ストラヴィンスキー:詩篇交響曲
ピエール・ブーレーズ ベルリン・フィルハーモニー 🥰
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 ピエール・ブーレーズ ベルリン・フィルハーモニー 1996年
Stravinsky: Symphonie de Psaumes (Symphony of Psalms) Pierre Boulez Berliner Philharmoniker
ブーレーズさんの振るBPOとのストラヴィンスキーなので、完璧な演奏なのだろうと思って聴き始めました。クールに歌われ、黒く、タイトに引き締まった演奏で、木管の通りは良く、テンポ良く、運動機能抜群のアスリートが演奏しているかのように進みます。引き締まった体躯ですが、弾力性はイマイチって感じです。俯瞰的に、幾何学模様を見ている感じで、楽器の響きが綺麗に聞こえますが、音が置かれている感じがして、どうも、詩篇を歌っているという感覚が、あまり伝わってきません。
人の声の持つ力、たとえ言葉自体が理解できなくても、心を動かされるモノがある。(筈だと思ってマス)最近、チェリビダッケさんの演奏を聴いたのですが、あの演奏は、ブラックホールに吸い込まれるかのような恐ろしさ、虚無感にさいなまれます。訴えても理不尽なままで、その流れに抗えず、どこか救いようのない気がします。それに比べると、 ブーレーズさんの演奏は、綺麗に整っていますが、少し訴求力が少ないかも。でも、完璧という気がします。
黒光りした宇宙空間を見ている感じなので、完璧なんだろうと思います。何度も、繰り返して聴いてみたのですが、現時点では、やっぱり、ワタシの理解を超えた楽曲なのだと、ちょっぴり挫折感を味わってしまったのでした。ストラヴィンスーの交響曲は、どうも敷居が高いです~っ。
CDカップリング:ストラヴィンスキー 管楽器のための交響曲、詩篇交響曲、3楽章の交響曲 出典:YouTube Stravinsky: Symphony of Psalms ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 🥰
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 1991年
Stravinsky: Symphonie de Psaumes (Symphony of Psalms) Michael Tilson Thomas London Symphony Orchestra
ストラヴィンスキーの詩篇交響曲は、三つの楽章で構成されています。第1楽章は、速めにさらっと出てきて、バンっと打ち鳴らされた後のオーボエ、ファゴットの木管が、中近東地域に飛ばしてくれます。ピアノの音と、パラパラパラ~という木管の出だしが面白い。みふぁしど みふぁしど・・・って感じのフレーズが印象に残っていますが、主題が、音を変えてずずずーっと続くという感じがします。出だしのインパクトが大きいです。
第2楽章は、フルートのフレーズに、二番フルートが重なり二重フーガになっています。旋律的には、そんな小難しいわけではないのですが、コーラングレ、オーボエが重なってくると、多層的な響きとなります。人の声に近い木管群のアカペラ風二重フーガってところでしょうか。そして、合唱が入ってきます。すると、それまで、寄り添うことのなかっ旋律が、だんだんと近づき、糸が撚れて美しく、神秘的に響くようになってくるところが面白いです。最後の方は、ティンパニが入ってクライマックスですが、そもそも調性が感じられないので不安定な雰囲気で終始します。
第3楽章は、「ふぁ~ そぉ~っ。はれるやー」と歌われて、和音の美しさが感じられ穏やかな気分になります。しかし、調性は感じません。まるで蜃気楼のような、空気感、空間が広がる楽章です。また、中間部分は、金管やピアノが入ってきてスピードアップ。今度は、歴史絵巻風に変化します。オイディプス王(エディプス王)に似た感じなのだろうか。あの曲も、ケッタイな楽曲だな~って思ったのですが、打楽器のオスティナート風リズムが原始的なのか、ある意味、実験的で、既成概念をぶっ壊すぞーっという感じです。面白く聴けるのですが、ラストは、ホルストの「惑星」最後みたいに聞こえてしまって、むむむぅ~。
CDカップリング:ストラヴィンスキー 詩篇交響曲、ハ調の交響曲、3楽章の交響曲 出典:YouTube Symphony of Psalms マイケル・ティルソン・トーマス – トピック Provided to YouTube by Sony Classical
セルジュ・チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 😱
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲 セルジュ・チェリビダッケ ミュンヘン・フィル 1984年
Stravinsky: Symphonie de Psaumes (Symphony of Psalms) Sergiu Celibidach
Münchener Philharmoniker
チェリビダッケさんの演奏は、実は、当盤のフォーレのレクイエムを聴いたのですが、気絶しそうになりました。遅すぎる。あまりに遅すぎて、それでいながら鳥肌ものの美しさ。気が遠くなりそう。酸欠しそうになりました。とても感想を書ける状態ではなくなってしまって・・・。心底疲れ果てて、クタクタ状態に。で、ストラヴィンスキーに逃げてきたのですが、これまた、ラテン語にて歌われるものだから、ノックアウト!
冒頭から、エキゾチックな雰囲気を漂わせ、中近東あたりのヨナ抜きのような音が続きます。ピアノの音から始まり、ファゴットの音が続いて、コントラファゴットの不気味な音で、バコバコ~っと続く。砂漠地帯を、足取り重く、歩いているかのような感じがする。テンポは遅めです。楷書体のように見えて揺らぎます。
ウィキペディア(Wikipedia)を引用させていただくと、演奏時間は約21分。第1楽章 歌詞は、詩篇38番(39番)前奏曲の役割を持つ。全体をオスティナートが支配し、ホ短調の三和音によって区切りがつけられる。第2楽章 歌詞は詩篇39番(40番)管弦楽と合唱による二重フーガ。終盤は、唱がホモフォニックに変わり、クライマックスを形作る。第3楽章 歌詞は詩篇150番 ゆったりした両端部分とテンポを上げる中央の部分からなり、複調的な管弦楽の間奏をもつ。声楽のパートでは広範にカデンツが扱われる~とのことでした。
チェリビダッケさんの演奏は、美しいのだが、活力あるものではなく、既に、魂が抜けきってしまって、宙に浮いているかのような感じです。ある意味怖さがあります。主よ、わたしの祈を聞き、わたしの叫びに耳を傾け、わたしの涙を見て、もださないでください・・・と訴えるのですが、どこか脱力しきっています。
わたしは耐え忍んで主を待ち望んだ。主は耳を傾けて、わたしの叫びを聞かれた・・・と言いつつ、でも、なんだか拒絶されて絶望しているかのようなのです。主をほめたたえよ。その聖所で神をほめたたえよ。その力のあらわれる大空で主をほめたたえよ・・・と、少しテンポをあげて頑張って歌っているのですが、エナジーが、ブラックホールに吸い込まれてしまって、まわりに誰もいないし、虚無感が漂い包まれている。そんな感じがするのです。
ラストは、上昇するような綺麗な音と、危うい不気味な音が続いて聞こえて、交錯し、ふっと目の前から消えます。これが、予定調和的に消えるのではなく、一音抜け落ちているかのような終わり方です。なんだこりゃ~ えっ、消えるの。うっ、うっそー、これ怖いっ。ラストにかけてのテンポの落すところは、憑依されてしまったかのよう。ホント、チェリさまの演奏は、気色悪いほどの怖さが、美しさと表裏一体のように、ひっついて存在しており、底知れぬ怖さを持った世界のようです。完全に抜け殻になっちゃいました。
いやいや、コロナ禍の時代(2020年~23年)に、これはアカンでしょ。わっ、ダメだ~吸われる。終わって拍手が聞こえるので、はっと我に返ることができました。CDカップリング:フォーレ レクイエム 1984年、ストラヴィンスキー 詩篇交響曲 1984年録音 出典:YouTube Symphony of Psalms Philharmonischer Chor München – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲【YouTube】
ストラヴィンスキー ハ調の交響曲 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 1991年9月、ロイヤルアルバートホールでのコンサートです。 出典:YouTube Igor Stravinsky – Symphony in C: Michael Tilson Thomas conducting the LSO in 1991 LSO live recordings
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲【名盤・おすすめ】
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 😥
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1997年
Stravinsky: Symphony in C Georg Solti Chicago Symphony Orchestra
★ 公式ではないので消えるかもしれません。
交響曲ハ調と詩篇交響曲は、ショルティさんにとっては、ラストレコーディングになった演奏です。で、交響曲ハ調って、え? 長調ではないの?短調なの? 一文字漏れてるよぉ~っと言いたいところですが、これで正解。冒頭、怖いようなフレーズが登場します。オーボエが細い声で同じフレーズ、「どれふぁ~ しれふぁ~っ」と鳴ってくると、アハハ~可愛いやんと、変わっていくのです。同じフレーズでも楽器が変わると、こうも印象が違うものなのね。短いパッセージで花火のように鳴ったり、なんだか聴いたことのあるようなフレーズだったり、う~ん。オネゲルの交響曲やストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」、プロコフィエフの楽曲のようにも聞えてきます。
なんだか機械的なパーツばかりを組み合わせて作曲してみました~的な、コラージュのような楽曲です。最初に聴いたときには、こりゃパクリでしょと、思わず苦笑いして聴いたように思います。可愛いフレーズは、オーボエが主体です。形式はわかりません。ソナタ形式だと思いますが、短いパッセージが積み重なって、わかりづらいものです。
第2楽章は、オーボエなど木管と弦で始まりますが、かなり細切れ的。途中、「れぇ~ みしっらぁ~ みしらぁ~ れぇ~」と聞こえてきますが、牧歌的というか幻想的な雰囲気があります。完全に室内楽でしょと思うのですが、ソロのヴァイオリンが、ひらひら~っと出てきたり、中間部分は、ちょっとアップテンポして、「れっ みれっ れっ みれっ」とスキップしてみたりしています。弦は、「アポロを率いるミューズ」に似たフレーズが顔を出したりします。わかりづらいが、どこか美しいですね。
第3楽章は、楽しいシンコペーションのリズムで始まります。前の楽章が、弦楽の室内楽風であるなら、第3楽章は管弦楽曲ですかね。付点のリズムがコミカルで楽しい楽章です。
第4楽章は、ファゴットの二重奏が登場します。不気味というより、もごもごしています。長く続いたのちに、ゴリゴリ感が充満してきますが、木管が入れ替わり立ち替わり。パッチワークのように描いて、えーっわかんない。わかんないが、さっき聴いたフレーズが変形しているみたいですね。なんだか面白いのです。再び、ファゴットが、「らぁ~ そぉ~ らぁ~ みしら~っ」と吹いて落ち着きを取り戻す。でも、また、弦が勝手な旋律を奏でて、あれれ~っ? アタマのなかが攪拌状態にされて、もうわかりませんっ! フルートとファゴット? 二重奏を奏でてフェードアウト。で、キツネに包まれて終わりっ!でした。CDカップリング:ストラヴィンスキー3楽章の交響曲 1993年、交響曲ハ調 1997年、詩篇交響曲 1997年 グレン・エリン児童合唱団 出典:YouTube Stravinsky: Symphony in C Stravinsky – Symphony in C Soundtrack Suites
マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 😘
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 1991年
Stravinsky: Symphony in C Michael Tilson Thomas London Symphony Orchestra
マイケル・ティルソン・トーマスさん(以下、MTTさん)の演奏は、録音状態が良く、スピード感があり、すっきり明るい演奏です。中間の二つの楽章は、特に、室内楽、劇付随音楽のように聴けてイメージしやすいですね。MTTさんが1987年から95年までロンドン響の首席だった時の録音です。機械的な運動機能の高い演奏になりがちですが、ふんわり柔らかい音で包まれます。
室内楽のように、スッキリ、速いスピードでリズムを繰り返しています。プロコかと思う要素もありますが、小気味良く、冷たくなりすぎないのが好ましいです。明るい金管のパッセージが救いです。シャカシャカ鳴っている方が楽しそうに聞えます。
第2楽章は、劇付随音楽のように聞こえ、「アポロを率いるミューズ」に似たようなフレーズが顔を出してきます。ふっとした間合いがあり、その間合いの空気感が良いですね。第3楽章は、シンコペーションで彩れた楽しさがあり、オチャメで、おもちゃ箱のよう。フルートの響きが、ホールにまろやかに広がります。劇付随音楽のような、バレエ音楽のような、視覚的にイメージしやすい演奏ではないでしょうか。
第4楽章は、昆虫がうごめいているかのようです。金管の切れた音が続きますが、遠くから鳴っており威圧的ではありません。幾何学的ですが、角が丸く尖った印象を与えません。ところで、音と音の合間って、やっぱり大事なんですね。無理に音を詰めて、連結させて進んで行く感じ。録音状態が良いと思うのですが、聴く人によっては、残響が煩わしいと感じるかもしれません。全体的に、柔らかく優しい演奏に仕上がっているように思いました。ちなみに、デュトワさんとMTTさんの演奏時間を比較してみると。
マイケル・ティルソン・トーマス | デュトワ | |
第1楽章 | 9:02 | 9:25 |
第2楽章 | 5:50 | 6:16 |
第3楽章 | 4:46 | 4:41 |
第4楽章 | 7:15 | 6:58 |
若干、第1、第2楽章の前半が速め、後半はゆっくり。暖かみよりも、冷たさの勝った録音で、端麗辛口傾向だと感じます。短いパッセージが、変化して詰まっている感じの楽曲なので、テンポよくスッキリと収まるのが好ましいでしょうか。変化が楽しめワクワク感があります。CDカップリング:ストラヴィンスキー 詩篇交響曲、ハ調の交響曲、3楽章の交響曲(全て1991年録音) 出典:YouTube Symphony in C Major: I. Moderato alla breve マイケル・ティルソン・トーマス – トピック Provided to YouTube by Sony Classical
シャルル・デュトワ スイス・ロマンド管弦楽団 😙
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲 シャルル・デュトワ スイス・ロマンド管弦楽団 1981年
Stravinsky: Symphony in C Charles Dutoit Orchestre de la Suisse Romande
第1楽章は、短いプロットが組み合わさってて、機械的に機能している感じがします。これ、どこかで聴いたぞ。ペトルーシュカみたいだなとか、プロコフィエフのような、ショスタコの楽曲に似ているようにも思ったり、引用じゃーないの。おちゃめに使っているんじゃーと思える箇所があります。機械的な動き、歯車的な音が忍び寄ってきます。
第2楽章は、緩やかなフレーズで、こぢんまりしていますが、いろんな楽器が使われチャーミングです。えっ、これって、「アポロを率いるミューズ」みたいなフレーズが聞こえる~っと思ったりします。
第3楽章は、ティンパニーの打ち込みと、シンコペーションの楽しい明るい楽章。デュトワさんの演奏は、木管が、ぱこぱこぱこ~っとよく聞こえてきます。金管の「ぱぁぁぁ~っ」というカラフルな音。決して派手な金管ではなく、明るめの見通しのよい音、難しいリズムで、キラキラ。尻上がりのリズム感が心地良いですね。
第4楽章は、静まったり動き出したり。軋ませて動くリズムで、破裂したり、コトンっと止まったり。飽きないけれど、慌ただしいリズムで綴られています。尻切れトンボ的に終わるところが、あれれ~っ。吉井亜彦さんの名盤鑑定百科を拝見すると、「全体はソナタ形式を駆使した第1楽章、作曲家自身「一種のパストラーレ」とよんだ3部形式による抒情性豊かな2楽章、前楽章から切れめなく演奏され、メヌエット、パスピエ、フーガの3部よりなる第3楽章、序奏と、素材的に第1楽章と密接に結びついた主部とからなる充実した第4楽章の構成をとる。」とありました。わかったような、わからないような。
ご本人の周囲で不幸ごとが続き、パリからアメリカに各地を転々としているなかで作曲されたようですが、デュトワさんの演奏で聴くと、そんな暗い環境だったとは感じられません。耳触りは悪くない曲です。何度も聞き直さないと、全容が見えてこないかもしれませんね。パッチワークみたいですから。ハ調っていうだけあって、明るく聞き取りやすいのですが、そこはストラヴィンスキーで、曲者です。
CDカップリング:ストラヴィンスキー 交響曲ハ調(スイス・ロマンド1981年)、管楽器のための交響曲、(モントリオール響 1984年)原題を日本語で直訳すると「ドビュッシーを追憶しての管楽器のサンフォニー」1920年版、幻想的スケルツォ(モントリオール響 1984年)、3楽章の交響曲(スイス・ロマンド管 1981年) 出典:YouTube Stravinsky: Symphony in C スイス・ロマンド管弦楽団 – トピック Orchestre de la Suisse Romande – Topic
Provided to YouTube by Universal Music Group
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲、ハ調の交響曲【解説】
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲【解説】
ストラヴィンスキーの詩篇交響曲は、1930年に作曲した楽曲で、合唱付き。彼の新古典主義と言われる時期の曲です。セルゲイ・クーセヴィツキーの委嘱により、ボストン交響楽団の設立50周年を記念して作曲されています。タイトル通り、歌詞は、ラテン語の詩篇(詩篇 39:12-13、詩篇 40:1-3、詩篇 150:1-6)で、ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネットは、オケにいません。シンフォニーというよりカンタータって類いの楽曲でしょうか、歌詞は、ラテン語なんで、さっぱりわからず。ハレルヤ~ってところぐらいが耳に届く程度。静謐な宗教曲でもグロテスクでもありません。中途半端と言ったら怒られるかもしれません、ちょっと不思議な曲の一つです。
ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲【解説】
ストラヴィンスキーって、交響曲を作曲していたとは思えないほど、春の祭典をはじめとしたバレエ音楽が有名です。交響曲は、メチャ若い頃の作品第1号ともいうべき第1番と、新古典主義時代の詩篇交響曲、この交響曲ハ調(ハ調の交響曲)と、3楽章の交響曲があります。全部で4曲かな。で、このハ調は、1939年から翌年にかけて作曲されていますが、背景としては、第二次世界大戦の戦乱のさなか、パリで作曲をはじめアメリカで完成したという、激動時代を生き抜いた曲です。
1940年にシカゴ響で自身初演されていますが、悲しいようなコミカルなような・・・4楽章に区分されているものの、ちょっぴり風変わりで、構成がわかりづらいものです。でも、 耳がツンツンするわけでもなく、機械的でもなく、暴力的でも悲観にくれたものでもありません。決して聞きづらいとか調性がわからないという感じではないのですが、なかなかに複雑で、こだわって、こだわり抜いたコラージュのような作品なのです。
ストラヴィンスキー:詩篇交響曲、ハ調の交響曲【ディスク情報】
◆ ストラヴィンスキー:詩篇交響曲
1981年 デュトワ スイス・ロマンド管弦楽団 Dec
1991年 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 SC
1995年 ネルソンス バーミンガム市交響楽団 ORFEO
1996年 ブーレーズ ベルリン・フィル G
2007年 ラトル ベルリン・フィル EMI
◆ ストラヴィンスキー:ハ調の交響曲
1981年 シャルル・デュトワ スイス・ロマンド管弦楽団
1991年 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団
1997年 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団
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