サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番【聴いてみよう】Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22

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サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番【YouTube】

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ファジル・サイ クリスチャン・ヤルヴィ フランス国立管弦楽団 2014年10月6日コンサートの模様です。36分11秒の動画です。

この動画のコメントには、次のように記載されていました。一部引用させていただきます。「この協奏曲の大きな独創性は、緩徐楽章がないことにあります。 この作品は「加速の特異なダイナミクス」(ニコラス・サウソン)によってさえ特徴付けられています。 アンダンテのソステヌートで始まり、アレグロのスケルツァンドに続き、熱狂的で輝かしいプレストで最高潮に達します。 バッハ、ショパン、メンデルスゾーンなどの作曲家の影響を見つけることができます。」あっホント、そうですね。第1楽章アンダンテ、第2楽章アレグロ、第3楽章プレストです。出典:YouTube Saint-Saëns : Concerto pour piano n°2 (Fazil Say) France Musique concerts

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 アルトゥール・ルービンシュタイン アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 Arthur Rubinstein André Previn London Symphony Orchestra 演奏の日付は不明、26分13秒の動画です。出典:YouTube Arthur Rubinstein – Saint-Saëns – Piano Concerto No 2 in G minor, Op 22 Classical Vault 1 

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番【名盤・おすすめ】

ラン・ラン アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 😍

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ラン・ラン アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2023年 Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Lang Lang Andris Nelsons Gewandhausorchester

ランランさんの演奏は、やっぱり良いですね。繊細かつ豪快さ。なんでサン=サーンスなのかと思ったことが恥ずかしいです。それも、2番って意表を突きますね。これだけ優しいタッチで、第1楽章を弾かれると、むははぁ~ 天にも昇る気持ちになりました。これは掘り出し物だと、ネームバリューのあるピアニストが弾いてくれると、いっきにこの曲の魅力が浮上します。第1楽章の前半だけで、ワタシのハートは、鷲づかみ状態にされちゃいました。(恥ずかしい)
従来の演奏は、濃厚でたっぷり甘めですが、ラン・ランさんのように、スピード感がないと重さに沈みそう。

CDカップリング:サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」、ピアノ協奏曲第2番ほか 2023年録音 出典:YouTube Saint-Saëns: Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22 Lang Lang Provided to YouTube by Universal Music Group

アレクサンドル・カントロフ ジャン=ジャック・カントロフ タピオラ・シンフォニエッタ 🙄

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 アレクサンドル・カントロフ ジャン=ジャック・カントロフ タピオラ・シンフォニエッタ 2021年 Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Alexandre Kantorow Jean-Jacques Kantorow Tapiola Sinfonietta

カントロフさん親子の演奏です。うーん。ピアノ協奏曲第3番から5番のCDもあり、4番と5番は2016年、3番は18年に録音されています。CDカップリング:CDカップリング:サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番、ウェディング・ケーキ(カプリース・ワルツ)、アレグロ・アパショナート、ピアノ協奏曲第1番、オーベルニュ狂詩曲、幻想曲アフリカ 2018年、2020年~21年録音 Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22, R. 190 アレクサンドル・カントロフ – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD

ルイ・ロルティ エドワード・ガードナー BBCフィル 😱

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ルイ・ロルティ エドワード・ガードナー BBCフィル 2018年
Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Louis Lortie Edward Gardner BBC Philharmonic

ロルティさんの演奏は、かなり劇的で、ダイナミックです。覇気があるというか、形相が変わって追い詰められた感じになります。ひぃ~これでは崖から落ちてしまう。曲のなかに、ストーリーがあり、芯の強い女性が覚悟を決めたというか、その主人公を務めているかのような気持ちになります。悲劇のヒロインとは違うよ~。ちょっといい加減な感じで聞いていたワタシは驚き。

ロルティさんの演奏は、聴き手をのめり込ませる要素があり、グイグイ来ます。何をイメージするかは、聴き手のみなさんのなかに光景が、自然と浮かびあがってくるように思いますが。うーん、やっぱ恐るべしピアニスト。しっかり巻き込まれしまいました。第三楽章は圧巻でございました。また、時間を置いてじっくり聴いてみます。受ける印象が変わるかもしれません。正直に言います。ワタシ、サン=サーンスをなめてました。スミマセン。

CDカップリング:サン=サーンス ピアノ協奏曲第1番、2番、4番2018年録音 Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22, R. 190 ルイ・ロルティ – トピック Provided to YouTube by PIAS

ロマン・デシャム マルク・スーストロ マルメ交響楽団 🙂

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ロマン・デシャム マルク・スーストロ マルメ交響楽団 2015年
Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Romain Descharmes Marc Soustrot Malmö Symphony Orchestra

デシャムさんの演奏は、軽やかですが、謎めいた雰囲気がします。重い演奏ではないので、ピアノのタッチの繊細さが生きています。オケのふわっとしたなかで、混じっちゃいそうで、いや、してないです。オケに負けるな~ 伝統という古さに負けるな~ 組織に負けるな~ ん ワタシのこと? 軽やかに生きて、粋に過ごしたいと、ピアノを聴いてて思っちゃいました。(演奏のコメントになってないやん スミマセン) この曲、女子に人気になれば良いですね。
出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22, R. 190 ロメイン・デシャルム – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ベルトラン・シャマユ エマヌエル・クリヴィヌ フランス国立管弦楽団 🥰

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ベルトラン・シャマユ エマヌエル・クリヴィヌ フランス国立管弦楽団 2017年~18年 Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Bertrand Chamayou Emmanuel Krivine Orchestre National de France

シャマユさんの演奏は、豪快で優美。なにも、改めて、6つの練習曲を収録していただかなくても、とっても素速い運指なんですけど~と、ちょっぴり、嫌みを言いたくなるほど。ダイナミックで、悲しみを含んだ、ちょいオーバーアクションの演奏かと思います。でも、やっぱ魅惑的で抗えません。揺れうごく心情が、指に乗り移ったかのよう。

そして、リストの意匠を着たサン=サーンスという感じです。第2楽章は、とても素敵です。とても楽しげで、ウキウキさせてくれます。新しい流行の服を着て、いそいそデートに出かけるお嬢さま風で、とても楽しく聴けます。ピアノとオケ 新旧の風合いが、ほどよく混ざって、格式張らないカジュアルさが出ている気がします。

CDカップリング:サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番、第5番エジプト風、6つの練習曲第2集第4曲ラ・スパルマスの鐘、第1集第6曲ワルツの形式で、マズルカ第3番、6つの練習曲第2集第1曲長三度と短三度、アレグロ・アパショナート(作品70)、6つの練習曲第1集第2曲各指の独立のために、のんきなワルツ(作品110)2017年録音 出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22 bertrand chamayou Provided to YouTube by Warner Classics

エマニュエル・デスパ トーマス・キャロル オルフェウス・シンフォニア 🤩

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 エマニュエル・デスパ トーマス・キャロル オルフェウス・シンフォニア 2013年 Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Emmanuel Despax Thomas Carroll  Orpheus Sinfonia

デスパさんの演奏は、軽やかに夢を見させてくれるようなピアノで、従来の重めのドスン~という感じから脱出した感がします。良いですね~ これからの時代にマッチしてて。ロマンティックという言葉の固定概念を取っ払ってくれそうな演奏だと思います。もっと軽やかなロマンティックがあったって良いよねえ。

第1楽章も、第2楽章も、繊細で細やかな動きが、スキッとした風合いで、とても気持ちが良いです。ピュアな軽やかさ。これから、この路線が流行って欲しいです。アラウさんの孫弟子にあたるフランス出身のピアニストで、奥様は日本人の方だそうです。より親しみが湧いちゃいます。

CDカップリング:サン=サーンス ピアノ協奏曲第2番、ゴス ピアノ協奏曲、フランク 交響的変奏曲 2013年録音 出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22 Emmanuel Despax – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

スティーブン・ハフ サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 😘

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 スティーブン・ハフ サカリ・オラモ バーミンガム市交響楽団 2000年 
Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Stephen Hough Sakari Oramo City of Birmingham Symphony Orchestra

ハフさんの演奏は、ハイペリオンから出ていたロマンティック・ピアノ・シリーズです。で、サン=サーンスのピアノ協奏曲全曲が収録されています。当時は、さほど深く聴いていたわけではなく、パスカル・ロジェさんのピアノを好んでいた程度でした。このシリーズは、ロマンティックとタイトルされていますが、秘曲~、まださほど流行っていない曲みたいな感じだったように思います。

ある意味、カスカス、ギスギスしている前衛的な現代音楽に馴染めず、かといって、食傷気味になった曲を、いくら深掘りしても面白くないと感じる向きには、発掘する楽しさがあったかもしれません。傾向としては、やはり重めですね。ロマンティック=重めという延長上の演奏のように感じます。

CDカップリング:サン=サーンス ピアノ協奏曲全曲 Saint-Saëns: Piano Concertos Nos. 1-5 etc. (Hyperion Romantic Piano Concerto 27) 出典:YouTube Saint-Saëns: Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22 バーミンガム市交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ネルソン・フレイレ アダム・フィッシャー ベルリン放送交響楽団 🙄

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ネルソン・フレイレ アダム・フィッシャー ベルリン放送交響楽団 1986年 
Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Nelson Freire Ádám Fischer Radio-Symphonie-Orchester Berlin

フレイレさんの若かりし頃の演奏で、ちょっと重め。いやかなり重め。この質量感は、どうなのかなあ。重すぎやしないかしらん。サン=サーンスのピアノ曲や協奏曲をひととおり聴いてみて、また聴いてみます。出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22 (Live) ネルソン・フレイレ – トピック

シューラ・チェルカスキー サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 シューラ・チェルカスキー サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1983年 Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Shura Cherkassky Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra
チェルカスキーさんの演奏は、うーん、かなりカッチリしています。そこまで楷書体でもいいんだけど。出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in G Minor Op. 22 シューラ・チェルカスキー – トピック Provided to YouTube by IDOL

パスカル・ロジェ シャルル・デュトワ ロイヤル・フィル 😘

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 パスカル・ロジェ シャルル・デュトワ ロイヤル・フィル 1978年
Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Pascal Rogé Charles Dutoit Royal Philharmonic Orchestra

ロジェさんの演奏は、馴染みのあるもので、このCDぐらいしか持っていなかったと思います。でも、あんまり聴いてなかったのです。ラン・ランさんのCDが発売されるまで。いい加減な聴衆でございました。ひととおり聴いてみて、また舞い戻ってこないと~と思っています。交響曲も第3番しか聴いたことがないように思うし。柔らかいタッチの演奏なのですが、いろんな演奏を拝聴すると迷いが出てきちゃって。やっぱり多くの演奏を聴いてみないと~。

出典:YouTube Saint-Saëns: Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22, R. 190 パスカル・ロジェ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アルトゥール・ルービンシュタイン ユージン・オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団 🙂

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 アルトゥール・ルービンシュタイン ユージン・オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団 1969年 Saint-Saëns: Piano Concerto No.2, op.22 Arthur Rubinstein Eugene Ormandy The Philadelphia Orchestra YouTubeには、プレヴィン、ロンドン響の動画がアップされています。出典:YouTube Piano Concerto No. 2 in G Minor, Op. 22 ユージン・オーマンディ – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番【解説】

サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番は、1868年に作曲され、アントン・ルービンシュタイン指揮により自身で初演されています。練習不足で不首尾だったそうですが、作曲して三週間で初演です。うっソー。バッハに始まりオッフェンバックで終わると評されたようですが、リストは高く評価していたそうです。2番と4番が、サン=サーンスのピアノ協奏曲では人気があります。次の三つの楽章の構成され、演奏時間は約24分です。

第1楽章 ト短調、4分4拍子 ソナタ形式:バッハの幻想曲のような即興的なカデンツァから始まります。ピアノソロが奏でられたあと、フランス風序曲を模した管弦楽の和音によって主部が始まります。第1主題、第2主題はピアノの旋律で提示されます。再現部は、管弦楽による第1主題の再現の後に、ピアノの長大なカデンツァが続きます。第2主題は再現しないまま。序奏が短く再現されて終わります。弟子ガブリエル・フォーレが放棄された「タントゥム・エルゴ・モテット」から主題を引き出したとも言われているようです。

第2楽章 変ホ長調、6分8拍子:典型的なアダージョではなく、ソナタ形式で書かれたスケルツォ風の軽妙な楽章です。第1主題はショパンの「スケルツォ第4番」との関連が指摘されているようです。

第3楽章 ト短調 2分2拍子 ソナタ形式: 燃えるような舞曲風の楽章です。強力な三連符を特徴としています。プレストのスピードで、オーケストラとソリストが激しく駆け抜け、音量と勢いを増し、ト短調のアルペジオの旋風で終わります。オケの響きに厚みが増します。ニ短調の第2主題はピアノで流麗に提示され、トリル音形を駆使したコデッタ主題が現れます。三つの主題によるコーダまで一気に走り、ト短調の主和音を強調して終わります。オッフェンバックとは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、第1楽章はAndante sostenuto、第2楽章はAllegro scherzando、第3楽章はPrestoで駆け抜けていきます。コンサート向きの華麗に終わるので、拍手喝采になるのは、ほぼ確定でしょう。

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番【ディスク情報】

1969年 ルービンシュタイン オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団 SC
1978年 パスカル・ロジェ デュトワ ロイヤル・フィル Dec
1983年 チェルカスキー ラトル バーミンガム市交響楽団 ICA
1986年 フレイレ アダム・フィッシャー ベルリン放送交響楽団 AUDITE
2000年~2001年 スティーブン・ハフ オラモ バーミンガム市交響楽団 HYPERION
2013年 エマニュエル・デスパ トーマス・キャロル オルフェウス・シンフォニア SIGNUM
2017年~18年 シャマユ エマヌエル・クリヴィヌ フランス国立管弦楽団 E
2015年 ロマン・デシャム マルク・スーストロ マルメ交響楽団 NAXOS
2018年 ルイ・ロルティ エドワード・ガードナー BBCフィル CHANDOS
2020年 マリア・ステンポルスカヤ ビゼー編曲ピアノ独奏版 PIANO Classics
2021年 アレクサンドル・カントロフ ジャン=ジャック・カントロフ タピオラ・シンフォニエッタ BIS
2023年 ラン・ラン アンドリス・ネルソンス ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 G

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