ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」【聴いてみよう】Stravinsky: Apollon Musagète

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ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」【YouTube】

バレエの練習風景 NDR Klassik

出典:YouTube Strawinsky probt “Apollon musagète” | NDR Elbphilharmonie Orchester
NDR Klassik 1965年 ニューヨークで開催するためのバレエ練習模様の動画です。14分12秒

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」【名盤・おすすめ】

パーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」 パーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 2018年
Stravinsky: Apollon Musagète Paavo Jarvi NHK Symphony Orchestra, Tokyo

CDカップリング:ストラヴィンスキー 三楽章のメロディ、カルタ遊び、バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」2018年録音 出典:YouTube バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」Paavo Jarvi NHK Symphony Orchestra, Tokyo – トピック Provided to YouTube by Sony Music Labels Inc.

ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン オランダ放送フィル 🥰

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」 ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン オランダ放送フィル 2006年 Stravinsky: Apollon Musagète Jaap van Zweden Radio Filharmonisch Orkest

★ YouTubeにおける動画はありません。
ズヴェーデンさんの演奏は、録音状態は良く、ふんわり感、低弦の重厚な響き。そして、室内楽的な楽しみが感じられる演奏です。柔らかいソフトな音で弦楽が流れてきます。チェロのパートが分かれていて、弦6部といった様相です。ジャジャジャっ。バラン バラン~という弦の軋む掻き鳴らし音が、もう少し強めでも良いかなって思っちゃったです。

夢幻的な高音域のふわっとした旋律が、流れ、流れていくところは、おみごとっ! 春風が谷間を渡っていくような、爽やかさとほろっとした甘さがあります。ラストだけを言うと、 パルナッソス山に登って消えて行く、雰囲気もすごくあるし~ ほぉ~弱音の美しさには、惚れ惚れ。さほどCDが出ていない楽曲なので、録音状態の良さもあり、お薦めしちゃいます。CDカップリング:ストラヴィンスキー「春の祭典」、ミューズを率いるアポロ

ユーリ・バシュメット モスクワ・ソロイスツ合奏団 😥

ストラヴィンスキー バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」 ユーリ・バシュメット モスクワ・ソロイスツ合奏団
Stravinsky: Apollon Musagète Yuri Bashmet Moscow Soloists

バシュメットさんの演奏は、スポットライトを浴びたバレエという感じです。少し狭い舞台で設定された、ひとり舞台という感じの演奏でしょうか。ふんわり~とした感覚より、相当に暗いですね。エッジの効いた演奏、モノトーン、ポツポツと喋っている劇という感じでしょうか。他の演奏とは、違った雰囲気です。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ミューズを率いるアポロ、弦楽のための協奏曲ニ調、プロコフィエフ バルシャイ&バラショフ編曲 束の間の幻影(全曲) 出典:YouTube Apollo (1947 Version) ユーリ・バシュメット – トピック Provided to YouTube by The Orchard Enterprises

リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 😘

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」 リッカルド・シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 1995年 Stravinsky: Apollon Musagète Riccardo Chailly Royal Concertgebouw Orchestra ·

シャイーさんの演奏は、夢幻的な雰囲気は良くでているし、ふわーっとした和音は綺麗だし、弦楽の豊かさは充分にあるし、よく響いています。ヴァイオリンのソロは、長めのフレーズを、ゆらゆら~儚げに踊ります。あとでヴァイオリンが、もう一挺入ってきてデュエットになっていますが、ちょっぴり民族風でもあり、崩したジャズっぽさもあり、超滋味ながらも、えへっ、面白いやんと、かなりマニアックで室内楽的な楽しみが得られる楽曲です。

それぞれのミューズ(カリオペ、ポリヒムニア、テルプシコール)役として、ヴァイオリンのソロがあって、アポロ神さま役のヴァイオリンが絡んでいくらしい。神々の特徴を、どう表していこうとするのか、聞き込まないと、わかりづらいのですが、なかなかに楽しい楽曲と演奏です。

ちょっと暗めの3拍子、軋んだ低弦のガッがっ。だっだっ。という音がゆらゆら揺れる不安定なフレーズを、しっかり低弦が支えて「んタタった  たぁ~」というリズムと、弦の跳ねるような跳躍リズム。三拍目が少し弱い気がしますが、三拍目を強くすると、夢幻感が出ないためだろうと思うな~。とか、いろいろ聴きながら考えちゃいますね。甘いだけの官能美、色彩美でも困っちゃうし、いっぱいミューズが出てくるので、その表情づけが難しいですね。神さまに色気を求めたら怒られるかも。水彩画風で、低弦のまろやかな響きが、たーっぷり入ってくる演奏でした。

CDカップリング:ストラヴィンスキー 幻想的スケルツォ(作品3)1994年、ミューズを率いるアポロ 1947年改訂版、組曲「火の鳥」1945年版 1995年録音 出典:YouTube Stravinsky: Apollon musagète (1947 Version)
Concertgebouworkest Provided to YouTube by Universal Music Group

小澤征爾 サイトウ・キネン・オーケストラのメンバー 弦楽六重奏 😍

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」 小澤征爾 サイトウ・キネン・オーケストラ 1994年
Stravinsky: Apollon Musagète Seiji Ozawa Saito Kinen Orchestra 演奏メンバー:ヴァイオリン:安芸晶子、潮田益子、ヴィオラ:店村眞積、岡田伸夫、チェロ:堤剛、倉田澄子 1994年9月6日~16日、松本文化会館でのセッション録音(CDのブックレット)

弦楽六重奏版は、見通しが良いので嬉しい演奏です。流麗な響きで、弦楽合奏のフルオケバージョンかと思ってしまうほど、弦の厚みが感じられます。コントラバスはおらず、チェロ二挺ですが、深い音色で、甘く歌われて、とろけちゃう。アンサンブルの精緻が命のようなところもあって、タメ感が揃わないと、するっと音が抜け落ちちゃう怖さを秘めているが、すごく、安心して聴けちゃう息の良さ。

流れるようなフレーズが、ものの見事に、うねりとなって、神秘のベールをまといつつ、優美に演奏されている。静謐さも大切だろうが、適度な官能的な要素というか、ちょっとした色香、エロティックさも必要で~という、なかなかに欲張りな楽曲なのだ。暖かみと、ふんわり感のある弦の響きに、また、太さ、細さ、強さ、弱さ 歌う要素のうねりが、感じられて、とてもバランス良く、うっとりして拝聴しました。夢幻というか、パルナッソス山に登って~というよりも、桃源郷への道行きのような感じがもしちゃう。むふふっ。(あっ、もちろん格調ある演奏です。)

余談だが~ CDには、ミューズの神を率いるアポロという表記になっていました。ここでは、ミューズを率いるアポロという記載にしておきますが、統一した表記にしてもらった方が、ありがたいかな~と思います。
カップリング:シェーンベルク 浄夜 1993年、R・シュトラウス 歌劇カプリッチョ序奏 1994年、ストラヴィンスキー ミューズを率いるアポロ 1947年版 1994年録音 出典:YouTube Stravinsky: Apollon musagète (1947 Version) サイトウ・キネン・オーケストラ – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

エサ・ペッカ=サロネン ストックホルム室内管弦楽団 🥰

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」 エサ・ペッカ=サロネン ストックホルム室内管弦楽団 1990年 Stravinsky: Apollon Musagète Esa-Pekka Salonen Stockholm Chamber Orchestra

サロネンさんの美しい精緻な演奏です。適度な残響があり、すばしっこい速さで進みます。弦楽合奏曲として、夢幻的で美しい弦の和音に常に包まれています。精緻ですが、タイトではない演奏というのは、とても難しそうです。細かい震えが波動のように広がります。

CDカップリング:ストラヴィンスキー ミューズを率いるアポロ 1947年版、弦楽のための協奏曲二調「バーゼル協奏曲」、古いイギリスのテキストによるカンタータ7曲 YouTubeにおいては、サロネン・コンダクツ・ストラヴィンスキー 7枚組BOX 大盤振る舞いのアップで超嬉しいです。出典:YouTube Apollon Musagète – Ballet in Two Scenes (Revised Version, 1947) Esa-Pekka Salonen Provided to YouTube by Sony Classical 

アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 😘

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」1947年版 アンタル・ドラティ デトロイト交響楽団 1984年 Stravinsky: Apollon Musagète Antal Dorati Detroit Symphony Orchestra

ストラヴィンスキーの三大バレエ音楽は、火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典です。「プルチネルラ」「カルタ遊び」「ミューズを率いるアポロ」も、結構イケテル楽曲なのですが、三大に比べると、かなりの差をつけられているみたいです。ディアギレフのロシアバレエ団によって、このバレエも初演されていますが、ハルサイに比べると、新古典主義っていう、昔のバロックや古典派にいったん戻りませんか~という雰囲気の作品です。

モチーフも、アポロ誕生ってギリシャ神話の世界ですからねえ。ギリシャに戻りましょう~的に、神々の所作がマッチしたのかもしれませんが、この曲、木管も金管も登場しない。打楽器軍団も登場しないので、そりゃ~ ドンドン、バンバンっと鳴らないし、ハルサイみたいなわけにはいきません。だって、編成が、ヴァイオリン(1・2)、ヴィオラ、チェロ(1・2)、コントラバスのオケで言うところの弦五部に、チェロが2つに分かれているんで、弦六部って感じなのです。規模縮小なのですが、弦楽合奏が好きな方には、うってつけの曲だと思います。

こんな編成で、 シンプルな伴奏で、まあ、これでバレエ成功したのかな?と、心配しちゃうんですけれど、一応、ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、1928年、アメリカで初演され、その後パリで公演されたようです。「一度きいただけで直ちに聴衆を熱狂させる要素を全然もたない」作品であるにも関わらず、パリ初演は好評であったらしいです。(一部抜粋)まあ、おとなしめの曲なので、眠くなることはあるだろうけど、騒動になることはないですね。
ドラティさんの演奏は、録音状態も良いし、重厚な低弦と、見通しの良いフレーズが、メリハリ良く逞しく聞こえてくるので、わかりやすいです。

CDカップリング:ストラヴィンスキー「ミューズを率いるアポロ」、ストラヴィンスキー交響曲第1番 出典:YouTube Stravinsky: Apollon musagète (1947 Version) チャンネル:デトロイト交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😂

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」1947年版 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1972年 Stravinsky: Apollon Musagète Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker

カラヤンさんの演奏は、ひとことで言っちゃうと、とろっとろ~ 美しすぎるレガートで綴られた、めくるめく音に流されます。初めて聴いたのが、このカラヤンの演奏で、恐ろしいほどのレガート攻勢で、あわてて蓋をしてしまった記憶があります。なんだか、イケナイものを見ちゃったような・・・。

これは、こっそりと深夜に聴かないと妖艶すぎる。あまりに官能的すぎて。これは大変なモノを知ってしまった。親には内緒にしておかないといけない楽曲だと、ホント、思っちゃいました。アポロとミューズと言いつつ、こりゃ神さまも人間も紙一重じゃんと思ったり、ワタシのアタマは冷静さを失いました。今、改めて聴いても、非常に心地良い。脳内からアルファー波が出てくるのか、何波が出てくるのかわかりませんが、とろける音楽を聴いて、っむふふ状態になります。茂木健一郎先生の「音楽が脳を育てる」って本にも、この曲が取り上げられていたようですが。ハハハ~

音の幅が非常に狭いくせに、ふわーっとした磨き上げられた音が、エロティックに流れてくる。これって、シェーンベルクの「浄夜」と同じアプローチですよね。カラヤンさん特有のレガートが、オンパレードって感じです。もしかしたら、同じような傾向で、リマスタリングされたのかもしれない。エンジニアの名前までは確認していないが、ふわっとした音の響きは、ソフトフォーカスすぎる「浄夜」ほどではないが、音が蒸発していくか、ドライアイスのように揺らめきながら流れ、足元に絡みついて漂っているか。1947年版なので、フルオケバージョンです。

室内楽の雰囲気は、ぶっ飛んでしまっているが~ これは、オケ版としても完全に別モノでしょう。カラヤン世界の極めつけと言っても過言ではないですね。人によっては異様な世界だと烙印を押される可能性もあります。ワタシもその点は、反対しません。弦は艶やかで、人の吐息のように奏でられ、甘く、ふわっ~っとしてて、形にならない幻影を、ひたすら追いかけていくような、深みにはま込んで迷宮入りとなる世界です。

もはや、音楽を聴いているという感じではなくなり~ 吸い込む息、吐かれる息を、繰り返し聴いているうちに、気がつかない内に、この情感どっぷり系の流れに引きずり込まれて、浸り込んでしまう。あっ 決して、これが良い演奏だと言っているワケではありませんよ。でも、この世界に抗しがたいことも確かで~ ヤワなワタシは、やばいと思いつつ、引きずり込まれてしまうのです。アポロというよりエロスの間違いじゃないかしらん。官能的魔界へようこそ~という演奏でした。

CDカップリング:ストラヴィンスキー「ミューズを率いるアポロ」1972年、バルトーク「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」1969年 出典:YouTube Stravinsky: Apollon Musagète (1947 Version) ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 – トピック Berlin Philharmonic Orchestra – Topic Provided to YouTube by Universal Music Group

ミューズを率いるアポロを、ストーリーにそって聴いてみよう。

「パルナッソス」の一部分です。ニコラ・プッサン
Parnassus:Nicolas Poussin プラド美術館蔵

プッサンの絵画をWikipediaからお借りして、ミューズたちのご紹介をします。
アポロは、右に座っている月桂樹を被っているお方です。で、後景にいるミューズたちは、左から~ 喜劇のタレイア (手に仮面を持つ)、天文術のウーラニアー (星の光る杖を持つ)、歴史のクレイオー、悲劇のメルポメネー (仮面を持つ)、舞踊のテルプシコラー踊っている、抒情詩のエラトー、讃歌のポリュムニアー、音楽のエウテルペー (牧羊神の笛パイプを持つ)、叙事詩のカリオペである。マリーノ以外にも、前景には、8人の月桂樹の冠を被った詩人がおり、そのうち左手にいるのはサッフォー、ホメロス、ウェルギリウスがいます。(が、カットしちゃいましたね。)

サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 🥰

ストラヴィンスキー バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」
サイモン・ラトル バーミンガム市交響楽団 1988年
Stravinsky: Apollon Musagète
Simon Rattle City Of Birmingham Symphony Orchestra

第1場1 プロローグ(アポロの誕生)Birth of Apollo

冒頭のチェロの音の響きは、息づかいが深めで、ふわっとした余韻もあり、なかなかに良い雰囲気~っ。低弦と回転が速くなってくる。ちょっとした間のとりかたとリズム感、場面展開のうまさ。

第2場2 アポロのヴァリアシオン Variation of Apollo (Apollo and the Muses)

アクセントを付けて、踊るかのような雰囲気を醸し出す。この間合いの巧さねえ~ カラヤン盤も、長い息を、ためて~っ ふわぁ~っと出してくるところが、さすがに手慣れたモノだったのだけど、ラトルさんも負けてない。で、テンポの速いところは畳みかける。音の響きは、う~ん もうちょっと甘めでも嬉しいんだけどなあ。アポロの踊りになると、ソロのヴァイオリンが登場する。「み~ふぁ そふぁ み~ど ら~ふぁ らみし~そし~」と、悲しい二重奏のように奏でられていくる。不可思議な音で奏でられるが、その不可思議さに幻惑されちゃいます。


3 パ・ダクシオン Pas d’action (Apollo and the 3 Muses)

パ・ダクシオンになると、「どぉ~み~ ふぁらぁ~そぉ~  どぉ~ み~ふぁ み~れぇ~ そぉ~ら しぃ~ど らそぉ ふぁ~」 幻想的な空気が満喫状態に、弦のピチカートと共に美女に絡まれたアポロ、ほんのり感が漂う。もっと、ムーディでも良いし、高音域の弦の揺らめき感はあるが、低弦の響きが、もう少しあってもよさげだが、なかなかに雰囲気は良い。カリオペの踊りは、ぼんっ ちょっと暗めの音で、チェロの響きが、不協和音っぽい音で怪しげに歌う。


4 カリオペの踊り Variation of Calliope (The Alexandrine)


5 ポリヒムニアの踊り Variation of Polyhymnia

ポリヒムニアの踊りになると、「みぃ~そ~ どぉ~れっ みっ~パンっ」と、軽快で、「みぃ~らっふぁっ どぉ~みっそっ」とアクセントの効いたフレーズが入ってくる。楽しいっ。特徴のある短い曲が、次々と登場しては消えていく。

6 テルプシコールの踊り Variation of Terpsichore


テルプシコールの踊りは、半音の鼻の詰まったような音で、「ど~れ み~ふぁ そ~らし~ みふぁっそっらしぃ~」と歌う。「しどぉ~ しどぉ~ しぃれ~し どぉ~」「そぉ~ら~どぉ~みそふぁ みぃ~」と長調と短調が混じったような歌を歌う。

7 アポロのヴァリアシオン Variation of Apollo 

アポロの踊りでは、「ふぁぁ(そぉ~)~ ふぁぁ~ しぃ~ しぃ~ し(ふぁ)~ど しらそふぁ らぁぁぁ~」と、強奏されるが、ヴァイオリンのソロが入ってきたりして、「らふぁそ そみふぁ ふぁれみ どれみ みみみみっ・・・」「しぃ~ しぃ~ そ~しど みれどし ららっぁ ふぁみふぁ~」と、また強奏される。


8 パ・ド・ドゥ Pas de deux (Apollo and Terpsichore)

9 コーダ(アポロとミューズの踊り) Coda

 
コーダでは、力強く低弦の響きが入ってて、軽快に踊る。滑るような小気味な動きも入ってて、付点のリズムは、やっぱ弾むっ。弾むっ。この部分が良いねえ~ やっぱ軽快で明るい。

10 アポテオーズ Apotheosis

リズミカルな演奏は、ラトルさんならでは~ センスの良さが感じられます。ラトル盤のミューズは、ちょっぴり現代風なおちゃめです。ラストのアポセオシスは、儚げに、ちょっぴり悲しさが秘められた感じで盛り上がりつつも、すーっとフェイドアウトします。特徴のある小曲が、さらっと奏でられてはすっと消えていく。弦楽四重奏曲のように役割分担があり、もちろん、多くの弦で力強く弾かれている場面もあり、メリハリがあって楽しい演奏です。

ラトルさんは、春の祭典、管楽器のシンフォニーと一緒にカップリングされたベルリン・フィルとの演奏があります。2011年録音だったと思います。またの機会に拝聴したいと思います。CDカップリング:2枚組BOX 春の祭典 1947年改訂版 1987年、ペトルーシュカ 1947年版 ピアノ:ピーター・ドノホー 1986年、火の鳥 1910年版 1987年、ミューズを率いるアポロ 1947年改訂版 1988年録音 出典:YouTube Stravinsky Apollon Musagète バーミンガム市交響楽団 – トピック City of Birmingham Symphony Orchestra – Topic Provided to YouTube by Warner Classics

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」【解説】

ストラヴィンスキーの「ミューズを率いるアポロ」は、1928年に作曲されています。ストラヴィンスキーの新古典主義時代の代表的な作品で、アメリカ議会図書館から、30分以内のバレエ音楽を委嘱された楽曲です。クラシック・バレエの伝統的な形式に基づき、過剰な装飾を排した作品で、全音階的な技法が用いられ、楽器編成も弦楽合奏のみとされています。今では、ミューズを率いるアポロと表記されることが一般的だと思いますが、ミューズを司る~とか、ミューズを先導する~という表記もあるようです。

ラファエロ・サンティ「パルナッソス」バチカン宮殿、ラファエロの間

第1場 プロローグ(アポロの誕生)
第2場 
アポロのヴァリアシオン(アポロと3人のミューズ)
パ・ダクシオン
カリオペの踊り
ポリヒムニアの踊り
テルプシコールの踊り
アポロのヴァリアシオン
パ・ド・ドゥ
コーダ(アポロとミューズの踊り)
アポテオーズ

と、続きます。弦楽のみ 第1・第2ヴァイオリン、ヴィオラ、第1・第2チェロ、コントラバスの編成となっており、とても穏やかで静謐な感じがして、甘く美しい神聖な神々の世界へ誘われます。さて、この楽曲、次のようなプログラムです。

第1場
1 プロローグ(アポロの誕生)Birth of Apollo

第2場
2 アポロのヴァリアシオン(アポロと3人のミューズ)Variation of Apollo (Apollo and the Muses)・・・ヴァイオリンのソロが冒頭より登場する。
3 パ・ダクシオン Pas d’action (Apollo and the 3 Muses) ・・・パントマイム。
4 カリオペの踊り Variation of Calliope (The Alexandrine) ・・・ カリオペさんは、詩を司る神さまの名前
5 ポリヒムニアの踊り Variation of Polyhymnia・・・ ポリヒムニアさんは、演劇を司る神さまの名前 
6 テルプシコールの踊り Variation of Terpsichore・・・ テルプシコールさんは舞踊を司る神さまの名前
7 アポロのヴァリアシオン Variation of Apollo・・・ 2番目と同じ。
8 パ・ド・ドゥ Pas de deux (Apollo and Terpsichore) ・・・ 弱音付きで、古典的な舞曲。
9 コーダ(アポロとミューズの踊り) Coda
10 アポテオーズ Apotheosis ・・・ アポロ神が、ミューズの神々と共に、パルナッソス山(オリンポスの神々が座する山)に導かれていく。

挨拶代わりに、それぞれ司るモノを象徴した、書くためのボードや、仮面、竪琴を持って踊る。そして、アポロを導いて、オリンポスの神々が座するパルナッソス山に登りましょう~というのが、ストーリーらしい。日本芸能文化で例えると、能やお神楽を見ているようなモノかなあ。 どうも視覚的な情報がないと、知識の習得も、無理って言えばちょっと無理ですかね。どう考えても、前述したプログラムの4~6が、それぞれの女神さまの踊りで、その女神にアポロがどう導かれていくのか。そのシーンがわからないのですが、そこがメインなのでしょう。って勝手に想像しちゃってます。幻想的で、とても美しい楽曲なのだけど奥深いんだよね~。魅惑的なミューズに撃沈しちゃうアポロも。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ミューズを率いるアポロ」【ディスク情報】

1972年 カラヤン ベルリン・フィル G
1984年 ドラティ デトロイト交響楽団 Dec
1988年 ラトル バーミンガム市交響楽団 EMI
1990年 サロネン ストックホルム室内管弦楽団 SC
1994年 小澤征爾 サイトウ・キネン・オーケストラ Dec
1995年 シャイー コンセルトヘボウ管弦楽団 Dec
1999年 バシュメット モスクワ・ソロイスツ合奏団 ONYX
2006年 ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン オランダ放送フィル EXTON
2018年 パーヴォ・ヤルヴィ NHK交響楽団 R

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