ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」【YouTube】
パーヴォ・ヤルヴィ ドイツカンマー・フィル
パーヴォ・ヤルヴィ ドイツカンマー・フィル(ブレーメン・ドイツ室内フィル)第1楽章のみ13分08秒の動画です。出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6, 1st movement | Paavo Järvi & the Deutsche Kammerphilharmonie Bremen DW Classical Music
アリアーヌ・マティアク hr交響楽団
アリアーヌ・マティアク hr交響楽団(フランクフルト放送響)2021年10月1日コンサートの模様です。46分26秒の動画です。出典:YouTube Beethoven: 6. Sinfonie (»Pastorale«) ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Ariane Matiakh hr-Sinfonieorchester – Frankfurt Radio Symphony
ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」は、5つの楽章から構成されており、各楽章は自然の情景を描いています。特に、木管楽器は、自然の音や情景を表現するために、重要な役割を果たしています。例えば、第1楽章では、オーボエの柔らかい音色で始まり、次第に他の楽器が加わり、明るい雰囲気に包まれます。第2楽章では、フルートと弦楽器が小川のせせらぎを、木管楽器が鳥のさえずりを表現しています。第3楽章では、オーケストラ全体が、活気あふれる音楽を奏でます。そして、第4楽章から第5楽章では、激しい雷雨と雨が過ぎ去った後の安らぎと平和な情景を描いています。木管楽器は、平和な雰囲気を表現するために、重要な役割を果たしているので、注目?して聴いてみてください。
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」【名盤・おすすめ】
ベルナルト・ハイティンク ロンドン交響楽団 😉
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ベルナルト・ハイティンク ロンドン交響楽団 2005年
Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” Bernard Haitink London Symphony Orchestra
ハイティンクさんのロンドン響とのライブで、硬派の演奏です。ガッチリしたフレージングで、ティンパニの入りも大きくキビキビしています。このティンパニーは、ものすごく近いですね。幾分、速めで走って行きます。そんなに速く田舎に帰りたいのかしら。表情としては穏やかそのものですが、熱い演奏で、テンポよく走り、いっきに三楽章に到達した感じがします。嵐の場面では、ティンパニが近いため、よりリアル感が増しており、遠くから雷鳴が~と言っている余裕がありません。いきなり雨が降り出す豪雨のよう。
総体的に、木管が良く聞え、木管の色彩が添えられることで、タイトな弦とのバランスを図っている気がします。最終楽章は、幾分控えめな表現ですが、胸いっぱいに深呼吸して喜びを味わえます。じわっときます。CDカップリング:ベートーヴェン交響曲全集6枚組BOX 2005年録音:2番3番6番7番、レオノーレ第2番、トリプルコンチェルト、2006年録音:1番、4番、5番、8番、9番 出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” ベルナルト・ハイティンク – トピック Provided to YouTube by PIAS
サイモン・ラトル ウィーン・フィル 🙂
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 サイモン・ラトル ウィーン・フィル 1999年
Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” Simon Rattle Wiener Philharmoniker
ラトルさんの演奏は、ウィーン・フィルの美音を楽しむことができます。あまりの軽やかさに驚きますが、これも田園なら、ありかなと思います。都会で仕事に疲れてしまったカラダも、心も、癒して欲しいという感じで、さらっと始まります。都会の生活に疲れた人が田舎に戻りたい~ 田舎に帰ってきたと、ほっとしている雰囲気が感じられます。
特に、第1楽章は、ベートーヴェンの巧い導入部分で、さ~っと風に乗っている感じがします。低弦がゴロゴロ言いません。昔の演奏と聴き比べると、いかつい様相ではなく、肩の力が抜けて、ふわっ浮遊感のある演奏です。物質や情報の多い世界から、抜け出して身軽になりたいと言っているかのようで、ラトルさんの演奏を聴くと、風の時代を予見しているように感じます。ピリオド時代の硬くて、ぶっきらぼうとも感じるフレーズから解き放たれ、弦の柔らかさ、優美さが戻ってきたようにも思いますし、直線でも、放物線でもない、柔軟で緩やかな低反発タッチの曲線で描かれているような演奏です。
CDカップリング:ベートーヴェン交響曲全集5枚組BOX 2002年 出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” Simon Rattle Provided to YouTube by Warner Classics
ヨス・ファン・インマゼール アニマ・エテルナ 😴
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ヨス・ファン・インマゼール アニマ・エテルナ 1999年
Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” Jos van Immerseel Anima Eterna
アニマ・エテルナの演奏は、古楽器演奏のベートーヴェンとしては、わりと後発組だったのではないでしょうか。速いテンポで、さーっと駆け抜けていきます。ワタシが、この演奏を初めて聴いたのは、21世紀になってから。インマゼールさんの演奏に馴染めず、お蔵入りになってしまいました。田園といえば、のびやかな曲です。
休日に仕事で疲れたカラダと、心を癒やしたいと思って聴くのに、仕事の延長線のようにせわしない演奏は、ちょっと~。「田舎に到着したときの晴れやかな気分」は、慌ただしく、タッチアンドゴー、まるで日帰り旅行なみにせわしないものです。音は広がらず伸びず、期待のフルートも、まろやかに溶け込みません。楽器の響きは直線的です。
第4楽章「雷雨、嵐」は、意外と馬力があり、ティンパニの怪しげな音、金管のはじけた吹き方が楽しめました。このティンパニは、余韻が少なく、すっぽり穴が開いている感じがします。間合いの美しさには皆無で、虫歯がぽろっと抜けたみたいに音がありません。音が割れたり濁りったり、モダン楽器と違ったリスクがありますね。淡泊な演奏で、ビオラやチェロなどの中音域の響きがあってこその田園なのに、芳醇な響きは弦の厚みによるものだと、今更ながらに気づきました。学究肌の強いこだわりの強い演奏だと思います。
CDカップリング:交響曲全集6枚組BOX 交響曲第1番~9番、プロメテウスの創造物、アテネの廃墟、コリオラン、エグモント、献堂式の各序曲が収録されています。他に5番、6番の1999年東京ライブがあります。出典:YouTube Beethoven Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” アニマ・エテルナ – トピック Provided to YouTube by IDOL
ダニエル・バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン 😑
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ダニエル・バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン 1999年
Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” Daniel Barenboim Sächsische Staatskapelle Berlin
バレンボイムさんの演奏は、テンポは遅めで、バランスの良い響きになっています。しかし、淡々と演奏されて、田舎に帰省した愉快な気分という感情面では、うーん。どうでしょう。嫁さんの実家に来た旦那みたいな~ または、単身赴任で地方に飛ばされちゃった営業所所長が、ポツンっと駅に降り立ったって感じで、なんだか寂しそうな演奏です。
第2楽章の「小川のほとりの情景」では、裾野の広い平野部を俯瞰しているかのようです。木管の響きが綺麗で、室内楽的な優しさを感じます。この楽章は、意外と掘り出しもの発見という感じでした。第3楽章は、木管が活躍する楽章ですが、まどろっこしほどに均一化されています。
「雷雨と嵐」に入ると、どどおっ~と激しく重厚さを帯びてきます。雷鳴がごろごろ鳴っていても、慌て騒がず落ち着き払っているので、面白みには欠けるかもしれません。心理的な描写やエネルギーの放出に鋭さが見えず、緊張感が走りません、ピッコロは強烈ですが、ティンパニが、あまりリアルではなかったので、ちょっと微妙です。ホルンに開放感が感じられず、シアワセ感が漂ってくれない田園でした。
CDカップリング:交響曲全集6枚組BOX 出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” Daniel Barenboim Provided to YouTube by Warner Classics
ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 😘
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 1992年
Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” Günter Wand NDR Sinfonieorchester Hamburg
★ ライブ映像です。NDR Klassik 1994年 Schleswig-Holstein Musik Festival を掲載します。
ワタシが所有しているCDは、ヴァントさんと北ドイツ放送響の演奏です。1992年10月11日、12日ライブ盤です。Profil レーベルから92年と94年が発売されています。弦の響きの美しい演奏で、穏やかで聴きやすく、都会から田舎に遊びに来たような感覚です。
夏休み、おばあちゃんちに遊びに行った光景が広がり、裸足で草っぱらを歩いているようなワクワク感があります。第2楽章に入ると、心地良い内声部が聞こえてきます。全体の調和感を重視した、オケにまかせた演奏というか、厳格すぎて近寄りがたいイメージはありません。
第4楽章は、嵐のシーンに突入しますが、ガツンと一発かまされた激しいものではなく、第5楽章は、ようやく悪天候が過ぎましたね~という、ほっとした感じがします。経験値を得た人の持つ余裕が感じられます。ヴァントさん晩年の演奏なので、余裕があって当然かもしれませんが。こなれた人生観が、音になって響くようです。80年代のヴァントさんの演奏を聴いた時には、カクカクした感じでしたが、穏やかな雰囲気が漂う田園でした。
出典:YouTube Beethoven: Sinfonie Nr. 6 mit Günter Wand | NDR Elbphilharmonie Orchester
ジョン・エリオット・ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」
ジョン・エリオット・ガーディナー オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック 1992年
Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale” John Eliot Gardiner Orchestre Révolutionnaire et Romantique
出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” ジョン・エリオット・ガーディナー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
コリン・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン 🙄
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 コリン・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン 1992年 Beethoven: Symphony No.6 in F Major, Op.68,”Pastorale” Colin Davis Sächsische Staatskapelle Dresden
C・デイヴィスさんの演奏は、そろ~っと、柔らかくデリケートで控えめです。しかし、リズムの刻みが少し強めかもしれません。ピリオドの古楽器の演奏かと思うほど、古色蒼然とした響きです。主旋律が控えめで奥ゆかしく、木管の響きもあまり前に出てきません。やっぱり第2楽章においても素朴です。フレーズの膨らみ感が少なめ。
第3楽章 「田舎の人々の楽しい集い」は、活気がないと困ってしまいます。あのぉ~ お元気がないようですが。リフレッシュしてくださいね~と、慰めの言葉をおかけしたくなります。第4楽章の「雷雨、嵐」の場面は、重厚感はあるのですが、少し硬いですねえ。弦の内声部がよく聞こえてくるので、新たな発見もあるのですが、それが内包されて、全体的に響き渡るというところまでは、元気がないように思えました。
質実剛健と言えば良いのかなあ。フレージングが硬いので ふわ~っと広がらないかもしれません。中音域は良く聞こえるのでそこが救いです。出典:YouTube Beethoven: Symphony No.6 in F, Op.68 -“Pastoral” シュターツカペレ・ドレスデン – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ヴォルフガング・サヴァリッシュ コンセルトヘボウ管弦楽団
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ヴォルフガング・サヴァリッシュ コンセルトヘボウ 1993年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Wolfgang Sawallisch Royal Concertgebouw Orchestra
録音状態は極めて良い。瑞々しく、ふくよかで、バランスが良い。噛みしめるように聴きたい演奏。交響曲全集5枚組BOX ブリリアントからも廉価版で発売されている。出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” Concertgebouworkest Provided to YouTube by Warner Classics
フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 😤
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 フランス・ブリュッヘン 18世紀オーケストラ 1990年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Frans Brüggen Orkest van de Achttiende Eeuw (Orchestra of the 18th Century)
ブリュッヘンさんの演奏は、今更ながらに、なんだか層の薄いベートーヴェンの演奏で、聴いているうちに憤りを感じちゃうことに~。こんな速い田園は、焦燥感を感じてしまいます。古楽器演奏 ピリオド演奏は、やっぱりワタシには合ってないと改めて認識しちゃうことに。失われた××年と、経済が疲弊したことを称しますが、それに似た気分に。
ベートーヴェン交響曲全集5枚組BOX1984年~92年旧録で古楽器での演奏です。プロメテウスの創造物(全曲版)やヴァイオリン協奏曲も含めて旧録が7枚組BOXでも出ているし、2011年の新しい全集もあります。出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F, Op. 68 -“Pastoral” 18世紀オーケストラ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 😊
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1988年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Georg Solti Chicago Symphony Orchestra
ショルティさんの三回目の全集録音です。旧録のアナログ盤も所有していますが、アプローチにあまり大差ないように感じます。より一層、風格があがり、構築性に主眼が置かれているかもしれません。柔らかく瑞々しい演奏が好ましいのですが、あっさりしており、木管の瑞々しさイマイチかも。ちょっと全体に硬いでしょうか。中・低音の響きには、適度な硬さがあるのですが、カッコウが色艶の少ない速めの鳴き方です。贅沢な感想なのですが。
第3楽章は、快感でノリノリ。木管とホルンが推進力を感じさせます。特に、ホルンが小気味良く弾み、合いの手を入れるクラリネット巧くて楽しいです。リズムの楽しさが満喫でできます。さらに金管が活き活き。前楽章とはうってかわって、生き返った弾み具合です。
第4楽章の「雷雨、嵐」は、ん~ チャランっ。ん~ タランっと、切れ味抜群で爆発的です。速めで、金管の鳴りっぷりの良さと、ティンパニの存在が大きいですね。硬く締まった感じです。冷たい冬の稲妻ではなく、梅雨明けのような生温かい空気感を感じます。第5楽章は、ホルン共に歌ってくれたら嬉しいのですが、あまり歌いません。
CDカップリング:ショルティさんのベートーヴェン交響曲全集は、1958年~59年ウィーン・フィル、72年~74年シカゴ響、87年~88年シカゴ響とあり、この演奏は三回目の全集BOXです。出典:YouTube Beethoven: Symphony No.6 in F Major, Op.68 -“Pastoral” シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 🥰
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 リッカルド・ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 1987年
Beethoven: Symphony No.6 “Pastoral” Riccardo Muti Philadelphia Orchestra
ムーティンさんの演奏は、さらっとスマート、流麗な演奏です。田舎クサイ演奏ではなく、都会のオアシスのような芝生のような感じで、爽快さが感じられます。音の響きがとても美しく、ゴリゴリした感じがありません。弦の旋律が、とてもなめらかで、クリーミー、上質なソフトクリームでも食べている感触でしょうか。
もともと明朗で、すっきりした親しみやすい旋律が続くのですが、木管がアクセントになっており、優美さを醸し出しています。極上のシルキーな響きなので、同じ主題が繰り返し奏でられても、飽きがくるどころか、耳のご馳走だと叫びたくなってしまいます。
第2楽章においても、すきっとした空気感があり、また、霧に包まれたような雰囲気もします。チェロとコントラバスの流れが、小川のせせらぎを奏していますが、そこにうっすら霧が立ちのぼり、柔らかく包まれます。マイナスイオンの発生源って感じでしょうか。しだいに霧が晴れ、ヴァイオリンのトリルが、小鳥のさえずりとして、穏やかに牧歌的に聞こえてきます。朝の高原の風景が広がってくる感じでしょうか。避暑地での贅沢な時間です。
第5楽章においても、ゆったり~ 特に、中音域から下、低弦の響きが適度な厚みがあり、よく響いています。チェロの美しい響きと、ホルンの柔らかさ。柔らかく転調して、異なった色彩を放っていきます。洗練された音で綴られ、次々に展開していくのを、存分に楽しんでください。
CDカップリング:ベートーヴェン交響曲全集6枚組BOX 交響曲第1番85年、3番86年、2番86年、4番85年、5番85年、6番87年、7番88年、8番86年、9番1988年録音 レオノーレ第3番88年、フィデリオ序曲85年、献堂式序曲、ピアノ協奏曲第3番 リヒテル 1985年録音 出典:YouTube Beethoven Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral”
リッカルド・ムーティ – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 🥰
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 クリストファー・ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 1987年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Christopher Hogwood Academy of Ancient Music
録音状態は良い。 こんな田園があったなんて~と驚かされつつ、シアワセ感に包まれた演奏で、うるうる~となってしまった演奏。精緻であり、暖かく、リズム感あり。1楽章「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」ホグウッドさんの田園は、メチャクチャ快速版である。まあ、速い 速いっ。でも、なーんか、すわーっと風の通る田園風景が見えてくるようで、爽やかなのだ。1楽章 「田舎に到着したときの晴れやかな気分」の冒頭こそ、ふぁっ~と出てくるが、スキップするかのような感じだし、長音の部分にアクセントをつけて、ぐいっと伸ばして気持ちを乗せてくる。
で、木管が出てきた途端、快速になってきて加速する。この木管のフレーズは、古楽器ならではなのテンポなんだと思うが、すわっと乗せられて煙に巻かれてしまう。休日に、ゆったりと田園でも聴こうかなぁ~っとのんびりしたい時に、このCDを聴いてしまうと、ちょっとヤバイかもしれない。だって、仕事でめまぐるしく働いている延長線上のような感じなんだもん。
辺りを見渡して、リラックスする暇は与えてくれない。ハイ、動き回って頂戴よぉ~っという感じで、相当にせわしい。超快速で、のんびりしてられないっ。きゃーっ、パッパラパッパっ パッパラパッパっ・・・と進んでいく。馬に乗ってて振り落とされないかと心配しつつ、冷や汗をかいて乗っているかのようで、あまり落ち着かない。相当に駆け足なのである。この場面って、田舎に到着したばかりじゃーないの?
えっ まだ休憩している場合じゃないって? 目的地は、まだまだ着いていません。だから先を急ぎます。って感じで、ムチを入れられている感じで駆けぬけていくのだ。しかし、でも、ハハハ~ これも有りかな。と思ってしまうぐらいの、爽快さはあるかなと思う。ああ 参った参った。こりゃ、参ったデスね。笑けてしまうぐらいの速さで演奏されているが、不思議なことに嫌みは感じない。むしろ気持ちが良い。
音質が良いのと、柔らかく、まろやかさも持ち合わせている。それに、総体的に響きが柔らかく、膨らみ感があり、こりゃ相当に膨らませているだろうっという面も垣間見られるけれど、フレージングには、ギスギスした感がない。これなら、古楽器だからと構えて聴く必要もないし、違和感も感じないかも。低音のゴリゴリ感が欲しい方には、モノ足らないかもしれませんが~ 結構、こりこりっと芯があって文句はない。
で、ホントのところ、既に、弦の弾むようなテンポの良さに乗せられてます。確かに、木管の響きには、現在のモダン楽器とは音色が違うけれど、いや~良いですねえ。今頃、何を寝ぼけたことを言っているんだ・・・と、みなさんに言われかねないけれど、ハハハ、ようやく目覚めましたかねえ。古楽器に対するトラウマが無くなってきたかもしれません。まあ、これは、ワタシ的な個人感想ですが。木管の質感も、弦の響きも、メチャクチャ優美で綺麗ですねえ。 超快速演奏ですが、牧歌的であり、キチンと、まろやかさと優美さのあるアンサンブルを、これは見事に聴かせてくれます。
2楽章「小川のほとりの情景」
1楽章は、演奏のテンポの速さには驚かされてしまうが、2楽章は、テンポがぐっと落ちて穏やかそのもの。チェロの揺らめく、さらさらした音色のうえに、ヴァイオリンのフレーズが乗ってきて透明度の高さと、清々しい清潔感あふれる音色で、心まで満たされてくる。で、木管の楽器を引き継いで、ますます豊かに膨らんでいく。フルートの可愛く乗ってくる音色が、ホント綺麗で、いや~ この木管は、どんな楽器なんだろ。と見たくなってしまった。
ホント、すごく綺麗なアンサンブルで、ヴァイオリンの音色も透き通る感じがするし、小川とほとりの~という以上に清楚感で、まろやかを持ちつつ、す~っと晴れてくるし、心のなかも、ほんのりと優しい陽射しが射し込んでくるような感じがする。木管が特に美しく響き思わず、うるっときちゃった。これは泣ける。
3楽章「田舎の人々の楽しい集い」
これまた、快速バージョンになっているのだが、とにかく驚いたのは、ホルン。このテンポについていってるぅ~ えっ こんなすごく速いのに、ついていけるのかぁ~ 絶句。楽器の受け渡しも心地良すぎて、ほれぼれ~ テンポも良くって、伸びやかな音が響くし、繰り返しがあることが嬉しくなってしまうほど、牧歌的なホルンの音色が、最後に広がって。う~ん 満足っ。テンポの速さはもはやどうでも良くなってて、ノリ感のある、すごく弾む良い演奏となっている。もうこの楽章だけでも拍手状態だ。
4楽章「雷雨、嵐」
は、3楽章から続けて演奏される。ティンパニーの音が、ゴロゴロゴロ~っと鳴ってくる場面でも、なかなかに迫力あります。もちろん、フルオケのド迫力には及ばないけれど、どっふぁっ! どっそっ!と、キレが抜群にあるし、硬めの音と閃光のような金管が入ってきて、なかなかにリアル感あり。
トロンボーンの響きとかも、まったく違和感なく大きく響いているし~ ピッコロのような音も入ってきて、描写能力も相当に高いです。この楽章はちょっぴり心配していたのだけど、モダン楽器と遜色ないですね。むしろ、丁寧に描かれてて、すごく精緻な一幅の絵を拝見しているような感じだ。それに、機能的っていうのか、鋭さも持ってて音が広がっていくし、思わず引きこまれてしまった。なんて言うか~ 絹糸の細い糸が、目を詰んで編み込まれたようなモノで、光沢もあるし、1つ1つの強くて輝いた音が、詰まっているモノを提示さているような感じで、美しいと感じる。
5楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」
この後に響く、5楽章のホルンの音色が、鳥肌が立つような感じで、思わず、うるうる~としてしまった。雨上がりの清々しさというより、宗教音楽な響きのように感じちゃいます。ワタシのような凡人でも、相当にイメージも膨らむし、シアワセ感に満たされて~ ホント、宗教観あふれるような音楽に仕上がってて、ハイ、こりゃ満足度高いです。相当に良いと思う。 古楽器というだけで避けてきたワタシは、アホでした。
CDカップリング:ベートーヴェン 交響曲第6番、序曲「コリオラン」、「エグモント」序曲 出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” クリストファー・ホグウッド – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ベルナルト・ハイティンク コンセルトヘボウ管弦楽団 😘
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ベルナルト・ハイティンク コンセルトヘボウ 1986年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Bernard Haitink Royal Concertgebouw Orchestra
ハイティンクさんの振ったベートーヴェンの交響曲全集のうち、この盤は2度目のもの。80年代後半の1985年~87年に演奏されたアムステルダム・コンセルトヘボウ(現:ロイヤル・コンセルトヘボウ)との演奏である。メディアが、LPからCDに変わる過渡期だったと思うのだけど、若い時に聴いたときは、あまりインパクトがなかった。
ハイティンクさんって、今や、最後の巨匠的存在なのだけど、なぜか人気の薄い方で、全集好きだとか、中庸って、ひとことで片付けられてしまいがちな指揮者だった。でも、今聴くと、結構、完成度が高いと思う。なんで、このCDを、もっと聞き込まなかったのかなって思う。まっ もっとも、ベートーヴェンの曲を、あまり聴いてこなかったんだけど、若い頃は、どーもねえ。後期ロマン派とか、劇的、動的な楽曲の方が、聴いてて楽しかったもので、とんとベートーヴェンってご縁がなかったのである。
1楽章 「田舎に到着したときの晴れやかな気分」 ご存知、有名な冒頭は、均整が取れて、整いすぎるほどで、硬すぎず柔らかすぎず、弾力性もあって、浮かれすぎず~ 何とも言えない頃合い感があるんです。テンポは、きっちり丁寧型。 最近の録音からすると、ちょっと、ゆったりめ。変にテレテレしてないし、音質は、木質的で田園風景にマッチしてるんですね。
渋くて、くすみがちだけど、オケの音質に依るところが大だとは思うけど~弦と木管類のバランスが良いなあと思う。トータルで聞きやすく、まとまり感があるっていうか。まあ やっぱりひとことで言うと、中庸感なんでしょうけど。 起伏の少ない、ほっこりした、丸みを感じさせるのだけど、結構、剛毅だし。なんか微妙なバランスの良さがあって。これには、参りました。
ウキウキしたような愉快な気分じゃなくって、ちょっと高台に立って、ほぉ~っと、広いねぇ~と、風景を俯瞰しているような、ゆったりした気分を醸し出してくるような、おおらかさがあります。じわじわ熱くなる感じ。音を重ね、フレーズを繰り返していくうちに、じわじわ~。
それに、木管の音質が、広がりを感させ、豊かに、まろやかに、そして清々しく聞こえてくる。音の幅は豊かで、太めなのだが、フレージングに一種の硬さがあって、清々しさを感じるのだ。シャープな細めの清々しさとは違うのである。セカセカしてない。内面から、じんわり~と喜びを感じさせてくれる演奏だ。熟成度、仕込んであるな~という年輪みたいなモノが感じられる。それに、これは田園風景というよりは、牧草地の丘陵地帯の風景に近い。
最近の演奏って、ちょっと細身で、都会的で、速めなのだが~ 豊かな音質で、懐が深く、ちょっぴり剛毅で、渋い大人の演奏って感じだ。 聴き手は、どちらかというと、中年から初老向きかもしれない。ワタシ的には、若い時には、さーっぱり良さが解らなかった。若い時は、変わり種が好きだったり~刺激的な盤の方が好きだったし。 ふぅ~んと、聞き流していたかもしれない。(年を重ねると、しんみり~ じわじわ~感が良くらしい。笑)
2楽章 「小川のほとりの情景」 素朴で、なんの飾りも無いけど、はあ~ 聴けば聴くほど、やっぱ、スルメかなあ。タイトルどおり、情景が目に浮かぶし、なんとも、のびやかで深みがあって、テンポは、ゆったりしつつ、川の流れのように、流麗で、膨らみがあって。なんだか、カンペキ~って思ってしまった。木管の巧いこと。弦とのバランスが、メチャ巧い。このハイティンク盤を聴いてしまうと、他が聴けないよぉ~。
3楽章 「田舎の人々の楽しい集い」 立体的に聞こえるというか、奥行きがタップリ感じられて、とても不思議な音の広がりを感じる。まるで、丸く円を描いてひとが集まっているような~ ゆったりめのリズム感ではあるけど、リズムを刻む弦の響きが、硬めで深い。そのくせ、木管、ホルンなどが、柔らかく乗ってくるし~ なんていうか、外パリパリ 中ふんわり~という感じの、食感を楽しんでいるみたいな気分。
4楽章 「雷雨、嵐」
3楽章から続けて演奏されるけど、迫力あります。ティンパニーの音が、目の前で叩かれているような、(これも、そんなこと有り得ないんだけど)硬めで、刻んでいくところが、結構、深く厳しい。まっ 他盤のような、ごっつ~ げっ。恐っ。というほど、極端でもないし、過剰演出でもないし、雷に打たれるような激した感じでもない。でも、この盤としては、雷部分は、結構厳しいです。普段、穏やかな人が、声を荒げたって感じ。総体的にまろやかなので、おおっ。と驚かされるワケ。(こういう一面もあるのね~)
5楽章 「牧人の歌~嵐の後の喜ばしく感謝に満ちた気分~」
2楽章と共に真骨頂だと思う。豊かで、伸びやか、敬虔さがあって懐深いです。ホルンも巧いし、弦の清潔さ、清々しさ。雨上がりの瑞々しい感じが絶品。で、チェロの渋い音色にも、ころり~っと、やられました。総体的には、衒いのない演奏ですけど、伝統芸術みたいなモノを感じさせるような、正調、正統という言葉まで浮かんできちゃうほど。
特段に、格調高いってワケでもないんですけどねえ。なんでしょ。じわじわ~ やられちゃうというか、ぱっと見た目は、格好良いワケじゃないんだけど、声の良い人に、くどかれちゃって、ころりとやられましたって感じかしらん。 いずれにしても、イケメン風でも、草食系でもない。昔風に言うと、ロマンスグレーの渋いおじさま風。もっと言葉で表現したいんですけど~ なかなか巧く言えません。語彙が足らないです。
出典:YouTube Beethoven: Symphony No.6 in F, Op.68 -“Pastoral” Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group
ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 😊
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」 ギュンター・ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 1986年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Günter Wand Hamburg North German Radio Symphony Orchestra
第1楽章
内声部が強調された演奏で見通しが良いです。テンポが、きっちり刻まれ、フルートの主題が演奏されているなか、中低音が、パンパンパンパンと通奏低音のように響きます。昭和時代の縁側のあるような家、ちょっと高台から見渡す田舎の風景のようなイメージです。まるで、小津安二郎監督の東京物語に出ている笠智衆さんが喋っている台詞のよう~ キチンと襟元を正し、畳の部屋で正座して聴いた方が良いかと思われるような演奏なんです。
近寄りがたそうな気がするのですが、聴いているうちに、じわじわ~沁みてくる感じです。各楽器が、みごとにブレンドされた~というのではなく、木管のフレーズが異様に浮き上がっているような気がします。流麗で風通しのよい、緑豊かな田園風景をイメージしているとちょっと違うようで、視点があちらこちらに移動します。
第2楽章
ゆったり演奏されていますが、各楽器が進行に従って、それぞれ浮かんでくる演奏です。普段、耳にしている響きとは異なり、ヴァイオリンの音と木管が絡んでブレンドされた響きではなく、内声部をクローズアップした演奏です。録音のせいだけではなく、響きの構成が分解されているような気がします。
第3楽章 前楽章と同じく器楽曲ですという感じです。歯切れの良い演奏で、ホルンもコントラバスも、かっちり弾かれています。佇まいのキッチリした演奏ですね。第4楽章の雷シーンは、テンポをあげて全奏しており、乾いたゴツい音が、イッパイにひろがって勢いがあります。ごごごぉ~というティンパニーと大太鼓の音、金管の強くて歯切れの良い音に、おおっ!
第5楽章
もっと晴れやかに~ 喜びをもっともっと大きく表現して欲しいところですが、きっちりとした演奏でカクカクとした楷書体で描かれていきます。ヴァントさんだから、この演奏ですよね。きっちり襟を正して~の方なので、羽目を外した喜びの表現はしないですね。各楽器の音、音型なんかはクッキリ明瞭で、フレーズが、それぞれむき出しになって提示されている感があります。う~ん、これだけ分解しちゃって違和感がないのが不思議な気もしますが、まあ、分解しても、復元できるんだから、たいしたモノなのでしょう。誰かのように分解するだけ分解しちゃって、元に戻らないってことにはならない~ ヴァントさんに限ってはありえないことなんだと思います。
CDカップリング:ベートーヴェン交響曲全集Ⅱ 4番~6番2枚組BOX 第4番1988年、第5番1987年、第6番1986年、序曲レオノーレ第3番1990年 全集は5枚組BOX。第6番の田園は1992年10月ライブ盤(北ドイツ放送響)もあります。出典:YouTube Symphony No. 6 in F major, Op. 68, “Pastoral” ギュンター・ヴァント – トピック Provided to YouTube by RCA Red Seal
クラウディオ・アバド ウィーン・フィル 😅
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 クラウディオ・アバド ウィーン・フィル 1986年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Claudio Abbado Wiener Philharmoniker
アバドさんの演奏は、ウィーン・フィルのなめらかで、柔らかく穏やかに過ぎるぐらいの田園です。やや遅めのテンポで、息の長いふわ~っとした高音域の響きが広がっていきます。低弦の響きが少なく、硬さが少ないもので、全体的にソフトフォーカスされたかのような響きを持っています。
てれっとした美音は、6番だと許せてしまう感じがしますが、しかし、これでは歯ごたえがありません。最初のひとくちは大吟醸を飲みたい~のですが、さすがに最初から最後までこれでは飽きてしまいます。美音で彩られた演奏であることには間違いないのですが、なんとも贅沢な悩みです。CDカップリング:ベートーヴェン カンタータ「海上の凪と成功した航海」、交響曲第6番「田園」、合唱幻想曲 ピアノ:ポリーニ 出典:YouTube Beethoven: Symphony No.6 in F, Op.68 -“Pastoral” Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
オトマール・スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 🤗
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 オトマール・スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン 1980年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Otmar Suitner Sächsische Staatskapelle Berlin
カペレは二つあって、ドレスデンとベルリン どちらも縁の深いスウィトナーさんだと思います。幾分、硬質的かな~というのが違いだったかも。で、いつ聴いても安心感があります。素朴で滋味なんだけど、田舎でおばあちゃんの手作り味噌汁を味わっている感じです。出典:YouTube Symphony No. 6 In F Major, Op. 68 “Pastorale” オトマール・スウィトナー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
オイゲン・ヨッフム ロンドン交響楽団 🙂
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 オイゲン・ヨッフム ロンドン交響楽団 1977年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Eugen Jochum London Symphony Orchestra
ヨッフムさんの演奏は、ゆったり~ どこまでもゆったり、先を急ぎません。つい睡魔に襲われてしまうのですが、リラクゼーションとしては最適。えっ、そんな聴き方ではダメだろうとは思うのですが。心地よさはあらがえません。
ヨッフムさんのベートーヴェン交響曲全集は、1952年~61年 ベルリン・フィル バイエルン放送響 グラモフォン、1967年~69年 コンセルトヘボウ フィリップス、1976年~79年 ロンドン響 EMI 少なくとも三種類があったと思います。
ヘルベルト・ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 😘
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」ヘルベルト・ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン 1977年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Herbert Blomstedt Sächsische Staatskapelle Dresden
ブロムシュテットさんの演奏は、優しく愛が詰まっている感じで、とても自然体です。聴いていると、自然に素直に受け止めて、じわじわーっと自分のなかに落とし込められる感じがします。カラヤンさんが雲の上のエリート上司だとしたら。ブロムシュテットさんは、身近な存在で、さりげなくアドバイスしてくれる上司かな~ 聴き疲れせず、時間はかかるけど、満ちてくる気がします。
出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 ‘Pastoral’ シュターツカペレ・ドレスデン – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media GmbH ブリリアント(Brilliant Classics)レーベルから発売されている5枚組BOX 原盤は、Brilliant Classicsです。
ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 🙂
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1976年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker
カラヤンさんの演奏は、機能美に優れたフォルムを持っています。スマートな流線系が一番よって感じです。機動力抜群、経済効果抜群、コスパ優先という企業体のような演奏です。まあ、そういう時代だったのかもしれませんが、それはそれとして、目標がしっかり定まった演奏という感じかなあ~ どうだ、聴いてみろっ!と言われている感じですが、ある意味、納得させられちゃいます。美意識の一つの提言として聴くと良いかもですね。出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1974年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Georg Solti Chicago Symphony Orchestra
出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 -“Pastoral” シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
クルト・マズア ゲヴァントハウス管弦楽団
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 クルト・マズア ゲヴァントハウス管弦楽団 1973年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Kurt Masur Gewandhaus Orchester Leipzig
出典:YouTube 交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68「田園」 クルト・マズア 指揮、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp.
ルドルフ・ケンペ ミュンヘン・フィル 🙂
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ルドルフ・ケンペ ミュンヘン・フィル 1972年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Rudolf Kempe Münchner Philharmoniker
ケンペさんの演奏は、一直線という感じがしますが、この田園では肩の力が抜けて、頃合いの構築性になるようです。しなやかさもあったんだ~と改めて感じます。ワタシが所有しているCDは、EMIが廃盤になっていたので、「Disky」より出ていた6枚組全集BOXでした。出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” ルドルフ・ケンペ – トピックProvided to YouTube by Warner Classics
カール・ベーム ウィーン・フィル 🥰
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 カール・ベーム ウィーン・フィル 1971年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Karl Böhm Wiener Philharmoniker
ベームさんの田園は、艶っぽく、まろやかにブレンドされた香りが立ってきます。いやー 古い演奏だとスルーするのではなく、誇らしげなステータスの高い演奏を聴いてみるのも良い経験、一興です。時短やお手軽、冷凍食品に馴れて、それが日常常態化していたら、ずーっと味わえないグレードの高い演奏かもしれません。出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
フランツ・コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 😘
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 フランツ・コンヴィチュニー ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1959年 Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Franz Konwitschny Gewandhausorchester Leipzig (Leipzig Gewandhaus Orchestra)
1楽章はリズミカル、3楽章以降は、とても恐くて熱い演奏です。ステレオ盤だし、メチャメチャ古めかしいわけでもなく、結構聴ます。最初に聴いた時には、へえ~ ベートーヴェンだと、古い録音でも聴けるんだな~と思ったこと。古色蒼然としているのかと思いこんでいたのですが、質実剛健で揺るぎのない、素朴な愚直さが感じられます。それが、また好ましく聞こえるので不思議。録音状態は、かなり古い演奏なのだが、リマスタリングされ、1959年とは思えないほど良い。ちょっと厳格なので肩が凝っちゃうかもしれません。
音質も、ホント渋いというか、擦れた風合いがなんとも言えないですけど、なんか~渋い抹茶を頂いたような感じで。まあ。たまには良いんですけど。ここまでの風合いには、ワタシ的には、まだ至らず。それに、総体的に独特のリズム感というか、拍の感覚があって~ 馴れてないのか、ワタシ的には肩が凝っちゃうのです。
でも、熱いんだよねえ。熱いのはよく解る。恐くて、厳つくて~ 頑固オヤジのようで~ カリスマ社長の同族会社の、社訓のような演奏というか、伝統を守り伝えていかねば~という雰囲気にあふれていて、とても とても~ 柔らかかく、開放感のある、光あふれる田園では御座いません。ヤワなワタシには、恐ろしい田園でございました。たまには、背筋をシャキっとさせ、正座して田園を聴きましょう。
出典:YouTube Beethoven Symphony No. 6 in F Major Op. 68 “Pastoral” フランツ・コンヴィチュニー – トピック Provided to YouTube by Kontor New Media
ピエール・モントゥー ウィーン・フィル 🙂
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」 ピエール・モントゥー ウィーン・フィル 1958年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Pierre Monteux Wiener Philharmoniker
モントゥーさんの演奏は、のびやかで清々しいです。出典:YouTube Beethoven: Symphony No. 6 in F, Op. 68 -“Pastoral” Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group
オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 😅
ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」オットー・クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 1957年
Beethoven: Symphony No. 6 “Pastoral” Otto Klemperer Philharmonia Orchestra
やっぱりクレンペラーさんは遅めで、ガチガチって感じます。出典:YouTube Symphony No. 6 in F Major, Op. 68 “Pastoral” オットー・クレンペラー – トピック Provided to YouTube by Warner Classics
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」【解説】
べートーヴェンの交響曲第6番「田園」(ヘ長調 作品68)は、1808年に作曲されています。5楽章で構成されていますが、それぞれに描写的な標題がついています。
第1楽章「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」 ヘ長調 4/2拍子 ソナタ形式
弦のほかは、木管とホルンのみが登場し、チェロとヴィオラの5度の保続音のうえにヴァイオリンが第1主題を奏でます。木管の三連符とヴァイオリンの経過句でト長調、第2主題はハ長調。展開部では第1主題の動機を扱い、転調しつつ、主題の動機を36回繰り返すもの。再現部はヴァイオリンとヴィオラによって第1主題が、第2主題ではヘ長調となり、コーダでは、クラリネットとファゴットの重奏、全合奏で終わります。
第2楽章「小川のほとりの情景」 変ロ長調 8/12拍子 ソナタ形式
チェロとコントラバスのピチカートに、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが小川のせせらぎのように演奏し、第1主題をヴァイオリンが示します。第2主題は、ヴァイオリンが高音域から分散下行、分散上昇し、ファゴットの主題に他の楽器が集まって発展するもの。その後、コデッタを経て展開部に入り、第1主題が転調します。木管が特徴的です。
ヴァイオリンのトリルは、小鳥のさえずりで、コーダに入ると、フルートがサヨナキドリ(ナイチンゲール)、オーボエがウズラ、クラリネットがカッコウを、模倣して鳴き交わす結びとなります。
第3楽章 「田舎の人々の楽しい集い」 ヘ長調 4/3拍子 複合三部形式
スケルツォの楽章で、主部は弦のスタッカート主題に、木管の旋律が絡みます。主部の後半は、オーボエの主題が、クラリネットからホルンへと受け継がれます。中間部では、4分の2拍子でトランペットも加わり、次第にクライマックスを築くと、アタッカで第4楽章へとつづきます。
第4楽章「雷雨、嵐」 ヘ短調 4/4拍子
ティンパニ、トロンボーン、ピッコロが加わり、もっとも描写的な楽章です。まず、低弦が遠雷のようなトレモロを示し、慌ただしいヴァイオリンの走句を経て、全合奏の嵐となります。一種のトーンクラスター的な不協和音を生じて、ティンパニの連打、管楽器の咆哮、ヴァイオリンの走句が、激しい風雨や稲妻の閃光を暗示します。嵐は一時落ち着くかに見えますが、遠くの雷鳴に、突然の稲光のようなピアニッシモと強打が交互に現れ、嵐の猛威は、ピッコロの燦めき、減七和音を伴った半音階句の上下行によって表されます。嵐が収まるとオーボエやフルートの上昇音型で次に繋がります。
第5楽章「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」 ヘ長調 8/6拍子 ロンド形式とソナタ形式の混成によるロンドソナタ形式 冒頭、クラリネットの素朴な音型に、ホルンが応え、ヴィオラとチェロによる牧歌に奏でられます。チェロのピチカートの上にヴァイオリンが第1主題を示し、低弦とホルン、木管へと移っていきます。第2主題は、ヴァイオリンで奏でられ冒頭主題が戻ってきます。中間主題は、クラリネットとファゴットで経過句がつづき、フルート、クラリネットのあと、再現部で、無窮動風な16分音符のオブリガート対旋律となり高揚します。コーダでは、第1主題による変奏的展開、第2楽章の小鳥のさえずり、チェロとファゴットでのオブリガート対旋律が再び登場します。
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」【ディスク情報】
1957年 クレンペラー フィルハーモニア管弦楽団 EMI
1958年 モントゥー ウィーン・フィル Dec
1959年 コンヴィチュニー ゲヴァントハウス管 Berlin
1971年 ベーム ウィーン・フィル G
1972年 ケンペ ミュンヘン・フィル EMI
1973年 マズア ゲヴァントハウス管弦楽団 V
1974年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1976年 カラヤン ベルリン・フィル G
1977年 ブロムシュテット シュターツカペレ・ドレスデン DS
1977年 ヨッフム ロンドン交響楽団 EMI
1980年 スウィトナー シュターツカペレ・ベルリン De
1986年 アバド ウィーン・フィル G
1986年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 R
1986年 ハイティンク コンセルトヘボウ Ph
1987年 ホグウッド エンシェント室内管弦楽団 OL
1987年 ムーティ フィラデルフィア管弦楽団 EMI
1988年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec
1990年 ブリュッヘン 18世紀 Ph
1991年 サヴァリッシュ コンセルトヘボウ EMI
1992年 C・デイヴィス シュターツカペレ・ドレスデン Ph
1992年 ガーディナー ORR Ar
1992年 ヴァント 北ドイツ放送交響楽団 R
1999年 バレンボイム シュターツカペレ・ベルリン TELDEC
1999年 インマゼール アニマ・エテルナ SC
2002年 ラトル ウィーン・フィル EMI
2005年 ハイティンク ロンドン交響楽団 LSO
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