プーランク:グローリア【聴いてみよう】Poulenc: Gloria, FP 177

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プーランク:グローリア【YouTube】

プーランク:グローリア ピーター・ダイクストラ オランダ放送フィル 2019年11月8日コンサートの模様。25分57秒の動画です。ソプラノ:エルサ・ブノワ Elsa Benoit 
Poulenc: Gloria, FP 177 Peter Dijkstra Radio Philharmonic Orchestra 出典:YouTube Poulenc: Gloria – Radio Philharmonic Orchestra, Netherlands Radio Choir and Elsa Benoit – Live HD AVROTROS Klassiek

プーランク:グローリア ミッコ・フランク フランス放送フィル 2019年10月12日の演奏会の模様です。25分43秒の動画です。ソプラノ:ローレン・ミシェル Lauren Michelle
Poulenc: Gloria, FP 177 Mikko Franck L’Orchestre philharmonique de Radio France 出典:YouTube Poulenc : Gloria en sol majeur (Choeur et Orchestre philharmonique de Radio France) France Musique 

プーランク:グローリア【名盤・おすすめ】

ベルナルド・ハイティンク シカゴ交響楽団

プーランク:グローリア ベルナルド・ハイティンク シカゴ交響楽団 2007年
Poulenc: Gloria, FP 177 Bernard Haitink Chicago Symphony Orchestra
ソプラノ:ジェシカ・リヴェラ Jessica Rivera
合唱:シカゴ交響合唱団 Chicago Symphony Chorus

CDカップリング:プーランク「グローリア」、ラヴェル バレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲 2007年録音 出典:YouTube Gloria, FP 177: Gloria Jessica Rivera – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

スティーヴン・レイトン ポリフォニー、ブリテン・シンフォニア 🥰

プーランク:グローリア スティーヴン・レイトン ポリフォニー、ブリテン・シンフォニア 2007年
Poulenc: Gloria, FP 177 Stephen Layton Polyphony Britten Sinfonia
ソプラノ:スーザン・グリットン Susan Gritton
合唱:ケンブリッジ・トリニティ・カレッジ合唱団 Trinity College Choir, Cambridge

プーランクのグローリアは、堅苦しい曲ではなく、親しみやすい曲です。庶民的というか歌謡風の要素があり、開放的に元気になる曲です。ちょっぴりくだけた、近代的な香りづけ、少しばかり世俗的になっても許されるような軽やかさがあります。厳格な宗教曲ではないと思います。なんたってプーランクですから。一筋縄ではいかない。

で、この演奏は、録音状態も極めて良く、軽やかで伸びやか。気持ち良く拝聴することができました。力強さがありますが、力こぶを作らなくても、我慢しなくても、自然で良いよーって言われているみたい。プーランクって言うと、牝鹿とかオルガン曲とか、洒脱のきいた小品が多いのですが、作曲家が60歳頃の作品です。他にも宗教曲があって、スターバト・マーテル、黒い聖母への連祷等がありますが、かなり晩年の作品になります。定年以降の年代で、これだけ楽しげな宗教曲を書けるって羨ましい気がします。

歯切れ良く、シャッキシャキ。ちょいと乱暴じゃんと、思わなくもないけど。第5曲のウネウネ感、ぷよぷよ感が、なんとも言えません。なはははぁ~と骨抜きになりそう。適度な気色の悪さがあります。多様性と言えば多様性、表面張力から、耐え難くなって、ポトンっと落ちる滴のような、哀れな一滴~となるような感覚がします。

CDカップリング:プーランク グローリア、サルヴェ・レジーナ(FP110)、モテット(FP97)、クリスマスのための四つのモテット(FP152)、エクスルターテ・デオ(FP109)2007年録音 出典:YouTube Poulenc: Gloria, FP 177 Polyphony – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

シャルル・デュトワ フランス国立管弦楽団 😙

プーランク:グローリア シャルル・デュトワ フランス国立管弦楽団 1994年
Poulenc: Gloria, FP 177 Charles Dutoit Orchestre national de France
ソプラノ:フランソワーズ・ポレ Françoise Pollet
合唱:フランス国立放送合唱団ほか R.T.F. Choeur De Radio France

デュトワさんの演奏は、最初にファンファーレのように、いったん静まり、ちょっとテンポをあげてコーラスが、グローリアっと歌い始めます。タイトルどおり、Gloria in excelsis Deo グロリア・イン・エクチェルシス・デオ~っと歌うところが楽しげ。高きところ神に栄光あれ~って、何度も繰り返すわけで、ミサ曲に使われている「グロリア」の部分の歌詞を、順番に歌っているわけかな。それで正しいのかしらん。

ちょっぴり残響が多いのですが、柔らかくて、しなやかな。 神妙に歌うのではなく、ある意味日常的です。陽気に楽しそうな雰囲気なのです。近所の田舎の教会で、合唱団が歌っているという、えーっこれで良いのかなと、ふっと笑ってしまう雰囲気です。

特に第2曲は、明るい雰囲気です。オチャメな序奏のあと、「Laudamus te」 ラウダー ムステ~ ラダムステっ ベネディーチムステ~ワタシ、この曲を聴いた時、オルフの「カルミナ・ブラーナ」を連想します。歌の最後で、「へいっ!」って、みんなで唱和したいぐらいノリノリ感覚なのです。こんなノリの良い曲を作っちゃって~いいのかなあと思っていたら、やっぱり当初は、これでは神への冒涜じゃと不評だったようです。(やっぱり)

デュトワさんの演奏は、そこそこ品良く、清楚に優しい演奏です。1988年録音のプレートさんの演奏と比べると、と、かなり柔らかめ。この頃合いは難しいかもしれませんね。CDカップリング:プーランク グローリア、黒い聖母への連祷、スターバト・マーテル 1994年録音 出典:YouTube Poulenc: Gloria フランス国立放送合唱団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル 😄

プーランク:グローリア ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル  1994年
Poulenc: Gloria, FP 177 Yan Pascal Tortelier BBC Philharmonic Orchestra
ソプラノ:ジャニス・ワトソン Janice Watson
合唱:BBC合唱団 BBC Singers

トルトゥリエさんの演奏は、金管の鳴りっぷりも良く、少しお祭の要素と、遊園地のメリーゴーランドに乗っているかのような可愛くて楽しげな雰囲気を持っています。ただ、第5曲は、ちょっぴり怪しい、夜の雰囲気がして、神の子羊は、都会の裏道を徘徊してるんじゃないでしょうか~という感じです。

夜道を迷ったあげく酔っぱらいに絡まれ、都会の亡霊や幽霊に出会い、びっくり仰天した小羊たちは、あわてて神さまに許しを請うのですが、怒られ、しょんぼり~。地の精霊たちに囲まれて冷やかされ、揶揄され、亡霊のように、まだ彷徨っておりますという感じに聞こえます。

第6曲は、これも、オルフのカルミナ・ブラーナの世界に近いでしょうか。カルミナ・ブラーナの世俗的カンタータ風の色濃い旋律から始まり、煌びやかになって、最初のフレーズが戻ってきます。ふふっ、なんだか、泥臭い風合い+オルガン的な響きがする、賑やかなファンファーレなのです。少しごった煮のような風合いですが、そこを、あまり下品にならず、開放的に演奏されています。

終曲においては、和音の響きと、コーラス、音の弾み方が綺麗で、ソプラノが天上の世界に抜けていく感じで終わります。世俗的カンタータかなと思える要素も少なからずありますが、最後は、まっとうになって唐突に終わります。最後の最後で、神を崇める気持ちになるんだ~みたいな。ある意味、ブラックユーモアを披露してくれるプーランクの楽曲かもしれません。そのあたり、うまくバランスの取れた演奏だと感じました。いささか楽観的ですけど。

CDカップリング:プーランク グローリア、スターバト・マーテル 出典:YouTube Gloria Yan Pascal Tortelier – トピック Provided to YouTube by PIAS

ミシェル・コルボ リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 😘

プーランク:グローリア ミシェル・コルボ リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 1993年
Poulenc: Gloria, FP 177 Michel Corboz Orquestra Gulbenkian
ソプラノ:ブリギット・フルニエ Brigitte Fournier
合唱:リスボン・グルベンキアン合唱団 Coro Gulbenkian

コルボさんの演奏は、ローザンヌ室内管弦楽団との組み合わせもありますが、リスボンのグルベンキアン財団管弦楽団のオケを振ったもので、客演をされていたようです。コーラスが始まると、力強く歌われ、第2曲の木管、ファゴットとクラリネットのハモり具合が綺麗です。木管主体の室内楽を聴いているような、微妙な和音の響きが楽しめます。

第3曲は、ソプラノが主となって歌われ、浮遊感が出ています。第4曲は、明るく弾む感じが良く出ています。第5曲は、プーランクらしい、膜の張った球体のなかで、うごめいている感じがします。いささかグロテスクな、ボスの快楽の園のような雰囲気が漂います。ここでは、オケの不思議な音階に耳が刺激されます。

特に、木管の響きと室内楽的な雰囲気、長調なのか短調なのか、不思議な調性感が特徴です。多彩な木管群の響きが、とてもクリアに聞こえます。和音の不思議な響きが充満して、ソプラノの声と相まって「らしさ」を味わうことができます。

第6曲は、ダイナミックなオケとなり、オルガンの響きと調和します。コルボさんならではの優しさ、柔軟さが感じられ、アクの抜けた透明性が好ましい演奏です。風変わりで面白いのですが、最初の主題に戻って祈るという気持ちも少なからず含まれて戻ってきます。単純に美しいだけではなく、奇妙な音が提示され、匂うように演奏されていました。多様性、異質なものも描きだしており、それらを合わせて描けている点は嬉しいです。

CDカップリング:ヴェルディ レクイエム1994年、プッチーニ グローリア・ミサ1992年、プーランク グローリア 1993年録音 出典:YouTube Gloria, FP 177: VI. Qui sedes ad dexteram Patris ミシェル・コルボ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ヒコックス シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア 😘

プーランク:グローリア リチャード・ヒコックス シティ・オブシンフォニアシンフォニア 1990年
Poulenc: Gloria, FP 177 Richard Hickox City of London Sinfonia
ソプラノ:キャサリン・デュボスク Catherine Dubosc
合唱:ウェストミンスター・シンガーズ Westminster Singers

ヒコックスさんの演奏は、見通しの良い推進力の高い演奏です。メリハリがついてて都会的、リリカルで不思議感覚もあり、微妙なバランスが楽しめます。食感で例えると、シャキシャキしてて、口のなかでクールな粒が、はじけて飛び交うような感じです。ティンパニのロールが、まろやかに響くなか、木管の低音の響きも綺麗で、彩りを添えています。コーラスは爽やかな印象を受けました。

第2曲の「Laudamus te」 ラウダー ムステ~ ラダムステっ ベネディーチムステ~ って歌うのですが、(下手でスミマセン)この可愛らしさは、いっぺんに好きになりました。俗物的な要素が入り込まず、清楚に歌われています。
第3曲の「Domine Deus」は、ソプラノ独奏です。少し硬めで、まるで少女・少年のような質感です。曲線的ではなく、いささか直線的ですが、この方が曲想に合っているかもしれません。

第4曲は、洒脱が効いており、キラキラした色彩感、朗らかなコーラスとなっています。第5曲は、怪しい夜の雰囲気がしますが、迷える小羊たちもスマートに歩き、透明度の高い球体が天上に昇るかのよう。すーっと魂の抜けるような感覚が気持ち良い縁素です。

6曲目は、カルミナ・ブラーナの世俗的カンタータ風の色濃い音だな~って感じですが、金管の力強さ、オルガン的な響きが短めに鳴っています。推進力とキレの良さ、そして緩急が絶妙です。豊かな残響のなか、すーっとフェードアウトするところが、また巧いです。ヒエロニムス・ボスの快楽の園という三連の祭壇画を見ている気になる楽曲ですが、ヒコックスさんの演奏で聴くと、不安定なのですが不思議と安定しているような、微妙なバランスで結合しているように感じます。奥深い曲です。

CDカップリング:プーランク グローリア、スターバト・マーテル FP.148、ロカマドゥールの黒衣の聖母への連祷FP.82 1990年録音 出典:YouTube カトリーヌ・デュボスク – トピック Catherine Dubosc – Topic Provided to YouTube by Warner Classics

ジョルジュ・プレートル フランス国立管弦楽団 🙂

プーランク:グローリア ジョルジュ・プレートル フランス国立管弦楽団 1988年
Poulenc: Gloria, FP 177 Georges Pretre Orchestre national de France
ソプラノ:バーバラ・ヘンドリックス Barbara Hendricks
合唱:フランス国立放送合唱団 Choeurs de Radio France

ジョルジュ・プレートルさんの往年の名盤演奏です。CDのブックレットを拝読すると、プレートルさんは、プーランクと親交があり、1961年1月、ミュンシュのボストン響で初演が行われていますが、同年2月のパリ初演の際には、プレートルさんが指揮をしています。初演直後の1961年に録音しているので、ここでご紹介する演奏は、2回目1988年録音となります。

勢いのある演奏で、華やかに、明晰に演奏されています。少し、煽られる感じもしますが、コーラスが、のびのびと楽しげに歌われており、とても気持ちの良いものです。ラストは、切り込み鋭く、間髪入れず力強く演奏され、一発取りのようなライブ感があります。

あまり、どっしり足を地に着けて演奏するのではなく、妙なバランス感覚が、刹那的に感じられる。なんでしょうね~ この不思議感は。聴いてて、第六感的なモノをくすぐられるっていうか・・・。ワタシ的には、感度が鋭くなって超楽しませていただいた演奏です。楽曲の面白さは、こうしてわかったのだけど、他の演奏を聴いていくと、あまり勝負してないよね~という気がする演奏です。

CDカップリング:プーランク グローリア 1988年、スターバト・マーテル ソプラノ:キャスリーン・レスネル 1984年録音 出典:YouTube Gloria, FP 177 ジョルジュ・プレートル – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ジョン・ラター シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア

プーランク:グローリア ジョン・ラター シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア 1988年
Poulenc: Gloria, FP 177 John Rutter City of London Sinfonia
ソプラノ:ドンナ・ディーム Donna Deam 
合唱:ケンブリッジ・シンガーズ Cambridge Singers

出典:YouTube Gloria, FP 177: Gloria Donna Deam – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

小澤征爾 ボストン交響楽団 🙂

プーランク:グローリア 小澤征爾 ボストン交響楽団 1987年
Poulenc: Gloria, FP 177 Seiji Ozawa Boston Symphony Orchestra
ソプラノ:キャスリーン・バトル Kathleen Battle
合唱:タングルウッド祝祭合唱団 Tanglewood Festival Chorus

小澤さんの演奏は、録音状態が良く、歯切れ良くシャキシャキの演奏です。当時、超有名だったソプラノ歌手のキャスリーン・バトルさん起用したという意欲的な演奏です。往年の名盤といえば、ジョルジュ・プレートルさんの演奏がありますが、ボストン響が委嘱して世に出てきた作品です。スピード感あふれ、精緻で、綺麗にまとまっている演奏だと思います。

調和された和音と、不思議な旋律な旋律が、交錯してて~ なんとも言えない、鼻から抜けちゃうような芥子のようなスパイスが効いています。抜けきるような音や、不思議な旋律から、音がスポンと落ちるような気がします。低音でふーっと鳴ってくる木管、例えが悪いかも~ですが、アミューズメントパークのアトラクションで、空中で放り出された感じになって、ストンと落下するような、タワー型アトラクションに乗ってて、一瞬お尻が浮いたような感じになったりします。なので、あまり几帳面に演奏されると、ん? となります。

CDカップリング:プーランク グローリア、スターバト・マーテル 1987年録音 出典:YouTube Poulenc: Gloria, FP 144 マックス・ホウバート – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ロペス=コボス スイス・ロマンド管弦楽団

プーランク:グローリア ロペス=コボス スイス・ロマンド管弦楽団 1982年
Poulenc: Gloria, FP 177 Jesús López-Cobos Orchestre de la Suisse Romande
ソプラノ:シルヴィア・グリーンバーグ Sylvia Greenberg
合唱:スイス・ロマンド放送合唱団ほか Choeur de la Radio Suisse Romande

CDカップリング:プーランク グローリア 1982年、クリスマスのための四つのモテット サイモン・プレストン 1973年、サン=サーンス四声のミサ曲(作品4)1978年録音 出典:YouTube Poulenc: Gloria, FP 144 ローザンヌ・ロマンド放送合唱団 – トピック シルヴィア・グリーンバーグ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ロバート・ショウ アトランタ交響楽団 🙂

プーランク:グローリア ロバート・ショウ アトランタ交響楽団 1982年
Poulenc: Gloria, FP 177 Robert Shaw Atlanta Symphony Orchestra and Chorus

総体的には、冒頭だけが、ちょっとイマイチのように思ったが、コーラスも美しいし、途中からは、どっしりした感が心地よくなってくる。モーツァルトのレクイエムのようには、一般的に認知されていないし、競合盤も少なめ。楽曲自身の評価が低いのかなあ~ 個人的には、もう少し広まって欲しいと思っています。出典:YouTube Robert Shaw – Gloria, FP 177: I. Gloria (Official Audio) Robert Shaw Atlanta Symphony Orchestra and Chorus

プレートル フランス国立放送管弦楽団 🙂

プーランク:グローリア ジョルジュ・プレートル フランス国立放送管弦楽団 1961年
Poulenc: Gloria, FP 177 Georges Prêtre Orchestre national de la Radiodiffusion française
ソプラノ:ロザンナ・カルテリ Rosanna Carteri
合唱:フランス放送合唱団 Chœurs de la Radiodiffusion française

ミュンシュさんの演奏と同じく初演当時の録音です。モノ。どっしりした演奏です。ご参考まで。出典:YouTube Gloria, FP 177: Gloria in excelsis Deo ジョルジュ・プレートル – トピック Provided to YouTube by Believe SAS

ミュンシュ ボストン交響楽団 🙂

プーランク:グローリア シャルル・ミュンシュ ボストン交響楽団 1961年
Poulenc: Gloria, FP 177 Charles Munch Boston Symphony Orchestra
ソプラノ:アデル・アディスン Adele Addison
合唱:コーラスプロムジカ chorus pro musica

初演当時のミュンシュさんの演奏です。モノ。ご参考まで。リマスタリングされていないので、素のままって感じです。出典:YouTube Gloria, FP 177 アデル・アディスン – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

プーランク:「グローリア」【解説】

プーランクのグローリア(作品 FP177)は、ボストンのセルゲイ・クーセヴィツキ財団の委嘱作品として1959年に作曲され、1961年に、ミンシュ指揮ボストン交響楽団によって初演されています。意外と、まだ新しい作品です。

作品は、 6つに分かれた構成になっています。
1 Gloria in excelsis Deo 天のいと高きところには神に栄光
2 Laudamus te われら主を誉め
3 Domine Deus 神なる主、天の王
4 Domine Fili unigenite 主なる御ひとり子
5 Domine Deus, Agnus Dei 神なる主、神の子羊
6 Qui sedes ad dextcram Patris 父の右に座したもう主よ

第1曲は、ストラヴィンスキーの「イ調のセレナーデ」(1925年)の開始部に似た、金管の和声的動機で始まります。合唱は、アクセントのある歌唱法で歌い始め、最初はト長調から始まり、ト短調の和音に転調され、その後木管楽器が並行して四和音と七の和音を奏でます。合唱は、持続低音のト音を含んだロ短調の三和音を伴奏に、金管楽器のファンファーレを連想させるト短調で二重付点リズムを歌うもの。

第2曲は、風変わりな楽章で、奇妙で素早い金管で開始されます。頻繁に拍子が変わり、軽い曲調が繰り返され、ハ音を主音とし、転調が数回繰り返されます。「グラシアス・アジムス…」(Gratias agimus…)で始まるテキストの最後の行は暗い色調になり、本楽章の「乱痴気騒ぎ」の中間では、別次元の印象を与えるもの。休息の後、豪快な低音の音形を伴った変ホ長調への転調となります。

第3曲は、木管楽器の導入後、ドラマティックなソプラノで開始され、ピカルディの三度で終わることで、明るい色調の第4曲に繋がります。ピカルディの三度とは、短調の最後が、本来の短調の主和音にあたる短三和音でなく、同主調の長調の主和音あたる長三和音で終わることです。まっ、ラストだけ明るく終わるってこと。

第4曲は、最も短いもので、合唱パートに、第1曲が表れます。速いテンポ、活発なリズムが頻繁に表れます。舞踏の印象を与えるもの。

第5曲は、木管で始まり、ソプラノが主役を務める第3曲に似ています。ソプラノは、四和音と五和音の両方が含まれているので、暗く神秘的な印象を与えます。最後は、最初の変ロ短調ではなく、変ホ短調の和音で終わるため、不安で神秘的な印象を与えます。

第6曲は、アカペラとオケを交互に繰り返します。第1曲のファンファーレが引用され、低音のうえに弦が16分音符で奏でます。最後はソプラノの「アーメン」に導かれ、合唱が続きます。第1曲の主題が、壮大に最後の「アーメン」の前に戻ってきます。

プーランク:グローリア【ディスク情報】

1961年 ミュンシュ ボストン交響楽団 URANIA
1961年 プレートル フランス国立放送管弦楽団 EMI
1982年 ロバート・ショウ アトランタ交響楽団 TELARC
1982年 ロペス・コボス スイス・ロマンド管弦楽団 Dec
1987年 小澤征爾 ボストン交響楽団 G
1988年 ジョン・ラター シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア COLLEGIUM
1988年 プレートル フランス国立管弦楽団  EMI 
1990年 ヒコックス シティ・オブ・ロンドン・シンフォニア VIRGIN
1993年 コルボ リスボン・グルベンキアン財団管弦楽団 VIRGIN 
1994年 ヤンパスカルトルトゥリエ BBCフィル CHANDOS
1994年 デュトワ フランス国立管弦楽団 Dec 
2007年 スティーヴン・レイトン ポリフォニー、ブリテン・シンフォニア HYPERION
2007年 ベルナルド・ハイティンク シカゴ交響楽団 CSO

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