サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」【聴いてみよう】Saint-Saëns: Le carnaval des animaux – Grande fantaisie zoologique

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サン=サーンス:動物の謝肉祭【YouTube】

出典:YouTube Camille Saint-Saëns – The Carnival Of The Animals, Le Carnaval des animaux
Akademia Filmu i Telewizji 23分09秒の動画です。ピアノ連弾を見ているだけでも楽しくなります。

サン=サーンス:動物の謝肉祭【名盤・おすすめ】

サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」は、14曲で構成されているので、各曲内容・楽器構成と動画演奏をマッチングさせてみました。イメージを膨らませながら順次聴いてみてください。

ルノー・カプソン ゴーティエ・カプソン エマニュエル・パユ ほか 🥰

サン=サーンス 動物の謝肉祭(動物学的大幻想曲) ルノー兄弟、パユさんたちの演奏です。2003年
Saint-Saëns: Le carnaval des animaux – Grande fantaisie zoologique

第1曲「序奏と獅子王の行進曲」Introduction et marche royale du lion
ピアノの音で反復奏に始まり、低弦の音がうねりを見せて、勇壮な「行進」が、弦楽器のユニゾンで奏されている。「らぁ~み みっみ ふぁ~み れっみ」というフレーズがあって、オリエンタルな香りが強い。ワタシは、アホなことに、これがライオンではなく、象だと思い込んでいた。
ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス

第2曲「雌鶏と雄鶏」Poules et Coqs
ピアノと弦楽器が鶏の鳴き声を模倣しあう。クラリネット、ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ

第3曲「騾馬」 Hémiones presto furioso
ピアノの激しく上り下りする強奏の音階で演奏される。なんで、このピアノの音階がロバなの? ピアノ2

第4曲「亀」Tortues
オッフェンバックの「天国と地獄」のフレーズを、弦楽器がのそのそとユニゾンでわざとゆっくり、ゆっくり奏でていくものである。あっ そうか、けたたましい、慌ただしい筈の天国の地獄を、ワザをゆっくり奏でることで、歩みの遅いカメを表現したものなのだ。ピアノ、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス

第5曲「象」L’éléphant
コントラバスが、もそもそと軽やかにワルツを奏する。コントラバスの音とピアノの組み合わせはおもしろい。ベルリオーズの「ファウストの劫罰」の「妖精のワルツ」と、メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の「スケルツォ」が、重低音で組み入れられている。他人のフレーズを借用するのは、なんてユーモラスなんだろうと思う。だって、軽やかに奏されるはずの妖精が、象に化けているということで・・・意表をついたものだ。コントラバス、ピアノ

第6曲「カンガルー」Kangourous
装飾の付いた和音が上下して、ずれていくことで、飛び回るカンガルーを描写する。ピアノ2

第7曲「水族館」Aquarium
グラスハーモニカの入った幻想的なメロディーに、分散和音のピアノ伴奏が添えられているもので、ワタシ的には、「のだめカンタービレ」のなかで、ふわふわ~っと漂い、落ち込んでしまうかのようなシーンに印象的に使われていたことが記憶に残っている。この盤では、チェレスタが使われているようだが、ガラス音が綺麗に綴られている。フルート、グラスハーモニカ、ピアノ2、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ

第8曲「耳の長い登場人物」Personnages à longues oreilles
のどかな驢馬の鳴き声をヴァイオリンが模倣する。サン=サーンスの音楽に、嫌味な評価を下していた音楽評論家への皮肉と言われているものです。軋んだヴァイオリンの音と、ため息のように垂れ下がった弦の音が続く。なんで耳が長いの?耳が詰まっているんだったら、わかるんだけど・・・。まあ、ろくでもない耳の持ち主って皮肉だろうけど。ヴァイオリン2

第9曲「森の奥のカッコウ」Le coucou au fond des bois
クラリネットがカッコウの鳴き声を模倣する。クラリネット、ピアノ2 ピアノの「みふぁそみ みふぁそみ・・・」で、カッコウ~の啼き声となっている。なにげに聴いていたら、まるで、エストニア生まれの作曲家ペルトのティンティナブリ様式で書かれた「フラトレス」みたいだと思う。いや~ これは、ちょっと驚きっ。この曲だけ取り出して聴いたら、う~ん やっぱり、ペルトの楽曲みたいだ。

第10曲「大きな鳥籠」Volières
弦楽器が反復奏する伴奏の上を、フルートが軽やかに飛び回る。このフルートのフレーズは、とても美しい。フルート、ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス

第11曲「ピアニスト」Pianistes
わざと、へたくそにピアノの練習曲を弾き、最後は明確な区切りもなく、そのまま次の曲へ入るものだが、この楽曲を、超有名ピアニストが2人、連弾で弾いているのである。猫も杓子もピアノを習っていた時代は、すでに日本では終わり、これだけ、ずれまくった、下手なピアノの音は聞こえてこなくなったが、超いやみである。弾かされるピアニストは、さぞや、苦笑いされていることだろう。今や、中国のご家庭で、ピアノが流行しているそうだが、もしかしたら、騒音じゃーっ。やめてくれ~っという悲鳴が聞こえてきそう。あっという間に終わるので、ほっとする。ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス

第12曲「化石」Fossiles
これは、サン=サーンス自身の「死の舞踏」のなかの「骸骨の踊り」のフレーズだ。骸骨が化石ねえ~ロッシーニの「セビリアの理髪師」から「ロジーナのアリア」、その他、「大事なタバコ」「きらきら星」「月の光に」、「シリアへ行く」などの、フランス民謡が組み合わされるそうだが、えっ!そうだったの?ワタシの耳には、骸骨の踊りと、キラキラ星しか、聞き取れなかった。というか、知らなかった。(超ガックリ)ピアノ2, クラリネット、シロフォン、ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス

第13曲「白鳥」Le cygne
チェロ独奏曲として、とても有名な曲で、どなたでも知っておられる、耳にしたことのある曲だ。サン=サーンスの生前に、楽譜出版が許された唯一の曲だそうだが、あまりにも有名すぎて~バレエ「瀕死の白鳥」は、ミハイル・フォーキンが、この曲に振付を施した作品であるとのこと。チェロ、ピアノ2

第14曲「終曲」Final 
カーテンコールで、再度、オッフェンバックの「天国と地獄」のフィナーレの旋律が登場する。ただし、大幅に変奏されているので、事実上ほぼオリジナルメロディになっているということだが、これに、今まで流れてきた各曲の中の旋律が登場するとのことで、これを作曲しちゃうのは、やっぱ凄いです。大人向きの洒脱の効いた曲ですね。ピッコロ、クラリネット、グラスハーモニカ、シロフォン、ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス

サン=サーンス 動物の謝肉祭(動物学的大幻想曲)2003年
Saint-Saëns: Le carnaval des animaux – Grande fantaisie zoologique
ヴァイオリン:ルノー・カプソン、エスター・ホッペ
ヴィオラ:ベアトリス・ミュトレ
チェロ:ゴーティエ・カプソン
コントラバス:ヤンネ・サクサラ
ピアノ:フランク・ブラレイ、ミシェル・ダルベルト
フルート:エマニュエル・パユ
クラリネット:ポール・メイエ
パーカッション:フロラン・ジョドレ

サン=サーンス「動物の謝肉祭」の演奏は、録音状態も良いし、名だたる演奏家が揃っています。当CDのご紹介文に、フルートのパユさん、ヴァイオリンとヴィオラにカプソン兄弟、クラリネットにメイエさんが起用されており、今が、旬のフランスの若きスターたちが揃った夢のようなアルバムとありました。思わず速攻で購入したCDです。

CDジャケットも、ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を、もじっているかのようで楽しいです。知らない人が見たら、オコチャマ向けだと思われがちですが、サン=サーンスのひねりの巧さが光る曲だと思います。生前中は楽譜を出版しておらず、演奏するのも御法度にしていたようですが、ほくそえむような面白さは、自然に拡散しますね~。もちろん演奏は、永久保存版のように、快活オシャレに決まっています。

CDカップリング:サン=サーンス「動物の謝肉祭」、七重奏曲2003年、ヴァイオリンとハープのための「幻想曲」o(作品124)、 チェロとピアノのための「ロマンス」(作品36)、チェロとピアノのための「祈り」(作品158)、歌劇「サムソンとデリラ」~あなたの声に心は開く~ 2002年

ミシェル・ベロフ ジャン=フィリップ・コラール ほか 🙂

サン=サーンス:動物の謝肉祭(動物学的大幻想曲)1977年
Saint-Saëns: Le carnaval des animaux – Grande fantaisie zoologique
ピアノ:ミシェル・ベロフ Michel Beroff ピアノ:ジャン=フィリップ・コラール Jean-Philippe Collard ほか

録音状態は、さすがに古めかしく、ちょっと地味め。ハチャメチャ感は少なく、至極、まっとう。ソリストの名前に、思わずつらされちゃうが、愉悦性は他盤に譲るかもしれません。エラート盤とEMI盤があって、ダブリ買いをしてしまった経験があります。CDカップリング:サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」、七重奏曲 出典:YouTube Le Carnaval des animaux Various Artists – Topic Provided to YouTube by Parlophone France

シプリアン・カツァリス 🤩

↓ 水族館、化石、ファイナルを抜粋して掲載します。特にピアノが繊細で楽しかったので~ ピックアップ!

サン=サーンス:動物の謝肉祭(動物学的大幻想曲)2020年
Saint-Saëns: Le carnaval des animaux – Grande fantaisie zoologique ピアノ:シプリアン・カツァリス Cyprien Katsaris

動物の謝肉祭って、子供の頃に聴いたきり・・・そのまま、クラシックの入門編だってことで、ある意味バカにして聴いてこなかった。でも~ お恥ずかしいことに、この曲、メチャクチャおもしろいってことに、ようやく最近気づきましたね。室内楽を、聞きかじるようになって、ある意味、交響曲って思索型だが、室内楽は愉悦性が高い曲が多いのかもしれないな~っと思うように。 もちろん一辺倒に言うつもりはないし、ベートーヴェンやバルトークの弦楽四重奏曲などは、あまりに嶮しいので論外です。また、フランス系の楽曲、軽やかな室内楽があれば聴いてみたいですね。
ここでご紹介するのは、トランスクリプション集として発売されていCDでの動物の謝肉祭です。カツァリスさんのピアノは、うーん、最高っです。CDカップリング:サン=サーンス ピアノ独奏作品集2枚組BOX 2020年~21年 トランスクリプション集

サン=サーンス:動物の謝肉祭【解説】

サン=サーンスの「動物の謝肉祭」は、全部で14曲の組曲で、元来は、室内楽編成用として作曲されたものです。ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、1886年、チェリストのシャルル・ルブークが開催するプライヴェートな夜会のために作曲されたそうです。他の作曲家の楽曲をパロディにして風刺的に用いていること、プライヴェートな演奏目的で作曲されたいきさつなどの理由で、本作の出版・演奏を禁じていたそうですが、純然としたオリジナルである「白鳥」だけ、生前に出版されたそうです。

サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」は、次の14曲で構成されています。
第1曲「序奏と獅子王の行進曲」Introduction et marche royale du lion
第2曲「雌鶏と雄鶏」Poules et Coqs
第3曲「騾馬」 Hémiones presto furioso
第4曲「亀」Tortues
第5曲「象」L’éléphant
第6曲「カンガルー」Kangourous
第7曲「水族館」Aquarium 
第8曲「耳の長い登場人物」Personnages à longues oreilles
第9曲「森の奥のカッコウ」Le coucou au fond des bois
第10曲「大きな鳥籠」Volières
第11曲「ピアニスト」Pianistes
第12曲「化石」Fossiles
第13曲「白鳥」Le cygne
第14曲「終曲」Final 

オーケストラで演奏する場合と、オリジナルの室内楽として演奏する場合があるのですが、「白鳥」のみ、オーケストラ版の場合でもチェロはソロで演奏されます。一応、楽器の構成は、フルート(終曲でピッコロ持ち替え)、クラリネット、グラスハーモニカ(チェレスタ、グロッケンシュピール(鉄琴)で代用されることが多い)、シロフォン(木琴)、ピアノ2台、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバスとなっています。

小学校の頃に、聴いたことがあるように思うのですが~ 多分、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」、プロコフィエフの「ピーターと狼」と、一緒になって教材として取りあげられていたように思います。大人になっても、この曲は、メチャクチャ楽しく聴ける楽曲です。動物の特徴を音楽で表現し、その表現は意表をついています。そのオチャメさは好感が持てますね。

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