ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス(鳥とオーケストラのための協奏曲)【聴いてみよう】Rautavaara: Cantus arcticus

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ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス【YouTube】

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス ミッコ・フランク フランス放送フィル 2019年4月26日コンサートの模様です。約17分 Mikko Franck l’Orchestre philharmonique de Radio France  出典:YouTube Rautavaara : Cantus Arcticus (Orchestre philharmonique de Radio France / Mikko Franck) France Musique 

コンサート動画を拝見して、鳥の鳴き声(録音済みのテープ等)に、どうやってオケを合体させるのか、指揮者は、テンポ取りが難しいですよね。オケを速く振りすぎると、演奏が終わっているのに、鳥の鳴き声だけが流れているってことになりかねない。字余りになると恥ずかしいし~ パート譜しかないのに、ホルンとか大丈夫なのかと思うけれど、(いや、そこはプロですから)心配ご無用なのかしら。この曲には、目をつぶって聴く方が気持ちが良くなりそうです。瞑想におすすですね。

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス【名盤・おすすめ】

「カントゥス・アルクティークス」( Cantus Arcticus)は、1972年に作曲されています。鳥の声をテープに録音して、オケの演奏に合体させるという斬新な作品です。次の三つに区分されています。
1:湿原(The Bog)2:憂鬱(Melancholy)3:渡り鳥(Swans Migrating)

レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル 😘

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル 2004年
Rautavaara: Cantus arcticus, Op. 61, “Concerto for Birds and Orchestra” Leif Segerstam Helsinki Philharmonic Orchestra

レスピーギの「ローマの松」第3曲の「ジャニコロの松」では、ナイチンゲールの声をテープで流すってシーンがありますが、でも、ワンシーンだけ。このラウタヴァーラ「カントゥス・アクルティクス」は、最初から最後まで、鳥の鳴き声が流れてきます。

ラウタヴァーラ(Einojuhani Rautavaara)は、1928年生まれのフィンランドの作曲家です。カントゥス・アルティクスは、ラテン語で「北極の歌」という意味で、鳥の声をテープに録音して、そのままオケと一緒に流すというアイディア作品です。雰囲気的には、ディスカバリーチャンネルの「アニマルプラネット」のなかで流れてくる、ドキュメンタリーのBGMのようです。ナショナル・ジオグラフィックの世界を観ている感じがします。また、癒やし系楽曲の代表格とも言えるかもしれません。

主役は、やっぱり鳥の声ですよね。オケは黒子。雰囲気を醸し出しているにすぎないかもしれません。ちょっと戸惑うものの、すぐに素直に、心をを開放して聴くことができるので、ヒーリング音楽に近いものがあるでしょうか。自然環境の模倣に近い楽曲は、外から帰ってきたとき、人との関係で疲れたとき、自分を癒すときにうってつけのような気がします。服を着替えるときにでも、聴くというより流しているだけでスッキリします。夜寝る前のひとときに~ おすすめの楽曲です。

CDカップリング:ラウタヴァーラ 空間の庭、クラリネット協奏曲、鳥とオーケストラのための「カントゥス・アルクティクス(極北の歌)」 クラリネット:リチャード・ストルツマン 出典:YouTube Cantus arcticus, Op. 61, “Concerto for Birds and Orchestra ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 🙂

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 2002年
Rautavaara: Cantus arcticus, Op. 61, “Concerto for Birds and Orchestra” Neeme Järvi Gothenburg Symphony Orchestra ★ YouTubeでは、第1楽章のみの掲載です。

伝説の名コンビ 指揮者と楽団シリーズ ネーメ・ヤルヴィ&エーテボリ交響楽団 ラウタヴァーラ カントゥス・アークティクス(鳥と管弦楽のための協奏曲)より第1楽章「The Bog」8枚組BOXが発売されています。ボックスは大量なので手が出ませんが、演奏としては録音状態が良く、低弦の響きが沁みてきます。低弦の響きは大地のイメージ。そこに鳥が飛んでいるという想像をするだけで、自分を中心とした空間が広がります。ただ、テンポは遅めです。出典:YouTube Rautavaara: Cantus arcticus (Concerto for Birds and Orchestra) – 1. The Bog エーテボリ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ハンヌ・リントゥ ロイヤル・スコティッシュ 🙄

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス ハンヌ・リントゥ ロイヤル・スコティッシュ 1997年
Rautavaara: Cantus arcticus, Op. 61, “Concerto for Birds and Orchestra” Hannu Lintu Royal Scottish National Orchestra

テープに収録されているのは、北極圏の鳥たちの声らしいのですが、うーん、日本で演奏するのであれば、ものすごくコストパフォーマンスが悪そうですよね。わざわざ収録に行かないといけないのかしらん。それとも、鳥の声を収めた共通のテープ(音源)があるのでしょうか。そんなことを想像しながら聴いてしまいました。ウチの近所の鳥たちの声だと、雰囲気が違い過ぎて、ダメなんでしょうね。変なツッコミしちゃってスミマセン。

CDカップリング:ラウタヴァーラ カントゥス・アルクティクス、ピアノ協奏曲第1番 ピアノ:ラウラ・ミコラ、交響曲第3番 出典:YouTube I. Suo (The Marsh) ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

マックス・ポンマー ライプツィヒ放送交響楽団(MDR交響楽団) 😘

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス マックス・ポンマー ライプツィヒ放送交響楽団(MDR交響楽団)1989年 Rautavaara: Cantus arcticus, Op. 61, “Concerto for Birds and Orchestra” Max Pommer Leipzig Radio Symphony Orchestra

CDのブックレットから、少し引用させていただくと・・・カントゥス・アルクティクス(北極圏の歌)(1972年作品)は、鳥の啼き声の録音テープとオーケストラが全編にわたり対話をするユニーク極まる作品。これすなわち、鳥の声に象徴される自然の崇高な美に触発されて、人間=オーケストラが、自然への祈りを捧げる音楽だろう。なるほど祈りか。でも~ 祈りという心境に至れるのか、ワタシにはちょっと自信がありません。

クラシック音楽というより、寒い空、雪の積もった湿原のなかで、白鳥などの水鳥たちの観察をしている音の記録です。鳥の声をそのまま録音してきて、オケと合わせています。鳥の啼き声を収めたテープが主役で、オケは添え物とも言えなくもないですが~ 環境音楽に近い雰囲気に近い楽曲だと思います。

CDカップリング:ラウタヴァーラ「北極詩篇」と題されたCDです。カントゥス・アルクティクス 鳥とオーケストラのための協奏曲 1989年、弦楽四重奏曲第4番 1994年 シリウス弦楽四重奏団、ラウタヴァーラ 交響曲第5番 1990年 出典:YouTube Rautavaara Cantus arcticus, Op. 61, “Concerto for Birds and Orchestra” MDR交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス【解説】

エイノユハニ・ラウタヴァーラ(Einojuhani Rautavaara)は、1928年生まれのフィンランドの作曲家です。交響曲は8番まであり、協奏曲、声楽曲、さまざまな楽器のためのソナタ、室内楽、オペラなど、幅広いジャンルに作品を残しています。初期は、セリー主義へ傾倒していましたが、1960年以降はセリー主義を離れ、清澄で神秘的な要素を帯びた作品になりました。

弦やフルートで奏でられる主題、静謐に響くベル、牧歌的なホルンがより、自然の描写のみならず、心に響く穏やかな作品が数多く作曲されています。テープに録音された鳥の声とオーケストラのためのの協奏曲である「カントゥス・アルクティークス」( Cantus Arcticus)は、1972年に作曲されています。

鳥の声をテープに録音して、オケの演奏に合体させるなんて、すごいアイディアだと思います。しかし、鳥の鳴き声をオケに取り入れた曲はあります。例えば、マーラーの交響曲第1番には、カッコウが出てくるし、ストラヴィンスキーにはナイチンゲールが印象的に使われています。レスピーギには、鳥ってタイトルの組曲もあります。

展覧会の絵には、ヒヨコが登場するし、シベリウスの作品には、鳥の鳴き声は、たっぷり入っているイメージがあります。そこには、オーボエやフルート、ピッコロが、主な配役だと思うのです。ラウタヴァーラには、生の声(鳥のなきごえ)じゃーないとダメだったのかなあ。瞑想には適していますが、なんだかオケ(楽器)で模すのは不足だったのでしょうか。確かに~ ホンモノには負けるかもしれませんが。

ラウタヴァーラ:カントゥス・アルクティクス【ディスク情報】

1989年~1990年  マックス・ポンマー ライプツィヒ放送交響楽団 ONDINE
1997年 ハンヌ・リントゥ ロイヤル・スコティッシュ NAXOS
2002年 ネーメ・ヤルヴィ エーテボリ交響楽団 G
2004年 レイフ・セーゲルスタム ヘルシンキ・フィル ONDINE

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