チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番【YouTube】
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 2022年、ドイツ ヘッセン州 ヴィースバーデンで開催されたラインガウ音楽祭(2022 Rheingau Musik Festiva)での演奏です。30分20秒の動画です。
ヴァイオリン:ジュリア・フィッシャー Julia Fischer ヴァイオリン:アレクサンダー・シトコヴェツキー Alexander Sitkovetsky ヴィオラ:ニルス・メンケマイヤー Nils Mönkemeyer チェロ:ベンジャミン・ニッフェネッガー Benjamin Nyffenegger さんたちの演奏です。
出典:YouTube Tchaikovsky: String Quartet No. 1 | Julia Fischer Quartet (2022) DW Classical Music
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番 ザグレブ四重奏団 Zagreb Quartet
出典:YouTube Tchaikovsky – String Quartet, No. 1 Op. 11 – ZAGREB QUARTET THE ZAGREB STRING QUARTET
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番【名盤・おすすめ】
ボロディン弦楽四重奏団 🥰
チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番 ボロディン弦楽四重奏団 1993年
Tchaikovsky: String Quartet No.1 in D Major, Op. 11 Borodin Quartet
ヴァイオリン:ミハイル・コペルマン、アンドレイ・アブラメンコフ ヴィオラ:ドミトリー・シェバーリン チェロ:ヴァレンティン・ベルリンスキー
ボロディン弦楽四重奏団の演奏は、穏やかで渋い演奏です。大人ねっという感じです。チェロの音域が主になっており、とても穏やかな曲で、音色もシックなもの。挑発するような旋律も、アクロバティックな旋律も登場せず、シャカシャカ、キンキンの弦四なので、柔らかく、穏やか、親しみやすい曲です。中高年齢層向きというか、アルトの声が好きな方には、超お薦めです。
第1楽章は、なんだか足の無い幽霊のように揺らめきます。シンコペーションが挟まっています。拍を調べたら8分の9拍子という珍しい拍です。第1主題はシンコペーションのある旋律が、第2主題では、波のように揺れるヴァイオリンが被さってきます。安定したソナタ形式で、ボロディンSQの演奏は、長く揺れる感覚が印象に残ります。
「アンダンテ・カンタービレ」と別に呼ばれる第2楽章も、シックですが、もう少し強めでも良いかもしれません。あまりにも、奥ゆかしく、儚く、弱々しい感じがしました。ウクライナの民謡をもとにした主題だそうです。子守歌のように響いています。
第3楽章は、弦をかき鳴らすフレーズが印象的です。繰り返されるので、自然に旋律が刷り込まれて行きます。ロマ風、舞踏風の楽章で、柔らかく、しなやかに上昇していきます。バンバンとかき鳴らす荒い演奏ではないので、アクの強い演奏ではなく、もう少し土俗的でも良いかもしれないな~っと思うほど。あまり熱い演奏ではありません。
第4楽章は、さすがにラスト。華やかに演奏されており、草原に小花が咲き出した風情です。春到来という気分を味わえます。高音域のヴァイオリンが大活躍しており、華やぎがあり、夢を見ているかのような跳躍が始まります。ここでは、強めのボーイングとなっています。つづく次の主題は、音域が下がりアルトで歌い始めます。
ボロディンSQ盤は、渋い音色で統一されており、艶のある美音ではありませんが、中音域から低い音が、しっかり底流で流れており、どっしりとした安定感があります。中高年のリスナー向きの演奏だと思います。CDカップリング:2枚組BOX チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番~3番、弦楽四重奏曲 変ロ長調、弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」出典:YouTube Tchaikovsky String Quartet No. 1 in D Major, Op. 11 チャンネル:ボロディン弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Warner Classics International
エマーソン弦楽四重奏団 😘
チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番 エマーソン弦楽四重奏団 1984年
Tchaikovsky: String Quartet No.1 in D Major, Op. 11 Emerson String Quartet
ヴァイオリン:ユージン・ドラッガー Eugene Drucker ヴァイオリン:フィリップ・セッツァー Philip Setzer
ヴィオラ:ローレンス・ダットン Lawrence Dutton チェロ:デイヴィット・フィンケル David Finckel
エマーソン弦楽四重奏団の演奏は、土俗性は少なく軽めで爽やかです。それでいて、しっかりとしたコクがあり、色艶もあって、おみごと~。洗練され流麗に演奏されています。現代的な香りがするので、ローカル色を求める方には、好き嫌いが分かれてしまうかもしれません。
特に、ヴァイオリンの旋律が軽やか。さらっとした色香を漂わせ、このシンコペーションを活かして、ふわっと風のように駆けあがっていきます。機敏で、回転率が速く、草書体で演奏されていますが、緻密で柔らかいですね。これは凄いアプローチだと思います。自分たちの持ち味を、しっかり出しているみたい。
「アンダンテ・カンタービレ」も、弱々しく、老境の哀しみを感じさせる演奏で、ちょっとビックリ。チェロを下支えにして歌い始めていきますが、はんなりとした雰囲気すら感じさせるもの、品のある穏やかな歌い方で、また、ほのかに明るさが感じられて、とても好ましい演奏でした。
後半の二つの楽章も、軽やかで、適度に情熱があり、弦掻き鳴らしながらも、小節回しは強くありません。苦みや臭みのある、アクの強い演奏も聴きたいけれど、 本当は、もっとロマ風に、弦をかき鳴らすほうが、面白みが出るのでしょうが、ことさら強調せず、爽やかに流す演奏も良いかもしれないと、妙に納得させられる演奏でした。
さほど表情が豊かに表出されていませんが、濃いアプローチでもないのですが、さりげない風貌(演奏)でありながら、内容が充実してて、コクがあり、統一感があって、これは、やられちゃいましたね。とても良かったです。
CDカップリング:ドヴォルザーク、チャイコフスキー、ボロディン弦四 出典:YouTube Tchaikovsky: String Quartet No.1 In D Major, Op.11, TH.111 エマーソン弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
スメタナ弦楽四重奏団
チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番 スメタナ弦楽四重奏団 1966年
Tchaikovsky: String Quartet No.1 in D Major, Op. 11 The Smetana String Quartet
★ YouTubeにおける動画はありませんでした。
録音状態は良くチャイコ以外は、1966年の録音とは思えないほどクリアです。安心して聴ける明晰な演奏なのですが、ワタシの持っているスメタナ弦楽四重奏団のCDは、第2楽章のみ。ここにカップリングされている曲は、全て録音年は1966年なのですが、アンダンテ・カンタービレだけ、録音状態が悪く泣いてしまいました。この曲だけ、リマスタリングを忘れたのぉ。(そんな筈はないでしょ)なので、アンダンテ・カンタービレを聴くのであれば、お薦めできません。あしからず。CDカップリング:ハイドン 弦楽四重奏曲第67番「ひばり」、モーツァルト 弦楽四重奏曲第19番「不協和音」、ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」、チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第1番より アンダンテ・カンタービレ)
第2楽章「アンダンテ・カンタービレ」を聴いてみよう。Andante cantabile
アマデウス弦楽四重奏団
アマデウス弦楽四重奏団 Amadeus Quartet 1979年
出典:YouTube Tchaikovsky: String Quartet No. 1, Op. 11 – II. Andante cantabile アマデウス弦楽四重奏団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ガブリエリ弦楽四重奏団
ガブリエリ弦楽四重奏団 Gabrieli String Quartet 1976年
出典:YouTube Tchaikovsky: String Quartet No. 1 in D Major, Op. 11, TH 111 – II. Andante cantabile ガブリエリ弦楽四重奏団員 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団
ネヴィル・マリナー アカデミー室内管弦楽団 1968年 室内楽版での演奏です。
出典:YouTube Tchaikovsky: String Quartet No. 1 in D, Op. 11 – orchestral version – 2. Andante cantabile
Academy of St Martin in the Fields Provided to YouTube by Universal Music Group
ミッシャ・マイスキー オルフェウス室内管弦楽団
ミッシャ・マイスキー オルフェウス室内管弦楽団 1996年 室内楽版だと思います。アンダンテ・カンタービレだけの演奏です。Mischa Maisky Orpheus Chamber Orchestra
出典:YouTube Tchaikovsky: String Quartet No. 1 in D Major, Op. 11, TH 111 – Orchestral Version ミッシャ・マイスキー – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group
ナレク・アフナジャリン
ナレク・アフナジャリン Narek Hakhnazaryan
2011年チャイコフスキー国際コンクールで優勝したアルメニアご出身のチェリストです。チェロ1人でやっちゃうアイディアがナイスですよね。聴き応えあり。音量には注意してください。出典:YouTube Tchaikovsky “Andante – Cantabile” from string quartet #1 / Narek Hakhnazaryan Narek Hakhnazaryan – Official
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番【解説】
チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番(作品11)は、1871年に作曲されています。第2楽章が、「アンダンテ・カンタービレ」と呼ばれており、単独でも有名です。チャイコフスキーは、1865年にサンクトペテルブルク音楽院を卒業後、モスクワ音楽院に勤めていたそうですが、ニコライ・ルビンシテインの勧めにより、自作の演奏会をすることとなり、急遽作曲されたのが当曲です。
第1楽章 ニ長調 9/8拍子 息の長い第1主題で始まるソナタ形式で、テンポを上げた華麗な終わり方が印象的な楽章です。
第2楽章 変ロ長調 2/4拍子 中間部をもとにしたコーダを伴う三部形式で、冒頭の有名な旋律は、チャイコフスキーがウクライナで聴いた民謡に題材を得ているもの。
第3楽章 ニ短調 3/8拍子 活気に満ちたスケルツォの楽章です。
第4楽章 ニ長調 4/4拍子 ロシアの民俗舞曲風の第1主題をもつソナタ形式で、憂鬱なアンダンテの部分をはさんで激しいフィナーレに向かうもの。
有名な第2楽章以外にも、美しい旋律が多く、第1楽章の冒頭から引き込まれます。急遽作曲されたとは思えないほどの出来映えで、作品11で、この仕上がりですよね。さすがメロディーメーカーです。情熱的な展開が魅力的な楽曲で、各楽器の扱いは、管弦楽の縮図のように感じられ、とても魅力的な曲です。2楽章は、「アンダンテ・カンタービレ」と単独でも呼ばれる有名な楽章です。甘く切なく~泣きます。
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番【ディスク情報】
1984年 エマーソン弦楽四重奏団 G
1993年 ボロディン弦楽四重奏団 TELDEC
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