シベリウス:交響曲第2番【聴いてみよう】Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43

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シベリウス:交響曲第2番【YouTube】

シベリウス:交響曲第2番 ラトル ベルリン・フィル 2015年2月5日のコンサートの模様です。3分02秒の動画です。第4楽章アタッカで入ってくるところから。サワリのみです。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 / Sir Simon Rattle · Berliner Philharmoniker Berliner Philharmoniker

シベリウス:交響曲第2番 スザンナ・マルッキ指揮 hr交響楽団
2019年5月17日のコンサートの模様です。50分55秒の動画です。1969年フィンランド出身の女性の指揮者です。エーテボリ響の首席チェリストだったそうですが、指揮者に転向され、ヘルシンキ・フィルの首席指揮者を2016年から23年まで務められています。出典:YouTube Sibelius: 2. Sinfonie ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Susanna Mälkki
hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony

シベリウス:交響曲第2番 サラステ WDR響 2018年4月20日コンサートの模様です。41分38秒の動画です。
出典:YouTube ジャン・シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43|ユッカ=ペッカ・サラステ|WDR交響楽団
WDR Klassik

シベリウス:交響曲第2番【名盤・おすすめ】

マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第2番 マリス・ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 2015年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Mariss Jansons Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks

ヤンソンスさんの演奏は、安定の良い演奏だと思います。1992年にオスロ・フィル、2005年にコンセルトヘボウ管弦楽団とのライブ、2015年にバイエルン放送響とのライブ演奏があります。92年のオスロ・フィルからどんな成長をしたのだろうと、やっかみ半分で拝聴しましたが、やっぱりオケが良いと映える曲なので、モテる男はツライよな~という感じでしょうか。

名器を二つも持って(シェフをして)、すかさずライブ盤で世に問えるなんて、ヤンソンスさんは、シアワセな指揮者です。バイエルン放送響との演奏は、弾力性の高い、しなやかに歌う演奏です。金管が少しパワー不足に聞こえるためか、朗々と歌うという感じではないのですが、ラストの楽章では、スムーズに加速減速して、執拗なタメ感のない演奏だと思います。CDカップリング:シベリウス 交響詩フィンランディア、カレリア組曲、交響曲第2番 2015年
出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 バイエルン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

アンドリス・ネルソンス ボストン交響楽団 😒

シベリウス:交響曲第2番 アンドリス・ネルソンス ボストン交響楽団 2014年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Andris Nelsons Boston Symphony Orchstra

ネルソンスさんの演奏は、正直言ってあまり面白くない印象を受けました。また機会があれば改めて聴いてみたいと思いますが、基本、テンポを動かさない歌わない感じがします。特に、第4楽章を聴いた時に、この交響曲第2番が、とても、安直でつまらない曲に聞こえてしまったのです。いかにも、安っぽい曲になりさがってしまった気がします。

タメ感、テンポを変えない、抑揚のなさ、歌わないでは、単に冗長で緩んで聞こえる。即物的に演奏されちゃうと~ これ困るよなあと思います。シベリウスの交響曲2番は、ごめん、普通に、ど演歌が聴きたいんです~って感じがします。昭和の演歌の予定調和のように、お決まりのパターンで良いから、もりあがってくれぇ~と叫びたくなります。

CDカップリング:ワーグナー タンホイザー序曲、シベリウス 交響曲第2番 2014年 出典:YouTube Symphony No. 2 in D, Op. 43 マックス・ホウバート – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

オスモ・ヴァンスカ ミネソタ管弦楽団 😘

シベリウス:交響曲第2番 オスモ・ヴァンスカ ミネソタ交響楽団 2011年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Osmo Vänskä Minnesota Orchestra

ヴァンスカさんのシベリウス交響曲全集は、以前、90年代後半にラハティ響との録音があり、それを愛聴していたのですが、2000年代に入ってミネソタ響と全集に取り組んだので、新たな発見があるかと思って聴いてみました。2番は、外向的というか祝祭的な感じの楽曲でもあるので、さほど大差ないのですが、弦の素早くカシカシ強めのボーイングが特徴です。幾分、嶮しい感じの第1楽章、朗々と歌う第4楽章。スケールはやっぱり大きくなっているように感じます。また、ローカル色の強い自然体の演奏というよりは、表情が険しく、意思の固さをより感じます。

前の演奏より一段と嶮しさを増したような気がします。特に、第2楽章を聴くとそう思います。弦のフレージングの端々にキツさがあり、ほんわか~したところが少ないですね。キチンとした音の出し方、置き方にこだわったかな~と思います。ミネソタ響との間に何があったのかは知りませんが、いったん辞任しちゃって頓挫しそうになった全集ですが、何はともあれ、復帰して完成できたので良かったです。アメリカのオケを振っての全集なので~ かえって指揮者の考えや思いが色濃く反映しているように思います。出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 ミネソタ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

グスターボ・ドゥダメル エーテボリ交響楽団 😊

シベリウス:交響曲第2番 グスターボ・ドゥダメル エーテボリ交響楽団 2010年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Gustavo Dudamel Gothenburg Symphony Orchestra

ドゥダメルさんとエーテボリ響の組み合わせが、ワタシのなかで、イメージがイマイチ、しっくりこないで聴いてしまいました。これはサブスクを利用して、怖いもの見たさ的に拝聴したのですが、伸びやかな印象を与え、想像どおり、ラストのもりあがりは、立派で、開放感あふれる演奏だったので良かったです。冒頭の弦の和音から、残響を残して綺麗に響きます。

ドゥダメルさんには、ラテン系との印象が強いからな~ エーテボリ響とマッチするんだろうかという危惧は、余計だったかもしれません。この指揮者のエネルギーの放出量は半端ないですからね。氷が溶けちゃう~ オケの十八番の楽曲だとは思いますが、フレーズのつなぎ方、息の長さ深さも、オケが培ってきた自然発声という気がします。今度は、後期の曲を聴いてみたいですね。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 🤨

シベリウス:交響曲第2番 コリン・デイヴィス ロンドン交響楽団 2006年 
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Colin Davis London Symphony Orchestra

C・デイヴィスさんのシベリウスは、何度となく聴いてきたのですが、どうもパッとした強い印象を受けないままで終わります。2番は、終わり部分で超もりあがるので、聞き慣れた耳には、うーん、ちょっと、新鮮味が足らないかな~と思うのと、録音状態が、もわっとしているので、やっぱり、どうも馴染めませんでした。性懲りも無く、聴いちゃいましたね。スミマセン。出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by harmonia mundi

マリス・ヤンソンス コンセルトヘボウ管弦楽団 😊

シベリウス:交響曲第2番 マリス・ヤンソンス コンセルトヘボウ管弦楽団 2005年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Mariss Jansons Royal Concertgebouw Orchestra

ヤンソンスさんの演奏は、コンセルトヘボウ管の音に馴染んだ演奏かもしれません。後年のバイエルン響もコンセルトヘボウ管も、美音で流麗な演奏です。なだらかな曲線で描かれており、まるで遙か遠い山脈を見て居る感じです。2番は特に言うことないですね~ 大きな癖がないので、ホント難癖をつけることができない、シンプルで雄渾な演奏だと思います。オケの音に、どうしても耳が行っちゃいます。良い名器(オケ)を持って演奏できるって、ホント羨ましい。指揮者冥利に尽きますね。出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 Concertgebouworkest Provided to YouTube by Royal Concertgebouw Orchestra

クラウス・マケラ オスロ・フィル 😘

シベリウス:交響曲第2番 クラウス・マケラ オスロ・フィル 2002年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Klaus Mäkelä Oslo Philharmonic Orchestra

マケラさんのシベリウスは、少し暖かい素直な演奏だと思います。堂々とした豊かさを感じるフレージングで、若い方が振っている演奏とは、ちょっと思えなかったです。しなやかで伸びやか、自然的な開放感を感じるものでした。また対旋律が随所に感じられ、一本筋の太い主旋律だけで歌う演奏ではないところが、この演奏の魅力です。決して邪魔にならないように、細かなフレーズが聞こえます。

また、木管の細やかな音が、自然な感じでスパイスとして効いています。金管の和音も安定しており、上に向かって音が昇っている感じがして、とっても好ましい。ひとことで言うと素敵な演奏~といえそうです。強弱もスムーズだし、付点のリズムもスムーズで、収まるところに収まっている感がします。中間の2つの楽章も、穏やかで密やか、繊細で気配りの行き届いた演奏だったですね。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 – I. Allegretto
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル 😘

シベリウス:交響曲第2番 レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル 2002年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Leif Segerstam Helsinki Philharmonic Orchestra

百獣の王のようなセーゲルスタムさん。彼には、ヘルシンキ・フィルと、デンマーク放送交響楽団とのシベリウス交響曲の全集があります。このヘルシンキ・フィルを振った演奏は、録音状態が良く、シャキっとした風合いとなっています。あの巨漢からのイメージでは、スピードがあがるとは思っていなかったので、超驚きました。

なだらかな盛りあがりで、するするっとトゥッティまで持って行かれます。あまり作為的な演奏ではないのですが、自然発露的な勢いと熱量があります。山の頂上に立って感じる雄大な景色ではなく、ある意味、日常的に見える広がり、風の強さ、雪の多さ、空気の薄さ、針葉樹林、いつまでも続く道、消失点~という感じが伝わる演奏です。CDカップリング:シベリウス交響曲第2番、第6番 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 🥰

シベリウス:交響曲第2番 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 2001年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Neeme Järvi Gothenburg Symphony Orchestra

N・ヤルヴィさんの演奏は、少し重いのですが、音に強弱をつけて進みます。勢いの良さに馬力があり、83年BIS盤に比べると、おっとり穏やかな雰囲気に少し変わりました。少し丸くなったということでしょうか。エーテボリ交響楽団にとっても十八番と言って良い楽曲で、少し重心を低くした低弦の響きが聴きどころです。木管の動きも良く響いているので、以前よりグレードがアップした感じがします。2番は、ゆっくり、ちょっと厚めに演奏されると嬉しい曲だと改めて感じます。じわーっと地熱のように熱く、沁みてきます。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 In D, Op. 43 エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

パーヴォ・ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 🙂

シベリウス:交響曲第2番 パーヴォ・ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 1998年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Paavo Berglund Chamber Orchestra of Europe

ベルグルンドさんの演奏で、小規模編成のヨーロッパ室内管で聴くと、2番は、ワタシの我が儘なのですが、ちょっと厚めのふくよかな演奏の方が良いかな~と思いました。後期の交響曲は、薄めの繊細さ、すーっと通る張り詰めた感が欲しくなるのですが、2番は厚めの響きで、ぐぐっと下から持ち上がってくるようなパワーが欲しいと思うのです。風より地面、大地の力という感じでしょうか。あまり巧く言えないんですけど。出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by Fazer Records/Finlandia

チャールズ・マッケラス ロイヤル・フィル

シベリウス:交響曲第2番 チャールズ・マッケラス ロイヤル・フィル 1996年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Charles Mackerras Royal Philharmonic Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 2 in D, Op. 43 チャールズ・マッケラス – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

オスモ・ヴァンスカ ラハティ交響楽団 🙂

シベリウス:交響曲第2番 オズモ・ヴァンスカ ラハティ交響楽団 1996年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Osmo Vänskä Lahti Symphony Orchestra

ヴァンスカさんのシベリウス交響曲全集は、一時期マイブームで、この演奏ばかり聴いてた時があります。荒々しいシベリウスで、レア感がありました。でも、2番は、ちょっと違ってて、いたって普通の演奏に聞こえちゃった気がします。シベリウスの交響曲のなかで、2番、5番あたりは人気曲です。多くの演奏があり、颯爽とさーっとアッサリ演奏されることもあれば、じっくり、まったり太い筆で書くような演奏もあります。堂々とした方が2番は、格好良いかもしれませんね。

改めてヴァンスカさんの演奏を聴いて、どっちのパターンが良いんだろう~ 風のようにも、どっしりした大地のようにも聞こえる演奏が良いよね~とか、楽章ごとに、いや楽章内においても、両方の要素も含めて演奏すべきだと思ったり。あはは~ ワタシが演奏するわけじゃないのにね~ ちょっと悩みました。出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 ラハティ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 😮

シベリウス:交響曲第2番 ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 1993年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Jukka-Pekka Saraste Radion sinfoniaorkesteri(Finnish Radio Symphony)
★ YouTubeにおいて、動画はありません。

90年代のサラステさんの演奏は、サンクトペテルブルグでのライブ盤です。演奏は、爽快さを感じるものの、録音は、幾分こもりがちで、スッカとしていない気がします。CDカップリング:シベリウス 交響曲第2番、4番 またの機会にRCA盤の全集を聴いてみたいと思います。

ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 🙄

シベリウス:交響曲第2番 ジェームズ・レヴァイン ベルリン・フィル 1991年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 James Levine Berliner Philharmoniker

レヴァインさんのシベリウスって、どんな演奏になるのだろう~と、あまりイメージが湧かないので、興味本位でサブスクで聴いてみました。ハハハ~ ワタシが悪かった。やっぱり北欧系の指揮者で聴くべきだったと思いました。逞しい演奏で、ごつい体躯をしています。この演奏を聴くと、もう少しスレンダーの女性的なフレーズが聴きたいと思ってしまいます。もっと柔らかいフレージングが無性に恋しくなります。このティンパニの打ち込み、やめてほしいわあ。

硬すぎて、直線的で、もはや涙目になりそうだったのですが、他の演奏と、どこが違うんでしょう。アプローチが全く違うと思ったのですが、さて、いったいどこが違うのでしょう。BPOのことだから譜面通りに演奏されているのでしょうが、どこがどう違うのか、言葉で表現することができず。ギブアップしちゃいました。1番から順番に7番の世界に行き着いて、そして戻って2番を振って欲しい、そう思います。2番だけ単独に振っても~ シベリウスにはならないよーっ、と言いたい気持ちでした。(おいおい、偉そうに言い過ぎだろう~) 

出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 In D, Op. 43 – 4. Finale (Allegro moderato) (Live) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第2番 ヘルベルト・ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 1991年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Herbert Blomstedt San Francisco Symphony

ブロムシュテットさんの演奏は、暖かい空気の漂うシベリウスです。サンフランシスコ響は、明るい開放感が持ち味です。怖いくらい冷たく、荒涼たる原野に立ち向かうような演奏も好きですが、2番は、大らかな演奏も適しているのではないでしょうか。ブロムシュテットさんの勢い、走る熱意を感じます。

両翼配置なのだと思いますが、立体的に響き、ところどころ不思議な波が、さざめいています。弦が主となるフレーズを奏でているときは、木管がサワサワサワと、風を起こしていますね。オケ全体が、トレモロを奏で、まるで静かな海辺に立っているかのような感じです。わずかに体に感じる静かな揺らぎ、声にならない声、音でしか表せないような、そんな空間。サワサワ~ ザワザワ~ 風の音が、いろんな楽器によって作られているようで、とても興味深いです。

第2楽章の低弦のピチカートは、淡々としており、モノクロの世界になります。音の強弱が、遠近感を表し、ふむ、こうやって音で面的な広がりを描写するのか~と感心させられます。そうこうしているうちに、経過句が入ってきて、段々と高揚してきます。コラール風に金管が吹かれ始めると、場面が変わり無風状態となって、自分だけが存在している、そんな孤独感に気づきはじめます。切迫感や焦燥感を味わい、いきなり目の前に氷の壁が立ちはだかっているのに気づきます。タイトでキツイ、突き詰めてくるので、絶望の縁に立たされている感じがします。

第3楽章は、ティンパニがリアルです。冬の嵐のような光景が広がり、冬の稲妻のように雷光が反射しているような世界です。そして、オーボエが千両役者のように登場して牧歌的な風景が広がっています。この二つの極を、行き来することになるので、疲れる怒涛のスケルツォとなっています。二極化された世界の描き方は、圧巻っ!

第4楽章は、前楽章のラストからの流れにのって、輝かしく誇らしげに金管が吹かれいます。なんとも、あっけらかんとしており、今までの世界は、なんだったのだ~っと文句を言いたくなるほど大らか。通常なら、ここぞとばかりに歌いあげていくところですが、慎ましやかです。ひょいひょいと階段を走って登り、高みを目指して行ってしまいます。ハイ、みごとにやられてしまいました。う~ん、ブロムシュテットさんの演奏は、だれか主人公がいて、聖職者になる試練、テストを受けているかのようです。そんな世界が描かれているようでした。

CDカップリング:シベリウス 交響曲第2番、交響詩タピオラ、悲しきワルツ 出典:YouTube Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 San Francisco Symphony Provided to YouTube by Universal Music Group

レイフ・セーゲルスタム デンマーク国立放送交響楽団 😄

シベリウス:交響曲第2番 レイフ・セーゲルスタム デンマーク国立放送交響楽団 1990年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Leif Segerstam Danish National Symphony Orchestra

セーゲルスタムさんの演奏は、とても大らか~ その言葉がマッチすると思います。良い意味で緩やかで、広がってて、焦らず、精緻すぎず、ゆったりと聴くことができます。作為的ではなく熱すぎないところが、かえって良い印象を与えます。あまり突き詰めてこない演奏だったので、リラックスして聴くこときました。ラストにおいても共感を感じます。後年、ルシンキ・フィルと収録した演奏があります。CDカップリング:シベリウス 交響曲第2番、フィンランディア 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 レイフ・セーゲルスタム – トピック  Provided to YouTube by PIAS

ロリン・マゼール ピッツバーグ交響楽団 😕

シベリウス:交響曲第2番 ロリン・マゼール ピッツバーグ交響楽団 1990年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Lorin Maazel Pittsburgh Symphony Orchestra

マゼールさんの演奏は、冒頭のテンポが、驚くほど超スローで、なんだぁ~これっ。サラサラと流れていく雰囲気がなく、とろりんとしてて、音の受け渡しをしている部分も、ふわ~っと送っている。あれれ~と思っている間に、なんとなく楽章が終わってしまいました。第2楽章においても、弦のピチカートが、ぼよ~ん ぼよ~んと弾かれています。ファゴットが、鬱々としてて、ブチブチ文句を言っていたら、ようやくエンジンがかかったのか、途中から、金管が咆吼する直前で、テンポがあがります。エンジンが冷え切ってたらしいです。

ピリピリして緊張感が走っていた64年録音のウィーン・フィルとの演奏とは、真逆のアプローチ、雲泥の差で、はぁ~ どうなってるの? 後半の楽章は、まあ普通のテンポに戻っていますが、チェリビダッケさんの向こうを張っているのかと思うほどで、ワタシ的には、凍り付くようなウィーン・フィルの演奏が懐かしく思われました。
CDカップリング:シベリウス交響曲第2番、第6番 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 ロリン・マゼール – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

アレクサンダー・ギブソン ロイヤル・フィル

シベリウス:交響曲第2番 アレクサンダー・ギブソン ロイヤル・フィル 1989年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Alexander Gibson Royal Scottish National Orchestra
出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 アレクサンダー・ギブソン – トピック Provided to YouTube by PIAS

ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 

シベリウス:交響曲第2番 ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 1987年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Jukka-Pekka Saraste Finnish Radio Symphony Orchestra

CDカップリング:シベリウス 交響曲全集、管弦楽曲集 8枚組BOX 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 ユッカ=ペッカ・サラステ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

パーヴォ・ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 😍

シベリウス:交響曲第2番 パーヴォ・ベルグルンド ヘルシンキ・フィル 1986年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Paavo Berglund Helsinki Philharmonic Orchestra

ベルグルンドさんのヘルシンキ・フィルとの演奏は、しみじみ目頭が熱くなって、じんわり泣けてしまいます。2番だけでなく、全集として、ボーンマス響、ヘルシンキ・フィル、ヨーロッパ室内管弦楽団の三種類の全集があります。テンポ良く進み、弦がシャープな切れ味を持っています。爽やかな感じで、スッパとリズミカルなのです。

第2楽章のコントラバスでさえ、リズミカルに弾みます。ホルンの響きは、何かを予感させるような感じですね。予言とか予兆を提示してくるような雰囲気があります。ゆったり主題が現れてきます。ヴァンスカさんの演奏のようにクールではなく、氷の世界とは異なります。風の雰囲気があり、流れるような生命体の息吹のような感覚でしょうか。レガート気味の弦のあがりくだりを感じます。

春の到来を待っているような、希望の持てる明るさが底辺にあり、若い生命体の動きを感じます。後半の楽章においても、より一層、その気配が強まり、全体的にサワサワ~。フルートとオーボエが、まろやかに響きますが、軽やかで、適度な重量があります。金管は奥の遠いところで存在し、ティンパニは、さらに奥に控えています。第4楽章へのユニゾンからは、金管が、ぼわーん ぼわーん。最初は、金管の押し出しが弱い、低弦の土台が弱いと思っていたのですが、遠方で揺らめくように響く方が適切なのかと思います。

繰り返すうちに、知らず知らずに昇っていく感覚にハマりました。三度昇り始めた頃には、おおっ これこれ~ この感覚だと思うほどに、ノビ感とスピード、音量を感じます。鈍重にならない程度に揺らめき、気がつけば自然に煽られ、朗々と歌えることに感興を覚えます。

人肌の暖かさ。人の声に聞こえてくるような弦の響きがあります。コーダにおいては、コントラバスがやや小さい音量なのですが、風のようなフルートが、少し暖かい空気を運んでくるかのようです。外は凍りついているのかもしれませんが、風が凪いで、内面の温かさ、肌の暖かさが、このフルートの音で感じます。このフルートの持つ感覚によって、かなりオケの雰囲気が変わるようです。第1楽章のヴァイオリンと、ラスト付近のヴァイオリンの音は、のびやかで、まろやかな音に変わっています。このベル

グルンドさんの演奏は、まろやかな終わり方で~ この結論から導き出した展開なのでしょう。和音を作る低弦、柔らかい金管が乗り、荘厳な響きの和音に至ると、これは確かに、評価の高い演奏だ~と納得します。 しみじみ、じんわり~ 4楽章の2回目のユニオンあたりから、目頭が、びくん~状態でした。CDカップリング:シベリウス交響曲第1番~第4番 出典:YouTube Sibelius Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 パーヴォ・ベルグルンド – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 😩

シベリウス:交響曲第2番 レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 1986年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Leonard Bernstein Wiener Philharmoniker

バーンスタインさんの演奏は、熱く、濃厚で、重厚すぎて~ 押しつぶされそうな演奏です。また、最後まで救われないような気分になっちゃって、やりきれなさが残ります。第1楽章は、テンポが遅くて疲れて、げっそり~してしまいました。マゼールさんも遅かったなあ~ もしかしたら楽譜の指示が、この速度? どうなんだろう。

で、オーボエとホルンがあわさって朝靄の雰囲気が出てきます。ホルンが水蒸気のように立ちのぼってきます。ふかぶかとした歩みで、朝の風景のようなのに、息苦しく、弦のモコモコ 木管のモコモコ。紋切り調に金管が吹かれ、戦後の荒廃した世界のなかで、抵抗しているエネルギーが生まれたかのようです。ひぇ~ この最初だけで、ギブアップしそうになりました。

第2楽章のコントラバスは、圧政に苦しむ民の姿なのでしょうか。ショスタコではないのですが、悲痛感が漂い、湿地地帯を、先の長~い道程を、重々しい十字架を背負って歩いているように聞こえます。絶句する以外にないほど大柄な演奏で、救いのない世界が広がり立ち直れません。重い低弦とティンパニー、金管の悲鳴で第3楽章が始まります。

恐ろしい三連符は怖すぎです。テンポは速めですが、中間部は遅くなり、続く第4楽章は、息の長い唸るチューバが特徴です。ぞっとするほどの粘着性です。中間部は微速前進。低弦とファゴットが、テンポを刻みはじめると、そこから上昇エネルギーが吹きあげ、金管が呼応するたびに雷鳴が起こる世界となります。チューバの唸りと弦のユニゾンで、地響きが起こり、火山の噴火、天変地異が起こったかのような演奏です。最後で調が変わりますが、救済される気持ちになれずに終わります。シベリウスの2番で、こんなに疲れるとは。いや~ ホント疲れました。

出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 – I. Allegretto (Live) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 😣

シベリウス:交響曲第2番 サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1984年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra

ラトルさんは1955年生まれなので、当盤は、20代最後の演奏だと思います。金管が目立つ演奏が多いなかで、フルートの音色が強く聞こえたり、オーボエ、クラなどの木管の音色が目立ち、それぞれの楽器が点となって一枚の絵画となっている感じがします。木管に焦点をあてた新鮮な感じもします。リズミカルに弾み、金管が幾分控えめに鳴っているようです。

第2楽章は、低弦のピチカートからスタート。ホール感がイマイチ感じられないので残念です。どうしてラトルさんはEMIと専属契約をしてしまったのだ~。(つくづく悲しい 涙)ちょっと速めのテンポ設定です。後半の楽章は、速い、速い。前のめり気味で斬りすてる感じがします。で、歌謡風のフレーズは、ゆったり歌う。この対比は大きいですね。第4楽章の入りは、前のめりで速め。中間部分はたるまないで通過、ラストの盛りあがりから逆算されたテンポ設定なのでしょうか。しかし録音状態がダメダメです。

ワタシが所有しているのは、91年オランダ製の輸入盤ですが、とーっても泣きたくなる感じでした。CDカップリング:シベリウス 交響曲第2番1984年、交響曲第3番1985年 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 Simon Rattle Provided to YouTube by Warner Classics

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 🙂

シベリウス:交響曲第2番 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 1983年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Neeme Järvi Göteborgs Symfoniker

N・ヤルヴィさんの演奏は、速い、速い、木管の方が前に出ているのか、白鳥の鳴き声が聞こえる湖の畔に立っているみたいな雰囲気です。語り口は巧くて、このスピードで進むことに驚きつつ、ぐいぐいと引っ張っていきます。木管がアクセントになって、音を置いていく感じですが、かえってリズムが生まれてくる感じがします。ただ、やっぱり荒々しい旋律で、金管が咆哮しており、ちょっと祝祭的な感じのする2番としては、うーん、どうでしょ。後年の2001年録音の演奏の方が、穏やかな演奏だったので、えらい違いです。CDカップリング:シベリウス 交響曲第2番、弦楽のためのロマンス 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 Göteborgs Symfoniker – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル

シベリウス:交響曲第2番 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1980年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
出典:YouTube ジャン・シベリウス 交響曲第2番 ヘルベルト・フォン・カラヤン
Classical Music ? With Pleasure ! ★ 公式ではありません。

ウラディーミル・アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 🙂

シベリウス:交響曲第2番 ウラディーミル・アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 1979年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Vladimir Ashkenazy Philharmonia Orchestra

アシュケナージさんの演奏は、おとなしい、まろやかな感じで終始しています。出典:YouTube フィルハーモニア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス ボストン交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第2番 コリン・デイヴィス ボストン交響楽団 1976年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Colin Davis Boston Symphony Orchestra

C・デイヴィスさんの演奏は、大柄で太い筆でぐいっと書いていく感じでしょうか。カッチリしていますが、起伏も大きいです。特に、第4楽章を聴くと、まったりしており、ゆったり大きな波をつくってトゥッティに持っていくのですが、最近の演奏は速くなっているので、なかだるみしちゃった感があります。70年代中期の演奏だと、このテンポで良かったのかもしれません。楽章の最初は、サクサクと進む方が良いのかもしれません。CDカップリング:シベリウス交響曲第1番、第4番、第2番、第5番 出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2 マックス・ホウバート – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

クルト・ザンデルリンク ベルリン交響楽団 😘

シベリウス:交響曲第2番 クルト・ザンデルリンク ベルリン交響楽団 1974年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Kurt Sanderling Berlin Symphony Orchestra

ザンデルリンクさんの演奏は、暖かみのあるおっとり気味の演奏です。テンポもゆったり、まろやかに溶け合った雰囲気です。ブレンドコーヒーをいただいている感じで、2番としては、ワタシ的には良いかな~ 綺麗な音で綴られていますし、全体的な色調として渋めだけど、中音域の響きが素敵だと思います。風のようなシベリウスが好きですが、この2番だと、暖かい暖炉の前で聴いてても良いかな~っと。リズミカルではなく、幾分レガート気味の演奏で、和やかさが感じられます。CDカップリング:シベリウス交響曲全集 出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 ベルリン交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media

ジョージ・セル クリーヴランド管弦楽団 😊

シベリウス:交響曲第2番 ジョージ・セル クリーヴランド管弦楽団 1970年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 George Szell The Cleveland Orchestra

セルさんの演奏は、1970年、東京文化会館ライブです。CDカップリグ:ウェーバー オベロン序曲、モーツァルト 交響曲第40番、シベリウス交響曲第2番 ベルリオーズ ラコッツィ行進曲 1970年東京文化会館ライブ 出典:YouTube Symphony No.2 in D major, Op.43 ジョージ・セル – トピック Provided to YouTube by Sony Music Labels Inc.

オッコ・カム ベルリン・フィル 🥰

シベリウス:交響曲第2番 オッコ・カム ベルリン・フィル 1970年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Okko Kamu Berliner Philharmoniker

カムさんの演奏は、硬めの音質でスピード感があり、厳しい演奏なのだがどこか優しいです。前半楽章は聴いているうちに、じんわりします。普段聴いている2番は、どちらかと言うとまろやかな演奏が多いのですが、厳しく熱いです。彫りが深めでエッジが強め。ベルリン・フィルだからか、弦の刻みに一層厳しさを感じます。細かい微動で感じられ、鳥肌ものです。2番は、骨太で、まったり大らかさを感じる演奏も好きですが、カムさんの演奏は、斬り込んできます。細かな震えをビシビシ感じ、熱さが感じられる運動機能が抜群の第1楽章でした。

第2楽章は、どこか諦念や虚無感を感じさせるもの。律動的な弦、ティンパニと金管の咆吼が怖い雷のように落ちてくる感じです。理知的で、数的な処理された音のような気がします。きめ細やかさを感じつつも、自然の摂理のようなモノを説法されているよう。音楽を聴いている筈なのに哲学みたい。

第3楽章は、弦のすばしっこい動きに、耳が置いて行かれそうに。引き締まった筋肉質っぽい音が、ゆったりとした旋律に入ると、とても伸びやかとなり、抒情性を生んでいます。息を詰めて100メートル走ったあとの爽快さのようヴァンスカさんの演奏かと思うほど、強烈なコントラストで描かれています。

第4楽章は、カラヤン・コンクールの優勝後のCDですが、もう老境に入った指揮者かと思うほどの大らかさがあり、劇的な効果は、まるで豪華な衣装をまとった感じで、その変容ぶりにビックリ。筋肉質に引き締まった体躯の運動機能抜群な演奏だったのに。後半のテンポの取り方は、指揮者によって異なりますが、長大で、巨大なクライマックスを形成していく腕には、圧巻すぎて参りました。

それにしても、シベリウスの楽曲って、どこか余白に余裕がありますね。まだ言い足らないの~というようなマーラーでもなく、半ば強制的に空白を設けるブルックナーとも違って、シベリウスの楽曲は、墨筆画、掛け軸のような、日本絵画っぽいな~というのがイメージです。カム盤を聴いて、そんな風に感じました。CDカップリング:シベリウス 交響曲第2番 1970年、カレリア組曲 1972年 出典:YouTube Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジョン・バルビローリ ハレ管弦楽団 😊

シベリウス:交響曲第2番 ジョン・バルビローリ ハレ管弦楽団 1966年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 John Barbirolli Hallé Orchestra

バルビローリさんの演奏は暖色系です。59年のモントゥーさんの演奏と同傾向にあります。マゼールさんの演奏とは、まったく別方向のアプローチで、おおらか。優しい。そんな言葉で形容できるでしょうか。出典:YouTube Symphony No. 2 in D Major, Op. 43 ジョン・バルビローリ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

ロリン・マゼール ウィーン・フィル 😱

シベリウス:交響曲第2番 ロリン・マゼール ウィーン・フィル 1964年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Lorin Maazel Wiener Philharmoniker
★ 下のリンク動画では、残念ながら第4楽章のみ配信されていました。

マゼールさんの演奏は、圧倒的な迫力に打ちのめされます。まるで、ノミで木を彫るような、ザクっと跡が残るような彫像みたいです。荒々しいタッチで、それが魅力と言えば魅力なのです。クールで、グサグサ突き刺して突進してくる怖さ、せかせかした動き。妙に、あたりを窺い、俊敏にくねくねと動く冷たい動物的な感性とでも言うか、そんな感じがします。

アクの強い、自己主張の強い、行く末を案じさせられる怖い演奏です。若い頃に購入して聴いた演奏なのですが、硬派で凄みをきかした演奏で、ついつい全集を買うことなった懐かしい演奏です。後年、ピッツバーグ交響楽団との録音がありますが、古いVPOの演奏の方が、インパクトがあって強烈です。

出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2, Maazel & VPO (1964) シベリウス 交響曲第2番 マゼール Deucalion Project Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

渡邉暁雄 日本フィル 😊

シベリウス:交響曲第2番 渡邉暁雄 日本フィル 1962年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Akeo Watanabe Japan Philharmonic Orchestra

1962年東京杉並公会堂でのライブ盤です。サブスクリプションでお聴きしました。出典:YouTube Sibelius: Symphony No. 2, Watanabe & JPO (1962) シベリウス 交響曲第2番 渡邉暁雄
Deucalion Project

ヘルベルト・フォン・カラヤン フィルハーモニア管弦楽団

シベリウス:交響曲第2番 ヘルベルト・フォン・カラヤン フィルハーモニア管弦楽団 1960年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Herbert von Karajan Philharmonia Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 2 in D, Op.43 (1998 Remastered Version) Herbert von Karajan Provided to YouTube by Warner Classics

ピエール・モントゥー ロンドン交響楽団 😊

シベリウス:交響曲第2番 ピエール・モントゥー ロンドン交響楽団 1959年
Sibelius: Symphony No.2 in D, Op.43 Pierre Monteux London Symphony Orchestra

モントゥーさんの演奏は、リマスタリングされているので状態は良いです。ホールトーンの豊かな響きを持っており、多分、初めて聴いたシベリウスの2番が、この演奏だったと思います。単純に息が深いと表現するだけで良いのか、ちょっと考えさせられるほど、瑞々しさを感じます。特に弦が美しく、表情が豊か。

中間音域が、少し薄い感じですが密度の高い演奏です。ザンデルリンク盤のように重々しくなく、リズミカルで跳躍感があって心地良い演奏です。さらり~ からり~とした感覚。後半の楽章では、オーボエとクラリネットが、ゆったりと歌っており、感傷的で、良い意味でのロマンティックさがあります。聞き進めていくうちにラテン系の大らかさ、艶が弦に出ています。第4楽章に入る手前のチェロの甘い響き、ふわっふわ感、弦の響かせ方が波打っており驚かされます。柔らかいタッチ、しなやかにしなる弦は、暖かみがあって表情豊かです。後半2楽章は、喜びに満ちあふれてくる楽章となっています。CDカップリング:モントゥー デッカ&フィリップス レコーディング 1956~64年 7枚組BOX

シベリウス:交響曲第2番【解説】

シベリウスの交響曲第2番ニ長調(作品43)は、1901年に作曲されています。
第1楽章 ニ長調 6/4拍子 ソナタ形式 第1主題は、さわさわした弦をバックに木管が奏で、ホルンが呼応したものです。2/2拍子に変わり、幻想風のエレジーを弦楽器が奏でます。6/4拍子に戻ってピッツィカート、第2主題は木管が短い提示をし、また冒頭の弦が戻ってきます。展開部の頂点で第2主題が。幻想風のエレジーの旋律が、金管でファンファーレ風に。ホルンに先導され第1主題が再現されます。コーダは、提示部同じ序奏の動機を奏でながら遠ざかり和音で終わります。

第2楽章 ニ短調4/4拍子 A-B-A-B-コーダの構成です。ティンパニの連打、コントラバス、チェロのピッツィカート。ファゴットで第1主題が提示されます。高揚して頂点に達してから、金管がコラール風に奏でます。ヴァイオリンによる第2主題。総休止の後、第1主題が再現されますが、トランペットとフルートによる応答です。第2主題の再現は、ヴィオラとクラリネット。金管を交えての発展です。。コーダは、木管による不気味なトリルと金管が印象的で、荘厳のうちにピッツィカートで終わります。

第3楽章 変ロ長調6/8拍子。A-B-A-B-コーダの構成です。弦の荒々しいスケルツォに対して、牧歌的なオーボエが出現します。一瞬、第4楽章の第1主題の動機が現れた音痴、トリオに戻り、オーボエが再現される。独奏チェロと弦が加わって頂点を築きます。

第4楽章 ニ長調3/2拍子 ソナタ形式。前楽章から引き続き演奏されます。弦の力強いモチーフにトランペットが勇壮に応える第1主題。木管による経過句、低弦、木管が第2主題を奏でます。れが発展して金管による頂点を迎えたあと展開部へ。第1主題のモチーフの変形、第2主題を経て高揚して第1主題の再現。第2主題は、長大で大きなクライマックスを形成します。終結部はオーボエ、トランペット、トロンボーンが、朗々と第1主題の讃歌を奏でるものです。
後半の二つの楽章が切れ目なしに演奏され、ラストは、朗々と晴れやかに歌われることから、シベリウスの作品のなかで、最も有名な人気ある楽曲と言ってよいと思います。

シベリウス:交響曲第2番【ディスク情報】

1959年 モントゥー ロンドン交響楽団 Dec
1960年 カラヤン フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1962年 渡邉暁雄 日本フィル COLUMBIA・TOWER
1964年 マゼール ウィーン・フィル Dec
1966年 バルビローリ ハレ管弦楽団
1970年 オッコ・カム ベルリン・フィル G
1970年 セル クリーヴランド管弦楽団 SC 東京ライブ
1974年 ザンデルリンク ベルリン交響楽団 DS
1976年 C・デイヴィス ボストン交響楽団 Ph
1979年 アシュケナージ フィルハーモニア管弦楽団 Dec
1980年 カラヤン ベルリン・フィル EMI
1983年 N・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 BIS
1984年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
1986年 バーンスタイン ウィーン・フィル G
1986年 ベルグルンド ヘルシンキ・フィル EMI
1987年 ユッカ=ペッカ・サラステ フィンランド放送交響楽団 R
1989年 アレクサンダー・ギブソン ロイヤル・フィル CHANDOS
1990年 マゼール ピッツバーグ交響楽団  SC
1990年 セーゲルスタム デンマーク国立放送交響楽団 CHANDOS
1991年 ブロムシュテット サンフランシスコ交響楽団 Dec
1991年 レヴァイン ベルリン・フィル G ライブ
1993年 サラステ フィンランド放送交響楽団 Fin ライブ
1996年 ヴァンスカ ラハティ交響楽団 BIS
1996年 マッケラス ロイヤル・フィル RPO
1998年 ベルグルンド ヨーロッパ室内管弦楽団 
2001年 N・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 G
2002年 セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル ONDINE
2002年 マケラ オスロ・フィル Dec
2005年 ヤンソンス コンセルトヘボウ管弦楽団 RCO
2006年 C・デイヴィス ロンドン交響楽団 LSO ライブ
2010年 ドゥダメル エーテボリ交響楽団 G
2011年 ヴァンスカ ミネソタ管弦楽団 BIS
2014年 ネルソンス ボストン交響楽団 BSO
2015年 ヤンソンス バイエルン放送交響楽団 BR
2021年 オウェイン・アーウェル・ヒューズ ロイヤル・フィル RUBICON

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