ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」【名盤・おすすめ】
ヘンリク・シェリング イングリッド・へブラー 🙂
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 ヘンリク・シェリング イングリッド・へブラー 1979年 Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” Henryk Szeryng Ingrid Haebler
シェリングさんの演奏は、ちょっと速めで、甘さを排したものです。春爛漫というより、蕾がまだ少し硬めという早春でしょうか。CDカップリング:ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第2番78年、第5番「春」78年、第9番「クロイツェル」79年録音 出典:YouTube Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” ヘンリク・シェリング – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
イツァーク・パールマン ウラディーミル・アシュケナージ 🙂
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 イツァーク・パールマン ウラディーミル・アシュケナージ 1973年 Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” Itzhak Perlman Vladimir Ashkenazy
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」は、たった一つのフレーズで、いっきに目の前が広がるような、つかみの良い曲です。とても、わかりやすい平明な曲で、すぐに旋律を鼻歌にしてウキウキすることができます。いつも第1楽章を、気持ち良く聴き、その主題を何度も繰り返して聞きたくなります。
しかし、第2楽章以降は、耳にするすると入ってきては、なぜかこぼれ落ちてしまうという現象に。音楽鑑賞にはちょっと~。ワタシには不向きかと、聞き比べをするほどでもないかな~って思う曲でもあったりします。正直、交響曲だと聞き比べをしたい気持ちになるのですが、春のフレーズに浮かれてしまい、気持ちがふわついて、他のフレーズが入ってこないだけかもしれません。
パールマンさんの演奏は、若かりし頃のアシュケナージさんとの共演です。もう少し覇気があってもよいかなと思いますが、反面、春の陽気に浮かれず、ヘラヘラしていないと言えるかもしれません。CDカップリング:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」1973年、第5番「春」1974年 出典:YouTube Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” itzhakperlman Provided to YouTube by Universal Music Group
ヴォルフガング・シュナイダーハン カール・ゼーマン 🙂
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 ヴォルフガング・シュナイダーハン カール・ゼーマン 1959年 Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” Wolfgang Schneiderhan Carl Seemann
CDカップリング:ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集3枚組BOX 1959年録音 出典:YouTube Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” ヴォルフガング・シュナイダーハン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ヘンリク・シェリング アルトゥール・ルービンシュタイン 😘
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 ヘンリク・シェリング アルトゥール・ルービンシュタイン 1958年 Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” Henryk Szeryng Arthur Rubinstein
ルービンシュタインさんが、シェリングさんのヴァイオリンをリードしたり、受け手にまわっていたりしますね。双方が巧い具合に自由になっているようで、好ましく感じます。CDカップリング:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、8番、9番「クロイツェル」出典:YouTube Sonata No. 5, Op. 24 in F (“Spring”) Arthur Rubinstein – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal
アルトゥール・グリュミオー クララ・ハスキル 🤗
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 アルトゥール・グリュミオー クララ・ハスキル 1957年 Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” Arthur Grumiaux Clara Haskil
グリュミオーさんの演奏は、甘くて艶っぽい音が特徴で、特に「春」の冒頭第一音の入りが、鳥肌モノの素晴らしさ。音になる前の、弓が弦に触れる瞬間を感じます。とても綺麗な音にうっとりしている間に、曲が終わってしまいました。これぞ春うらら~。このCDジャケット写真 ハスキルに手を差し出すグリュミオー。以前は、年の差を感じるだけだったけど、演奏を聴くと恋人同士に思えちゃう。第1楽章だけで、何度聴いたことやら。シアワセ。
CDカップリング:ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集 1956年~57年録音Violin Sonata No.5 in F Major, Op.24 ”Spring” (Remastered 2021) アルテュール・グリュミオー – トピック Provided to YouTube by Independent Digital
ヴォルフガング・シュナイダーハン ヴィルヘルム・ケンプ 🙂
ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 ヴォルフガング・シュナイダーハン ヴィルヘルム・ケンプ 1952年 Beethoven: Violin Sonata No. 5 in F Major, Op. 24 “Spring” Wolfgang Schneiderhan Wilhlem Kempff
シュナイダーハンさんは、ウィーン・フィルのコンマスを務めた後、49年にソリストに転向されたバイオリニストです。これはケンプとのコラボ。59年録音は、カール・ゼーマンとの演奏です。CDカップリング:出典:YouTube Beethoven – Violin Sonata No.5 in F Major, Op.24 ‘’Spring‘’ (Ct.rc.: W.Schneiderhan, Wilhelm Kempff) Classical Music/ /Reference Recording
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」【解説】
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番(作品24)は、1800年から翌年にかけて作曲されています。とっても有名な楽曲なので、一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。幸福感に満ちた明るい曲で「春」「スプリングソナタ」という愛称で親しまれています。ベートーヴェン自身のヴァイオリンのテクニックは稚拙だったそうで、ソナタの旋律リズムは、ピアノのものが中心になっているそうです。
第1楽章 ヘ長調 4/4拍子 ソナタ形式:ピアノの伴奏に乗って、ヴァイオリンで第1主題が歌われます。主題は10小節のもので、順次進行で下降したあと跳躍を含む音型が3回繰り返されて、もりあがって終わるというバランスの美しい旋律です。その旋律が、ピアノで繰り返されたあと、第2主題が導かれます。それは第1主題と対比して和音連打によるもの。コデッタは、連打による動機の模倣と音階によるものです。展開部は、第2主題が使用され、再現部は提示部と逆、第1主題は、ピアノからヴァイオリンの順で奏されます。
第2楽章 変ロ長調 4/3拍子 三部形式(または変奏曲形式):分散和音の伴奏に乗って美しい旋律が、ピアノ、ヴァイオリンの順で歌われます。主題が再現する際には、装飾的な変奏、転調などで彩られています。
第3楽章 ヘ長調 4/3拍子 音階が上がったり下がったりする主部と、急速なトリオからなる短い楽章です。
第4楽章 ヘ長調 2/2拍子 ロンド形式:「A – B – A – C – A – B – A – コーダ」の構造を持っています。軽やかなAの主題は、同音が3回連打されることで印象づけられます。2部分からなり、ハ短調に陰るなど様々な要素を持つBと、3連符とシンコペーションのリズムを伴うニ短調のCを経て、Aの主題がニ長調で再現されます。変奏されて、喜びに満ちたまま曲は終わります。この曲は、最初のフレーズ(主題となる10小節)がとても有名です。みなさんもお聞きになったことがあるのではないでしょうか。いっきに気持ちが軽やかになり、晴れやかな高揚感に包まれます。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」【ディスク情報】
1952年 ヴォルフガング・シュナイダーハン ヴィルヘルム・ケンプ G
1957年 アルトゥール・グリュミオー クララ・ハスキル Ph
1958年 ヘンリク・シェリング アルトゥール・ルービンシュタイン R
1959年 ヴォルフガング・シュナイダーハン カール・ゼーマン G
1962年 ダヴィッド・オイストラフ レフ・ポーリン Ph
1964年 レオニード・コーガン エミール・ギレリス DREM
1969年 カール・ズスケ ワルター・オルベルッツ DS
1970年 ユーディ・メニューイン ヴィルヘルム・ケンプ G
1973年 パールマン アシュケナージ Dec
1978年 ウート・ウーギ ラマール・クラウソン SC
1979年 ヘンリク・シェリング イングリッド・へブラー Ph
1986年 ロバート・マン スティーヴン・ハフ NIMBUS
1987年 ギドン・クレーメル マルタ・アルゲリッチ G
1997年 オーギュスタン・デュメイ マリア・ジョアン・ピリス G
2009年 ルノー・カピュソン フランク・プラレイ E
2011年 庄司紗矢香 ジャンルカ・カシオーリ G
2019年 ジェイムズ・エーネス アンドルー・アームストロング ONXY
2020年 ヴィクトリア・ムローヴァ アラスデア・ビートソン ONYX
2020年 F・P・ツィンマーマン マルティン・ヘルムヒェン BIS
2022年 五嶋みどり ジャン=イヴ・ティボーデ WARNER
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