ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」【YouTube】
出典:YouTube DOVER QUARTET – Dvorak: “American”: 4. Finale Brooklyn Classical ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番第4楽章の動画です。5分39秒の動画です。
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 ニューヨーク・フィルのメンバーによる2016年の演奏で、26分52秒の動画です。出典:YouTube The New York Philharmonic String Quartet performs Dvořák’s American Quartet Michael Parloff
ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」【名盤・おすすめ】
ジュリアード弦楽四重奏団 😘
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 ジュリアード弦楽四重奏団 2019年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Juilliard String Quartet
2018年から、第1ヴァイオリンに、アレタ・ズッラさんが参加されています。メンバーは次のとおり。
ヴァイオリン:アレタ・ズラ Areta Zhulla
ヴァイオリン:ロナルド・コープス Ronald Copes
ヴィオラ:ロジャー・タッピング Roger Tapping
チェロ:アストリッド・シュウィーン Astrid Schween
ジュリアード弦楽四重奏団の演奏は、ずーっと近代的でスマートだという印象があります。ドヴォルザークの歌心が聴けるのかどうか、少し気になるところですが、「そしぃ~れ みっそみ~ れし~そらしれ~ れ~みそみ れ~みそみ」と、ヴィオラのノスタルジック溢れる旋律は、やはり、とりこになります。印象的な楽曲なのです。チェロのピチカートが、まるでパンジョーのような音に聞こえ、「れ~みそみ れ~みそみ」の後ろ二音は、つま弾くのでしょうか。郷愁に誘われます。深く響く音が、とても気持ち良い演奏です。
CDカップリング:ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第8番ラズモフスキー第2番、バルトーク弦楽四重奏曲第3番、ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番アメリカ 2019年録音 出典:YouTube String Quartet in F Major, Op.96, “American”
ジュリアード弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Sony Classical
パヴェル・ハース弦楽四重奏団 🥰
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 パヴェル・ハース弦楽四重奏団 2010年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Pavel Haas Quartet
パヴェル・ハース弦楽四重奏団は、2002年に結成されたチェコの団体です。比較的新しいチームですが、精力的に録音しており、当演奏で、2011年にグラモフォンの年間最優秀録音賞を受賞しています。伝統的というか、21世紀になっても、チェコの持つDNAが深く浸透しているようで、とても美しい音色です。透き通る音色に、うっとり~ スマートすぎないところが素敵で、歌心もあり、久しぶりに感動しちゃいました。最近の演奏としてお薦めです。また、第13番も初めて聴いたのですが良かったです。
CDカップリング:ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第13番、第12番アメリカ2010年録音出典:YouTube String Quartet No. 12 in F major American, Op. 96, B.179 アントニン・ドヴォルザーク – トピック Provided to YouTube by Supraphon
パノハ弦楽四重奏団 😘
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 パノハ弦楽四重奏団 1994年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Panochovo kvarteto
パノハ弦楽四重奏団は、1968年創設のチェコの弦楽四重奏団です。こう言っては怒られるかもしれませんが、ドヴォルザークの楽曲は、チェコの団体で聴くのが、心なしか、しっくりします。歌心のある旋律に、気持ちが乗せられるような気がします。チェコに縁もゆかりもないんですけど、田舎のおばあちゃんちに行ったような、そんな気持ちになるというか、さも、この地に立っているのだという錯覚に陥ります。パノハさんの演奏も、不思議な現象かもしれませんが、まるで第二の故郷に来たような、どこかその気にさせる演奏です。
CDカップリング:ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第11番 95年、第12番アメリカ 94年録音 3枚組BOXで10番~14番、糸杉(作品152)のカップリングCDがあります。出典:YouTube String Quartet No. 12 in F major American, Op. 96 (B.179) アントニン・ドヴォルザーク – トピック Provided to YouTube by Supraphon
ヤナーチェク弦楽四重奏団 😘
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 ヤナーチェク弦楽四重奏団 1990年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Janacek String Quartet
当盤の演奏者は、次のとおりです。
ヴァイオリン:ボフミル・スメイカル アドルフ・シーコラ
ヴィオラ:ラディスラフ・キセラーク
チェロ:ブレデゥスラフ・ヴィビラル
ヤナーチェク弦楽四重奏団の「アメリカ」は、デッカから発売されている1963年の演奏が、有名かもしれません。ワタシが所有しているCDは、キャニオン(レーベル:Canyon Classics)で、来日の際のライブ盤です。しっとりとした ヴィオラ、ヴァイオリンの音色で、渋いながらも歌謡風のフレーズに、引き込まれます。ドヴォルザークの「アメリカ」は、冒頭から気持ちをつかんで離さないですね。さらっと弾かれていますが、歌心がたっぷりの演奏です。
第2楽章は、幾分、ゆったり、しみじみ歌われます。伴奏の弦が、揺りかごのように揺れて、聴いてて泣けちゃいます。主旋律を歌っている後ろで、ボン ボンっ ぼぉ~ん ぼぉ~んと、チェロが感傷を誘います。何気ない音ですが、感極まってくるところで入ってくるので、涙腺が緩みます。第3楽章は、活気のある舞曲ですが渋いっ。スメタナSQも渋いのですが、ヤナーチェクSQも、すご~く渋いです。第4楽章は、春が到来したような陽気さで嬉しい。
CDカップリング:ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」、ヤナーチェク 弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」、スメタナ 弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」 出典:YouTube ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 へ長調 作品96「アメリカ」 Release – Topic Provided to YouTube by CANYON CLASSICS
アルバン・ベルク四重奏団 🥰
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 アルバン・ベルク四重奏団 1989年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Alban Berg Quartet
アルバン・ベルクさんの演奏は、ライブ(拍手入り)ですが録音状態が良く美音です。ヴァイオリンの揺れを、深く甘いチェロがしっかり受け止め、抜群のアンサンブルで演奏されています。流麗な旋律を、悲しさや甘さを含め、軽やかに優美に歌います。テクニシャンという言葉に嫌みなどなく、惚れ惚れとします。バックの「ん~じゃじゃ ん~じゃじゃ」という弾むリズムに乗せられ、力を入れて終わる圧巻さっ。
完成度の高いライブで、余裕のある演奏です。中音域の響きが豊かで、春が到来したかのような喜びを感じて第4楽章が歌われています。タイトルは、アメリカですが、他国から改めて俯瞰してみた故郷でしょうか。旋律の節回し、ヨナ抜きの響き、懐かしい響きが共鳴しています。アルバン・ベルクSQって、メタリックな演奏をする団体だとのイメージがありましたが、この演奏を聴く限り、そのイメージは払拭されます。ドヴォルザークの旋律に心を揺さぶられ、アルバン・ベルクの語り口の巧さにやられ、ハートを鷲づかみにされノックアウト状態となりました。 何度でも繰り返して聴きたくなる演奏です。
当盤の演奏者は、次のとおりです。
ヴァイオリン:ギュンター・ピヒラー Günter Pichler
ゲルハルト・シュルツGerhard Schulz
ヴィオラ:トーマス・カクシュカ Thomas Kakuska
チェロ:ヴァレンティン・エルベンValentin Erben
CDカップリング:ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」1989年、スメタナ 弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」1990年 出典:YouTube Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96 – “American” アルバン・ベルク弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
タカーチ弦楽四重奏団 😘
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 タカーチ弦楽四重奏団 1987年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Takács Quartet
タカーチ弦楽四重奏団の演奏は、ヴァイオリンをタカーチさんが務めている時代で、若々しいダイナミックな演奏です。第2楽章は、演歌風にも聞こえる旋律ですが、おなかに沁みてきます。冬に海を目の前にして、しずかに立っているような感じで、余分な力が抜け、よよよぉ~っと泣きたい気分になってしまいます。
黒人霊歌風の歌だと言いますが、どの国や地域に住んでいても、人が感じる郷愁は同じではないでしょうか。主旋律を邪魔せず、そっと音を紡ぐところが素晴らしいです。弱音の美しさ。不協和音を構成する低音の響きが、渋く沈殿しています。まるで、ガレー船を漕いでいるかのような気分にも、汽車に乗っているような気分にもなりますが、心から絞り出す、唸るような響きにも感じます。第3楽章は、かすれ声にやられました。
CDカップリング:ハイドン弦楽四重奏曲第77番「皇帝」1987年、第78番「日の出」88年、ドヴォルザーク第12番「アメリカ」1989年録音 YouTubeにおけるカップリングは、ドヴォルザーク バガテル集(作品47)、弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」、第14番です。出典:YouTube Dvořák: String Quartet No. 12 In F Major, Op. 96 “American” B. 179 タカーチ弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ハーゲン弦楽四重奏団 😘
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 ハーゲン弦楽四重奏団 1986年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Hagen Quartett
ハーゲン弦楽四重奏団の演奏は、スタイリッシュな演奏で、瑞々しくスッキリしています。ヴェロニカさんのヴィオラのフレーズで始まり、若さが感じられます。年輪や郷愁を感じさせるような演奏ではなく、枯れ草のような匂いというよりは、新芽のシーズンのような、爽やかな香りです。将来のある若者が、アメリカに渡って、さあ~っ一旗揚げようぜと、期待に胸を膨らませているという感じがします。
当盤のハーゲン弦楽四重奏団のメンバーは、CDジャケット写真のとおり、第2ヴァイオリンは、アネッテ・ビクさん(Annette Bik 右から2人め)の時代。第2ヴァイオリンは、長女のアンゲリカさんからビクさんに、で、現在のライナー・シュミットさんになっています。それにしても、みんな若いですね。1981年から活動をスタートさせ、2011年に30周年を迎え、今でも第一線現役バリバリ。
デビューしてさほど時間が流れていませんが、しっかりしたアンサンブルです。四つの楽器がまとまり、バランスが整って調和しています。古い録音のCDを聴くと、弦に艶がなく、ゴワゴワ、しゃがれていたりしますが、この演奏には艶があり細やかで綺麗です。CDカップリング:ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」、コダーイ 弦楽四重奏曲第2番、ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲「糸杉」抜粋 出典:YouTube Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96 – “American” B.179 ハーゲン弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
エマーソン弦楽四重奏団
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 エマーソン弦楽四重奏団 1984年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Emerson String Quartet
エマーソンさんの演奏は、少し尖り気味のスマートなもの。第4楽章の陽気な舞曲風楽章では、ヴィオラ、チェロの中低音の響きが力強く鳴ってきます。調が変わり陰影のつくところは、彫りが深め。楽天家のワタシは、陽気でルンルンの演奏の方が好きで、若い気持ちにさせてくれる演奏が好きです。まあ、活きが良いという表現ですが、まあ、若者風のスマートな演奏も、楽章によっては良さがでます。
ドヴォルザークの弦四アメリカは、ずっと年齢に応じて聴くことのできる楽曲だと思います。老齢にさしかかった頃に聴くと、穏やかで落ち着いた、渋~い演奏の方が好みになるのかもしれません。艶と渋み両面を持ち合わせた音で、演奏してくれることでしょう。枯れ気味の落ち葉色、かすれ声に、惹かれるのかもしれません。演奏される方々も、きっと、落ち着いた音色に変わることでしょう。
CDカップリング:ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」1984年、チャイコフスキー弦楽四重奏曲第1番 1984年、ボロディン弦楽四重奏曲第2番 1984年録音 出典:YouTube Dvořák: String Quartet No. 12 In F Major, Op. 96, B.179 – “American” エマーソン弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
アマデウス弦楽四重奏団 😥
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 アマデウス弦楽四重奏団 1979年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Amadeus Quartet
アマデウス弦楽四重奏団の演奏は、少し枯れ気味で男臭いです。フレージングが少し短めで、メリハリがあるというか癖が強いというか、もう少し歌って欲しい気がします。男っぽい散文的な演奏という感じでしょうか。主題が、驚くほどの枯れ具合です。四挺の楽器が、ポツポツっ、それぞれで鳴っているようです。聴いているうちに西部開拓時代、砂漠のような大地を、一人のカウボーイが馬に乗って歩いて行く雰囲気がしてきます。古い西部劇映画を見ているイメージです。特に第2楽章は、深い悲しみが、彼の顔の皺に刻まれた感がします。痛々しいほどに悲しいです。
CDカップリング:スメタナ弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」1977年、ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」1979年 限定盤で、チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番も含めて3曲カップリングも発売されている。YouTubeにおけるカップリング:ブルックナー弦楽五重奏曲 ヴィオラ:セシル・アーロノヴィッツ64年、スメタナ弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」、ヴェルディ弦楽四重奏曲、チャイコフスキー弦楽四重奏曲第1番、ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 出典:YouTube Dvořák: String Quartet No. 12 In F Major, Op. 96 – “American” B.179 アマデウス弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
プラハ弦楽四重奏団 😅
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 プラハ弦楽四重奏団 1973年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Prague String Quartet
プラハ弦楽四重奏団の演奏は、ちょっと高音域のヴァイオリンが主体になってて、キツく感じられます。まあ、この当時の演奏スタイルなのかもしれません。寂しさが感じられる旋律で、胸を掻きむしられる感覚にもなって、ツライですねえ。第2楽章になると、品ある歌声を聴いているようです。
チェロとヴァイオリンとの絡みが良く、中音域の落ち着いた感覚が好き。まるで、耳近くで囁かれているかのような色気すら感じます。第3楽章は、強い匂いがするローカル色満喫の舞曲風の楽章です。チェロが掻き鳴らされていますが、強烈なクセは感じず、しかし、カッチリ力を込められて硬いタッチで入り、しなるような動きがあります。
第4楽章は、跳躍するワクワク感があり、とても楽しく聴くことができます。高音域のヴァイオリンも活躍し、歌う楽章で、中音域が主体になる幅の広さが感じられます。ヴァイオリンが、軽やかに飛ぶことができるのは、トランポリンのような弾力ある中音域の存在が、あってこそでしょう。当盤を聴いて、改めてチェロとヴィオラの存在が、とても重要だ感じさせられました。情感的にくすぐられるというより、力強い旋律に圧倒されます。
CDカップリング:ドヴォルザーク弦楽四重奏曲全集 9枚組BOX Dvořák: String Quartet No. 12 in F Major, Op. 96, B. 179 “American” プラハ弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
イタリア弦楽四重奏団
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 イタリア弦楽四重奏団 1968年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Quartetto Italiano
CDカップリング:ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番アメリカ、ボロディン弦楽四重奏曲第2番 1968年録音 出典:YouTube Dvořák: String Quartet No. 12 in F Major, Op. 96, B. 179 “American” イタリア弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ヤナーチェク弦楽四重奏団 🙂
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」 ヤナーチェク弦楽四重奏団 1963年
Dvořák: String Quartet No.12 in F major, Op.96, “American” Janáček Quartet
ヤナーチェク弦楽四重奏団の演奏は、ヴァイオリン主体で、全体でまとまった感がしないな~と思います。改めて聴くとこんな演奏だったっけ。昔に聴いた感覚とちょっと違うので、うーん。また聴いてみないとと思いました。
CDカップリング:ドヴォルザーク弦楽四重奏曲第12番アメリカ1963年、ボロディン弦楽四重奏曲第2番 ボロディン弦楽四重奏団62年、ショスタコーヴィチ弦楽四重奏曲第8番 ボロディン弦楽四重奏団 62年録音 YouTubeにおけるカップリングは、弦楽五重奏曲第3番(作品97)ウィーン八重奏団 出典:YouTube Dvořák: String Quartet No. 12 in F Major, Op. 96, B. 179 “American” ヤナーチェク四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」【解説】
ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」(作品96, B.179)は、1893年に作曲されています。ドヴォルザークは、1892年にアメリカに渡り、ニューヨーク・ナショナル音楽院の院長として活躍します。1893年5月、交響曲第9番「新世界より」を作曲し、夏休みには音楽院でヴァイオリンを学んでいた学生の父親の家に招かれ、チェコからの移民が多く住んでいたアイオワ州スピルヴィルで過ごすことに。そして、その一家が演奏できるようにと作曲したのが、この「アメリカ」です。ちなみに、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲は、全部で14曲あります。
第1楽章 ヘ長調のソナタ形式 第1主題は、五音音階による懐かしい雰囲気の旋律で、ヴィオラにより歌われます。第2主題はイ長調で第1ヴァイオリンが提示するものです。
第2楽章 二短調、三部形式 感動的な緩徐楽章で、ヴァイオリンが黒人霊歌風の歌を切々と歌い、チェロがこれを受け継ぎ、中間部は、ボヘミアの民謡風の音楽で、郷愁を誘う楽章となっています。
第3楽章 ヘ長調のスケルツォ楽章 中間部はヘ短調で、主部から派生した主題を用いて構成されています。この主題は、スピルヴィルで耳にした鳥のさえずりをメモしたといわれるものです。
第4楽章 ヘ長調のロンド ロンド主題は、快活な性格の主題ですが、第2副主題は、これとは対照的にコラール風なものです。美しい対比を奏でています。全曲で約25~30分の作品で、郷愁を誘い懐かしい気分になります。あっという間に書き上げた作品だそうですが、歌心がたっぷり満ちあふれた人気のある楽曲です。弦楽四重奏曲の入門編に、ぴったりな楽曲です。おすすめ。
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」【ディスク情報】
1963年 ヤナーチェク弦楽四重奏団 Dec
1967年 ジュリアード弦楽四重奏団 SC 未掲載
1968年 イタリア弦楽四重奏団 Ph
1973年 プラハ弦楽四重奏団 G
1979年 アマデウス弦楽四重奏団 G
1984年 エマーソン弦楽四重奏団 G
1986年 ハーゲン弦楽四重奏団 G
1987年 スメタナ弦楽四重奏団 DENON 未掲載
1987年 タカーチ弦楽四重奏団 Dec
1989年 アルバン・ベルク弦楽四重奏団 EMI
1990年 ヤナーチェク弦楽四重奏団 CANYON
1994年 パノハ弦楽四重奏団 SUP
2010年 パヴェル・ハース弦楽四重奏団 SUP
2019年 ジュリアード弦楽四重奏団 SC
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