モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」【YouTube】
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」 コンセルトヘボウのメンバーによる演奏会の模様です。オーボエ首席のアレクセイ・オグリンチュク(Alexei Ogrintchouk)さんを含め13人による演奏です。第3曲アダージョ 約5分の演奏。 出典:YouTube Mozart – Serenade In B flat major, KV 361 ‘Gran partita’ – Fragment
Concertgebouworkest
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」 ロンドン響のメンバーによる演奏会の模様です。第3曲アダージョ 約6分弱の演奏です。 出典:YouTube Mozart: Serenade No 10 for Winds ‘Gran Partita’, III. Adagio | LSO Wind Ensemble London Symphony Orchestra
モーツァルト セレナード第10番「グラン・パルティータ」は、次の7つの曲で構成されています。
1 ラルゴ ~ モルト・アレグロ 変ロ長調 4/4拍子
2 メヌエット 変ロ長調 4/3拍子
3 アダージョ 変ホ長調 4/4拍子
4 メヌエット アレグレット 変ロ長調 4/3拍子
5 ロマンツェ アダージョ 変ホ長調 4/3拍子
6 主題と変奏 アンダンテ 変ロ長調 4/2拍子
7 フィナーレ モルト・アレグロ 変ロ長調 4/2拍子
(第6楽章は、フルート四重奏曲第3番K.Anh.171(285b) の第2楽章と同じ曲)
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」【名盤・おすすめ】
オルフェウス室内管弦楽団 🙂
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 オルフェウス室内管弦楽団 1986年
Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Orpheus Chamber Orchestra
オルフェウス室内管弦楽団の演奏は、もともと室内楽を演奏するメンバーなので、呼吸を合わせて巧く演奏されています。しかし、内気で控えめなモーツァルトかな~と思います。「グラン・パルティータ」は、モーツァルトが管楽合奏のために作曲した三曲のセレナードのうちの一曲です。セレナードは、1番から13番まであるのですが、そのうち、管楽のため~というのが三曲ありますという意味です。
オルフェウス室内管弦楽団の演奏は、録音状態が良く、内向的でしっとり優美です.。のびのび闊達に演奏している感じではありませんが、第10番のなかに、七つもの曲があるので、曲想に応じて演奏されています。ラストの第7曲フィナーレ(ロンド)でさえ、伴奏の部分が、アコーディオンのような音で弾むように弾かれているのですが、もう少しぐらいは、くだけた感じがしても良いかな~と思うのです。なんとも几帳面、生真面目な演奏ですね。モーツァルトの色が全開する、愉快性は少なめ。(まあ~ そこまで楽しい曲ではないのかもしれませんが)華やかさの少ない印象を受けました。
CDカップリング:モーツァルト セレナード 第10番変ロ長調 K.361(370a) グラン・パルティータ、セレナード 第10番変ロ長調 K.361(370a) 第1変奏~ 出典:YouTube Mozart: Serenade in B-Flat Major, K. 361 “Gran Partita” オルフェウス室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ニコラウス・アーノンクール ウィーン・モーツァルト管楽合奏団 🙄
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」 ニコラウス・アーノンクール ウィーン・モーツァルト管楽合奏団 1983年 Mozart: Serenade No.10 Gran Partita K.361 (K6.370a) Nikolaus Harnoncourt The Vienna Wind Soloists ★ 第3楽章のみの掲載です。
モーツァルトの「グラン・パルティータ」は、13管楽器のセレナードとして人気の高い名曲です。元気で、明るく穏やかな感じの楽曲です。第3曲のアダージョは、映画「アマデウス」のなかで、年老いたサリエリさんが回想しつつ、モーツァルトの楽曲について語るシーンがありますが、そこで流れてくる曲です。サリエリの言葉にあるとおり、モーツァルトは、木管の使い方が巧いと思います。オーボエのフレーズが、ふわ~っと長く描かれ、クラリネットが引き継ぎ、ホルンが入ってくるという演出です。
ぼえーっと聴いてたらダメですよぉ。美しい神々しい曲なのですから。アーノンクールさんの演奏は、12人の管楽器とコントラバスによる演奏です。ちょっぴり素っ気ないクールな演奏です。少々だるい感覚がします。もう少し艶のある愉悦性の高い演奏の方が嬉しいです。
CDカップリング:モーツァルト セレナード第10番 変ロ長調 K.361(370a) グラン・パルティータ、セレナード第12番ハ短調 K.388(384a) ナハトムジーク 1985年 録音状態は良い。コントラバスが参加している演奏で、古楽器が使われています。出典:YouTube Serenade for Winds No. 10 in B-Flat Major, K. 361 “Gran partita”: III. Adagio ニコラウス・アーノンクール – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International
カール・ベーム ベルリン・フィル 😘
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 カール・ベーム ベルリン・フィル管楽アンサンブル 1970年 Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Karl Böhm Berlin Philharmonic Wind Ensemble
カール・ベームさんの演奏は、さすがモーツァルトの名盤を多く輩出しているだけあって、手慣れた巧さを感じます。ピリオド演奏の流行前の、優美な演奏が持ち味だったベームさん。大きな古楽器による演奏が流行ったためか、すっかり忘れられた感がしますが、この優美さはかけがえのないもの。グラン・パルティータも、13管楽器のためのセレナードというだけあって管楽器が活躍していますが、素っ気ない演奏ではなく、優美な振る舞いで、じっくり楽しさが伝わってくる演奏です。なので、古い録音ですが気に入って聴いています。
YouTubeの動画を拝見していると、コントラバスを中央に配置して演奏する団体も多くあり、しっかりと低弦を置いて、堅牢な構造物のように演奏されています。元々は、12管楽器とコントラバスのための曲だったので、楽器編成についても耳を傾けたいですね。全曲を通して聴くと、約50分と長大なのですが。七つの独立した小品なので、個別に丁寧に聴くとよいみたい~ですね。
CDカップリング:モーツァルト グラン・パルティータ(セレナード第10番)、セレナータ・ノットゥルナ(セレナード第6番) 1970年 ベルリン・フィル管楽アンサンブル、BPOメンバー 出典:YouTube Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」第7曲のフィナーレ【聴き比べ】
ピエール・ブーレーズ アンサンブル・アンテルコンタンポラン 😆
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 ピエール・ブーレーズ アンサンブル・アンテルコンタンポラン 2008年 Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Pierre Boulez Ensemble Intercontemporain
ピエール・ブーレーズさんのモーツァルト。これが初めての収録だそうですが、まあ、アンサンブル・アンテルコンタンポランの演奏って、速いですね。仰天するほどのメタリック系の速さです。今回、YouTubeで、動画を見つけてびっくりしました。なんで、uchidaさんがいるのぉ~でした。内田光子さん、そしてカップリングのベルクには、テツラフさんも参加されています。演奏は、アーノンクールさんと双璧のクールさで、論理的すぎる気がして苦手です。
CDカップリング: モーツァルト セレナード第10番「グラン・パルティータ」ベルク ピアノ、ヴァイオリンと13の管楽器のための協奏曲 内田光子 テツラフ(2008年録音) 出典:YouTube Mozart: Serenade in B Flat Major, K.361 “Gran partita” – 7. Rondo: Allegro molto アンサンブル・アンテルコンタンポラン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 😮
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1988年 Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Frans Brüggen Members Of The Orchestra Of The 18th Century
フランス・ブリュッヘンさんと18世紀オーケストラのメンバーによる古楽器による演奏です。ピッチが高いのかな~伴奏がコミカルに響き、合いの手が頑張っているように思います。テンションの高さもありますが、金管が目立ちますね。ちょっと個人的には、うざっと感じました。スミマセン。
CDカップリング モーツァルト セレナード第10番 グランパルティータ 1988年、ノットゥルノニ長調(K.286)1991年 エイジ・オブ・インライトゥンメントとの演奏です。出典:YouTube Mozart: Serenade in B flat, K.361 “Gran partita” – 7. Finale (Molto allegro) Various Artists – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group
クリストファー・ホグウッド アマデウス管弦合奏団 🥰
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 クリストファー・ホグウッド アマデウス管弦合奏団 1987年 Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Christopher Hogwood Amadeus Winds
クリストファー・ホグウッドさんとアマデウス室内管のメンバーによる古楽器による演奏です。安定感のある演奏とは言い難いかもしれません。さすがに素早い演奏ですが、木管に独特の色彩があり、細やかさを感じる演奏です。古楽器演奏のなかでは、ふくよかさもありますし、艶っぽさも感じられます。うーん、最終曲だけのご紹介では、もったいないかもしれません。全曲のご紹介をしてもよさげかな。他の演奏団体よりも、ワタシ的には好きな演奏です。
CDカップリング モーツァルト セレナード第10番グラン・パルティータ、セレナード第12番ナハトムジーク
出典:YouTube Mozart: Serenade in B flat, K.361 “Gran partita” – 7. Finale (Molto allegro) アマデウス管弦合奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 🙂
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1984年 Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Neville Marriner Academy of St Martin in the Fields Wind Ensemble
マリナーさんの80年代の演奏です。第7曲のフィナーレのロンドを聴き比べてみようと思ったのですが、選曲をミスったかもしれません。ピリオド演奏の古楽器と、80年代のモダン楽器による室内楽演奏と、明らかに違うと、駄耳にも明確に違いがわかる比較にしたかったんですけど。意外とピリオド演奏に近しい演奏でした。予想では、もう少しアナログ的というか、ヨッフムやベームの演奏に近いのかと思っていたのですが、ゆったり優雅な演奏とは、ちょっと感覚が違う気がします。
CDカップリング モーツァルト セレナード第10番グラン・パルティータ、セレナード第12番ナハトムジーク
出典:YouTube Mozart: Serenade in B flat, K.361 “Gran partita” – 7. Finale (Molto allegro) ネヴィル・マリナー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group Neville Marriner Academy of St Martin in the Fields Wind Ensemble
オイゲン・ヨッフム バイエルン放送響メンバー 😅
モーツァルト:セレナード第10番「グラン・パルティータ」 オイゲン・ヨッフム バイエルン放送響メンバー 1962年 Mozart: Serenade in B Flat Major, K. 361 “Gran Partita” Eugen Jochum Mitglieder des Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
ヨッフムさんの演奏ですが、超超快速で~ ひぇーっ驚き! もっと手堅い、優美な演奏だと思っていたのですが想定外でした。これは速すぎでしょ! 録音は古い(1962年)ので、少し遠いのですが、これは仕方がありません。しかし、このスピードは、いったいどうしたのでしょう。もっと、ゆったり優美なサロン的な演奏を期待していたのですが、みごとに外れました。あちゃー。再生速度 1.75倍速で、YouTubeを見ているみたいです。ワタシの耳でも速いんですけど、もしかして、レコード盤に収録する時間の上限いっぱいだったのかしら。
CDカップリング モーツァルト セレナード第13番アイネ・クライネ・ナハトムジーク 1950年、第10番グラン・パルティータ 1962年 出典:YouTube Serenade No. 10 in B-Flat Major, K. 361: VII. Finale. Molto allegro
オイゲン・ヨッフム – トピック Provided to YouTube by Believe SAS
グラン・パルティータは、モーツァルトの人気曲なので、多くの演奏団体が収録していますが、うーん。ワタシの駄耳では、これを全部、比較するのってどだい無理ですし、なにせ50分もある楽曲なので、このあたりで打ち止めにさせていただきます。いやー 個性的な演奏が多くありましたね。失礼しました。また~!
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」【解説】
グラン・パルティータの編成は、通常の八重奏(オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴット各2)に、管楽器4本と、コントラバスを加えた13人の合奏となっています。コントラバスの代わりにコントラファゴットが用いられることもあり、13管楽器のためのセレナードとも呼ばれます。七つの楽章からなり、演奏に約50分を要するという大曲です。正確な作曲年代は不明ですが、1783年末から1784年初めと推定されています。
1782年に、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世がウィーンの宮廷に管楽八重奏団を常設すると、貴族たちもこぞって管楽八重奏団を抱えるようになり、いっそう盛んになったそうです。まあ、お抱え楽団を持つということが、貴族社会では、一種のステータスだったんでしょうね。それにしても約50分って長いですよね。寝ちゃうよね~ 現代だとどんな時に演奏してもらいたいでしょうか。結婚式のBGMや、お食事時間のBGMでしょうか。ちょっと悩ましいかな。で、グラン・パルティータは、七つの楽章にわかれています。
1 ラルゴ ~ モルト・アレグロ 変ロ長調 4/4拍子
2 メヌエット 変ロ長調 4/3拍子
3 アダージョ 変ホ長調 4/4拍子
4 メヌエット アレグレット 変ロ長調 4/3拍子
5 ロマンツェ アダージョ 変ホ長調 4/3拍子
6 主題と変奏 アンダンテ 変ロ長調 4/2拍子
7 フィナーレ モルト・アレグロ 変ロ長調 4/2拍子
(第6楽章は、フルート四重奏曲第3番K.Anh.171(285b) の第2楽章と同じ曲)
モーツァルト:セレナード 第10番「グラン・パルティータ」【ディスク情報】
1962年 ヨッフム バイエルン放送響メンバー G
1970年 カール・ベーム ベルリン・フィル管楽アンサンブル G
1983年 アーノンクール ウィーン・モーツァルト管楽合奏団 T
1984年 ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 Ph
1986年 オルフェウス室内管弦楽団 G
1987年 クリストファー・ホグウッド アマデウス管弦合奏団 OL
1988年 フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph
2008年 ピエール・ブーレーズ アンサンブル・アンテルコンタンポラン Dec
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