、ボーンマス響、ヘルシンキ・フィル、ヨーロッパ室内管弦楽団の三種類の全集があります。ヘルシンキ・フィルとの録音は第2回目。いずれも穏やかな優しい演奏です。で、約20分程度の曲なのですが、短いからといって侮れません。小宇宙的なシンフォニーで、幻想的で夢想的。そして、座禅でも組んでいる気分になるというか、坪庭を見ているような雰囲気になるというか。瞑想できるような楽曲というか、内省的で凝縮された世界観を描いた曲となっています。

ベルグルンドさんとヘルシンキ・フィルの演奏は、すーっと流れて消えていく、とても内省的で静かな演奏である。ティンパニーの音が軽く鳴ったあと、「れみふぁそらしどれみふぁ~」と、弦があがってくる。そこに絡む金管の響きは強くありません。動的に広がっていく可視的な演奏もありますし、悠然とした広がり感、恰幅の良い泰然とした構えをしている演奏もあります。良い意味でこぢんまりと細身、小さくまとまりつつ、そっと、底流を流れているせせらぎのような、気をつけないと、見つけられない存在のような、そんな小宇宙を作っています。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第5番~第7番 2枚組BOX 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 チャンネル:パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 😞

シベリウス:交響曲第7番 サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1985年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Simon Rattle City Of Birmingham Symphony Orchestra

ラトルさんの演奏は、ざわついた感じがします。この楽曲は、各楽器の旋律が、よりあわさってバラバラに聞こえるのではなく、近くでみると、いろんな色が混じっているのだけど、遠くから見ると一つの色として主張してこないと、イケナイみたいな~ そんな感じがします。底部からわき起こってくるようなエネルギーで、底の厚い響きも欲しいし、高音域のすーっと透る音も欲しいし~ 難しそうな楽曲です。

さざ波が立っていると、大きな波に乗れないし、形が崩れそうですしね。緻密に積みあげるだけでもダメっぽいです。揺らぎはあるけど揺らがない。金管の馬力と長音と、弦の微動がマッチしてこないと、縦が合わなくなって変な感じになりそうですね。わ~ ムズイ。弦や木管のゆらっとした蜃気楼のような感じも欲しいしねえ。心搏の幅に、一定枠があるように思います。

また、あまり見通しが良すぎても感覚的に面白くないというか、構造が見えすぎるとダメみたいな。見通しが良い方が情報量が多いね~と喜んで聴けるような曲じゃないみたい。あまり、分解して見せないほうが良いんじゃーという感じがしますね。なぜなんだろう~ 謎めいて、幻想的な雰囲気を持っていたいからかもしれません。 

ラトルさんの演奏は、うーん。細切れ状態で、パッチワーク的に思います。みんなで揺れたり揺らがないですね。金管が聞こえると、えっ バランスが悪いな~と思ってしまいます。大事なトロンボーンが浮いてるみたい。う~ん。なんでしょうねえ。この楽曲だと、ザワザワした風に聞こえます。見ているようで見ていない、ふわっとした気分で味わいたい、良い意味で茫洋とした感覚は、ちょっと得られませんでした。偉そうに言ってスミマセン。また聴いてみます。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第5番、劇音楽「クオレマ」~鶴のいる情景~、交響曲第7番、交響詩「夜の騎行と日の出」 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 バーミンガム市交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

アレクサンダー・ギブソン スコティッシュナショナル管弦楽団 🙄

シベリウス:交響曲第7番 アレクサンダー・ギブソン スコティッシュナショナル管弦楽団 1982年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Alexander Gibson Royal Scottish National Orchestra

ギブソンさんの演奏は、あくまでもなだらか~ 穏やかな演奏です。急峻な盛りあがりがなく、嶮しい表情をあまり見せないですね。7番は、氷の結晶のような、硬く締まった小宇宙的なシンフォニーというイメージもするのですが、ギブソンさんの演奏を聴いていると、ちょっと氷が溶け気味でしょうか。ツーンとした録音状態ではないのが、ちょっと悲しいけれど、ある意味、ほんわかしており、柔らかい雰囲気がします。CDカップリング:シベリウス交響曲第3番、第6番、第7番 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by PIAS

ウラディーミル・アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 🙄

シベリウス:交響曲第7番 ウラディーミル・アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 1982年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Vladimir Ashkenazy Philharmonia Orchestra

アシュケナージさんの演奏は、柔らかいのですが、決して弛緩しているわけではなく、旋律の織り目から、ふわ~っとした靄が立ってくるかのようです。朝靄にたなびく、ゆるやかな稜線を持つ高原に佇んでいるかのようです。雄大に振りたいのか、それとも氷の結晶のようにマクロ的に振りたいのか、ちょっと意図がわかりづらいです。それでも、上昇する旋律の時の揺らめき感や、堂々とした音の強さも感じないわけではないし、空気は薄めで、テンポも総体的にゆったりしています。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 7 in C, Op. 105 フィルハーモニア管弦楽団 – トピック
Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス ボストン交響楽団  😘

シベリウス:交響曲第7番 コリン・デイヴィス ボストン交響楽団 1975年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Colin Davis Boston Symphony Orchestra

コリン・デイヴィスさんの演奏は、あまり録音状態が良くないのですが、太い筆で、ぐいっと描ききろうとする意思を感じます。シベリウスが好きだったのか、何度となく、これ以降も録音されており、ロンドン響におけるCDも拝聴したのですが、芯の硬さはボストン響の演奏に一番感じる気がします。しなやかな自然体というより、猛々しい自然のなかに生きてるんだーっという叫びのような声が聞こえてきます。

嶮しい自然のありようを音として表現しようとしているのか、自然と人との対峙なのか、よくわかりませんが、この演奏を聴くと、雪山に登山している人物が主人公という気がします。ボストン響との演奏は、やっぱ、人が主人公という気がします。ロンドン響のときも、まだ人の気配がしていたのですが、基本路線は、自然に対峙する人物像の描写でしょうか、今回改めて、そう感じました。

まるで、目の前に、アルプスの山々が見えてくるかのような雰囲気がして、金管の響きは、重く、伸びやかで奥行きを感じさせます。可視的で、パノラマ風景のように感じる演奏です。ワタシ的にはイメージが違うのですが、あはは~ これもアリかと思います。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 マックス・ホウバート – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

クルト・ザンデルリンク ベルリン交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第7番 クルト・ザンデルリンク ベルリン交響楽団 1974年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Kurt Sanderling Berlin Symphony Orchestra

ザンデルリンクさんの演奏は、かなり湿気の高い、重々しい音で綴られています。雪が積みかさなったような重さというか、重苦しさがあります。遅めのテンポで、足をしっかり地面につけて、一歩一歩を、噛みしめて歩いているような、まるで覚悟の心境が描かれているような気がします。ここまで遅く、重く演奏されなくても良い気がしますが、垂直に、縦にがっちり音を重ねているので、さらっとは流れていかないです。バーンスタインさんの演奏も、メチャ重くて厚くて、ワタシ的にはとんでもない演奏だと思ってしまいましたが、ザンデルリンクさんの演奏も、相当に重みがあります。ちなみに、演奏時間は23分56秒です。

一瞬、ブルックナーかと思うほどで、和音が、とても綺麗だ。スケール感が出ている。録音状態は、さほど良いとは言えないんだけど、響きの柔らかさが出ているので、この楽曲にマッチしているように感じた。まっ フィヨルドのような狭く切り込んだ雰囲気ではなく、高原のような、アルプスの山々を見るかのような広がっていく雰囲気があるので、楽曲に対するイメージは、私的には違っていたんだけど~。

CDカップリング シベリウス交響曲全集第1番~7番、交響詩フィンランディア、悲しきワルツ、夜の騎行と日の出、トゥオネラの白鳥、エン・サガ 1970年~79年 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ベルリン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media

パーヴォ・ベルグルンド ボーンマス交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第7番 パーヴォ・ベルグルンド ボーンマス交響楽団 1972年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Paavo Berglund Bournemouth Symphony Orchestra

ベルグルンドさんの最初の録音で、いつも暖かさをほんのり感じられるので好きな演奏です。シベリウスの曲は、いろんなイメージが出現し、形がないようなあるような~ 変幻していく世界が楽しく、聴くときによって異なる気がします。ワタシ自身に照らして、ふっと時空間が飛んじゃうのです。

で、あっと、我に返るようなところがあります。なにを描こうとしているのか、よくつかみきれないけれど、作曲家の意図も不思議ちゃんなのですが、ある意味瞑想的な曲で、落ち着いたりします。ボーンマス響との演奏は、別に別世界に飛ぶわけでも、ブルックナーやマーラーのように天上を描くような曲には思えないですよね。どちらかというと、自然のなかに溶け込んじゃう、自分がその一部になるような体感のできる曲だと、そう思います。また、そう思わせてくれる演奏でもあります。感じる~ 感じる演奏です。CDカップリング:シベリウス交響曲全集 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ゲナジー・ロジェストヴェンスキー モスクワ放送交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第7番 ゲナジー・ロジェストヴェンスキー モスクワ放送交響楽団 1971年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Gennady Rozhdestvensky USSR State Radio and Television Symphony Orchestra

ロジェストヴェンスキーさんの演奏は、ものすごく息の長い演奏ですが、自然と、その長さが不思議と気持ち良くなっていきます。聴き始めるたときは、えっ遅いやん!と感じるのですが、するするっとその音に引き込まれてしまって、瞑想しているかのような気持ち良さに変わっていくのです。瞑想している感じです。いつ聴いても別世界のような胸中になるので、落ち着きますね。シベリウスの楽曲は、この境地に至ったのかと気づかされる演奏でもあり、そう簡単に易々とは至らないだろう曲だとも思います。無限大に広がっているエントランスに立っているかのような錯覚を起こす感じですね。でも、白一色だけの世界ではない~ 気がします。

出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 USSR State Radio and Television Symphony Orchestra & Choir – トピック Provided to YouTube by National Digital Aggregator LLC

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😘

シベリウス:交響曲第7番 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1965年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

カラヤンさんの60年代の演奏です。録音された時期が古いのですが、ルカ教会での演奏なので、心地良い響きがあります。ワタシには、オーラを感じさせる演奏で、若い頃に刷り込まれてしまった演奏です。弦の硬い響きと無駄のない金管の響きが、適度な余韻を残しますが、全体的に、引き締まったタイトな演奏で、きっちり端正に、無駄なく、正確に描き出し出したいという気迫が感じられます。凄みがあり、緊張感が張っていて、気を引き締めて、構えて聴かないとダメ~という楽曲として提示されているようです。

ずっしり重量感がありながら、透明で、硬め、ぐいぐいと迫ってくる気迫みたいなモノが表出してて、そのくせ自然体で、これは、やっぱり凄い演奏だと思います。カラヤンさんの演奏は、ゴージャスな演奏の時は、鼻血が出そうなほど暑苦しく演出しすぎて逃げたくなるんですが、(ざっくり言うと、60年代は引き締まった体躯ですが、80年代になるとゴージャスに変貌する傾向にあります)このシベ7は、文句なしに良いと思います。

フルートの響きは、夢幻の世界に吸い込んでいきますし、弦のタイトなボーイングは、シーンとした静寂と、底に張りついた氷の上を歩いているという世界に誘われます、また、金管の響きが神々しいのです。まるでご来光でも拝んでいるかのような~ そんな気持ちにさせられます。ありがたい気持ちにさせるという、響きからの開放感は、すごいので、最後には絶対(多分)やられたっ! そう感じると思います。

カラヤン盤を聴いていると、さまざまに変幻する形のないモノ、そのくせ、妙に安心、暖かく、前に歩みを進めて行きたいような~ オーラのようなモノを感じる。60年代のカラヤンは、引き締まってて気持ちが良い。

CDカップリング:シベリウス交響曲第4番 1965年、交響曲第7番 1967年、悲しきワルツ 1967年 YouTubeにおいては、4番~7番 タピオラのカップリングです。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 7 in C Major, Op. 105
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジョン・バルビローリ ハレ管弦楽団 😍

シベリウス:交響曲第7番 ジョン・バルビローリ ハレ管弦楽団 1966年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 John Barbirolli Hallé Orchestra

バルビローリさんの演奏は、高音域のヴァイオリンの音が、とても清々しいです。人の呼吸に近い間合いという感じで、伸びていき、ワタシの呼吸と呼応するかのよう。アハハ、単にワタシが見入って、いや聞き入って、このテンポに合うんだと思います。大らかで、ホント大らかで~ のびのびと旋律をゆったりと大きな波を描くように演奏していきます。余韻が大変心地良い演奏です。楽曲が、様々に姿を変えていくのを見ることもできます。小さなことは気にしない~というタイプの演奏で、まあ、大きく包まれる演奏です。単純と言えば単純なのですが、この演奏アプローチもありだと思うので、自由で開放的、愛が詰まったような気がします。出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 ジョン・バルビローリ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ロリン・マゼール ウィーン・フィル 😨

シベリウス:交響曲第7番 ロリン・マゼール ウィーン・フィル 1966年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Lorin Maazel Wiener Philharmoniker

マゼールさんの演奏は、この時期クールで凍り付きます。音楽の力ってすごいな~とは思うのですが、どうして、すごいな~って思うのか、なかなか言葉(言語)で表現しづらいんです。でも、この言葉を失うような状態でないと、すごいな~って思う世界には至ってないような気がします。アハハ~ 表現することを避けたり、逃げているわけではありません。凡人のワタシでは、ムズイ、ムリ~。こちらが聞き込まないと、なかなか相手にしてもらえない曲だな~と気づいたりします。とても不思議な演奏です。

楽器の響きが、これほど異なるイメージを、世界観を描いてくるとは。う~ん。唸ってしまいます。人を改悛させるかのような高みへの誘い、時々、すごみがありますね。突き詰めてくるんですよね。全てを包み込むかのような、それでいて、分解的で~ 距離感が測りきれないところがあるが、最後の一音の広がりが、空中で散っていくかのようなところがあり、演奏のことを具体的に書けず、自分の印象ばかりを書いて申し訳けないのだが、時空間を自分のイメージで飛べる自由さが感じられ、安心感に包まれているという、とても不思議な空間が出現する気がします。変でしょ。

出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 7, Maazel & VPO (1966) シベリウス 交響曲第7番 マゼール Deucalion Project

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC

シベリウス:交響曲第7番 レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1960年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Lorin Maazel Wiener Philharmoniker

出典:YouTube Symphony No. 7 in C Major, Op. 105 Leonard Bernstein Provided to YouTube by Sony Classical

ヘルベルト・フォン・カラヤン フィルハーモニア管弦楽団 😮

シベリウス:交響曲第7番 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1955年
Sibelius: Symphony No.7 in C, Op.105 Herbert Von Karajan Philharmonia Orchestra
★ インデックスは4つに区分されています。

カラヤンさんの演奏は、引き締まった音で紡いできますね。硬いのですが、鋭いキレというのではなく、うーん、表現が難しいのですが、やっぱり引き締まった音なんだと思います。55年以降、数度にわたって録音しているのですが、基本的なアプローチは変わらない気がします。60年代における録音も、かなり引き締まった音なのですが、やっぱ、基本的に変わらないんだ~と感じて改めて驚きました。あまり精神性とかなんとか、そんな言葉は使いたくないのですが、ぶれない筋の通った表現で、既に一つの完成形を見た気がします。CDカップリング:フィンランディア、交響曲第4番。第7番 出典:YouTube Symphony No. 7 in C Op. 105 (1990 Remastered Version) フィルハーモニア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

シベリウス:交響曲第7番【解説】

シベリウスの交響曲第7番(作品105)は、1924年に作曲されています。単一楽章ですが、ソナタ形式の部分、緩徐楽章、スケルツォなどを織り込んだ作品で、構想では3つの楽章となっていたようです。

ティンパニーの音から始まり、地の底から湧きあがるような弦の音階によって始まります。フルートのあと、ヴァイオリンが序奏主題を奏でます。最初の上昇する音型、木管楽器が和声的に歌う音型、弦楽器でゆったりと流れるような音型、厳かな楽想が続いた後、第1主題と思われるトロンボーンが朗々と吹かれます。中間部は、これが形を崩して現れ、終結部で、再度姿を現します。アダージョの2分の3拍子、4分の6拍子になるとスケルツォ部分に相当します。弦楽器の静かな部分、波のような弦のうねり。そして、トロンボーンの再現。弦楽器と木管楽器の呼応、最後は速度を速めて、トロンボーンでクライマックスという感じです。
シベリウスの交響曲第7番は、単一楽章ですが、内部では、4つに区分されます。速度で示すと、次のとおりです。Adagio(序奏) –  Vivacissimo – Adagio - Allegro molto moderato –  Allegro moderato(- Vivace) – Presto – Adagio – Largamente molto – Affettuoso

シベリウス:交響曲第7番【ディスク情報】

1955年 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル EMI
1960年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC
1966年 マゼール ウィーン・フィル Dec
1966年 バルビローリ ハレ管弦楽団 EMI
1967年 カラヤン ベルリン・フィル G
1971年 ロジェストヴェンスキー モスクワ放送交響楽団 MELODIYA
1972年 ベルグルンド ボーンマス交響楽団 EMI
1974年 ザンデルリンク ベルリン交響楽団 Brilliant
1975年 C・デイヴィス ボストン交響楽団 Ph
1982年 アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 Dec 
1982年 ギブソン スコティッシュナショナル管弦楽団 CHANDOS
1985年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
1986年 ベルグルンド ヘルシンキ・フィル EMI
1988年 バーンスタイン ウィーン・フィル G
1989年 サラステ フィンランド放送交響楽団 R
1990年 セーゲルスタム デンマーク放送交響楽団 CHANDOS
1992年 マゼール ピッツバーグ交響楽団 SC
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 FINLANDIA
1994年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 R
1994年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1995年 ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 FINLANDIA
1997年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS
2000年 サカリ アイスランド交響楽団 NAXOS
2002年 セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル ONDINE
2003年 オラモ バーミンガム市交響楽団 E
2003年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 LSO
2003年 N・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 G
2012年 ストゥールゴールズ BBCフィル CHANDOS
2013年 カム ラハティ交響楽団 BIS
2014年 P・ヤルヴィ パリ管弦楽団 R
2015年 ヴァンスカ ミネソタ管弦楽団 BIS
2021年 クラウス・マケラ オスロ・フィル Dec
2021年 ニコラス・コロン フィンランド放送交響楽団 ONDINE

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