プッチーニ:交響的前奏曲、交響的奇想曲ほか【サクッと】聴いてみよう。Puccini: Preludio Sinfonico

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プッチーニ:交響的前奏曲・マノン・レスコー間奏曲【YouTube】

プッチーニ:交響的前奏曲 ユライ・ヴァルチュハ hr響 ヴァルチュハさんは、1976年生まれスロバキア出身の指揮者です。2024年から読響の首席客演にご就任。2022年3月11日のコンサートの模様です。9分40秒の動画です。
出典:YouTube Puccini: Preludio sinfonico ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Juraj Valčuha hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲 ダニエレ・カレガリ フェニーチェ劇場管弦楽団 2021年5月30日
Puccini: Manon Lescaut, SC 64: Intermezzo Daniele Callegari Orchestra del Teatro La Fenice
フェニーチェ歌劇場におけるコロナ禍の工夫された(苦肉の策)オケの演奏です。舞台にオケのみなさまが登場して演奏されています。マスク姿の演奏者、透明アクリル板、劇場の雰囲気を含めて、涙~っ。
出典:YouTube Puccini – Manon Lescaut: Intermezzo Teatro La Fenice

プッチーニ:交響的前奏曲

カルロ・リッツィ ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団 🙂

プッチーニ:交響的前奏曲 カルロ・リッツィ ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団 2022年
Puccini: Preludio Sinfonico Carlo Rizzi Welsh National Opera Orchestra

プッチーニ:交響的組曲集とタイトルされているCDです。カルロ・リッツィが、オペラの蝶々夫人とトスカを組曲にし、交響的前奏曲のオリジナル版を収録した企画です。確かに、こうして編曲していただくとオペラも聴きやすいですね。オペラと縁が薄く、数枚ぐらいしかCDを所有していないワタシにとっては嬉しい企画です。

CDカップリング:交響的組曲「蝶々夫人」、交響的組曲「トスカ」、交響的前奏曲、交響的前奏曲オリジナル版、交響的奇想曲 出典:YouTube Preludio Sinfonico Welsh National Opera Orchestra – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

ヤニック・ネゼ=セガン メトロポリタン管弦楽団 🙂

プッチーニ:交響的前奏曲 ヤニック・ネゼ=セガン メトロポリタン管弦楽団 2009年
Puccini: Preludio Sinfonico Yannick Nézet-Séguin Orchestre Métropolitain

ヤニック・ネゼ=セガンさんが、ついにイタオペに進出かと、サブスクを利用して拝聴しました。レーベルのテノール歌手の伴奏に徹しているそうですが、ゆったり演奏しています。もう少し押してほしいかも。
出典:YouTube Puccini: Preludio sinfonico Orchestre Métropolitain – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アントニオ・パッパーノ ロンドン交響楽団 😘

プッチーニ:交響的前奏曲 アントニオ・パッパーノ ロンドン交響楽団 2000年
Puccini: Preludio Sinfonico Antonio Pappano London Symphony Orchestra

パッパーノさんの演奏は、速めに演奏されます。旋律が浮かび上がっては、すーっと力が抜けて、儚さや内気で悶々としそうな場面に焦点があたっているのかな。ロンドン響の明るい、ノビのある歌謡風フレーズは好ましいもの。儚げで、内気そうな影のある表情が見え隠れします。また、あどけない少女のような可愛らしさと清潔さを感じます。この曲を、123 123で演奏されると、アタマを抱え込みたくなってしまいます。どれだけ、女心をわかっていらっしゃるか、頂点の一歩手前のタメ感がポイントです。
CDカップリング:プッチーニ 交響的前奏曲、ミサ・ディ・グローリア、弦楽四重奏曲「菊」(弦楽合奏版)出典:YouTube Preludio Sinfonico for Orchestra, Op.1 Antonio Pappano Provided to YouTube by Warner Classics

リッカルド・ムーティ ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 😍

プッチーニ:交響的前奏曲 リッカルド・ムーティ ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 1997年
Puccini: Preludio Sinfonico Riccardo Muti Orchestra del Teatro alla Scala di Milano

ムーティさんの演奏は、女ごころを掌握しきってます。波打つ心情を、細やかに、ゆったり、まったりと歌いあげていきます。弦だけでなく、木管の厚みあるふわっとした響きにゾクゾク。夢見心地の乙女の内気さ、恥じらい、心のワクワク感が、押さえつけても、ぐぐ~っと高まってくる心情が描かれています。波打つ心情の描き方が憎いです。頂点を築いていく拍の取り方、ためてためて、うぐぐ~っの最後の「ぐ~」というところ。

さすがイタリア人、そして、イタリア・オペラの殿堂のオーケストラで、十八番、手慣れたモノなのでしょう。さすがに巧い、聴かせてくれる。ううっ~とタメておいて頂点に至り、その後は、すっタタタと駆け足気味で降りてくるは、これこれ、これっ! 適度な粘りとスマートさが、演奏のツボだと思います。このフレージング感覚を聴いてしまうと、他の演奏が、なんと淡泊で素っ気ないことか。(と、かなり興奮気味!)期待を裏切らないですね。

CDカップリング:ポンキエルリ 哀歌、カタラーニ スケルツォ、カタラーニ 瞑想、プッチーニ 交響的前奏曲、歌劇「ヴィルリ」より間奏曲、交響的奇想曲 出典:YouTube Preludio sinfonico, Op. 1 リッカルド・ムーティ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 😅

プッチーニ:交響的前奏曲 リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 1982年
Puccini: Preludio Sinfonico Riccardo Chailly Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin

シャイーさんの演奏は、ゆったり進んでいきます。慌てず騒がず、そろそろ~という感じ。のんびり穏やかな曲で、学生時代の作品というよりは、老齢にさしかかったような穏やかさがあります。弦が、揺れながらふわっとフレージングされており、ハープも綺麗に聞えています。爽やかに淀みなく、サラっと流れていくところは清々しいですね。

タメ感は少なめで、フレーズが少し硬いでしょうか。弦のフレーズは、がんばって歌っているのだけど、うしろの伴奏が、そんな几帳面に拍を打たなくてもという気がします。頂点を極めるところの金管の大きいこと。ああぁ~ これがドイツのオケたる所以なのでしょうか。そんな男性的な馬力で吹かなくてもよろしいのに~と、笑いたくなるような大迫力で、頂点を極めてしまいます。あのぉ~ この曲はプッチーニで、ワーグナーじゃないんだけどなあ。

CDカップリング:プッチーニ交響的前奏曲イ長調、交響的奇想曲、歌劇「妖精ヴィッリ」第1幕への前奏曲、妖精の踊り、歌劇「エドガール」 第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲、第1メヌエット~第3メヌエット、歌劇「マノン・レスコー」第3幕の間奏曲、菊(弦楽合奏版) 出典:YouTube Puccini: Preludio Sinfonico ベルリン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

プッチーニ:交響的奇想曲

リッカルド・ムーティ ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 🙄

プッチーニ:交響的奇想曲 リッカルド・ムーティ ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団 1997年
Puccini: Capriccio sinfonico Riccardo Muti Orchestra del Teatro alla Scala di Milano

リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 😘

プッチーニ:交響的奇想曲 リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 1982年
Puccini: Capriccio sinfonico Riccardo Chailly Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin

交響的奇想曲は、シャイーさんの方が、シャキシャキしててリズミカルで弾んでます。ダイナミックで、多少オーバーかと思う悲劇的な要素が感じられます。

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」あらすじ

マノン・レスコー(Manon Lescaut)について、ウィキペディア(Wikipedia)を元に、お話をすると・・・1731年に発刊されたアベ・プレヴォーの「騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語」という小説を題材にしたプッチーニのオペラです。

小説のストーリーを簡単に言うと、騎士デ・グリューは、美しいマノンと出会い駆け落ちするが、彼女を愛した男たちは、 嫉妬や彼女の欲望から破滅していき、デ・グリューも巻き込まれて数々の罪を犯してしまう。マノンは、アメリカへ追放処分となり、デ・グリューも彼女に付き添って行くが、アメリカでも事件が起こり、ついにマノンは、 寂しい荒野で、彼の腕に抱かれて死んでしまう・・・という物語です。


文字どおり、魔性の女というか、男を破滅させる女性というか、このような女性を主人公にすえた作品としては、最初のものらしく、ロマン主義文学の始まりなのだそうです。で、この小説は、当時よく読まれていたので、「椿姫」の中でも、ヒロインのマルグリットが、この本を読む場面がある。多くの人に知られた物語であったようなのです。

で、プッチーニ以前にも、フランスの作曲家マスネによって「マノン」として、オペラになっているのですが、プッチーニも、原作を読んでオペラにしようと考えました。マスネの「マノン」では割愛されていた「植民地ルイジアナ」での場面を、第4幕として追加し、そこで、悲劇の結末を迎えることにしたそうです。なので、第4幕 最大の見せ場は、アメリカのニューオリンズの荒野ってことになります。第1~第3幕は、ここでは割愛して、いっきに第4幕に飛びますね。

第4幕 ニューオリンズの荒野にて・・・植民地ルイジアナでも問題を起こしたマノンとデ・グリューは、疲弊し一歩も動けなくなってしまった。デ・グリューは、マノンに水を与えたいと思い、荒野にマノンを残し、人家を探しに荒野をさまよう。マノンは、自らの死期を悟り、アリア「一人さびしく」を歌う。やがて、水を見つけられず、絶望したデ・グリューが戻って来ると、二人は甘美な二重唱を歌う。マノンは最後の力を振り絞り、デ・グリューに別れの挨拶をして、息絶えるのでした。第4幕のセリフについては~ 「オペラ対訳プロジェクト」さんのサイトをご参照ください。https://w.atwiki.jp/oper/pages/710.html

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲

リッカルド・ムーティ シカゴ交響楽団 🥰

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲 リッカルド・ムーティ シカゴ交響楽団 2017年
Puccini: Manon Lescaut, SC 64: Intermezzo Riccardo Muti Chicago Symphony Orchestra

ムーティさんの演奏は、身ぶり手ぶりの大きい演奏で、男を駄目にしちゃうような妖艶な女を描いているかのよう。情熱が燃えさかるさなか~という感じです。自分の愛情で身を焦がすタイプかなあと思います。

CDカップリング:ヴェルディ 歌劇「ナブッコ」序曲、祭の飾りが、歌劇「マクベス」抑圧された祖国、歌劇「シチリアの晩鐘」序曲、プッチーニ「マノン・レスコー」間奏曲、マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲、ボーイト 歌劇「メフィストフェーレ」プロローグ バス:リッカルド・ザネッラート 2017年録音
出典:YouTube Manon Lescaut, SC 64: Intermezzo (Live) リッカルド・ムーティ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America 

リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 🥰

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲 リッカルド・シャイー ベルリン放送交響楽団 1982年
Puccini: Manon Lescaut, SC 64: Intermezzo Riccardo Muti Chicago Symphony Orchestra

シャイーさんの若かりし頃の演奏は、総じて、すわっと爽やか柑橘系の香りの漂う演奏で、シツコクありません。三幕の間奏曲は、畳みかけてくるフレーズが特徴的で、泣きの涙のようなフレーズが続くところは軽め、あっさりと流れていきます。シャイーさんは、振幅を大きくせず、揺れが前に被さってくる適度にサッパリしています。パッパーノさんは濃厚だし。カラヤンだとテカテカ。ムーティだと妖艶な女かな~と想像します。演奏スタイルは、指揮者によって違いますね。聴く人の感性によって受け止め方が異なるかもしれませんが、シャイーさんは、後ろ髪を引かれるような、色白の細身の可愛い女性かもしれません。これは、マノン・レスコーの素顔に迫る演奏なののかしら。
出典:YouTube Puccini: Manon Lescaut / Act 3 – Intermezzo ベルリン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

プッチーニ:弦楽四重奏曲「菊」と弦楽合奏版 Puccini: Crisantemi

ハーゲン弦楽四重奏団 😘

プッチーニ 弦楽四重奏曲「菊」 ハーゲン弦楽四重奏団 1993年
Puccini: Crisantemi Hagen Quartett

イタリア・オペラの作曲家であるプッチーニは、弦楽四重奏曲も書いています。この「菊」という曲は、ワタシが、2011年パッパーノさんの来日公演でプッチーニの交響的前奏曲を聴き、CDを購入し、カップリングされていた弦楽合奏曲の「菊」を聴いたことによります。ほとんどオペラを聴かないワタシの勉強の教材ってわけです。プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」を知っておられる方は、第4幕のラストで、マノンとデ・グリューが二重唱で歌う「君の重みを全部僕にかけ給え」のフレーズ、そのままって感じの弦楽四重奏であることに気づかれることでしょう。
マノン・レスコーのストーリーを簡単に~ 次項に掲載します。

CDカップリング:ヴェルディ弦楽四重奏曲ホ短調、プッチーニ弦楽四重奏のための「菊」1993年、ヴェルディ「ルイザ・ミラー」弦楽四重奏版 エマヌエル・ムツィオ(Emanuele Muzio)編 1994年、導入部 「起きなさい、ルイーザ」「愛している」 出典:YouTube Puccini: Crisantemi ハーゲン弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

アントニオ・パッパーノ ロンドン交響楽団(弦楽合奏版) 😘

プッチーニ:弦楽四重奏曲「菊」(弦楽合奏版)アントニオ・パッパーノ ロンドン交響楽団 2000年
Puccini: Crisantemi for string orchestra  Antonio Pappano London Symphony Orchestra

この最後で、歌う二重奏が~ 「君の重みを全部僕にかけ給え」というもので、二重唱のフレーズが、弦楽四重奏や、コントラバスを加えた弦楽合奏の「菊」なのです。そもそも、この楽曲は、プッチーニの後援者(パトロン)だったアオスタ公アメーデオ一世の追悼のために、一晩で書きあげたもの。で、それをオペラの最後を飾る二重唱に転用しています。そう、弦楽四重奏のフレーズを、オペラの最後へと転用して、ヒロインたちに歌わせているのです。ん?葬式用をメロドラマに変えた! うっそでしょ。

確かに、息も絶え絶えで、弦による「っら~れみふぁれ そぉ~み らぁ~」って歌われたものなら、うぐぐ ぐ~っと、むせび泣く感じになるのだが、それにしても、自分のパトロンの追悼のために作った楽曲を、 魔性の女性を主人公にしたオペラの最後に使うという転用の事実。奇想天外すぎて。パトロンが、女性に入れあげて転落して、亡くなったってワケではないでしょうに。パトロンは、とっても高貴なお方なのだ。ウソみたいなホントの話らしい。

ワタシのアタマでは、この180度の発想の転換には、ついていけないし、入れ込む男も魔性の女の行動も、理解の範疇を遙かに超えちまってて~ そして、これが「菊、または菊の花」(crisantemi)というタイトルなのか。謎だらけなのであります。しかし、なんと魅惑的な香り漂う楽曲なのでしょう。罪深いなあ。
CDカップリング:プッチーニ 交響的前奏曲、ミサ・ディ・グローリア、弦楽四重奏曲「菊」(弦楽合奏版)出典:YouTube Crisantemi Antonio Pappano Provided to YouTube by Warner Classics

プッチーニ:管弦楽曲 交響的前奏曲ほか【ディスク情報】

1982年 シャイー ベルリン放送交響楽団 Dec
1993年 ハーゲン弦楽四重奏団 G ★ 弦楽四重奏曲「菊」
1997年 ムーティ ミラノ・スカラ座管弦楽団 SC
2000年 パッパーノ ロンドン交響楽団 EMI 
2009年 ヤニック・ネゼ=セガン メトロポリタン管弦楽団 ATMA
2017年 ムーティ シカゴ交響楽団 CSO
2022年 カルロ・リッツィ ウェールズ・ナショナル・オペラ管弦楽団 SIGNUM

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