ハイドン:チェロ協奏曲第1番【聴いてみよう】Haydn: Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb1

目次 タップ・クリックしてね。

ハイドン:チェロ協奏曲第1番【名盤・おすすめ】

ゴーティエ・カピュソン ハーディング マーラー・チェンバー・オーケストラ 🙂

ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ゴーティエ・カピュソン ダニエル・ハーディング マーラー・チェンバー・オーケストラ 2002年 Haydn: Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb1 Gautier Capuçon Daniel Harding Mahler Chamber Orchestra

カピュソンさんの演奏は、軽やかに颯爽としたものです。第1楽章は、優美にエレガントで、宮廷でのサロンのような雰囲気があります。録音状態が良く、まずはオケの演奏に、そこに合わさってくるチェロは、男っぽい野趣さを感じる音です。オケのビブラートは、抑制気味ですが、のびのびと歌われており、そこに甘く渋くチェロが短めに被さってきます。チェロと、オケが一緒に奏でられているところは、明るく艶っぽく、爽やかな色香が漂い、まるで一緒に踊っているかのように呼吸があっています。

第2楽章は、ゆったり。熟成された芳醇さには至りませんが、若い華やかさ、花のある演奏という感じです。密やかに、つぶやくようなチェロが魅力的で、この楽章では寂しさがつのります。

第3楽章は、軽やかに歌います。「れぇ~ そふぁみ れっしらっ」というチャキチャキと、楽しそう。「どぉ~ そふぁみ れっしらっ」と、同じフレーズをチェロと弦が奏でます。(あっ 音は正確ではありません)少し弱く感じますが、中年おじさんの朗々とした歌いっぷりとは異なり、ここでのカピュソンさんは、スレンダーな音です。
ピリオド奏法で、短めのフレージング、残響の少なさが、素っ気ない感じを与えるかもしれませんが、ハイドンのハ長調の楽曲なのですが、底抜けに明るいというのではなく、恥じらいを感じるような青春しているような演奏でした。

CDカップリング:ハイドン チェロ協奏曲第1番 Hob.VIIb- 1、チェロ協奏曲第2番 Hob.VII2、チェロ協奏曲第4番 Hob.VIIb-2 出典:YouTube Haydn Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb1 ダニエル・ハーディング – トピック Provided to YouTube by Warner Classics

鈴木秀美 シギスヴァルト・クイケン ラ・プラッティ・バンド 😍

ハイドン:チェロ協奏曲第1番 鈴木秀美 シギスヴァルト・クイケン ラ・プラッティ・バンド 1998年
Haydn: Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb1 Hidemi Suzuki Sigiswald Kuijken La Petite Bande

鈴木さんの演奏は、古楽器使用の演奏で、とても活気があり強いタッチで歯切れのよい演奏です。1986年から2001年まで、プティット・バンドのメンバーだった鈴木さんのソロ。CDのブックレットにあった鈴木さんとチェロの写真を拝見したら、ん? チェロにエンドピンがない。ヴィオラ・ダ・ガンバ ? アルペジョーネ? いやこれは廃れたというし~。どうやら、チェロを膝に挟んで演奏されるらしい。研究された結果の演奏なのでしょう。

ピリオド楽器、奏法は、エッジの鋭い、怒りに満ちた怖い風味のアーノンクールさんの演奏で、いっぺんに、嫌いになっちゃったというトラウマがある。まあ、それからは、かなり時間が経ったし、シブシブ聴いているところもあるのだが、可愛いトリル部分は、確かに渋いし、おじいちゃんの楽器みたいで~ 今、改めて聴いても、しゃがれた声だなあと思う。瑞々しい音とは、ちょっと言えないかもしれませんが、古楽器ファンのみなさんにとっては、耳のご馳走なのだと思います。ちょっと早口で、熱っぽく駆け抜けて行きました。

CDカップリング:ハイドン チェロ協奏曲第1番、ハイドン チェロ協奏曲第2番、ハイドン ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットとオーケストラのための協奏交響曲変ロ長調 チェロ:鈴木秀美 ヴァイオリン:寺神戸亮 オーボエ:パトリック・ボージロー ファゴット:マルク・ヴァロン  出典:YouTube Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1 鈴木 秀美 – トピック Provided to YouTube by Deutsche Harmonia Mundi

ミッシャー・マイスキー イギリス室内管弦楽団 😂

ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ミッシャー・マイスキー イギリス室内管弦楽団 1986年
Haydn: Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb1 Mischa Maisky Chamber Orchestra of Europe

マイスキーさんの演奏は、草書体の演奏で、重みのある装飾音が入ってきます。第2楽章の歌いっぷりの良さ、第3楽章のノリの良さに引き込まれます。冒頭の転がるフレーズは、典雅に演奏されており、とろけるような甘さを感じる演奏だ。この楽曲は確かに宮廷のサロンのような楽曲だが、マイスキーさんの演奏は、ピンク色しているというか官能的というか、世紀末風の退廃ムードというか。

たっぷり重量級のフレーズに、たっぷり装飾が施され、語尾がオケと合わず、 字余り風になっているほどの演奏だ。ウキウキとした気分を抑えきれないかのように、自己陶酔しているみたい。マイスキー節が炸裂しており、第2楽章なんぞ、すごい。ハハハ~ ちょっと違うでしょうと思いつつも、完全に呑み込まれて、一緒に歌い一緒に泣きという感じになってきます。好き嫌いはあるでしょうが、 ハイドンのチェロ協奏曲で、これだけ感情移入されてしまうとは思ってみませんでした。

CDカップリング:ハイドン チェロ協奏曲第1番、チェロ協奏曲第2番、ヴァイオリン協奏曲第4番(チェロにて演奏)出典:YouTube Haydn: Cello Concerto in C Major, Hob. VIIb:1 ヨーロッパ室内管弦楽団 – トピック Chamber Orchestra of Europe – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

ヨーヨー・マ ホセ・ルイス・ガルシア イギリス室内管弦楽団 🥰

ハイドン:チェロ協奏曲第1番 ヨーヨー・マ ホセ・ルイス・ガルシア イギリス室内管弦楽団 1979年
Haydn: Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb1 Yo-Yo Ma José-Louis Garcia English Chamber Orchestra

マさんの演奏は、録音状態がとても良く、奥行きがたっぷり、明るくのびやか。チェロとは思えないほど軽やかなタッチで瑞々しいものです。第1楽章は、オケのヴァイオリンで奏でられる主題は明るく、健康的です。繰り返しの部分で、チェロが入ってきますが、軽やかでまろやか。音の陰陽が、嫌みなく対比されており、テンポも頃合いで、穏やかです。マさんのチェロが、オケに、ひょいっと乗っかって~ お見事。すごい。

ハイドンって、ホント健康的で明るく元気だ。マさんの演奏で、一段と瑞々しい太陽のよう、気持ちの良い楽曲だと素直に感じられます。バロック特有の規則正しさが、心地よく感じられ、飽きさせません。美音で惚れ惚れしちゃいました、軽いけれど、しっとり感のあるタッチで華やか。低音の音もマイルドで、ウツウツとした気分の時に聴くと、いっきに晴れやかで、爽やかな気分にさせてくれます。空気清浄機、プラズマクラスターみたいですね。

CDカップリング:ハイドン チェロ協奏曲第1番 1979年、チェロ協奏曲第2番 1979年、ボッケリーニ チェロ協奏曲変ロ長調 1982年(G.482 フリードリヒ・グリュッツマッハー編)ピンカス・ズッカーマン セント・ポール室内管弦楽団 出典:YouTube Cello Concerto No. 1 in C Major, Hob. VIIb:1 Yo-Yo Ma Provided to YouTube by Sony Classical

ハイドン:チェロ協奏曲第1番【解説】

ハイドンのチェロ協奏曲第1番(ハ長調Hob.VIIb-1)は、1765年~67年にかけて作曲されています。
ホーボーケン番号(Hob.番号)順
1 チェロ協奏曲 第1番 ハ長調 1760-65?/1780
2 チェロ協奏曲 第2番 ニ長調 1783
3 チェロ協奏曲 第3番 ハ長調 1780?紛失
4 チェロ協奏曲 第4番 ニ長調 1772 G.B.コンスタツィ作
5 チェロ協奏曲 第5番 ハ長調 1769 ポッパー作
g1 チェロ協奏曲 ト短調 作曲年不明 紛失

と、なっており、ハイドンの真作と確認され現存しているチェロ協奏曲は、1番と2番だけ。エステルハージ侯に仕えていたチェリストのために作曲されたそうです。リトルネロ形式や単調な伴奏音形など、多くの点でバロック式の協奏曲の名残が見られます。両端楽章が、快速なソナタ形式で書かれているなど、バロックと古典派の融合を図った作品だそうです。楽譜は長い間失われていましたが、1961年になって、プラハで筆写譜が発見されたそうです。

1番は、1楽章 ハ長調 4/4拍子 協奏的ソナタ形式 ハイドン自身が書いたカデンツァが1作残されています。
2楽章 ヘ長調 2/4拍子 三部形式。オーボエとホルンはお休み。
3楽章 ハ長調 4/4拍子 ソナタ形式 全約25分 とても明るい、のびやかな楽曲です。

ハイドン:チェロ協奏曲第1番【ディスク情報】

1979年 ヨーヨー・マ ガルシア イギリス室内管 SC
1986年 マイスキー ヨーロッパ室内管 G
1998年 鈴木秀美 クイケン ラ・プラッティ・バンド HM
2002年 カプソン ハーディング マーラー・チェンバー E

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次 タップ・クリックしてね。