リスト:ハンガリー狂詩曲【聴いてみよう】Liszt: Hungarian Rhapsody,No.1~No.6

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リスト:ハンガリー狂詩曲【YouTube】

リスト:ハンガリー狂詩曲第1番 イヴァン・フィッシャー ベルリン・フィルの演奏です。冒頭で、ツィンバロンの演奏が入ります。この粘り感、すばらしーっ! これが本場の演奏、本物のテイストなんだと感動しちゃいました。
Cimbalom ツィンバロン:Oszkár Ökrös オシュカール・オクローシュ 2009年10月24日コンサートの模様 3分08秒の演奏です。出典:Liszt: Hungarian Rhapsody No. 1 / Fischer · Berliner Philharmoniker Berliner Philharmoniker

リスト:ハンガリー狂詩曲【名盤・おすすめ】

リスト:ハンガリー狂詩曲【管弦楽曲】は、次の6曲です。原曲はピアノ曲で、番号が異なっているので対比表を掲載します。一番有名なのは、第2番です。

第1番 ヘ短調 S.359/1 (原曲第14番)
第2番 ニ短調 S.359/2 (原曲第2番嬰ハ短調)
第3番 ニ長調 S.359/3 (原曲第6番変ニ長調)
第4番 ニ短調 S.359/4 (原曲第12番嬰ハ短調)
第5番 ホ短調 S.359/5 (原曲第5番)
第6番 ニ長調 S.359/6 (原曲第9番変ホ長調)ペストの謝肉祭

イヴァン・フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 🥰

リスト:ハンガリー狂詩曲 管弦楽曲版 イヴァン・フィッシャー ブタペスト祝祭管弦楽団 1997年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Iván Fischer Budapest Festival Orchestra

イヴァン・フィッシャーさんの演奏は、ブタペスト祝祭管との演奏で、これはオクニモノの演奏です。第1番から聴きはじめて、ヴァイオリンの明確なフレーズ、華やかなリズム、スピード感、アクセントのつけかた、節回しなど、これこれ、これだぁ~と、速攻叫んでしまいました。ツィンバロンの演奏が入ってくると、ローカル色が漂い、悲哀、哀愁、郷愁というような言葉が感じられ酔わせてくれます。ワタシの部屋が、一気に東欧へと飛んでいった感じ。

ソロ演奏を絡ませることで、即興性、愉悦性がいっきに向上し、祝祭的な演奏というパフォーマンス効果もあがるように思います。第一級品に仕上げてきた演奏ではないでしょうか。うーん、素晴らしい! 第6番の「ペストの謝肉祭」というサブタイトルですが、えっ、ペスト? ペストって、あの中世の伝染病の黒死病? 新型コロナウイルス感染症 COVID-19を連想して恐れてしまいましたが、なんてことはない、ブタペストのペスト(地名)でした。録音状態も良く、リストのハンガリー狂詩曲管弦楽曲版は、この演奏があれば十分だと思いました。

CDカップリング:2枚組BOX リスト 交響詩「前奏曲」ロンドン・フィル 1977年、交響詩「プロメテウス」ロンドン・フィル、交響詩「祭典の響き」ロンドン・フィル、交響詩「ゆりかごから墓場まで」パリ管 1974年、村の居酒屋での踊り(メフィスト・ワルツ第1番)パリ管、交響詩「タッソー、悲劇と勝利」パリ管、ハンガリー狂詩曲第1~6番 イヴァン・フィッシャー ブタペスト祝祭管弦楽団 1997年 出典:YouTube Liszt: Hungarian Rhapsody No. 1 in F minor, S.359 No. 1 ブダペスト祝祭管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 😥

リスト:ハンガリー狂詩曲 ゲオルク・ショルティ シカゴ交響楽団 1993年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Georg Solti Chicago Symphony Orchestra ★ 第2番のみ

ショルティさんの演奏は、意外や意外にも、ぐぐっと来るパワーが少なく、渋くて硬い印象を受けました。テンポも普通より遅め。さほど粘っこくありません。臭いてロマ風満々の演奏だろうと思っていたですが、肩すかしをくらった感じです。ただし、コントラバスが強烈で、うねりうねります。クラリネットのグリッサンド、ホルンや木管の二重奏のような儚げで憂いのあるフレーズも印象的です。

第2番は、お祭で滑って滑って、舞台で跳ねるような曲想です。フルートと弦で、スキップするようにテンポをあげ、冒頭に登場した主題が繰り返されます。飛び跳ね扇動的なフレーズ、ヴァイオリンのソロなど趣向が凝らされています。ショルティさんの演奏は渋いです。最晩年の1993年の録音だったからでしょう。

ショルティの最晩年のライブ盤で、ちょっと重々しいが豪快。ドップラー編曲版 CDカップリング:リスト メフィスト・ワルツ、ハンガリー狂詩曲第2番、バルトーク 5つのハンガリー・スケッチ、ルーマニア民俗舞曲、コダーイ ハーリ・ヤーノシュ、ヴェイネル チョンゴルと悪魔 序奏とスケルツォ 出典:YouTube Liszt: Hungarian Rhapsody No. 2 in D minor, S.359 No.2 (管弦楽曲版)第2番 シカゴ交響楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

ジュゼッペ・シノーポリ ウィーン・フィル 🙂

リスト:ハンガリー狂詩曲第2番 ジュゼッペ・シノーポリ ウィーン・フィル 1996年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Giuseppe Sinopoli Wiener Philharmoniker ★ 第2番のみ

シノーポリさんの演奏は、有名な第2番のみの収録です。テンポは、若干遅めです。短いトランペットの印象的なフレーズが登場し、木管の可愛いフレーズに続き、弦が跳躍を繰り返していきます。演歌調でもなく、品良くまとまっている演奏です。よく言えば大人のビター味でしょうか。CDカップリング:リスト 交響詩第3番「前奏曲」、交響詩第4番「オルフェウス」、交響詩第6番「マゼッパ」、ハンガリー狂詩曲第2(4)番 ドップラー編曲版 出典:YouTube Liszt: Hungarian Rhapsody No. 2 in C-Sharp Minor, S. 244/2 Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group

ズービン・メータ イスラエル・フィル 🙂

リスト:ハンガリー狂詩曲 管弦楽曲版 ズービン・メータ イスラエル・フィル 1988年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Zubin Mehta Israel Philharmonic Orchestra

メータさんの演奏は、サブスクを利用して拝聴しました。いささか古くなった録音ですが、普通に楽しめる演奏だと思います。リストの楽曲って、身ぶり手ぶりが大きい方が演奏効果があがりますが、どの程度で収めるかは、もちろん演奏家個人の考えです。あまりに大きすぎると世俗的、大衆的になりかねない~結構、難しい楽曲です。まあ、その点が聴いている分には、面白く感じたりする曲でもありますね。出典:YouTube 6 Hungarian Rhapsodies, S. 359: No. 6 in D Major “Pesther Carneval” ズービン・メータ – トピック Provided to YouTube by Sony Classical

クルト・マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 🙂

リスト:ハンガリー狂詩曲 管弦楽曲版 クルト・マズア ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 1984年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Kurt Masur Gewandhausorchester Leipzig

ワタシがCDを購入した際には、さほど当曲の全曲版がでまわっていませんでした。で、マズアさんんお演奏を探し求めてみたのですが、重心の重い、まずまずの仕上がりだと思います。録音がすこしくぐもっているのが難点ですね。また全体的におとなしめの演奏です。第2番は、テンポが遅めなので、前半で退屈しちゃいます。出典:YouTube Liszt: Hungarian Rhapsody No. 1 in F minor, S.359 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 – トピック Provided to YouTube by Universal Music Group

レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 😂

リスト:ハンガリー狂詩曲 管弦楽曲版 レナード・バーンスタイン ニューヨーク・フィル 1963年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Leonard Bernstein New York Philharmonic 

バーンスタインさんの演奏は、ゴリゴリ感のある身ぶりの大きい演奏です。特に第2番は超有名です。「れぇ~ れどれどぉ~ れふぁみ れぇ~ れどれどぉ~」という冒頭が刺さる曲。ガツガツした演奏は、もうしばらく流行らないでしょうね。ゆったりとしたテンポですが、クラリネットは、ジャズっぽく演奏されています。

同じフレーズを、楽器を変えてイメージを変化させる曲ですが、演奏によって飽きることなく聴き通せます。リストとバーンスタインさんの組み合わせ演奏は、かなり濃厚で、濃厚の二乗になるので相性はバッチリ。ここまでやってくれると茶番劇ぽく面白いです。(言葉が悪くてごめんなさい。)カップリング:.交響詩「前奏曲」、ハンガリー狂詩曲第1番、2番、メフィスト・ワルツ第1番 出典:YouTube 6 Hungarian Rhapsodies, S. 359: No. 1 in F Minor Leonard Bernstein Provided to YouTube by Sony Classical

アンタル・ドラティ ロンドン交響楽団 😘

リスト:ハンガリー狂詩曲 管弦楽曲版 アンタル・ドラティ ロンドン交響楽団 1960年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Antal Doráti London Symphony Orchestra

ドラティさんの演奏は、とても洗練された美意識の高い演奏だと思います。タメ感もありますが、すっと力を抜いてシャンシャンを軽やかに華やか。弦のボーイングにキレのある、祝祭的な要素の高い演奏です。思わず、ハンガリー狂詩曲はなく、ん? これは、フレンチカンカン? と思わないこともないのですが~ まっ、良いでしょう。この曲が元ピアノってことなのだが、これをピアノではなく、管弦楽曲に編成した時の、実験作品のようだ。

ハープも巧く使っているし。ほんと、リストはハープが好きだ。場面展開したいときに、ちゃっかり使っているように思う。確かに雰囲気が変わるもんね。トランペットの短いフレーズを入れたりして、う~ん。これも巧い。会話のなかで、よく使われるような、「ところで~」「話は変わるけどぉ~」「あのさぁ~」って感じのフレーズなんかじゃない。「ぺぺっ」と入れてくる、ほんの、2つか3つの音で変わります。

CDカップリング:リスト ハンガリー狂詩曲第1番~第6番、交響詩「前奏曲」1960年、63年 出典:YouTube Liszt: Hungarian Rhapsody No.1 in F minor, S.359 No.1 London Symphony Orchestra Provided to YouTube by Universal Music Group 1番と2番のみ掲載します。

ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 😅

リスト ハンガリー狂詩曲 ヘルベルト・フォン・カラヤン ベルリン・フィル 1960年~75年
Liszt: Hungarian Rhapsodies Herbert von Karajan Berliner Philharmoniker 

カラヤンさんの演奏は、ワタシが知るところでは、第2番、第4番、第5番です。煌びやかな演奏で、かつ堂々とした大見得を切る演奏です。これほど、堂々と確信犯的に演奏されちゃうと拒めなくなります。で、ワタシが所有しているカラヤン盤は、2枚組BOXです。

リストの交響詩とハンガリー狂詩曲が三曲。Wikipediaの記載にあるように、2番、4番、5番と表記されていますが、あれっ。違うやん。曲が違っているぞ~となりました。ドップラーがピアノ曲をオケに編曲した際、全曲を編曲してくれたらよかったのに6曲だけ。で、ピアノ版と管弦楽曲版の番号が違ってしまったというわけです。それにプラス、CDの表記が2番と4番とテレコになっているモノもあり、混乱しています。

で、当カラヤン盤でオケ版の2番を聴いてみましたが、2番は、CD2枚目の最後8曲目に入っている4番と表記されていたモノでした。編曲は、ミューラー=ベルクハウス編曲版でした。サブスクの表示は訂正されることを祈ります。次回は、ピアノ版を聴こうと思います。当盤のカップリングは次のとおりです。

カラヤン リスト管弦楽作品集 2枚組BOX ディスク1 メフィスト・ワルツ、交響詩「前奏曲」、ハンガリー民謡による幻想曲、ハンガリー狂詩曲第5番 ディスク2 交響詩「マゼッパ」、ハンガリー狂詩曲第2番、交響詩「タッソー 嘆きと勝利」、ハンガリー狂詩曲第4番 CDの表記のとおり記載しています。YouTubeではカップリングが異なります。出典:YouTube Liszt: Hungarian Rhapsody No. 2 in C Sharp Minor, S. 244 (Orchestral Version: Franz Doppler)
Herbert von Karajan Provided to YouTube by Universal Music Group

リスト:ハンガリー狂詩曲について【解説】

リストのハンガリー狂詩曲 (S/G244, R106)は、ピアノ版が原曲です。全部で19曲ありますが、特に、第2番( S.244/2)が有名です。最初の15曲は1853年に出版され、16番以降の4曲は1882年から1885年までに追加されています。のちに一部は管弦楽編曲も行われ、また第14番を元に、ピアノとオーケストラのための「ハンガリー幻想曲」が編曲されています。現在では、リストの全盛期に書かれた第15番までが出版・演奏されることが多く、晩年に書かれた残りの4曲は書法も簡素となっており知名度は低いかも。

管弦楽版についてですが、全部で19曲あるピアノ原曲(S.244)から、次の6曲が、リストおよびフランツ・ドップラー(Franz Doppler)によりオーケストラ用に編曲されています。作品番号は、S.359。原曲という表記はピアノ版です。(ピアノからオケ用に編曲されたのは、二種類、F・ドップラー編曲版と、ミューラー=ベルクハウス編曲版があります。)
第1番 ヘ短調 S.359/1 (原曲第14番)
第2番 ニ短調 S.359/2 (原曲第2番嬰ハ短調)
第3番 ニ長調 S.359/3 (原曲第6番変ニ長調)
第4番 ニ短調 S.359/4 (原曲第12番嬰ハ短調)
第5番 ホ短調 S.359/5 (原曲第5番)
第6番 ニ長調 S.359/6 (原曲第9番変ホ長調)ペストの謝肉祭

リスト:ハンガリー狂詩曲(管弦楽曲版)【ディスク情報】

1960年~75年 カラヤン ベルリン・フィル G
1960年 ドラティ ロンドン交響楽団 Mercury
1963年 バーンスタイン ニューヨーク・フィル SC
1984年 マズア ゲヴァントハウス管弦楽団 Ph
1988年 メータ イスラエル・フィル SC
1996年 ジュゼッペ・シノーポリ ウィーン・フィル G 
1993年 ショルティ シカゴ交響楽団 Dec 
1997年 フィッシャー ブダペスト祝祭管弦楽団 Ph

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