ハイドン:交響曲第94番「驚愕」【聴いてみよう】Haydn:Symphony No.94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise”

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ハイドン:交響曲第94番「驚愕」【名盤・おすすめ】

ロジャー・ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 😆

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 ロジャー・ノリントン シュトゥットガルト放送交響楽団 2009年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Roger Norrington Stuttgart Radio Symphony Orchestra

ノリントンさんの演奏は、軽やかすぎるほど軽やか。ノリントンさんの陽気な個性が、随所に見え隠れしておりオチャメな演奏に感じます。いつもは、なぜ音割れするような金管をわざわざ使っているのか、ワカラン!と、拒否反応から怒りが出ちゃうのですが、驚愕の第94番の演奏は、するっと自然に聴けちゃいました。

第2楽章は、もっと趣向を凝らして驚かしてくれ~って思うほど。もちろん、意表をつかれるデカい音には驚きますが。ハイドンから伝わってくるサービス精神や陽気さが、ワタシの許容範囲を広げてくれたのかも。威厳をもって、格調高くなければならぬ~ マスト(must)からの脱却、成功したかな? この続きで、ロンドン・セットを聴いてみようかなと思います。

出典:YouTube Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” (Live) シュトゥットガルト放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

マルク・ミンコフスキ ルーヴル宮音楽隊(レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブル) 🤩

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 マルク・ミンコフスキ ルーヴル宮音楽隊(レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブル)2009年 Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Marc Minkowski Les Musiciens du Louvre

ミンコフスキさんの演奏は、とっても面白いと思います。ハイドンの陽気さが前面に出てきてて、こんなオチャメで良いのかしらんというところまで演奏がいっちゃってますね。リスナーが若くて初めて聴くには、断然おすすめだと思います。第2楽章を聴いていただくと、えっ! という仕掛けが用意されています。えっ、なにがあったの~ どうしたの~ ライブだからこそできる、聴衆ありきの演奏スタイルが斬新です。ハイドンを骨董品扱いしないで、普段使いの食器のようにしちゃうところに好感が持てます。新しい潮流ができつつありますね。今後にも期待できそうです。
出典:YouTube Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” マルク・ミンコフスキ – トピック Provided to YouTube by Naive

レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 🙄

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 レナード・バーンスタイン ウィーン・フィル 1984年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Leonard Bernstein Wiener Philharmoniker

バーンスタインさんのハイドンは、やっぱり重いですね。モーツァルトでも感じたのですが、ねばっこすぎて、糸引き納豆みたいに感じちゃいます。ウィーン・フィルの演奏も、ここでは分厚いカーペットのように感じられ、感触は良いのだけど、歩いたり走ったりは無理っぽいです。マリー・アントワネットが生きていた時代のように、カツラをかぶって、裾の重い衣装を引きずって歩いているような雰囲気でしょうか。そんな時代を感じたい方にはお薦めですが~ ふむ。ちょっと古色蒼然としてきた感じがします。出典:YouTube Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob.I:94 – “Surprise”  Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group 

フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1992年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Frans Brüggen Orchestra of the 18th Century

出典:YouTube Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob.I:94 – “Surprise” 18世紀オーケストラ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ニコラウス・アーノンクール コンセルトヘボウ管弦楽団

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 ニコラウス・アーノンクール コンセルトヘボウ管弦楽団 1990年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Nikolaus Harnoncourt Royal Concertgebouw Orchestra

出典:YouTube Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” ニコラウス・アーノンクール – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International

クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 😘

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1984年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Christopher Hogwood Academy of Ancient Music

ホグウッドさんの演奏は、とってもチャーミングです。第94番「驚愕」は、ザロモン・セットのうちの1つ。愛称の由来は、2楽章冒頭、主題が最弱音で繰り返したあと、ドンっと、ティンパニーを伴ってのトゥッティがあることで、不意打ちを食らわされて驚くというパフォーマンスがあるから。まあ、お馴染みのハイドンの有名曲です。

第1楽章の冒頭は、オーボエ、ファゴットの序奏です。ゆったりした主題のあと、ティンパニーを伴ってシンコペーションのリズムを刻んで、弦が颯爽と駆けていく主題が出てきます。「しぃ~みれどし ら~れどしら そぉ~・・・」ん~たたた ん~たたた というリズムが快活で、主題のフレーズは、するりと耳から抜けていってしまうが、爽やかで快活なリズムに乗せられます。

颯爽と風に乗ったかのような速さで駆け抜け、金管は少し金属っぽい音をしています。音が不安定なのか、和音部分で、何度か、ん? という音がありますが、さほどキツく感じません。弦のボーイングも柔らかいし、キチキチ感はないですね。ティンパニも、リアル感たっぷりの響きですが、強烈で怖いわけではなかったです。(内心、恐れていました)ピリオド楽器演奏と言えば、タイトで過激、聴くのに勇気がいりますが、ホグウッド盤は、大丈夫でした。ヴァイオリンは、シャカシャカ、素早い動きで、シュシュシュ~っと駆け抜けていきます。

CDカップリング:ハイドン 交響曲第96番「奇蹟」、交響曲第94番「驚愕」 出典:YouTube Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob.I:94 – “Surprise” Đồ Đồng Đỗ Dĩnh Provided to YouTube by Universal Music Group

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1982年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

出典:YouTube Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob.I:94 – “Surprise” ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

コリン・デイヴィス コンセルトヘボウ管弦楽団 😘

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 コリン・デイヴィス コンセルトヘボウ 1981年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Colin Davis Concertgebouw Orchestra

コリン・デイヴィスさんのハイドンは、1970年代の半ばから1980年代の初めに録音されているが、録音状態は、極めて良くって~ 透明感のある綺麗な音質を保っている。21世紀に入ってからも、きっと聴かれるディスクだと思う。「ザロモン・セット」、パリ・セット含んでハイドンの交響曲19曲を、フィリップスに録音したらしいが、ピリオド演奏におされてしまったのか、完結しなかったらしい。(ワタシは、全部を所有していないので、未確認ですが。)

ハイドンの驚愕は、まあ、驚くには値せず~って感じだが、演出としてはニクイよね~。コンセルトヘボウの音質の良い演奏で、キッチリした楷書体なのだが、音に余裕があるというのか、気品があるというのか。上品な響きを持っている。引き締まった音なのだが、ふわっとしてて~ ものすごい上質な質感があるのだ。弦の響きは、端正で、低音から高音までの立体感もあり、フルートも良いし、木管のフレーズは柔らかく、すーっと綺麗に絡んでいる。バランスがとっても取れてて、ティンパニーの音量も硬さも、ちょうど良い。

2楽章の驚愕は、さほど強くないけれど、短調になるところは、ちょっと凄みを効かして演奏して、ちゃんと、軽やかな木管が、側に添ってくるって感じだし、また、チャーミングなんだよなあ。メチャ可愛いフルートだ。まさに、均整のとれた体躯をしている。いわゆる、トータル美人である。 いや、美人じゃ~なく、ハイドンって、男性的な楽曲が多いと思うので、いかにも品の良い、控えめにジョークを飛ばすことのできるウィットの富んだ、爽やかな好青年の風情ってところだろうか。 いつも運動をしてて、適度に筋肉質で、心身共に健康体で、間違ってもメタボではない。綺麗な輪郭線が描かれているというか、カッチリした演奏なのだが、ホント、響きは、瑞々しく、しなやかで、柔らかめ。う~ん、嬉しい響きだよねえ。

ワタシ的には、アンタル・ドラティ盤も好きなのだが、ドラティ盤は、艶のある腰の柔らかい女性的な演奏で、C・デイヴィス盤は、カッチリした男性的な演奏という感じがする。あっ、そうそう、C・デイヴィスさんとロンドン響のCDが、ライブ盤で発売されているようである。LSO Live レーベルなので、ワタシは触手を伸ばすことはなく~ このコンセルトヘボウ盤で十分だと思っている。

カップリングは下のとおり。コンセルトヘボウとのセッションは、もう1セット2枚組BOX(95番、96番、98番、102~104番)がある。ハイドン 交響曲第93番 1981年、第99番 1975年、第100番「軍隊」1977年、ハイドン 交響曲第94番「驚愕」1981年、第97番 1980年、第101番「時計」1979年録音 出典:YouTube Haydn: Symphony in G, H.I No.94 – “Surprise” Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group

カルロ・マリア・ジュリーニ バイエルン放送交響楽団

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 カルロ・マリア・ジュリーニ バイエルン放送交響楽団 1979年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Carlo Maria Giulini Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks


CDカップリング:ハイドン交響曲第94番「驚愕」、ラヴェル「マ・メール・ロワ」ライブ 出典:YouTube Symphony No. 94 in G Major, Hob.I:94, “The Surprise” バイエルン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America

カルロス・クライバー ケルン放送交響楽団

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 カルロス・クライバー ケルン放送交響楽団 1972年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Carlos Kleiber WDR Sinfonieorchester Köln
★ YouTubeにおいて公式動画はありませんでした。CDカップリング:ハイドン交響曲第94番驚愕、ベートーヴェン交響曲第7番、ワーグナー楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、ボロディン交響曲第2番 1972年ライブ

オイゲン・ヨッフム ロンドン・フィル

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 オイゲン・ヨッフム ロンドン・フィル 1972年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Eugen Jochum London Philharmonic Orchestra

出典:YouTube Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group

アンタル・ドラティ フィルハーモニア・フンガリカ 🥰

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 アンタル・ドラティ フィルハーモニア・フンガリカ 1972年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Antal Doráti Philharmonia Hungarica

出典:YouTube Haydn: Symphony in G, H.I No. 94 フィルハーモニア・フンガリカ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

カール・リヒター ベルリン・フィル

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」 カール・リヒター ベルリン・フィル 1961年
Haydn: Symphony No. 94 in G Major, Hob. I:94 “Surprise” Karl Richter Berliner Philharmoniker

出典:YouTube Haydn: Symphony in G, H.I No. 94 – “Surprise” ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」【解説】

ハイドンの交響曲第94番「驚愕」は、1791年に作曲されています。エステルハージ侯爵の死去に伴ってロンドンへ旅立ち、2回のロンドン滞在で作曲された、いわゆる「ロンドン交響曲(ザロモン・セット)」交響曲第93番~第104番のうちの1曲です。「驚愕」というニックネームは、第2楽章冒頭の主題が最弱音にて二度繰り返し演奏された後、ティンパニを伴ったトゥッティで不意打ちを食らわせるように、強く演奏されることから。居眠りしていた聴衆を驚かして起こそうと、 ティンパニーに、一発叩かせたから~だとか。

第1楽章 ト長調 3/4拍子の序奏と6/8拍子のソナタ形式の主部からなるもの。第2主題は、シンコペーションのリズムに走句風のパッセージが乗るもの。
第2楽章 ハ長調 2/4拍子 変奏曲形式 ピアニッシモで主要主題が反復され、全合奏で驚愕音が鳴る。第2変奏はハ短調、後半はフォルテで劇的に進行。第3変奏はオーボエやフルートが活躍、第4変奏はクライマックスが築かれるもの。
第3楽章 ト長調 3/4拍子 3部形式 メヌエットの楽章だがテンポが速い楽章です。
第4楽章 ト長調 2/4拍子 ロンドソナタ形式 第2主題は軽快なリズムで、展開部は第1主題で始まり転調を繰り返す。ト短調に転じ、第2主題の再現等が行われるもの。

なんともオチャメな経緯が、ニックネームの由来ですが、ハイドンならではの明るくて爽やかな楽曲でサクサクと進みます。あまり眠くなるような楽曲ではないと思います。驚愕というなら緊急地震速報でしょうか。 これには、さすがに驚かされますが、けたたましい警告音でないと現代人は驚かないかもしれません。

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」【ディスク情報】

1972年 アンタル・ドラティ フィルハーモニア・フンガリカ Dec
1972年 ヨッフム ロンドン・フィル G
1972年 カルロス・クライバー ケルン放送交響楽団 MEMORIES
1979年 ジュリーニ バイエルン放送交響楽団 PROFIL
1981年 C・デイヴィス コンセルトヘボウ Ph
1982年 カラヤン ベルリン・フィル G
1984年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL
1985年 バーンスタイン ウィーン・フィル G
1990年 アーノンクール コンセルトヘボウ管弦楽団 TELDEC
1992年 フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ Ph
2009年 マルク・ミンコフスキ レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブル NAIVE
2009年 ノリントン シュトゥットガルト放送響 SWR

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