エルガー:エニグマ変奏曲【名盤・おすすめ】
ヴァシリー・ペトレンコ ロイヤル・リヴァプール・フィル
エルガー:エニグマ変奏曲 ヴァシリー・ペトレンコ ロイヤル・リヴァプール・フィル 2018年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Vasily Petrenko The Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
CDカップリング:エルガー エニグマ変奏曲、演奏会用序曲「南国にて」、弦楽セレナード 出典:YouTube Variations on an Original Theme, Op. 36, Enigma ワシリー・ペトレンコ – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
アンドルー・リットン ベルゲン・フィル
エルガー:エニグマ変奏曲 アンドルー・リットン ベルゲン・フィル 2013年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Andrew Litton Bergen Philharmonic Orchestra
CDカップリング:エルガー エニグマ変奏曲 2013年、ホルスト 組曲「惑星」2017年録音 出典:YouTube Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by PLATOON LTD
バリー・ワーズワース ロイヤル・フィル
エルガー:エニグマ変奏曲 バリー・ワーズワース ロイヤル・フィル 2011年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Barry Wordsworth Royal Philharmonic Orchestra
CDカップリング:エルガー序曲「コケイン」、エニグマ変奏曲、威風堂々第1番~第5番 2011年録音 出典:YouTube Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by NAXOS of America
マーク・エルダー ハレ管弦楽団
エルガー:エニグマ変奏曲 マーク・エルダー ハレ管弦楽団 2002年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Mark Elder Hallé
CDカップリング:エルガー エニグマ変奏曲、弦楽セレナード、序曲コケイン、朝の歌(作品15) 出典:YouTube Variations on an Original Theme (‘Enigma’) , Op.36 The Hallé Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 🥰
↓ エニグマ変奏曲第9曲 ニムロッド Nimrod
エルガー:エニグマ変奏曲 サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1993年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” City of Birmingham Symphony Orchestra
ラトルさんの演奏は、ぐいぐい引き込まれる要素が高く、満足度の高い演奏です。若々しくエネルギッシュで、金管のシャキシャキ感、メリハリ感があります。友人・知人たちの肖像画を書くように、音化した楽曲ですが、人物の性格の彫りや年齢からくる翳りは、さほど感じられません。しかし、ラトルさんが40歳になる前ですから、サクサクと曲を進めていくのも無理からぬことかと思います。
有名な第9曲「ニムロッド」も、スタイリッシュな演奏です。若々しく、登り調子に、活き活き演奏されています。活気があって嬉しいですよね。定年後、濡れ落ち葉になったオジチャンの姿を演奏されても困りますし~。ラトルさんの演奏は、客観的で、適度に洒脱の効いた演奏だと思いました。各変奏曲は、短いもので全曲通して32分37秒です。この曲から、友人たちのユーモアや、日々の暮らしが垣間見られるとは、う~ん、正直、ワタシは感じませんでした。
CDカップリング:1~15 エルガー エニグマ変奏曲(第1番~第15番全曲)1993年、劇音楽「グラニアとディアルミド」1993年、交響的習作「フォールスタッフ」1992年 出典:YouTube Enigma Variations, Op. 36 バーミンガム市交響楽団 トピック City of Birmingham Symphony Orchestra – Topic Provided to YouTube by Warner Classics
ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団
エルガー:エニグマ変奏曲 ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1993年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Neville Marriner Academy of St. Martin in the Fields
CDカップリング:マリナー ロンドン録音集14枚組BOX 1977年録音のコンセルトヘボウ管弦楽団とのCDもあります。出典:YouTube Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Academy of St Martin in the Fields Provided to YouTube by NAXOS of America
チャールズ・マッケラス ロイヤル・フィル
エルガー:エニグマ変奏曲 チャールズ・マッケラス ロイヤル・フィル 1992年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Charles Mackerras Royal Philharmonic Orchestra
CDカップリング:エルガー 序曲フロワッサール(作品19)、チェロ協奏曲 チェロ:ロバート・コーエン、エニグマ変奏曲 1992年録音 出典:YouTube Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group
ウィリアム・ボートン イングリッシュ・シンフォニー・オーケストラ(ESO)
エルガー:エニグマ変奏曲 ウィリアム・ボートン イングリッシュ・シンフォニー・オーケストラ(ESO) 1989年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” William Boughton English Symphony Orchestra CDカップリング:The Spirit of England, Vol. 2 ホルスト 組曲「惑星」、バレエ音楽 どこまでも馬鹿な男(作品39)、エルガー エニグマ変奏曲ほか 出典:YouTube Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” English symphony Orchestra – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises
ブライデン・トムソン ロンドン・フィル 🥰
↓ エニグマ変奏曲第9曲 ニムロッド Nimrod
エルガー:エニグマ変奏曲 ブライデン・トムソン ロンドン・フィル 1988年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Bryden Thomson London Philharmonic Orchestra
文句なしに堂々とした歌い方で、惚れ惚れとさせられる「ニムロッド」です。少し残響多めですが、密度の高い演奏で、明朗で堂々とした演奏です。エルガーの楽想にマッチして、底辺から湧き起こる雄渾な歌い方が半端ありません。頂上でのタメ感といい、降てくるところまでの間合いといい、誇らしげで自信に満ちあふれ、気品の漂った型が、しっかり身についています。実にほれぼれとさせられる演奏です。
第9変奏曲のニムロッドが、ダントツに有名で、単独で演奏されることが多いので、エニグマ変奏曲を、全曲と通して聴くことは、あまりなかったのですが、当初、変奏曲というので、テーマが提示されるものと思っていたのですが、さにあらず。種明かしをすると、近しい友人たちの人物像を音化したものなので、後世の私たちには解けない謎なのです。
エニグマ変奏曲のラスト第14曲は、パイプオルガンが入ってきて、まるで大聖堂で聴いているかのよう。儀式に参列している気分になって気持ちが高ぶりますね。聴いた後の充足感があり、スケールの大きい、あっという間の31分25分の演奏です。特に、ラストの第14変奏曲は、エルガー自身を音化したそうで、パイプオルガン付きです。呆れてしまうほど自己肯定感の強い、自意識過剰な人物のように、ワタシは思ってしまいます。
CDカップリング:エルガー バレエ音楽「真紅の扇」The Sanguine Fan(作品81)、劇音楽「グラーニアとディアーミッド」抜粋 Grania and Diarmid(作品42)ソプラノ:ジョニー・ミラー Jenny Miller、演奏会用序曲「フロワサール」Concert Overture Froissart(作品19)1991年、エルガー エニグマ変奏曲 出典:YouTube Variation 9: Nimrod London Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by NAXOS of America
ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団
エルガー:エニグマ変奏曲 ジュゼッペ・シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 1987年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Giuseppe Sinopoli Philharmonia Orchestra
CDカップリング:エルガー チェロ協奏曲 ミッシャー・マイスキー 1990年、エニグマ変奏曲 1987年、弦楽セレナーデ 1991年録音 出典:YouTube Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” フィルハーモニア管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル 😚
↓ エニグマ変奏曲第9曲 ニムロッド Nimrod
エルガー:エニグマ変奏曲 アンドレ・プレヴィン ロイヤル・フィル 1986年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” André Previn Royal Philharmonic Orchestra
プレヴィンさんの演奏は、特に第9曲の「ニムロッド」(Nimrod)が美しいですね。ちょっと速めの演奏で、さっぱりしていますが、胸が締め付けられるフレーズです。ニムロッドは、もう少しじっくり聴きたいでしょうか。ちょうど頃合いのスピードって難しいですね。CDカップリング:エルガー エニグマ変奏曲(第1番~第15番全曲)1986年、威風堂々 1985年 出典:YouTube Elgar: Variations on an Original Theme, Op.36 Royal Philharmonic Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group
コリン・デイヴィス バイエルン放送交響楽団
エルガー:エニグマ変奏曲 コリン・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 1983年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Colin Davis Bavarian Radio Symphony Orchestra
CDカップリング:エルガー エニグマ変奏曲 1983年、V・ウィリアムズ 交響曲第6番 1987年録音 出典:YouTube Variations on an Original Theme, Op. 36, “Enigma” バイエルン放送交響楽団 – トピック Provided to YouTube by NAXOS of America
レナード・バーンスタイン BBC交響楽団 👻
↓ エニグマ変奏曲第9曲 ニムロッド Nimrod
エルガー:エニグマ変奏曲 レナード・バーンスタイン BBC交響楽団 1982年
Elgar: Variations on an Original Theme, Op. 36 “Enigma” Leonard Bernstein The BBC Symphony Orchestra
バーンスタインさんの演奏は、これぞ、レニーさん(愛称)の真骨頂という演奏です。遅いテンポで、たっぷり濃厚に演奏されています。何かあったのかと思うほどの悲しみで満たされ、深々とした息の長い演奏です。ちなみに「ニムロッド」は、6分08秒というクレジットです。それは、いかにも遅すぎでしょう~とは思いますが、実際のところ、鎮魂歌のように感極まって涙なしでは聴けません。イギリスでは、戦没者を追悼するために、戦没者追悼記念碑の前で王立軍楽隊によって演奏される楽曲となっています。 このように、「ニムロッド」は、単独で演奏されたり、アンコールピースで演奏されたりします。
CDカップリング:エルガー エニグマ(謎)変奏曲、威風堂々第1番、第2番、宮廷仮面劇「インドの王冠」 Op.66 ~ムガール皇帝の行進曲 出典:YouTube Elgar: Variations On An Original Theme, Op.36 “Enigma” – 9. Nimrod BBC交響楽団 トピック BBC Symphony Orchestra – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group
エルガーのエニグマ変奏曲【解説】
エルガーのエニグマ変奏曲の正式タイトルは、「独創主題による変奏曲」(Variations on an Original Theme for Orchestra)といいます。主題と14の変奏で構成され、主題の旋律線や和声、リズム的要素から飛躍し、最終変奏は大団円を作り出します。 このうち、第9変奏曲が「ニムロッド」と呼ばれ、特に有名な楽曲です。
単独で演奏されることが多く、イギリスでは、戦没者追悼記念碑の前で戦没者を追悼するために王立軍楽隊によって必ず演奏される楽曲となっています。 特には、愛国主義、追悼といった作曲者の意図はないようですが、アメリカにおけるバーバーの「弦楽のためのアダージョ」のように、葬送や追悼の場面に使用されることが多いようです。
1898年のある日、教職活動にあぐねたエルガーが、ピアノに向かって物思いにふけっていた時、即興的な旋律の1つが妻キャロライン・アリスの注意を惹き、「気に入ったので、もう1度繰り返して弾いてほしい」と頼まれました。妻を喜ばせるために、その主題に基づいて即興的に変奏を弾き始めて、各変奏を友人たちの音楽的な肖像としたのです。そして、これを管弦楽曲に膨らませたものが、「エニグマ変奏曲」と言われています。
エルガーは、各変奏の譜面に、頭文字や愛称を記入しており、例えば、第1変奏は、”C.A.E.” というサブタイトルがついています。このアルファベットは、友人・知人の名前らしい。で、CAEさん(?)は、神秘的かつ優雅で、エルガーに創作意欲を刺激しているとのコメントつきです。種明かしをすると、自分の嫁さんなんだって。はあ~ なにそれって思いませんか。芸術家の遊び心、独特のユーモアには、つきあえきれないワタシでした。第9曲「ニムロッド」が有名です。タイトルの「エニグマ」は「謎」のこと。さて、謎は解けるかな?
エルガー エニグマ変奏曲【ディスク情報】
1982年 バーンスタイン BBC交響楽団 G
1983年 C・デイヴィス バイエルン放送交響楽団 BR
1986年 プレヴィン ロイヤル・フィル Ph
1987年 シノーポリ フィルハーモニア管弦楽団 G
1988年 ブライデン・トムソン ロンドン・フィル CHANDOS
1989年 ウィリアム・ボートン イングリッシュ・シンフォニー・オーケストラ(ESO)NIMBUS
1992年 マッケラス ロイヤル・フィル Dec
1993年 ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 CAPRICCIO
1993年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
2002年 マーク・エルダー ハレ管弦楽団 Hallé
2011年 バリー・ワーズワース ロイヤル・フィル RPO
2013年 アンドルー・リットン ベルゲン・フィル BIS
2018年 ヴァシリー・ペトレンコ ロイヤル・リヴァプール・フィル ONYX
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