バッハ:管弦楽組曲【名盤・おすすめ】
フランス・ブリュッヘン エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団 😇
J.S.バッハ:管弦楽組曲 フランス・ブリュッヘン エイジ・オブ・インライトゥンメント管弦楽団 1994年
J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4(BWV1066-1069) Frans Brüggen Orchestra of the Age of Enlightenment
ブリュッヘンさんの演奏は、バッハって、こんなにソフトだったっけ~というのが第一印象です。名盤中の名盤として昔に聴いたリヒターさんの演奏が刷り込まれているので、偉大なるバッハは、硬くて巌が立ちそびえるイメージがあります。ひとことでいうと厳格なという言葉で象徴されるでしょうか。しかし、このブリュッヘンの演奏は、羽根の生えた天使が舞っているかのような風情なのです。天使の羽根のようなという感じです。
涙がでそうなほど怖かったバッハのイメージは、これで崩壊。時代と共に変化したのでしょうか。オリジナル楽器による演奏ですが、優しくて、ふわっとしてて、脆さ、危うさ、儚ささえイメージされます。フルート(リート)が、妙に心をくすぐり、ふわっと軽くなる感じを与え、穏やかで和やか。
包み込まれるかのような演奏です。とても気持ち良いバッハの管弦楽組曲でした。これは繰り返して、何度でも聴けちゃう気がします。バッハは苦手だという方にお薦めです。出典:YouTube J.S. Bach: Suite No. 3 in D, BWV 1068 エイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 😥
J.S.バッハ:管弦楽組曲 クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1987~88年
J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4 (BWV1066-1069)Christopher Hogwood Academy of Ancient Music
古楽器演奏の代表的な演奏で、渋く太めのかすれた音で、速めのテンポで駆け抜けていきます。金管の音が割れ気味で、かすれており優美さという点ではイマイチかもしれません。2曲目のロンドは明るくて艶があります。3曲目のサラバンドは、ゆったりとした楽曲で、フルートも優美なチェンバロに乗って地味ながら頑張ってます。チェンバロは元気ですが、古楽器ゆえなのか、弦がカスカスして響かないところがあります。
第2曲エア、G線上のアリアは、優美とは言えず残念な感じがします。第3曲ガヴォットは軽快に聞こえます。第4曲ブーレー曲は、トランペットは荒々しいですね。金管の音色が、少し残念ですが、これが古楽器所以の演奏だと思います。オワゾリール・レーベルの録音は美音の印象がありますが、この演奏に限っては、う~ん、ちょっと残念な気がします。出典:YouTube J.S. Bach: Suite No.3 In D Major, BWV 1068 エンシェント室内管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
トレヴァー・ピノック イングリッシュ・コンサート 🙄
J.S.バッハ:管弦楽組曲 トレヴァー・ピノック イングリッシュ・コンサート 1978年~79年
J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4 (BWV1066-1069) Trevor Pinnock The English Concert フルート:スティーヴン・プレストン
現代楽器での演奏に耳が馴れているので、古楽器演奏には少し違和感が残ります。長い持続音が響かないためなのか、即物的な冷たい響きで、淡々と進むような気がするのです。どこか隙間を感じてしまって薄口。ワタシには、各声部の流れが、あまり心地良くありませんでした。抑揚が少なく膨らませ方が、ほとんど感じられない演奏です。古楽器演奏が好きな方にとっては反論があるでしょうが、これは好みかもしれません。
CDとしては、1978年~79年グラモフォン(DG)盤、1993年~94年アルヒーフ(ARCHIV)盤があります。この演奏は、1978年の旧録ですので、古楽器での演奏が流行した頃かと、先駆的な存在だったのかなと思います。出典:YouTube J.S. Bach: Suite No.3 In D Major, BWV 1068 イングリッシュ・コンサート トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 😘
J.S.バッハ:管弦楽組曲 ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1978年
J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4(BWV1066-1069) Neville Marriner Academy of St. Martin-in-the-Fields
マリナーさんの演奏は、爽やかで快活で聞きやすく、親しみやすい演奏です。マリナーさんは3回程度録音しています。1970年(Dec)、1978年(Ph)、1984年(EMI) デッカ、フィリップス、EMIというメジャーレーベルから、ひっぱりだこ状態でした。今聴いても、スピーディで、快活で親しみやすさがあり掘り出し物のような演奏です。
昔、古楽器に親しめず、クラシック音楽から離れてしまったワタシは、モダン楽器の演奏を野暮ったいとは思いません。いわゆる学究肌タイプの演奏ではありませんが、クラシック音楽の裾野を広げてくださった方だと感謝しますね。音楽は、聴くか聴かないかで決まりますし、入り口でシャットアウトでは困るので~ なによりも、とっつきやすい。親しみやすい演奏が一番ですね。そういう意味では、最初に聴くにはうってつけの演奏だと思います。出典:YouTube J.S. Bach: Orchestral Suite No. 1 in C Major, BWV 1066 Academy of St Martin in the Fields Provided to YouTube by Universal Music Group
パイヤール室内管弦楽団 😥
J.S.バッハ:管弦楽組曲 パイヤール室内管弦楽団 1962年
J.S.Bach: Orchestral Suites No.3-5 Jean-François Paillard Orchestre de chambre Jean-François Paillard
管弦楽組曲は、現在全4曲ということになっています。第5番が、長男の作品とされたので、旧BWV 1070 という表記になっているのです。さて、パイヤールさんの演奏は、柔らかく外向的な演奏です。少しザワザワした雰囲気があり、金管の響きが苦手です。第3番の冒頭「序曲」では、テカテカ華やかな演奏で、「っぱぱぁ~」の金管に疲れると思います。リヒターさんの演奏とは、雲泥の差~ でしょうか。(怒られるかも)
出典:YouTube J.S. Bach: Orchestral Suite in G Minor: V. Capriccio (Formerly Attributed to JS Bach as BWV 1070) ジャン=フランソワ・パイヤール トピック Provided to YouTube by Warner Classics International
カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 😓
J.S.バッハ:管弦楽組曲 カール・リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 1960年~61年
J.S. Bach: Orchestral Suites No.1-4 (BWV1066-1069) Karl Richter Münchener Bach-Orchester
リヒターさんの演奏は、昔から名盤との評価が高く、古楽器ブームが来る前から、バッハを聴くのであればリヒターの演奏からというのが、もっぱらだったように思います。しかし、ワタシ的には厳格すぎて~ 首を絞められた鳥みたいな気分になってしまう演奏です。特に、金管が「うぱっ ぱっぱぁ~ うぱ~ぱっぱぁ~」って。力強いという以上に緊張感で力が入ってしまい、締めあげられてる感じで息苦しいです。精神性が高い演奏と称されるようですが、それ以前に聴く気持ちがわき上がらない、神経がピリピリして神経衰弱に参ってしまう演奏なのです。
きっとティンパニの怖い叩き方、金管の余裕のない響き、無愛想な装飾的なトリルなど、確かに学究肌らしい演奏なのでしょうが、エキセントリックにタイトですかね~。昔は、もてはやされた演奏ですが、ワタシの好み、受け入れる許容性のなさ、知識不足だと思いますが、気弱な?ワタシには悲鳴をあげて退散したくなってしまう演奏でした。
G線上のアリアで有名第2楽章も、ストイックにすぎて僧侶のよう。包み込まれるような響きではなく、突き放されたような気がします。理路整然とした構築性を感じますが、今はまだ馴染めないのでどうかお許しを~。修行不足を露呈してますね。(自爆気味です)
CD録音については、ブランデンブルク協奏曲との3枚組BOXがあります。購入される場合は、最新のリマスタリング盤をご購入されることをお薦めします。現在、SHM-CD仕様もあります。出典:YouTube J.S. Bach: Orchestral Suite No.3 in D Major, BWV 1068 ミュンヘン・バッハ管弦楽団 トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
バッハ:管弦楽組曲【マーラー版】
マーラー版:1909年に編曲され、初演されています。J・S・バッハの管弦楽組曲第2番、第3番から抜粋して再構成(編曲)したものです。Wikipediaの記述を拝読すると、楽器編成やアクセント等において原曲と異なるそうです。演奏時間は約25分 次の4曲で構成されています。
1 序曲 第2番より 通奏低音にオルガンが加わります。
2 ロンドとバディヌリー 第2番より オルガンが付いています。順番が変わっています。
3 アリア 第3番より 編成は原曲と同じ。
4 ガヴォット 第3番より 編成は原曲と同じ。
リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 😘
バッハ:管弦楽組曲(マーラー編) リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 2003年
Mahler: Suite aus den Orchesterwerken von J.S.Bach Riccardo Chailly Royal Concertgebouw Orchestra
マーラーって、シューマンの交響曲にも手を加えていますが、編曲というより、たった4曲として組んでいるので、メチャ短くなって、正しくはマーラー版バッハ管弦楽組曲ってことになるのでしょうか。まあ、お節介というか、直さずにはいられない~という感じなのか、オケの指揮者として、コンサートの目玉として盛り上げるために編曲したということでしょうか。動機はわかりません。ワタシ的には、G線上のアリアは、フルオケじゃー雰囲気でません。これはぶっぶー!(と思います) 取り上げてくれたシャイーさん演奏には、オッケー出します。
出典:YouTube Mahler: Suite aus den Orchesterwerken von J.S.Bach Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group
バッハ:管弦楽組曲【解説】
バッハの「管弦楽組曲」は、ブランデンブルク協奏曲と共に代表的な管弦楽作品の一つです。4つの組曲から構成され、バリエーション豊かな作品です。バッハの ケーテン時代(1717年~1723年)、ヴァイマル(1708年~1717年)時代の舞曲や宮廷音楽の集大成です。ちなみに、第5組曲は長男フリーデマンの作だとされ、現在は、全曲に含まれていません。
第1番 BWV1066 ハ長調 オーボエ2本とファゴットが、トリオソナタ的な独奏ポジションを与えられ(=コンチェルティーノ)、コレッリ様式の合奏協奏曲に近い編成となっています。第2番 BWV1067 ロ短調 合奏協奏曲的な第1番に対して、フルートがソロ的な活躍をしています。独奏協奏曲に近い形式を取っているものです。第3番 BWV1068ニ長調、第4番 BWV1069ニ長調
バッハといえば、クリクリ巻き毛の音楽室に飾られた肖像画のイメージです。300年以上前の楽曲なので、偉大すぎて見知らぬ、ご先祖さま的な存在で、あまり馴染みがありません。しかしっ、聴くなら何に置いても、唯一無二、元祖中の元祖って感じの作曲家なので、ボチボチ聴いていかなければ~と思っています。第3番第2曲がおすすめです。「G線上のアリア」(エア)だけでも良いので聴いてください。(って、人にお薦めしている場合ではありませんでした)
バッハ:管弦楽組曲【ディスク情報】
1961年 リヒター ミュンヘン・バッハ管弦楽団 Ar
1962年 パイヤール パイヤール室内管弦楽団 E
1978年 マリナー アカデミー・オブ・セント・マーティン Ph
1994年 ブリュッヘン エイジ・オブ・インライトゥンメント Ph
1988年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL
1983年 ガーディナー イギリス・バロック管弦楽団 E 未掲載
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