ヴァイル:七つの大罪、三文オペラ【聴いてみよう】Kurt Weill: The Seven Deadly Sins 

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クルト・ヴァイル:「七つの大罪」【名盤・おすすめ】

マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団

クルト・ヴァイル:「七つの大罪」 マイケル・ティルソン・トーマス ロンドン交響楽団 1988年
Kurt Weill: The Seven Deadly Sins Michael Tilson Thomas London Symphony Orchestra ジュリア・ミゲネス Julia Migenes 出典:YouTube Kurt Weill: The Seven Deadly Sins Julia Migenes  Die sieben Todsundens (The Seven Deadly Sins) : Introduction Julia Migenes – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

ウィキペディア(Wikipedia)を元に記述させていただくと、クルト・ユリアン・ヴァイル(Kurt Julian Weill)は、1900年生まれのドイツの作曲家で、コンサート用の作品の作曲をしつつ、演劇やオペラ・ミュージカルの作曲にも力を注いだ作曲家です。

しかし、ユダヤ人作曲家であったことから、当時のナチス当局による暴力的な干渉のため中断せざるをえず、1933年にはパリに逃れ、ブレヒト台本のバレエ「七つの大罪」を作曲することになります。1934年には、交響曲第2番を完成させ、1935年は、アメリカに移住してポピュラー音楽を研究し、数多くのミュージカル作品を残しました。ヨーロッパから、アメリカに移住せざるを得なかった作曲家は数多くいますが、ヴァイルものその一人です。


さて、七つの大罪は、怠惰、高慢、激怒、飽食、姦淫、貪欲、嫉妬という人の暗闇の世界を描いています。歌われているのはドイツ語です。ワタシは、オペラ対訳プロジェクトさんのサイトで拝見しながら聴きました。

ストーリーは、アメリカの南部のルイジアナから、都会に出てきたアンという女性の物語で、アンが一人二役というか歌って踊るという構成です。ニューヨークを初めとしてあちこちの都市を移転しながら、仕事をしては仕送りをしている女性。その仕送りで田舎の家は建つのですが、段々と、お金を儲けることが目的になっていくようで、身持ちがねえ~ 怪しくなっていくのです。手段が目的になってしまう。最後は、無事にルイジアナに帰るのですが、資本主義の暗黒面が綴られており、一種の悲哀を感じる楽曲となっています。

この「七つの大罪」は、舞台はアメリカ、言語はドイツ語。グローバル時代を先取りしたような作品ですが、随所にコミカルさがあり、ミュージカル風の軽快な音楽です。歌だけを聴くとシャンソンのようでもあり、哀れみの気持ちがありつつ、人として主人公に親しみを感じます。

ジュリア・ミゲネスさんの歌は、すれっからし風の歌い方ではなく、どことなくチャーミングが感じられて好ましいものでした。七つの大罪とは、ここでは、1プロローグ 2怠情 3高慢(傲慢) 4激怒(憤怒) 5飽食 6姦淫(淫奔) 7貪欲(強欲) 8嫉妬(羨望) 9エピローグ という構成です。

三文オペラ マック・ザ・ナイフ Mack the Knife

クルト・ヴァイルの代表作として、「三文オペラ」(Die Dreigroschenoper)があります。これは、ブレヒトの戯曲を元に、ヴァイルが作曲した音楽劇です。1928年、オペレッタ「三文オペラ」の音楽を監修したことをきっかけに、彼の劇場音楽等が流行し、ベルク、ツェムリンスキー、ミヨー、ストラヴィンスキーからも称賛を受け一躍有名になりました。

この三文オペラに、有名な歌「マック・ザ・ナイフ(匕首マッキーの殺し歌)」があります。Wikipediaを参考に記述すると、「マック・ザ・ナイフ( Mack the Knife)」は、ジャズのスタンダードナンバー(カヴァー曲としてヒット)、邦訳で「匕首マック」と呼ばれます。

1955年、ルイ・アームストロングが、シングル「マック・ザ・ナイフ」を発表。1997年グラミーの殿堂入り
1959年、ボビー・ダーリンが、シングル「マック・ザ・ナイフ」を発表、全米第1位を9週間記録する大ヒット。
1960年、グラミー賞の最優秀レコード賞を受賞。1999年グラミーの殿堂入り。
1960年、エラ・フィッツジェラルドが、西ベルリン公演で「マック・ザ・ナイフ」を歌い、アルバム「マック・ザ・ナイフ-エラ・イン・ベルリン」は、1990年にグラミーの殿堂入り。

こんな風に見ると、三文オペラのマック・ザ・ナイフは、アゲマンの楽曲です。では、1955年ジャズの大御所 ルイ・アームストロングさん、1959年ボビー・ダーリンさん。エラ・フィッツジェラルドさん。クルト・ヴァイルの奥さんロッテ・レーニャの歌声をご紹介します。

ルイ・アームストロング

出典:YouTube Mack the Knife Louis Armstrong Provided to YouTube by Legacy/Columbia

ボビー・ダーリン Bobby Darin

出典:YouTube Mack the Knife (Remastered 2018) ボビー・ダーリン – トピック Provided to YouTube by Millennium Digital Remaster ボビー・ダーリン(Bobby Darin)

エラ・フィッツジェラルド Ella Fitzgerald

出典:YouTube Mack the Knife Ella Fitzgerald Provided to YouTube by Nuova Canaria

ロッテ・レーニャ Lotte Lenya

出典:YouTube The Threepenny Opera: Moritat von Mackie Messer (Mack the Knife) ロッテ・レーニャ – トピック
Provided to YouTube by Masterworks Broadway

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