メシアン:トゥーランガリラ交響曲【YouTube】
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 パーヴォ・ヤルヴィ hr交響楽団 2013年6月13日コンサートの模様です。1時間26分37秒の長尺の動画です。舞台のうえに楽器が所狭しと並んでいます。指揮者の前にオルド・マルトノとチェレスタでしょうか。ピアノもいるし、溢れんばかりです。出典:YouTube Messiaen: Turangalîla-Sinfonie ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Paavo Järvi hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony
メシアン:トゥーランガリラ交響曲【名盤・おすすめ】
メシアンのトゥーランガリラ交響曲は、次の10楽章に構成されており、約1時間25分という長大な楽曲です。電子楽器のオルド・マルトノとピアノのソロを含めた大編成の演奏で、愛と死をテーマにしているような内容で、愛の歌、喜び、色彩感が盛り込まれています。従来の交響曲の縛りから開放された感じで、自由に飛翔する感じを味わって聴いてみてください。
第1楽章:序章 Introduction 第2楽章:愛の歌 Chant d’amour I 第3楽章:トゥーランガリラ1 Turangalîla I 第4楽章:愛の歌2 Chant d’amour II 第5楽章:星たちの血の喜悦 Joie du sang des étoiles 第6楽章:愛のまどろみの庭 Jardin du sommeil d’amour 第7楽章:トゥーランガリラ2 Turangalîla II 第8楽章:愛の敷衍 Développement de l’amour 第9楽章:トゥーランガリラ3 Turangalîla III 第10楽章:終曲 Final
グスターボ・ヒメノ トロント交響曲 🤩
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 グスターボ・ヒメノ トロント交響曲 2023年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Gustavo Gimeno Toronto Symphony Orchestra
オンド・マルトノ:ナタリー・フォルジェ Nathalie Forget ピアノ:マルカンドレ・アムラン Marc-André Hamelin
ヒメノさんの演奏は、テンポが速い~ 速すぎる~と思っていたら、あっ、ピアノはアムランさんでした。なんか納得しちゃいますね。そうだよね。快速でオッケーなんですね。並みの指だと骨折?強いタッチで猛スピードで打音されています。で、気になって、ずーっとピアノに釘付けされました。
トロント響でのCD化は、小澤さん以来になるのかもしれません。オンドマルトノの音も、ふわっとした浮遊感があるもので、夜空を見上げているような気分になります。これはすごい~ 宇宙的というか空間が、すごく広く大きいのです。わわわ~ これは何度も繰り返して拝聴したいです。また、そうしないとピアノから離れられません。笑 出典:YouTube Turangalîla-Symphony トロント交響楽団 – トピック Provided to YouTube by PIAS
アレクサンダー・ソディ マンハイム国立歌劇場管弦楽団 😍
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 アレクサンダー・ソディ マンハイム国立歌劇場管弦楽団 2019年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Alexander Soddy Nationaltheater-Orchester Mannheim オンド・マルトノ:トマ・ブロシュ Thomas Bloch ピアノ:タマラ・ステファノヴィチ Tamara Stefanovich
ソディさんの演奏は、低弦の分厚い響きから始まります。力強いっ!歯切れの良さもあり、熱い。かといって、のぼせあがるような過剰さもなく、なんか際どいところでのバランスが絶妙で、一気に聴くことができました。音響効果も良いことから、今後、聞き続けることのできる一枚になりそう。
特に、複雑な構成をしている後半が、めちゃ良いですね。速い演奏ですが、適宜タメ感もあるし、クールなんだけど甘くて、ふわっと無限さを感じる広がりもあります。なんだか、この曲の魅力が吸い寄せられて集まっている気がします。23年録音のヒメノさんの演奏と共に、深掘りしたくなるような演奏でした。ワタシ的には定盤になりそう~。
出典:YouTube Turangalîla-symphonie, I/29 Nationaltheater-Orchester Mannheim – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団 😘
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団 2017年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Yutaka Sado Tonkünstler-Orchester オンド・マルトノ:ヴァレリー・ハルトマン=クラヴェリー Valérie Hartmann-Claverie ピアノ:ロジェ・ミュラロ Roger Muraro
佐渡さんは、トーンキュンストラー管のあと、どこのシェフになるんだろう~と思いながらお聴きしました。丁寧な演奏で、整った感があり、まだまだ聞き込みが足らないことを実感した演奏です。ずっと、後半、雰囲気に飲まれて聴いちゃってたなあ~と反省しています。個性的な演奏ではないのですが、2000年以降の録音を、またおさらいをして聴く必要があると思いました。
出典:YouTube Turangalîla-symphonie (Live) ロジェ・ミュラロ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
シルヴァン・カンブルラン バーデンバーデン・フライブルク南西ドイツ放送交響楽団 🤩
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 シルヴァン・カンブルラン バーデンバーデン・フライブルク南西ドイツ放送交響楽団 2008年 Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Sylvain Cambreling SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg オンド・マルトノ:ヴァレリー・ハルトマン=クラヴェリー Valérie Hartmann-Claverie
ピアノ:ロジェ・ミュラロ Roger Muraro
カンブルランさんの演奏は、カップリングの良さで購入したCDです。メシアン作品集で初めて聴く楽曲も多くカップリングされています。トゥーランガリラだけでなく、鳥の鳴き声にインスパイアされた楽曲もあり、宗教観、歴史観、宇宙観まで、多彩な天才肌である作曲家の作品が収められているので、丹念に聴く方に最適だと思います。
トゥーランガリラ交響曲は、ヌケの良い録音で、どこまで煌びやかに綴るのだろうと驚きです。パーカッションの響きも良く、跳躍感、躍動感も抜群で、引き締まった音が、目一杯詰め込まれており、これは目を丸くして嬉々として聴くことができます。やーっ 久しぶりに興奮しちゃいますね。楽曲が複雑なので、聞き込むのは手に余ります。アミューズメントパークに来て、あれこれ面白そうで、目移りして困っているような気分です。
CDカップリング:メシアン管弦楽作品集8枚組BOX 忘れられし自慢のもの2002年、キリストの昇天1999年、ミのための詩 メゾ・ソプラノ イヴォンヌ・ナエフ2007年、トゥーランガリラ交響曲2008年、鳥たちの目覚め2007年、異国の鳥たち2008年、クロノクロミー2005年、われ死者の復活を待ち望む ピアノ:ロジェ・ミュラロ2008年、我らの主イエスキリストの衝撃2000年、峡谷から星たちへ2007年、天より来たりし都 ピアノ:ミュラロ2007年、ほほえみ2008年、彼方の閃光2002年録音 出典:YouTube Turangalîla-symphonie ロジェ・ミュラロ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ケント・ナガノ ベルリン・フィル 😍
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 ケント・ナガノ ベルリン・フィル 2000年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Kent Nagano Berliner Philharmoniker オンド・マルトノ:ミニク・キム Dominique Kim ピアノ:ピエール・ローラン・エマール Pierre-Laurent Aimard
ケント・ナガノさんが、ベルリン・フィルを振ったライブ演奏です。わかりやすい演奏で、ワタシ的には好き。各楽章で盛りあがります。長大な楽曲なので飽きさせない工夫かもしれません。各楽章ごとに表情を変え、盛りあげ方は、尋常じゃないぐらいに大きく、シャーン シャーンっと銅鑼打ち鳴らされる場面は強烈です。
主題に戻ってくる時は、いつもテンションMAX。毎楽章、すごいっ!を連発。でも、すっきりした旋律に好感が持てるし、パーカッション、ピアノ、オンド・マルトノの音量等が整理されバランスが良いです。特に、終曲では、すごいスピードで駆け抜けて行くのですが、最後の力を振り絞ってのパワー、テンションの高さ、キレキレに変貌していくところは、あっぱれ~!
やっぱりこの楽曲は、官能で色染められています。ホント、エッチな楽曲です。スクリャービンの「法悦の詩」に、感性が似ているというか、スクリャービンは、ホルンなどの金管に官能フレーズを吹かせていたけど。これは総力戦なのです。なんども繰り返されるフレーズが、相当に官能的で、オケ全体が陶酔状態じゃーないのかなあ。勝手な想像ですが、あながち間違ってなさそう。陶酔してても、すきっとしたスマートな音で、音色がバランスの良く配置され、調和がとれ、聴きやすいというのが良さだと思います。バランス良く調整している裏方さんのテクが凄いっ。ホント、エンジニアさんたちの大勝利って感じがします。あっぱれ~。
出典:YouTube Messiaen : Turangalîla-symphonie ケント・ナガノ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International
アントニ・ヴィト 国立ポーランド放送交響楽団 😘
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 アントニ・ヴィト 国立ポーランド放送交響楽団 1998年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Riccardo Chailly Royal Concertgebouw Orchestra オンド・マルトノ:トマ・ブロシュ Thomas Bloch ピアノ:フランソワ・ワイゲル Francois Weigel
冒頭の低弦のパワーが凄いインパクトがあります。オンド・マルトノとの距離感も直線的に前に発射~されないので嬉しいです。だって、あの楽器、正直言って気持ちの良い楽器とは言いがたいです。コンサートに行ったとき、オンド・マルトノは、ステージの前に、どんっ!と居座ってていたのです。おいおい、アンタの協奏曲じゃーないやんと思うのですが、なぜ、この楽器は特等席なのだろう。主役みたいに扱われすぎだかもと思います。
どんなステージセッティングをされているのかは知りませんが、どデカイ音で電子音が鳴るのではなく、彩りとして聞こえるのが嬉しいです。オケの音が聞き取りやすく、色彩感のある美しい楽曲であることがわかります。ちょっと控えめの方が嬉しいかも。もちろんテンションは高いし、派手なパーカッションが鳴り響いていますが、力強さと同時に、すっきりとしているところが好感が持てました。
CDカップリング:メシアン トゥーランガリラ交響曲、キリストの昇天 出典:YouTube Turangalila-symphonie トマ・ボロッホ – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル 1998年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Yan Pascal Tortelier BBC Philharmonic オンド・マルトノ:ヴァレリー・ハルトマン=クラヴェリー Valérie Hartmann-Claverie ピアノ:ハワード・シェリー Howard Shelley
出典:YouTube Turangalîla Symphony Yan Pascal Tortelier – トピック Provided to YouTube by PIAS
リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 1992年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Riccardo Chailly Royal Concertgebouw Orchestra オンド・マルトノ:原田節 Takashi Harada ピアノ:ジャン=イヴ・ティボーデ Jean-Yves Thibaudet
シャイーさんの演奏には、原田さんが参加されています。出典:YouTube Messiaen: Turangalîla Symphonie Jean-Yves Thibaudet Provided to YouTube by Universal Music Group
チョン・ミョンフン バスティーユ・オペラ座管弦楽団
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 チョン・ミョンフン バスティーユ・オペラ座管弦楽団 1990年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Myung-Whun Chung Orchestre de l’Opéra national de Paris オンド・マルトノ:ジャンヌ・ロリオ Jeanne Loriod ピアノ:イヴォンヌ・ロリオ Yvonne Loriod
出典:YouTube Messiaen: Turangalîla Symphonie イヴォンヌ・ロリオ=メシアン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1986年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Simon Rattle City of Birmingham Symphony Orchestra オンド・マルトノ:トリスタン・ミュライユ Tristan Murail ピアノ:ピーター・ドノホー Peter Donohoe
CDカップリング:メシアン トゥーランガリラ交響曲 1986年、世の終わりのための四重奏曲 1991年録音 YouTubeには、上二曲の後、鳥の小スケッチ第2曲が収録されています。出典:YouTube Turangalîla-Symphonie ピーター・ドノホー – トピック Provided to YouTube by Warner Classics Turangalîla-Symphonie: I. Introduction (Modéré, un peu vif) · Peter Donohoe/Tristan Murail/City of Birmingham Symphony Orchestra/Sir Simon Rattle
エサ・ペッカ・サロネン フィルハーモニア管弦楽団 😘
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 エサ・ペッカ・サロネン フィルハーモニア管弦楽団 1985年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Esa-Pekka Salonen The Philharmonia Orchestra オンド・マルトノ:トリスタン・ミュライユ Tristan Murail ピアノ:ポール・クロスリー Paul Closeley
メシアンのトゥーランガリラ交響曲は、とっても不思議な楽器が登場する。オンド・マルトノ(Ondes Martenot)という、シュールな電子音を発する小型オルガンのような電子楽器。2013年9月、大阪フィルの定期演奏会で、このシュールな楽器とご対面したことがある。そのときの演奏は、ピアノが児玉桃さん、オンドマルトノは原田節さんだった。
超豪華な演奏者だったので、自ら喜んで、どんな楽器なのだろうと興味津々で、ホールの前方に陣取ってしまったが、演奏が始まって、すぐに大失敗に気づいた。この奇怪な箱から発せられた超音波攻撃を、カラダでまともに受けとめた。 いやいや、ホントは超音波ではない。しかし、しゅ~っ ひゅぅ~っ、きーーんっと耳がつんざくような音を発声させられ、オンドマルトノの箱の前で聴いていたワタシは、泣きながら逃げ出したくなった。
まるで、花火が打ち上がる際の笛のごとく、である。それが、ワタシに向かって発せられるのだ。(と思えるぐらい。涙)もし、メシアンのトゥーランガリラ交響曲を生で聴く機会があれば、今度は、ホールのうしろの方で聴きたい。あの音は、かぶりつきでは、カラダにも心にも~ う~ん あまりよろしくない気がします。さて、サロネン盤は、録音状態が極めて良く、自然な音で聞こえてくる。ワタシが半泣きで聴いた生演奏よりも、このCDの方が、格段に聴きやすい。
オンド・マルトノの発する音は、機械音のグリッサンドなのだが、この交響曲そのものが~ 数学的というか。CDを数枚は所有してはいるが、どう聴いて良い曲なのか。さーっぱり、わかっていない。「そふぁみれ どしらそ ふぁっふぁっ! カンカンっ鐘が鳴らされ、ふぁっ ふぁっ!」音が断片的に繰り出されて、なんだか危うい、怪しい、危険が迫るような気ぜわしさが感じられる。そのなかに、「どぉ~ ふぁぁ~しぃ~っ」と、重厚なチューバの和音が出てきて節が終わってしまったりする。聞き進むにつれて、テーマを持った音型が繰り返して登場してくる。
そのうち耳に馴染み、この音に耳が焦点をあてるようになるので聴きやすくなってくるものの、ソナタ形式のように、ひとかたまりで、序奏、提示、展開、再現というように、形式化されているのか。楽章とはなっているが、ひとつのコンテンツで、しかし、ストーリーがあるわけでもなさそうだ。単なる環境音楽ではないのは、わかっているが、雰囲気だけで長時間聴くのも、ちょっとツライ。オンド・マルトノのふわーっとした音の響きが、広がり、全体にまろやかに響き、ひゅ~ん、キン~っと鳴らす音もスパイス的に効いてメリハリが感じられる。しかし、これが、愛の歌と言われても、イメージが、それなりに湧いてこない。
妖艶な女の姿が登場するかのようであるが、オンド・マルトノが、首筋が涼しく撫でていく。気味悪さが勝ってて、また、 緩やかなグリッサンドもあれば、直線的なものもあり、紐を引っ張るように音が出てくるようで、偶発的な音の出方が、きっと面白いのだろうが、だから、何?って感じもする。まあ、今後も、このような楽曲とつきあうことになるだろうが~ ちょっと自信がない。サロネン盤は、オンド・マルトノが、オケとのバランスが良く、ピアノも含めて埋もれずにしっかりと聞こえてくる。
CDカップリング:メシアン トゥーランガリラ交響曲、ルトスワフスキ 眠りの空間、交響曲3番(2枚組BOX) YouTubeにおいては、トゥーランガリラ交響曲のみの配信です。出典:YouTube Turangalîla-Symphonie Esa-Pekka Salonen Provided to YouTube by Sony Classical
アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 😘
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 アンドレ・プレヴィン ロンドン交響楽団 1977年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie André Previn London Symphony Orchestra オンド・マルトノ:ジャンヌ・ロリオ Jeanne Loriod ピアノ:ミシェル・ベロフ Michel Béroff
あまりにも長大な曲なので、全体にざっくり~ 聴いた感想を述べさせていただくと、録音状態は極めて良い。77年の録音なので、まだ、アナログ時代だと思うのだが、その頃に録音されているとは思えないほど、リマスタリングされて、とてもクリアな状態だ。パーカッションの音が、鮮明によく聞こえてくる。
演奏としては、縦のラインが、きっちり合わさっており、この複雑で、パーカッション大活躍の楽曲を、どう料理しようかと考えて、とにかく合わせることに注力して、縦に切ったという感じがする。
まあ、今なら、もっと、流麗に演奏されているに違いないと思うんだけど~ なにせ、77年でしょ。その頃に、この楽曲を取り上げて、録音するってことだけでも、一大イベント、大偉業だったのではないかしらん。そう思う。
プレヴィンさんにしては、硬いフレージングなのだ。もっと、本来なら、主題を浮かびあがらせて、もっと妖艶に奏でることできたのかもしれないと思う。でも、パーカッションの音としては、シャキシャキ感があって、個々の楽器の出入りが忙しく、とてもど素人には、把握できないんだけど~ 緻密に仕上げようとしているみたいで、オケのみんなで、一生懸命、合わせようと必死になってそうな気がする。(あくまでも、ワタシの勝手な想像ですけど・・・ 笑)
オンドマルトノの音も、オケ全体も、かなり色彩的で、大音量で、伽藍のように響いているし、リズミカル。ふわっとした空気感ではないので、包み込まれた感はないのだが、あまりの瑞々しさで驚いてしまうぐらいで、ジャズっぽく鳴っているフレージングがするし、さらっと爽快に、スポーティに駆け抜けていったり。6楽章の愛のまどろみの園や、8楽章の愛の展開(敷衍)なんて、もっと~ むふふ~状態の粘りがあってもらった方が、官能的で良かったのかもしれない。
音が、いっぱい散らばってて、一斉に口々に発しているので、全体がつかめないのだけど、まあ、プチプチ、きゅーっ ひゅぅ~っと鳴っているという雰囲気しか味わえないのだが、所詮、ど素人のレベルでは、この程度なんです。そうそう、電子楽器って、70年代後半頃から、登場したのではないかしらん。その頃、シンセサイザーって、一般的ではなかったのではなかったかな。富田勲さんのドビュッシー月の光は74年だし、展覧会の絵は75年、火の鳥も同年、惑星は76年なのだ~ むはは~ その頃に、メシアンのこの曲を録音してるんですねえ。なので、あまりに、恐れ多くて~ 偉そうにCDの感想は書けないような気がするので、今回は、ありがたく拝聴しました。
出典:YouTube Turangalîla-Symphonie アンドレ・プレヴィン – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
小澤征爾 トロント交響楽団 🤗
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 小澤征爾 トロント交響楽団 1967年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Seiji Ozawa Toronto Symphony Orchestra オンド・マルトノ:ジャンヌ・ロリオ Jeanne Loriod ピアノ:イヴォンヌ・ロリオ Yvonne Loriod
小澤さんの演奏は、メチャ若い頃の演奏でまだ30歳を過ぎたところぐらいで、果敢にフランスの現代楽曲を、作曲家メシアンさんの嫁とその妹が参加し、お墨付きで録音しちゃったところが凄いっ。熱のこもったエネルギッシュな演奏ですが、几帳面な拍感覚で、旋律(動機)はクリア。とても見通しが良い演奏だと思います。尖った前衛的さもあるんですが、官能的な要素も忘れていないし、多様な面を描いた演奏だと思います。
61年でこの演奏って、メッチャ凄いのではないかと~思いました。小澤さんの偉大さを再認識しました。出典:YouTube Turangalîla Symphonie 小澤征爾 – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal
モーリス・ル・ルー フランス国立放送管弦楽団 😥
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 モーリス・ル・ルー フランス国立放送管弦楽団 1961年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Maurice Le Roux French Radio and Television Orchestra オンド・マルトノ:ジャンヌ・ロリオ Jeanne Loriod ピアノ:イヴォンヌ・ロリオ Yvonne Loriod
オンド・マルトノを演奏しているイヴォンヌ・ロリオさんは、メシアンさんの二番目の奥さんです。録音状態がイマイチなので~ ちょっと悲しい。出典:YouTube Messiaen: Turangalîla Symphonie イヴォンヌ・ロリオ=メシアン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
マニュエル・ロザンタール フランス国立放送管弦楽団 😱
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 マニュエル・ロザンタール フランス国立放送管弦楽団 1959年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Manuel Rosenthal Orchestre national de la RTF オンド・マルトノ:ジャンヌ・ロリオ Jeanne Loriot ピアノ:イヴォンヌ・ロリオ Yvonne Loriod
ひえ~ ツンツン、シャッキシャキの演奏で、びっくり。トロトロの演奏ではないんですね。ロスバウトさんの演奏と同じく、前衛的な演奏だったので、がらっと認識が変わります。出典:YouTube Turangalila-symphonie イヴォンヌ・ロリオ=メシアン – トピック Provided to YouTube by IIP-DDS
ハンス・ロスバウト バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 😱
メシアン:トゥーランガリラ交響曲 ハンス・ロスバウト バーデン=バーデン南西ドイツ放送交響楽団 1951年
Messiaen: La Turangalîla-Symphonie Hans Rosbaud South West German Radio Symphony Orchestra, Baden-Baden オンド・マルトノ:ジネット・マルトノ Ginette Martenot ピアノ:イヴォンヌ・ロリオ Yvonne Loriod
たまたまYouTubeを検索していた時に見つけて視聴した演奏です。1951年モノーラルなのですが、シャキシャキ。官能的な楽曲だと思い込んでいたので、びっくり。こんな前衛的な曲だったの~と驚きました。失礼しました。
出典:YouTube Turangalîla-Symphonie Sinfonieorchester des Südwestfunks Baden-Baden – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
メシアン:トゥーランガリラ交響曲【解説】
トゥーランガリラ交響曲(La Turangalîla-Symphonie)は、1908年生まれのフランスの作曲家メシアンの代表的な楽曲です。ボストン交響楽団の音楽監督を務めていたクーセヴィツキーの委嘱で、1948年に作曲され、バーンスタインが49年に初演しています。
トゥーランガリラ(Turangalîla)」は、二つのサンスクリット(梵語)“turanga”と“lîla”に由来するとされていますが、言葉の持つ意味合いは広範囲すぎて、ワタシにはあまり解りません。オンド・マルトノという電子音を発する小型オルガンのような電子楽器が使われているのが特徴で、チェンバロやピアノ等、多彩な楽器が必要な大編成の曲です。
全体は、冒頭楽章で示される和声動機を始めとして、幾つかの主要なモチーフで統一されており、同時に移調の限られた旋法や鳥の声、非可逆リズム等の使用が随所に見られ、トータル・セリエリズム以前のメシアンの音楽語法の主要な要素がほぼ含まれているとのこと。
全体的に、無調性の強い楽章が多いのですが、第5楽章(嬰ハ長調)、第6楽章、第10楽章(嬰ヘ長調)では調性が明確となり、さらに第2、4、8楽章でも、部分的に調性の和音が顔をのぞかせ、これらの和音は最終的に嬰ヘ長調に帰結するとのことです。まず、オンド・マルトノの出す、ひゅ~うっ。しゅーっ。ひぇ~えっ~などという悲鳴に似た電子音に耳を慣らすことが必要です。
テーマ音楽のように節ごとに登場するので聴きやすくなるものの、演奏時間は約80分という大曲です。コンサートで聴くときは、後方席の方が良いかもしれません。前方に座ったワタシは、オンド・マルトノと鉢合わせて真正面に座ることとなり、ひぃーーーっと、共鳴して悲鳴をあげる羽目になりました。
メシアン:トゥーランガリラ交響曲【ディスク情報】
1959年 マニュエル・ロザンタール フランス国立放送管弦楽団 INA
1961年 モーリス・ル・ルー フランス国立放送管弦楽団 ACCORO
1967年 小澤征爾 トロント交響楽団 R
1977年 プレヴィン ロンドン交響楽団 EMI
1985年 サロネン フィルハーモニア管弦楽団 SC
1986年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
1990年 ミョンフン バスティーユ・オペラ座管弦楽団 G
1992年 シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 Dec
1998年 ヤン・パスカル・トルトゥリエ BBCフィル CHANDOS
1998年 アントニ・ヴィト 国立ポーランド放送交響楽団 NAXOS
2001年 ケント・ナガノ ベルリン・フィル TELDEC
2008年 カンブルラン バーデンバーデン・フライブルク南西ドイツ放送交響楽団 HÄNSSLER
2011年 ファンホ・メナ ベルゲン・フィル HYPERION 未掲載
2014年 ハンヌ・リントゥ フィンランド放送交響楽団 ONDINE 未掲載
2017年 佐渡裕 トーンキュンストラー管弦楽団 AVEX
2019年 アレグザンダー・ソディ マンハイム国立歌劇場管弦楽団 OEHMS
2023年 グスターボ・ヒメノ トロント交響曲 HM
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