ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」【名盤・おすすめ】
ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 😐
ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」 ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 1992年
Milhaud: Le Boeuf sur le Toit Kent Nagano Lyon National Opera Orchestra
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ナガノさんの演奏は、軽快ですが、線が細めで、サッパリしています。いろんなフレーズが重なる楽曲ですが、妙に、ゴツゴツしていますが、内声部に埋もれがちな音が浮かんでいるので、面白いです。最初に聴くには、ちょっとアタマの中で、とっちらかった感がして困るかもしれませんが、聴き馴れたら、ペコペコ パパパっ パーっと、吹き散らされた感じの管の風合いが楽しめるかもしれません。一斉に口々に叫んでますね。勝手に吹かれているような感じがしますが、そんな楽曲なんだろうと思います。
ただ~ 色彩的に豊かってワケでもなく、プラスアルファが欲しい気がします。楽しいフレーズが登場しますが、その楽しいフレーズが沈んでいくと、他の輩が叫んでしまう感じでしょうか。主体となる旋律が何度も登場するのに、それをことさらに強調するわけでもなく、さらっと流れます。サワサワ、ザワザワ、ピーチクパーチク、にや~っと笑える要素も欲しい気がします。
CDカップリング:ミヨーの管弦楽・協奏曲作品集2枚組BOX。エクスの謝肉祭、ピアノ協奏曲第1番、5つの練習曲、ピアノ協奏曲第4番、バラード ピアノ:クロード・エルフェ(Claude Helffer)デヴィッド・ロバートソン(David Robertson) フランス国立管弦楽団 屋根の上の牛、世界の創造、ハープ協奏曲 ハープ:フレデリク・カンブルラン Frederique Cambreling
セミヨン・ビシュコフ パリ管弦楽団 😅
ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」 セミヨン・ビシュコフ パリ管弦楽団 1991年
Milhaud: Le Boeuf sur le Toit Semyon Bychkov Orchestre de Paris
ビシュコフさんの演奏は、柔らかいソフトな響きと、勝手バラバラ感が、なんだか微妙ですね。緩いって言えば、かなり緩そうなのですが、楽曲に合っている感じもします。難しいですね。この曲の評価って。まあ、良いんじゃーないの。という気もしますが、やっぱ、勝手バラバラですねえ。ホンマに、バラバラじゃん!そんな感じの演奏です。
CDカップリング:「Paris 1920」というCD プーランク バレエ音楽「牝鹿」、ミヨー バレエ音楽「屋根の上の牛」、オネゲル 交響的楽章第1番「パシフィック231」1991年 出典:YouTube Honegger: Pacific 231, H. 53 パリ管弦楽団 トピック Quatuor à cordes de l’orchestre de Paris – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group
ヤン=パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 😘
ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」 ヤン=パスカル・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 1991年
Milhaud: Le Boeuf sur le Toit Yan Pascal Tortelier Ulster Orchestra
トルトゥリエさんの演奏は、楽曲のオチャメさ感が、充分に味わえます。B級と言えばB級、でも、これを楽しまない手はないでしょという曲です。街頭の音楽というか、アコーディオンで弾かれているような即興音楽、道化師を伴って笑いを誘うような軽妙で、悲しいような楽曲です。繰り返しのなかで、調性が12も変わるそうですが、これは、専門家の方が理解がはやいと思います。
使用されている楽器の多様さと、滑稽さのなかに、ブラックユーモア的な旋律、ノリノリ感と泣き節が織り込まれているようで、飽きさせず不思議な魅力に取り憑かれます。それに、複雑にフレーズが重なっており、一聴しただけでは、つかみきれないような難しい曲でもあります。理屈抜きに楽しめないとオモシロクナイとい言いたげです。トルトゥリエ盤は、録音が新しいのが魅力で、トランペットやオーボエなど木管や金管がオチャメです。
CDカップリング: プーランク「牝鹿」、イベール「ディヴェルティメント」、ミヨー「屋根の上の牛」、ミヨー「世界の創造」プリング: プーランク「牝鹿」、イベール「ディヴェルティメント」、ミヨー「屋根の上の牛」、ミヨー「世界の創造」 出典:YouTube Milhaud Le Bœuf sur le Toit, Op. 58 Yan Pascal Tortelier – トピック Provided to YouTube by PIAS
レナード・バーンスタイン フランス国立管弦楽団 🙄
ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」 レナード・バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年
Milhaud: Le Boeuf sur le Toit Leonard Bernstein Orchestre national de France
バーンスタインさんの演奏は、あまり精緻とは言えずオーバーアクション気味ですが、まず楽しめます。生暖かい風の吹く夏の夜、煙草の煙が充満している居酒屋のなかで、座って聴いている感じです。旋律が未整理なままゴチャゴチャした感じですが、ある意味緩い感じが、この曲にはマッチしているようです。陽気さ、ジャズっぽさ、気怠さなどが詰まっています。
CDカップリング:ブリリアント(Brilliant Classics)レーベル2枚組BOX 原盤:EMI バーンスタイン フランス国立管弦楽団 1977年 ミヨー世界の創造、「ブラジルの郷愁」より コルコバード、スマレー、ディジューカ、ラランジェイラス、屋根の上の牛 プレートル モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団 スカラムーシュ、マルティニック島の舞踏会、パリ 4台のピアノのための6つの小品 ピアノ:ノエル・リー、クリスティアン・イヴァルディ、ミシェル・ベロフ 、ジャン=フィリップ・コラール 1971年、エクスの謝肉祭、フランス組曲、プロヴァンス組曲 ピアノ:ミシェル・ベロフ 1983年 出典:YouTube Le Boeuf sur le toit, ‘ (The) Bull on the Roof’ Op. 58 フランス国立管弦楽団 – トピック Orchestre National de France (ORTF) – Topic Provided to YouTube by Warner Classics
ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」【解説】
ミヨーが作曲した「屋根の上の牛」という、とっても、かわったタイトルの楽曲があります。屋根の上っていうと、熱いトタン屋根の猫、屋根の上のヴァイオリン弾き、ぐらいしか単語が出てきませんが、屋根の上に「牛」なんですよねえ。で、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、・・・超現実主義バレエ。ブラジルの大衆音楽や舞曲に強く影響されており、屋根の上の牛って、1922年に開店した居酒屋の名前だそうです。
本来は、チャーリー・チャップリンの無声映画のために作曲され、「ヴァイオリンとピアノのためのシネマ幻想曲 “Cinéma-fantaisie” pour violon et piano」 という名称だったそうですが、ジャン・コクトーの台本とラウル・デュフィの舞台装飾、ギィ=ピエール・フォコネの衣裳によるバレエが発想されるにあたって、ミヨーは「シネマ幻想曲」をバレエ音楽に編曲したそうです。1919年から1920年にかけて、小さなオーケストラのための短い作品です。
なんとなーく、解ったような、解らないような解説だが。チャップリンのコミカルな映画を彷彿することができるが、まっ とりあえず、聴いてみるのがイチバンかもしれない。ハチャメチャ オチャラケ風だが、とっつきやすい。まず、冒頭から、遊園地のような、おもちゃ箱をひっくり返したような旋律が続きます。遊ぶ勇気も必要かな~って思ったことと、ブラジル風、ラテンのノリ感を、たまには味わうのも良いと思います。
ミヨー:バレエ音楽「屋根の上の牛」【ディスク情報】
1977年 バーンスタイン フランス国立管 Brilliant
1991年 Y・P・トルトゥリエ アルスター管弦楽団 CHANDOS
1991年 セミヨン・ビシュコフ パリ管弦楽団
1992年 ケント・ナガノ リヨン歌劇場管弦楽団 E
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