レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」【聴いてみよう】Ralph Vaughan- Williams: Symphony No. 2, “A London Symphony”

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レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第2番「ロンドン交響曲」【名盤・おすすすめ】

マーク・エルダー ハレ管弦楽団

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 マーク・エルダー ハレ管弦楽団 2010年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony,(Symphony No.2) Mark Elder Hallé

CDカップリング:交響曲第2番 ロンドン交響曲、オーボエ協奏曲 ステファン・ランクール 2010年録音 出典:YouTube Symphony No. 2, IRV 41 “A London Symphony” ハレ – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

リチャード・ヒコックス ロンドン交響楽団(原典版) 😘

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 リチャード・ヒコックス ロンドン交響楽団 2000年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony,(Symphony No.2) Richard Hickox London Symphony Orchestra

ヒックスさんの演奏は、録音状態が極めて良く聴きやすいと思います。流れるようなフレーズは、イギリス音楽ならではの特徴で、ここで聴かれる歌謡風フレーズは、とても親しみやすものだと思います。まるで、NHKの大河ドラマ主題曲のように聞え、壮大な絵巻モノを見ている印象を受けます。このヒコックさんの演奏は、1913年原典版として有名です。1914年3月、ロンドンで初演された後、第一次世界大戦が勃発したため初稿が紛失。友人のバターワースの協力を得て、パート譜から、多少の改訂を経て総譜を完成させたそうです。原典版と現行版の違い等については、素人のワタシでは、区別がつきません。長大な楽曲なので、正直なところ睡魔と戦うに必死です。

CDカップリング:V・ウィリアムズ:ロンドン交響曲(交響曲第2番)1913年 原典版、バターワース 青柳の堤 出典:YouTube Symphony No. 2, “A London Symphony” リチャード・ヒコックス – トピック Provided to YouTube by PIAS

アンドリュー・デイヴィス BBC交響楽団 😐

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 アンドリュー・デイヴィス BBC交響楽団 1994年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony,(Symphony No.2) Andrew Davis The BBC Symphony Orchestra

V・ウィリアムズさんのロンドン交響曲は、多彩な要素が詰め込まれています。交響曲として聴くには、少し緩い気もしますし、ある程度の型に、はまって欲しい気がします。A・デイヴィスの演奏は、1920年版とされていますが。第3楽章、金管のおちゃめなフレーズが、楽しいな~と印象に残ったことと、第4楽章の壮大なスケールが、大英帝国バンザイのようにも聞えてしまいました。

スネアとブラスが活躍する楽曲ですが、全部で48分32秒という大曲で、少し疲れてしまいます。マーラーやブルックナーの交響曲に馴れていても、うーん、ちょっと荷が重いかもしれません。最初に聴くのであれば、楽章ごとに区分して聴かれることをおすすめします。

CDカップリング:ヴォーン=ウィリアムズ交響曲全集 6枚組BOX 1990年~96年 交響曲第1番~9番、トマス・タリスの主題による幻想曲、揚げひばり、グリーンスリーヴスによる幻想曲、すずめばち(アリストファネス組曲~ 序曲)、バレエ「ヨブ記」1~8シーン 出典:YouTube Vaughan Williams Symphony No. 2, “A London Symphony” アンドルー・デイヴィス – トピック Andrew Davis – Topic Provided to YouTube by Warner Classics

ブライデン・トムソン ロンドン交響楽団

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 ブライデン・トムソン ロンドン交響楽団 1988年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony (Symphony No.2) Bryden Thomson London Symphony Orchestra

CDカップリング:交響曲第2番ロンドン交響曲、合奏協奏曲 1988年録音 出典:YouTube Symphony No. 2 “a London Symphony” London Symphony Orchestra Provided to YouTube by NAXOS of America

アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル 1986年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony (Symphony No.2) André Previn Royal Philharmonic Orchestra 

CDカップリング:交響曲第2番ロンドン交響曲、揚げひばり バリー・グリフィス 1986年録音 出典:YouTube Vaughan Williams: Symphony No. 2 in G Major “London” アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 😘

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1972年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony (Symphony No.2) André Previn London Symphony

第1楽章 最初に聴いたV・ウィリアムズの交響曲が、この曲でした。朝靄のなかから、遠くで鐘が鳴ってきます。英国の国会議事堂は旅行に行った際に拝見していますが、ビック・ベン(鐘)を象徴する鐘が鳴ります。ホルンのフレーズは、「オペラ座の怪人」を見るかのようだし、ロンドンにある劇場に居るような気分です。V・ウィリアムズは、ロンドンの街を、音で表現しようとしているのだと思います。

何度か繰り返して聴くうちに、はたっと気がつきました。これは、チャイニーズ・レストランの朝餉の匂いとお祭りだ!そうに違いない。ワタシの勝手な想像かもしれませんが、ロンドンの金融街、下町の風景、雑踏などを歩いていると思うようになって、親しみをもって音が耳に届き始めたのです。でも、イメージしやすいけれど、耳からするりと抜けてしまうきらいもあります。

第2楽章~第4楽章 ロンドンの天気みたいに、どんよりした気怠い出だしです。でも、ハリウッド映画の史劇「ベン・ハー」とか「スパルタカス」とか「グラディエーター」みたいな、ローマ時代の兵士が出てきそうな映画音楽BGMみたいだったりします。まるで、ローマ帝国時代みたいですね。第3楽章は、作曲者の意図とは異なり、世俗的な要素が詰め込まれているようです。

ラストに至るまでも、悲劇、シリアスドラマ、ラブ・ロマンス、えっ、古代ローマが舞台なの? という感じです。ロンドンも大英帝国どころか、遙か昔は、ローマ帝国の領土であった時代があり、ロンドン交響曲は、ロンドンの歴史絵巻だったのかと思い至ったわけです。な~んだ。そうかあ。やはり、NHK大河ドラマの主題曲だという認識は、あながち間違いではなかったと(大間違いしていたりして)楽しませていただけることになりました。

CDカップリング:V・ウィリアムズ ヴァイオリン協奏曲 「コンチェルト・アカデミコ」、アリストファーネス組曲「スズメバチ」序曲 出典:YouTube A London Symphony (Symphony No. 2) , IRV. 41 アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

エイドリアン・ボールト ロンドン交響楽団 😄

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:「ロンドン交響曲」交響曲第2番 エイドリアン・ボールト ロンドン交響楽団 1952年 Ralph Vaughan Williams: A London Symphony(Symphony No.2) 
Adrian Boult London Symphony Orchestra

ボールトさん第1回目の5枚組BOX(交響曲第1番~8番まで)の演奏は、ド演歌調で面白みがあります。熱い演奏で、ダイナミックで娯楽映画を見ている感じです。1952年録音という演奏なので、お薦めはできません。でも、この曲を何度か聴いて他盤も聴いたことがある方なら、面白いと感じていただけるのではないでしょうか。演奏の表現が、かなりオーバーで、賑々しく、下町演歌風に演奏されていますね。

おもしろいやん!というノリです。改めて考えると「ロンドン交響曲」とは、すごいタイトルですよね。そのまま日本に置き換えたら、さしずめ「東京交響曲」ってことになるわけですもん。お江戸の風景をイメージしたり、お祭りをイメージしたり、外国人観光客が浅草を歩いているような風景を音化するわけですよね。はぁ~(でも、こんな曲、おもしろいかなあ)

ボールトさんの演奏の特徴は、やはり金管(ブラス)のぶっぱなし迫力でしょうか。アクの強い、少し泥臭い演奏の方が、曲想にマッチしてそうです。ちなみに、ボールト第1回交響曲全集8枚組デッカ盤(8番まで。9番以降はまだ世に出ていなかった)第2回交響曲全集は、9番までの全集(1968年~1975年録音)EM盤8枚組BOX あります。出典:YouTube Vaughan Williams: Symphony No.2: A London Symphony エイドリアン・ボールト – トピック Sir Adrian Boult – TopicProvided to YouTube by Universal Music Group

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第2番「ロンドン交響曲」【解説】

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams)は、1872年生まれのイギリス人作曲家です。Vaughan Williamsが姓なので、一般的にはヴォーン・ウィリアムズと呼びます。V・ウィリアムズは、全部で9つの交響曲を作曲していますが、ロンドン交響曲(A London Symphony)は、2作目で、1913年に作曲されています。

作曲者自身は、ロンドン交響曲というタイトルをつけています。ウェストミンスターの鐘のようなロンドンの響きを含んでいますが、絶対音楽として聞こえるように作曲したつもりで、 ロンドンっ子による交響曲というのが適切な題名だったかもしれないと述べているそうです。

しばしば、交響曲第2番と呼ばれますが、番号付けをするようになったのは第4番以降。最初の三作は、海の交響曲、ロンドン交響曲、田園交響曲として、番号だけでなく題名によっても知られています。ロンドン交響曲は、4つの楽章で構成されています。ウェストミンスター寺院の鐘が聞こえて来たら、交響曲の幕開けです。第1楽章で、ウエストミンスター寺院の鐘が、モチーフとなって鳴るのが印象的です。うーん、これは大河ドラマの主題曲みたいですね。

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第2番「ロンドン交響曲」【ディスク情報】

1952年 ボールト ロンドン交響楽団 Dec 
1972年 プレヴィン ロンドン交響楽団 R 
1986年 プレヴィン ロイヤル・フィル TELARC
1988年 ブライデン・トムソン ロンドン交響楽団 CHANDOS
1994年 A・デイヴィス BBC交響楽団 TELDEC
2000年 ヒコックス ロンドン交響楽団 CHANDOS
2010年 マーク・エルダー ハレ管弦楽団 HALLE
2011年 クリストファー・シーマン ロチェスター・フィル HM 未掲載

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